画像

健康まめ知識

七草がゆの由来と健康効果とは?新年の伝統を手軽に楽しもう(2025年1月)

お正月の食べ過ぎや疲れた胃腸を労わる、日本の伝統食「七草がゆ」。その起源は古く、七草にはそれぞれ特別な意味や驚くべき健康効果が秘められています。ただの行事食と思われがちな七草がゆですが、その魅力を知れば、よりおいしく新年の健康を楽しめるでしょう。この記事では、七草がゆの由来や健康効果、そして簡単に作れる方法をご紹介します。

◆七草がゆの由来

七草がゆは、1月7日の「人日(じんじつ)の節句」に食べられる日本の伝統的な行事食です。その起源は平安時代までさかのぼり、中国から伝わった五節句の風習が日本の風土に合わせて形を変えたものとされています。古くから、七草がゆを食べることで無病息災を祈り、健康を願う文化が受け継がれてきました。

七草がゆに使われる七草には、それぞれ意味があります。たとえば、セリは「競り勝つ」、ナズナは「撫でて汚れを落とす」といった願いが込められているのです。そのほか、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ(カブ)、スズシロ(大根)を合わせて「春の七草」と呼びます。これらは冬の厳しい時期でも栄養を補える食材としても注目されてきました。

このように、七草がゆには季節の節目を祝いながら、健康や繁栄を願う日本の豊かな伝統が息づいています。

◆七草がゆの健康効果

七草がゆは、新年の疲れた胃腸を休めるだけでなく、七草それぞれの栄養素が体に多くの恩恵をもたらします。ここでは、七草を食べることで得られる、それぞれの健康効果をご紹介します。

セリ

ビタミンCが豊富で免疫力を高める効果があります。血液循環を促進し、風邪予防や疲労回復にも役立ちます。

ナズナ

カルシウムやカリウムが含まれ、骨の健康をサポートします。利尿作用もあり、体内の水分バランスを整えます。

・ゴギョウ(ハハコグサ)

喉の炎症を和らげる効果が期待され、風邪を引きやすい時期にもぴったりです。昔から薬草として親しまれています。

・ハコベラ(ハコベ)

鉄分が含まれ、貧血予防に役立ちます。また、胃腸を整える効果もあるとされています。

ホトケノザ

食物繊維を含み、腸内環境を整える効果があります。便秘解消に役立つ健康的な食材です。

スズナ(カブ)

消化を助け、胃腸の負担を軽減します。ビタミンCや食物繊維も豊富で、冬の栄養補給に適しています。

・スズシロ(大根)

消化酵素が含まれており、胃腸の働きを活発にします。お正月の暴飲暴食で疲れた胃腸を優しくケアします。

◆七草がゆの作り方

七草がゆは、シンプルな工程で作れる伝統的な料理です。ここでは、忙しい現代人でも簡単に作れる方法をご紹介します。

基本の作り方

  1. 米を準備
    お米1合を軽く洗い、炊飯器や鍋で通常の3倍量の水を使ってお粥を炊きます。時間がない場合は、冷ご飯を使うのもおすすめです。
  2. 七草を下ごしらえ
    市販の七草セットを使うと便利です。軽く水で洗い、熱湯をかけてアク抜きし、食べやすい大きさに刻みます。
  3. 仕上げ
    炊き上がったお粥に刻んだ七草を加え、軽く混ぜてひと煮立ちさせます。味付けは薄めの塩で調えるのが一般的です。

【アレンジ例】

  1. 洋風七草がゆ
    チーズやコンソメスープを加えると、まろやかな味わいに。バターをひとかけら加えるとさらにコクが出ます。
  2. 雑穀入り七草がゆ
    お米に雑穀を混ぜて炊くと、栄養価がさらにアップします。噛みごたえがあり満足感も得られます。

***

七草がゆは、新年に疲れた胃腸を休め、体に必要な栄養を補える伝統的な健康食です。セリやナズナなどの七草には、それぞれ意味や栄養素があり、無病息災を願う日本の豊かな文化が息づいています。市販の七草セットを活用すれば手軽に作れ、アレンジ次第で家族みんなで楽しむことも可能です。新年は、この素朴で優しい味わいを通じて健康的な一年をスタートさせてみてはいかがでしょうか。ぜひ七草がゆを食卓に取り入れて、新年の伝統を楽しみましょう!

2024年12月