寒い時期も水分補給が大切!水を飲んで冬の脱水予防(2020年3月)
脱水といえば夏の健康被害というイメージがないでしょうか? 実は、寒い季節にも脱水は起こります。健康維持や風邪予防につなげるために、こまめな水分補給を心がけましょう。
◆水分補給は寒い冬にも必要です
まだ寒い日が続いています。主に手足や体の冷えが気になるこの時期、つい忘れがちになるのが水分補給です。暑さからたくさんの汗をかく夏には、多くの方が脱水予防に努めているのではないでしょうか。その一方で、冬の脱水は見落とされやすいといえます。
たとえ寒くて汗をかかないとしても、冬場は排泄にともない水分が失われています。特に、暑さが去ってから水を飲む量が極端に少なくなった方は要注意。引き続き積極的に水分補給を行ってください。ここからは、冬の水分補給の重要性についてお伝えしていきます。
◆寒い時期に起こる脱水とは?
もともと空気が乾燥しやすい冬。さらには、使用している暖房器具の影響でさらに湿度が低くなることがあります。このような環境で生活を続けていると、体の表面にある皮膚や粘膜、そして呼気から水分が失われてしまうのです。
また、夏と比べて自然と水分を摂取しにくいのも、冬に脱水が起こる要因となります。寒いと喉が渇いたのを実感しにくく、水分補給を怠りやすいためです。ほとんど汗をかかないため、あまり水を飲みたくないと感じる方もいらっしゃるでしょう。
それだけでなく、冬に流行する風邪や感染症で体調を崩して下痢・嘔吐・発熱などの症状が出た場合も、多くの水分が失われます。このように、体から失われる水分が多いにもかかわらず水分補給を行わないと、脱水が起こるおそれがあります。
水分が不足すると、血行が悪くなり冷えにつながったり、血液の粘度が高まり脳卒中や心筋梗塞といった病気のリスクが高くなったりすることも。寒い時期でも体が必要とする水分を積極的に摂り入れて、健康的な生活を続けたいですね。
◆風邪予防にも水分補給が大切
冬場のこまめな水分補給が推奨されるのには、実はほかにも理由があります。それは、風邪予防とかかわりがあるためです。ウイルスが私たちの喉の粘膜に付着すると、風邪を引き起こします。このとき、水を飲むことでウイルスが胃に流れると、風邪予防につながります。
人間の胃袋には、強力な酸性の胃酸があります。胃に流れたウイルスは、その後に胃酸で死滅します。こまめに水分を摂れば、その分ウイルスが喉の粘膜に付着したままになりにくいというわけです。目安としては、30分間に1回の頻度で一口の水を飲みましょう。
また、気道の壁にある「線毛」は、喉から入った異物が肺に侵入するのを防ぐ役割があります。この線毛の弱点は乾燥です。乾燥により線毛が本来の働きをしにくくなると、ウイルスが体内に入り込みやすくなってしまいます。
線毛の乾燥を防ぐためには、マスクをしてのどの乾燥を防ぎ、こまめな水分補給を行うことが大切です。風邪や感染症が流行する冬は、日々の健康維持のために水を飲みましょう。
◆冬におすすめしたい水の飲み方
寒い冬には、冷たい水を飲みにくいといえます。そのため、水分補給では温めた水である「白湯(さゆ)」を摂るのがおすすめです。お湯を沸かしたり、高温の水が出るウォーターサーバーを利用したり、温かくて飲みやすい温度の水を用意すると良いでしょう。
1日に摂取する理想的な水の量は2.5Lといわれます。このうち、飲み水から取り入れる分は2Lが目安です。一度に2L近くの水を摂るのは難しいため、コップ1杯の水をこまめに摂るイメージをしましょう。夏場と同様に、意識して水分補給を行ってください。
冬におろそかになりがちな水分補給。水不足は冷えや病気のリスクにかかわるため、寒い日には温かい水を飲んで健康にお過ごしください。