冬場にご自宅の寒暖差が気になることがないでしょうか?
リビングから廊下へ出たとき、浴室から脱衣所へ出たときなどに強い冷えを感じるときは、ヒートショック対策を始めましょう。今回は、寒い季節に気をつけたいヒートショックのリスクと対策をご紹介します。
◆ヒートショックとは?
冬場によく起こる健康被害としてよく話題にのぼる「ヒートショック」。そんなヒートショックとは、急激な温度差が原因で血圧に大きな変動が生じ、さまざまな病気のリスクが高まることを指します。例年、秋頃から被害が増え始め、ピークは1月頃。風呂場やトイレでの事故が多く、特に65歳以上の高齢者や生活習慣病患者の方は注意が必要です。
ヒートショックにより血圧が大きく変動すると、心筋梗塞・脳卒中・不整脈などを引き起こすリスクが高まります。入浴中にヒートショックが起こった場合には、浴槽内で倒れることによる溺死の危険性も無視できません。なお、年間の入浴中の死亡者数は全国で約14,000人といわれていますが、このうち大部分はヒートショックが原因だと考えられています。
このように、ヒートショックは急死につながるケースもあり、決して軽視できない症状です。被害が起こりやすい場面を理解するとともに、秋から冬にかけて対策を始めましょう。
◆ヒートショックが起こりやすい場面
ヒートショックによる事故が起こりやすい場所として、主に浴室・脱衣所・トイレが挙げられます。たとえば、温かい居間から寒い脱衣所へ移動し、寒い脱衣所から浴室へ移動し、熱い湯船に浸かるような場面はその一例です。急激な温度差で血圧が上下し、ヒートショックを起こす危険性があります。気温の低いトイレでも同様のことが起こりえます。
さらに、ヒートショックは浴室やトイレ以外で起こることもあるため、注意しておきましょう。たとえば、温かい居間から寒い廊下に移動したときに血圧が上下してしまうケースも珍しくありません。冬場は、暖房を入れた部屋と入れない部屋とで10度以上の温度差が生じることもあり、身近な場所にヒートショックの危険が潜んでいるといえます。
◆今からできるヒートショックの対策
ヒートショックによる健康被害や死亡事故を防ぐために、今からできる対策をご紹介します。気温が下がり始めたら意識的に取り入れてみてください。
・脱衣所に暖房器具を設置する
浴室と脱衣所に温度差があるときは、脱衣所に暖房器具を設置して、部屋と部屋の温度差をできるだけ少なくすると良いでしょう。あるいは、浴室の扉や浴槽の蓋を開けておくことで、脱衣所との温度差を和らげる方法もあります。脱衣所だけでなく浴室も冷える場合には、シャワーでお湯はりをして、浴室全体を温めるのも効果的です。
・浴槽に入る前に手足を温める
浴室に入ったとき、いきなり浴槽に入り全身を温めると、心臓に負担をかけやすくなります。まずは心臓から遠い手足にお湯をかけて、部分的に温めてから少しずつ体を慣らしましょう。また、お湯の温度が高すぎるのも好ましくありません。温度は38~40度を目安にして、長時間浴槽に浸かりすぎないようお気をつけください。
・入浴前の食事や飲酒を控える
食事を摂った直後は消化器官に血液が集まるため、血圧が下がりやすくなります。また、飲酒をすると血管が拡張して血圧が下がりやすく、かつ体の反応が鈍くなります。このような状態での入浴は体への負担が大きく、血圧の変動によるヒートショックのリスクが高まるため注意が必要です。食事や飲酒は入浴後にするよう心がけましょう。
意外と身近にある健康被害であるヒートショック。特に高齢者や生活習慣病患者の方は、入浴前にご家族に声がけを行うなど、万が一の事態に備えておくことが大切です。冬場によくある危険についてよく理解し、日々健康にお過ごしください。
食後に急激に血糖値が上がる状態を「血糖値スパイク」と呼びます。血糖値スパイクを放置すると、糖尿病や動脈硬化が引き起こされてしまう可能性があり、早めに対策することが必要とされています。こちらでは、血糖値スパイクの特徴や対策法についてお伝えします。健康維持のためにぜひお役立てください。
◆血糖値スパイクとは?
