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健康まめ知識

今年は大流行! 大人も気をつけたい手足口病(2011年9月)

 

     
 
9月のテーマ:
今年は大流行!

大人も気をつけたい手足口病

主に夏場に流行し、乳幼児や子供の手足や口内などに発疹ができる夏風邪の一種「手足口病(てあしくちびょう)」が西日本を中心に全国で大流行しており、1医療機関あたりの患者数は、1982年の調査開始以降、過去最多を記録しております。今年の手足口病は例年の症状とは異なり、高熱や大きな発疹が広範囲に現れるため、水痘などと誤診され、深刻な状態に陥る場合もあり注意が必要です。子供から大人に移ることもある手足口病。この秋から冬にかけて東日本でも発生が予想されていますので注意が必要です。

 
     

 

手足口病の原因と症状
 

子供や乳幼児を中心に発症する「手足口病」はウィルスが原因によって起こる感染症で、主にコクサッキーウイルスA16、エンテロウイルス71(EV71)です。原因となるウイルスが数種類あるので、何度もかかることがあります。(今年は「コクサッキーA6」が多く検出されています)せきやくしゃみなどの飛沫や便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することで知られています。

潜伏期間は3~4日程度で、口の中や手のひら、手の甲、足底、足の甲、臀部などに2~3ミリ大の水疱性の発疹が出たり、38~40度程度の高熱が出ることもあります。口の中の発疹は潰瘍になるため、激しく痛むことがあります。水疱は3~5日ぐらいで消えてしまい、あとが残ったりすることはありません。ほとんどは、1週間から10日程度で完治しますが、まれに髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症のほか、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など、さまざまな症状が出ることもあります。

今年の手足口病の特徴はひとつひとつの水疱が大きく、全身に広がる傾向があり、高熱をともなう症状も見られます。抗体がなければ子供から大人へと移るため、お子さんから発症し、両親へ感染するケースもあるそうです。



   
有効な治療はない?
 

手足口病には根本的な治療薬は現代医学ではありません。発熱、頭痛、口腔内の潰瘍の痛み等のそれぞれの症状に対する対処療法が中心です。発疹や発熱だけですと、家で安静にしていればほとんどが自然に治りますが、高熱や頭痛、おう吐がある場合は小児科か大人なら皮膚科を早めに受診してください。

口の中にも水疱ができた場合、物を食べる時に痛がることがあるので、熱い食べ物や刺激のあるものは控えたほうがよいでしょう。食欲が無い時は脱水症状を防ぐために、ジュース、アイスクリーム、ヨーグルトなどののどごしのよいものがおすすめです。

   
清潔にすることで予防
 

手足口病のウイルスは、手を介して口に入りますので、外遊びや外出先から帰宅した後や食事の前、トイレの後などはきちんと手洗いやうがいをすることが大切です。便による感染力は長く2~4週間にわたってウイルスが排出されるため、排便後はしっかり手洗いする必要があります。かかってしまったら人との接触を少なくし、飛沫感染を防ぐためにマスクをするのも効果的です。プールや入浴施設へ行くのも避けたほうがいいでしょう。

 

 

2011年09月28日