一般財団法人 茨城県メディカルセンター

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疲れがなかなか取れないのはなぜ?脳疲労に気づいて体調を整えよう(2017年9月)

 

そこまで動いているわけではないのに、なぜか疲れが取れないということはないでしょうか? 疲れがなかなか取れないのは体ではなく、脳が疲れていることが原因かもしれません。情報量が圧倒的に増え、ストレス社会と呼ばれるようになった現代は、脳がとても疲れやすい時代です。脳が疲れていると、日常生活に支障をきたすようなさまざまな問題が出てきます。脳疲労には早めに気づいて、対処するようにしましょう。

 

 

◆脳疲労の兆候

体の疲れと違い、脳の疲れはなかなか自覚することができません。そのため、事態が深刻になってから初めて気づくというケースがよくあります。悪化を防ぐためにも、小さな症状を見過ごさないようにしましょう。

 

脳疲労の兆候としては、

 

  • イライラする
  • 夜中に目が覚める
  • 何事にもやる気が起きなくなる
  • あまり動いていなくても疲れる
  • 考えがまとまらない
  • 集中力が低下する
  • もの忘れが増える
  • ミスが増える
  • 記憶力が落ちる

 

などがあります。これらの症状が続くようなら、脳が疲れているのではないかと疑ってみてください。

 

また、教師・公務員・システムエンジニア・看護師・介護士といった職業の方は、脳疲労が起こりやすい傾向にあります。長時間労働が多く、理不尽なクレームを入れられることも多いため、どんどん脳に疲労が蓄積されてしまうからです。これらの職業に就いている方は特に注意して、自分の状態を振り返ってみましょう。

 

◆脳疲労の原因は情報の多さとストレス

脳疲労は情報が多過ぎることや、過度なストレスが原因で起こります。現在は、インターネットの普及で入ってくる情報量が昔に比べて圧倒的に増えました。それにより、脳のバランスが崩れやすくなっています。

 

大脳は理性を司る「大脳新皮質」と本能を司る「大脳辺縁系」に分けることができます。外からの情報は大脳新皮質で、感情や欲求のような内部の情報は大脳辺縁系で処理されています。しかし、外からの情報が多過ぎると、大脳新皮質だけが働くことになり、自律神経のバランスが崩れてしまうのです。このような状況が続くと、やる気が起きず考えが散漫になる慢性疲労の状態に陥りやすくなります。

 

また、ストレスがかかっているのに休みたい欲求を抑えることも、大脳新皮質と大脳辺縁系のバランスを崩すことにつながります。脳がストレスにさらされ続けると、本来の働きができなくなるので注意しましょう。

 

◆脳疲労を改善するためには睡眠が有効

脳を疲れさせるのは健康に良くないとはいえ、全く疲労させないのは難しいですよね。疲労を感じたときは脳を休めて、回復させましょう。

 

脳が休めるのは眠っているときだけです。そのため、脳疲労から回復するには睡眠をたくさんとるのが一番有効です。ただ、睡眠時間が長くても質が良くないとあまり疲れを取ることができません。良質な睡眠をとるために、午前中には太陽の光を浴びて夜眠りやすくし、寝る前にパソコンやスマートフォンを使うのは控えて、睡眠を阻害しないようにしましょう。その他には、軽い運動をしたり、温かい飲み物を飲んだり、目・首・肩を温めたりしても脳疲労を軽減できます、

 

注意が必要なのは、擬似回復ができるものです。コーヒー・アルコール・タバコ・糖分・エナジードリンクには、一時的に疲れが取れたかのように感じさせる効果がありますが、それは脳が錯覚しただけで、実際には疲労が残ったままです。脳を騙して頑張り続けていると、いつかは限界が来てしまいます。コーヒーやアルコールには頼り過ぎないようにしましょう。

 

脳が疲労していると、あらゆる場面での効率が落ちてしまいます。最近疲れが取れなくなったと感じるなら、なるべく睡眠時間を増やして脳を休めてみてください。脳の疲労が回復すれば、再び元気に活動できるようになるはずです。

2017年9月