血糖値スパイクとは、食後に急激に血糖値が上昇する状態のことです。通常、血糖は空腹時は80~100mg/dl、食後は高くても140mg/dl以下で安定しています。しかし、血糖値スパイク状態になると、食後の血糖値が140mg/dl以上にまで急激に上昇してしまうのです。現在、成人の約20%が、このような血糖値スパイク状態であると言われています。
血糖値スパイクになると、糖尿病にかかるリスクが高まります。糖尿病とは、空腹時の血糖値が126mg/dl、食後の血糖値が200mg/dlを超える状態を指します。つまり血糖値スパイクの方は、糖尿病の予備軍になってしまっているのです。
また、血糖値スパイクによって動脈硬化の危険性も高まります。動脈硬化とは、動脈が硬くなり、血管内部で詰まりが起こることによって血流が悪くなる状態のことです。血糖値スパイク状態が続くと、細胞から活性酸素が発生するようになり、細胞が傷ついてしまいます。そうすると動脈が硬くなり、心不全・狭心症・心筋梗塞・脳梗塞・脳出血・閉塞性動脈硬化症といった病気が引き起こされやすくなります。病気を防ぐためにも、血糖値スパイクには早めに対策することが必要です。
◆血糖値スパイクは気づかれにくい!
放置すると危険な血糖値スパイクですが、健康診断ではなかなか見つけることができません。なぜなら健康診断は空腹時に行われるため、血糖値スパイクの方も、正常な数値が出てしまうからです。血糖値スパイクを調べるためには、食後1~2時間の間に検査をすることが必要になります。病院の中には、検査の前にブドウ糖の入った甘い液体を飲んで、飲む前と後の血糖値を測定してくれるところもありますが、このような検査方法はまだ一般的ではないのが現状です。
また、血糖値スパイクは痩せている方でも起こります。ある調査では、痩せ型の20代女性のうち、5人に1人に血糖値スパイクが起きていることが分かりました。しかし、若い方や痩せ型の方で、血糖値スパイクを気にする方は多くありません。血糖値スパイクは、年代や性別に関係なく、全ての方が気にかけておくべき症状です。
◆血糖値スパイクを改善するには?
血糖値スパイクを防ぐには、食べる順番に気をつけることが効果的です。ご飯を食べる前に、副菜や主菜を食べることで、血糖値の急激な上昇が抑えられます。最初にご飯を食べてしまうと、少量であったとしても、血糖値は大きく上がってしまいます。しかし、野菜やきのこ、海藻といった野菜類から食べれば、血糖値の急激な上昇を抑えられるのです。
野菜類には食物繊維が豊富に含まれており、糖や脂肪を吸着してくれます。また、満腹感も感じやすくなるため、食べ過ぎを予防することにも役立ちます。血糖値スパイクが気になる方は、野菜から先に食べる習慣をつけましょう。
また、食後に適度な運動をすることも有効です。運動をすると血液中のブドウ糖類が筋肉のエネルギーとして使われるため、血糖値が下がります。食後30分~2時間の間に運動をすることで、血糖値スパイクを防ぐことができます。食事の後は、ウォーキングや体操といった緩やかな運動を行うようにしましょう。
健康診断で気づかれにくいですが、血糖値スパイクの状態になっている方は数多くいらっしゃいます。血糖値スパイクを放置すると、糖尿病や動脈硬化が引き起こされる可能性があり、危険です。食べる順番を工夫したり、食後に運動したりして、血糖値スパイク状態になるのを防ぎましょう。
目まい・動悸・息切れを引き起こす貧血。少し具合が悪くなるだけだからと言って放置してしまっている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、貧血は放っておくと重大な病気を引き起こす可能性もあり危険です。必要な栄養を摂って貧血対策をしましょう。
◆貧血の原因は鉄分が不足すること
貧血の7割は鉄分が不足することで起こる「鉄欠乏性貧血」です。
血液の成分である赤血球には酸素を運ぶ働きがあり、赤血球の中に含まれるヘモグロビンは酸素と結合することで、肺から取り込まれた酸素を体中に運んでいます。
ヘモグロビンを作るには鉄が必要なので、鉄が不足するとヘモグロビンも少なくなり、酸素の運搬が上手く行かなくなってしまうのです。すると酸素を体中に送ろうとして心臓や肺が激しく動き、動機や息切れが起こります。
鉄が不足してしまう原因には、過度なダイエットや偏食があります。また、女性の場合は毎月の生理や、妊娠中および授乳中に胎児や母乳に鉄分を取られてしまうことで、鉄欠乏性貧血を引き起こすことがあるので注意が必要です。
◆貧血を甘く見ると大変なことに
貧血の症状には、目まい・立ちくらみ・動悸・息切れ・食欲がなくなる・耳鳴りなどがあります。休めば一旦は回復しますが、そのまま放置してしまうと、重大な症状にもなりかねないので気をつけましょう。
