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まめ知識カテゴリ: 筋肉・肥満

筋肉疲労・筋肉痛の回復促進栄養素(2004年9月)

 

筋肉疲労・筋肉痛の回復促進栄養素
社団法人 茨城県栄養士会
管理栄養士 近藤 郁文
 
 
 
食欲の秋到来!!また運動会シーズンにもなります。運動不足のため筋肉痛に悩まされた経験を、ほとんどの方が持っているのではないでしょうか?

筋肉疲労や筋肉痛の軽減、回復を手助けする食事、栄養素について紹介します。

    筋肉疲労が起こるメカニズム
     筋肉疲労の主な原因として、筋肉中のエネルギー源(主にグリコーゲン)が消耗すること、および乳酸などの疲労物質が蓄積することがあげられます。

筋肉中のグリコーゲンとは、筋肉に蓄積されているブドウ糖ですが、激しい運動をするとおよそ1時間ほどでほとんど使い切ってしまいます。からだ全体のエネルギー源としては脂肪を貯えていますが、グリコーゲンが枯渇すると筋肉は脂肪も使えなくなりますので、筋肉が上手く動かなくなります。

一方、激しい筋肉の収縮では、筋肉への酸素の供給が間に合わないので、主なエネルギー源であるブドウ糖は不完全燃焼します。その燃えかすが乳酸です。筋肉に乳酸が蓄積されると、筋肉の細胞内が酸性化され、エネルギーを生産できなくなってしまいます。すなわち疲労します。

    筋肉痛について
     筋肉に強い負荷がかかったり、普段使っていない筋肉を使うと、その翌日以降に筋肉痛が発生します。この筋肉痛の原因は、筋肉に負荷がかかることによって筋肉が損傷し、その部分に炎症が起こるためと考えられています。
    筋肉疲労の回復を促進する栄養素
 
運動後なるべく早く糖分とクエン酸(レモンや梅干しに含まれる酸味の成分)を摂取しましょう。

これによって、グリコーゲンの回復が促進され、また同時に乳酸の解消も促進されます。

ビタミンB群は、体内でエネルギーを生産するのに必須のビタミンで、豚肉(B1)、豆類(B1、B6)、牛や豚の肝臓(B2、B6、B12)、卵(B6)に比較的多く含まれています。
   
    筋肉痛を和らげる栄養素
     運動前後や運動中にアミノ酸を摂取しましょう。アミノ酸にはたくさんの種類がありますが、筋肉痛の軽減に効果的なアミノ酸としてBCAA(分岐鎖アミノ酸)が知られてます。正確な有効摂取量はわかっていませんが、4g程度のBCAA摂取が目安です。BCAAは、肉や魚、乳製品や卵などに多く含まれています。
 
 
 
○食品可食部100g当りのBCAA量 (mg/100g)
 
 
100g当り
たんぱく質
 
 
精白米
 6.8
糸引納豆
16.5
ほんまぐろ・

赤身 

28.3
あさり
 8.3
 
牛・ひき肉
17.9
豚・ひき肉
18.2
鶏卵・全卵・生
12.3
 
プロセスチーズ
22.7
 
トマト
 0.7
オレンジ
 0.9
 
BCAA
合 計
 
イソロイシン
ロイシン
バリン
 290
 570
 430
1,290
 260
 440
 290
 990
 
1,300
2,100
1,400
4,800
 300
 520
 330
1,150
 790
1,400
 850
3,040
 770
1,300
 870
2,940
 680
1,100
 830
2,610
1,200
2,300
1,600
5,100
  15
  24
  17
  56
  16
  28
  22
  66
 
[改訂 日本食品アミノ酸組成表]
 
BCAAとは・・・
 
私たちのからだの約18%はたんぱく質です。そのたんぱく質を構成しているのが約20種類のアミノ酸で、体内で合成できるものとできないものに分けられ、合成できないアミノ酸は食事から摂る必要があるので、必須アミノ酸といわれています。中でも、筋肉をつくるのに重要なアミノ酸はイソロイシン、ロイシン、バリンで、この3つのアミノ酸を総称してBCAA(Branched Chain Amino Acid)と呼んでいます。
    普段から全身運動を習慣的に行ない、からだの全体の血行を良くしましょう。血行が良ければ筋肉に乳酸がたまりにくくなりますし、乳酸の代謝も早くなります。十分な準備運動も心がけましょう。
 
 
 
     
     

 

 

生活習慣病予防の食生活(2004年5月)

 

生活習慣病予防の食生活 社団法人 茨城県栄養士会
取手協同病院 管理栄養士 小林 君枝
 
    以前は「成人病」、今は「生活習慣病」
     糖尿病、高脂血症、高血圧症などは成人になるとよく発病することから以前は成人病と呼ばれていました。しかし、最近は食生活や運動などの生活習慣がその発生や進展に大いに関係していることや小学生にも見られるようになり、生活習慣病と呼び改められるようになりました。
    こんな生活習慣がアブナイ!
     生活習慣でもとくに食事、運動、休養、喫煙、飲酒の習慣が病気の鍵を握っています。自分の生活が以下のような項目にいくつ当てはまるか、見直してみましょう。当てはまる項目が多いほど、危険です。
   
こんな生活が危険を招く!
1
仕事が忙しく、外食が多い
6
塩分の多いものをよく食べる
2
朝食を抜くことが多い
7
運動をあまりしてない
3
食事時間が不規則で、間食、夜食が多い
8
ストレスがたまっている
4
ジュースや甘いものをよく口にする
9
たばこを吸う
5
脂っこいものをよく食べる
10
毎日、アルコール飲んでいる
   

どの項目に○がつきましたか? 自分でできるところから改善していきましょう。

    肥満は万病のもと
   
体格指数(BMI)を用いて自分の体重を確認してみましょう!
 
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
 
 
 
   

例:身長165㎝、体重70kgの場合
⇒ BMI=(70kg)÷(1.65m)÷(1.65m)=25.7

BMIが18.5~25だったら正常、25以上の方は肥満です。

    生活習慣病を予防する食事のポイント
    バランスのとれた食事を
      好き嫌いをなくし、いろいろな食品1日30品目を目標に食べるとバランスのとれた食事になります。
   

肉より魚を多めに

      とくに青魚(さば、いわし、あじ、さんまなど)は血液をサラサラにしてくれる作用があります。
    塩分は1日10g以内に
      醤油、味噌、塩などの調味料の使いすぎに注意!
    甘いもの、油っこいもの、アルコールは控えめに
      これらはちょっとでも高エネルギー、とりすぎは要注意!
    野菜はたっぷり
      ビタミン、ミネラル、食物繊維はいっぱい含まれていて、生活習慣病予防に最適。