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健康まめ知識

寝る子の”頭”は育つ!?(2009年9月)

 

     
 
9月のテーマ:
寝る子の”頭”は育つ!?
  例年なら残暑が厳しい季節ですが、既に肌寒い夜も多く、早めの衣替えが必要になりそうな今年の秋。急激な気温の変化は体調にも影響を与えやすいので、気をつけて過ごしてください。さて、四季の移ろいには変調がありますが、すっかり日が短くなったのは正真正銘の秋を迎えた証拠。新学期もはじまり、学校へ通うお子様を持つ家庭にとっては、夏休みの生活リズムから普段のリズムに戻す時期でもあります。就寝時間と起床時間を見直して、早めに生活リズムを整えましょう。追い込みの時期に入る受験生にとっても、睡眠のリズムを整えるメリットは高いので、是非ご一読ください。
 
     

 

睡眠と勉強効率の関係
 
 「寝る子は育つ」という言葉があるように、睡眠が身体の成長に大切な要素であることはご存知の通り。以前は「四当五落」(4時間の睡眠で勉強する受験生は受かる、5時間も寝ているようでは落ちる)という言葉もありましたが、東大合格者のおよそ8割は受験勉強中にも7~8時間の睡眠をとっていたという調査結果もあり、寝る間を惜しんで勉強するのが効率的な勉強法とはやはり言えないようです。アメリカのブラウン大医学部の研究でも、小学生の睡眠不足は記憶力・集中力の低下など学習能力に悪影響を与えると発表されており、身体の成長だけでなく脳の成長にとっても睡眠は重要と言えるのです。

また、睡眠には「身体と脳を休める」はたらきだけでなく、「記憶を定着させる」はたらきもあるそうです。そして、このはたらきが現れるのはノンレム睡眠と呼ばれる深い眠りの時間帯で、ノンレム睡眠を得るためには最低6時間の睡眠時間が必要とも言われています。つまり、勉強したこと、暗記したことをしっかり覚えるためにも、徹夜の勉強や一夜漬けは避け、毎日きちんと睡眠をとることが大切なのです。

 

睡眠障害は現代病?
 
 睡眠障害と聞くと「眠りたいのに眠れない」という症状を思い浮かべますが、すっきり目覚められない覚醒障害なども、睡眠障害のひとつ。その原因はさまざまですが、多いものは「生活(睡眠)リズムの乱れ」と「睡眠環境」のようです。生活(睡眠)リズムの乱れから起こる睡眠障害は「概日リズム睡眠障害」と呼ばれ、生体リズムに逆らったスケジュール(夜勤や交代制勤務など)での生活が引き起こす睡眠障害や、生体リズムそのものの変調によって睡眠と覚醒のタイミングが慢性的にずれてしまう睡眠相前進(後退)症候群などがあります。

夜型の生活のほうが勉強や仕事がはかどる、という人も多いかもしれませんが、人間の生体リズムは本来太陽と共にあるもの。夜眠り、太陽の光で目覚めるという”あるべきリズム”を意識して、就寝時間と起床時間を見直してみましょう。

   
正しい睡眠環境は、身体のはたらきも整える
 
 睡眠が脳の成長、記憶の定着に大切なはたらきを持つことを先に紹介しましたが、正しい姿勢での睡眠は、身体のはたらきを整える効果も期待できます。これは、例えば毎日6~8時間の睡眠をとるとして、その間に背骨のゆがみを整えるという考え方です。姿勢の悪い人や、デスクワーク・立ち仕事などで身体の一部に負担をかけ続けている人などは、日中背骨がゆがんでいる状態。背骨は全身の器官に通じる神経や血管の通り道なので、背骨がゆがむと神経や血管を圧迫し、各器官のはたらきに悪影響をおよぼしてしまいます。日中にゆがみが生じた背骨を、本来の形状に戻すためにも、毎日の睡眠は大切なのです。

ちなみに、背骨のことを考えるならふかふかのベッドやマットレスはNG。寝返りがうちづらく、身体が沈むのでかえって脊柱が歪曲してしまうこともあります。起きたときに身体に違和感がある、ぐっすり眠れないなどの悩みがある人は、寝具を見直してみるのもひとつの手です。

 
 
「芸術の秋」「食欲の秋」「スポーツの秋」など、秋に関する言葉が多くあるとおり、暑すぎず寒すぎず、過ごしやすい「秋」は何をするにも最適な季節。「秋の夜長」を上手に活かし、少し早めに就寝する習慣をつけてみてはいかがでしょうか?

 

 

2009年09月28日