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健康まめ知識

梅雨バテ・夏バテ対策に!薬味で整える初夏の体調管理術(2025年7月)

じめじめとした梅雨の季節は、なんとなく体が重く感じたり、食欲が落ちたりする方も多いのではないでしょうか。そんな時こそ取り入れたいのが、香りや辛味で食欲をそそり、体調も整えてくれる「薬味」です。薬味のパワーを味方につけて、この季節を元気に乗り切りましょう!

◆薬味とは?健康にうれしい“名脇役”の魅力

薬味とは、料理の香りや風味を引き立て、味にアクセントを加えるために添えられる食材のことです。ねぎ、しょうが、大葉、みょうが、わさび、からしなどが代表的で、食卓では脇役として扱われがちですが、実は驚くほどの健康効果を秘めた“名脇役”でもあります。

薬味の多くは、香り成分や辛味成分によって食欲を刺激し、消化を助ける作用があります。さらに、抗菌作用や抗酸化作用を持つ成分も含まれており、昔から「食べる生薬」として薬膳や養生料理の中でも重宝されてきました。

このように薬味は、味覚を楽しませるだけでなく、体調管理や不調の予防にも役立つ頼れる存在といえます。とくに気温や湿度の変化で体調を崩しやすいこの季節には、積極的に取り入れたい食材といえるでしょう。

◆初夏にこそ取り入れたい!薬味の種類と健康効果

梅雨入り前後は、気温や湿度の変化が大きく、体調を崩しやすい時期です。そんな季節にこそ、日々の食事に「薬味」を積極的に取り入れるのがおすすめです。ここでは、初夏にぴったりな薬味とその効果についてご紹介します。

◎しょうが:体を温め、胃腸を整える

しょうがに含まれるジンゲロールやショウガオールには、血行を促進し、体を内側から温める働きがあります。これにより、冷房や梅雨寒による冷えやむくみの改善が期待できます。
さらに、胃腸を整える作用もあり、梅雨時期に感じやすい食欲不振や胃の重だるさにも効果的です。すりおろしてスープや炒め物に加えるなど、日常的に使いやすい薬味です。

◎ねぎ:殺菌作用&疲労回復

ねぎに豊富に含まれるアリシンには強い抗菌作用があり、風邪予防や食中毒対策としても重宝されてきました。
また、ビタミンB1と一緒に摂取することで、糖質をエネルギーに変える働きが活性化し、疲労回復にも効果を発揮します。冷奴や味噌汁のトッピングとして手軽に取り入れられる点も魅力です。

◎みょうが:自律神経を整える

みょうがの香り成分α-ピネンなどには、気分をすっきりさせ、自律神経を整える働きがあります。蒸し暑さでボーっとしがちな頭をシャキッとリフレッシュしてくれるでしょう。
さらに、胃の働きを促し、食欲不振やストレス性の不調にも有効です。刻んで冷たい麺類に添えたり、甘酢漬けにしたりするのもおすすめです。

◎大葉:解毒&免疫アップ

大葉(しそ)は、βカロテンやビタミンCなどの抗酸化成分を多く含み、体内の活性酸素を除去して免疫機能をサポートします。解毒作用やアレルギー症状の軽減にも効果が期待される薬味です。
また、豊かな香りには食欲増進効果もあり、夏バテ防止にも役立ちます。巻いたり刻んだりして、さまざまな料理に応用できます。

◎わさび・にんにく:殺菌&血流促進

わさびやにんにくは、抗菌・殺菌作用に優れ、食中毒対策として古くから活用されてきました。にんにくに含まれるアリシンは血流を良くする作用があり、冷え性や肩こり、疲労感の改善にもつながります。
また、わさびに含まれるイソチオシアネートには抗酸化・抗炎症作用があり、健康維持を幅広くサポートしてくれます。

◆薬味の上手な取り入れ方

薬味は、毎日の食事にほんの少し加えるだけで、風味が豊かになるうえに体にもやさしい“プラスα”の食材。とくに冷たい料理が増える夏には、薬味の香りや刺激がアクセントとなり、食欲をサポートしてくれます。

たとえば、冷奴にしょうがやねぎをたっぷりのせたり、そうめんや冷しゃぶにみょうがや大葉を添えたりするだけで、いつものメニューがぐっと爽やかに変身します。薬味が持つ消化促進や抗菌作用なども、暑さで疲れた体にうれしい効果です。

さらに、複数の薬味を刻んで混ぜた「薬味だれ」を作っておくと便利です。しょうが・大葉・みょうが・ねぎなどを刻んで、醤油やポン酢、ごま油などと合わせるだけで完成。冷しゃぶや冷奴、焼き魚などにかけるだけで、手軽に薬味の風味と健康効果が取り入れられます。忙しい日でも、簡単に“食べる養生”が叶います。

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薬味は単なる料理の引き立て役ではなく、体調を整える“食べる養生”としても頼もしい存在です。初夏の気温や湿度の変化で不調を感じやすい時期こそ、薬味の力を上手に取り入れてみましょう。
無理なく毎日の食事にプラスするだけで、自然と健康的な食生活につながります。梅雨や夏本番を元気に乗り切るための小さな習慣として、ぜひ今日から意識してみてください。
薬味の香りや味わいを楽しみながら、季節の変わり目を快適に過ごすヒントを見つけてみてはいかがでしょうか。

2025年7月