慢性的に貧血が続くと、心臓は動く回数を増やし、より多くの血液を送って酸素を運ぼうとします。この状態が長期間続けば、心臓に負担がかかって心不全などのリスクを高めることになります。
また、大きな病気が原因で貧血が起こっていることも考えられます。胃潰瘍・十二指腸腫瘍・大腸がん・子宮筋腫などを患っていると、体内で出血が起きて貧血になることがあるのです。
さらに、貧血の多くを占める「鉄欠乏性貧血」以外の原因だった場合、病院での治療が必要になるかもしれません。血液中の白血球・赤血球・血小板が減少する「再生不良性貧血」や、ビタミンB12が欠乏することで赤血球が上手く作れなくなって起こる「巨赤芽球性貧血」、赤血球が破壊されることで起こる「溶血性貧血」などの場合は、早急に病院へ行って診てもらう必要があります。
このように貧血は大きな病気の原因や疾患のサインであることも考えられるので、放置しないようにしましょう。
◆貧血対策に鉄分を多く含むものを食べよう
貧血を治すためには、鉄分をたくさん含んだ食事を摂るのが有効です。鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。ヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に含まれる鉄で、体内への吸収率が高くなっています。一方、非ヘム鉄は植物性食品や、乳製品、卵に含まれており、吸収率は低いのが特徴です。非ヘム鉄の吸収率を上げるには、タンパク質やビタミンCと一緒に摂取するのが重要になります。
ヘム鉄を多く含んでいるのがレバーです。とくに豚レバーには多くの鉄分が含まれます。レバーにはヘモグロビンに鉄を渡す役目をする銅も多く含んでいるため、より効果的に貧血の対策ができます。レバーの他には、イワシやカツオなどにヘム鉄が含まれています。
非ヘム鉄を多く含む食材にはほうれん草・小松菜・ひじき・大豆・ドライフルーツなどがあります。非ヘム鉄を含む食材はそれだけ食べても吸収されにくいので、ビタミンCを多く含む野菜や果物と一緒に摂取しましょう。ビタミンCが多く含まれている食材にはブロッコリー・カリフラワー・じゃがいも・にがうり・苺・キウイフルーツなどがあります。
貧血のとき避けた方が良い食べ物もあります。コーヒー・ウーロン茶・紅茶などのお茶類には「タンニン」という成分が含まれていますが、こちらは鉄分の体内への吸収を妨げる働きがあり、貧血によくありません。貧血のときはコーヒーやお茶類を飲みすぎないようにしましょう。どうしても飲みたい場合は、比較的タンニンが少ない麦茶を飲むようおすすめします。
「森のバター」とも呼ばれるアボカドは、とても健康に良い食材です。老化の防止、体内のデトックス、血液をサラサラにするなど様々な効果があります。脂肪の燃焼にもよく、ダイエットにもおすすめの食べ物。ただ、果物の中ではカロリーが高い部類に入るので、食べ過ぎには注意が必要です。今回は、アボガドの持つパワーと、食べるときの注意点についてご説明します。
◆アボカドに含まれる栄養素の紹介
アボカドは果物の中で最も栄養価が高いといわれる食材です。皮膚の新陳代謝を高めてシミやそばかすを防止してくれるビタミンEや、皮膚や粘膜の正常保持効果があるビタミンA、免疫力アップや、コラーゲンの生成を促進してくれるビタミンCなどが豊富に含まれています。これらの成分を取るとアンチエイジング効果も期待できます。
ビタミン以外の栄養素にも着目。アボカドのコエンザイムQ10には生活習慣病予防や美肌効果があり、カルシウムやリンには骨を強くする働きがあります。さらにグルタチオンという成分には解毒を促進させて肝臓を助ける働きがあるので、飲酒・喫煙で疲れた肝臓を癒す力も。また、アボカドに含まれるビタミンEの抗酸化作用はがんの予防、プロトカテク酸にはがん細胞の増殖を抑制する効果があるといわれています。
アボカドには脂肪分が多いですが、体に良いタイプの脂肪なので摂っても問題ありません。
アボカドにはリノール酸やオレイン酸、リノレン酸といった不飽和脂肪酸が含まれています。これには悪玉コレステロールを抑える働きがあるので、むしろ体にとっていい働きが期待できるでしょう。コレステロールの吸収を抑えられると血液がサラサラになり、動脈硬化の予防につながります。アボカドを一つ食べるだけで、これだけ多くの栄養素を摂取することができるのです。
◆デトックス効果もあり、ダイエットの食事にもおすすめ
アボカドにはさらに、デトックス効果も期待できます。アボカドにはゴボウ1本分もの豊富な食物繊維が含まれていますが、食物繊維には腸内の環境を良くしてくれる効果があるので、便秘に悩む人には心強い味方です。またアボカドに含まれるカリウムには、摂り過ぎたナトリウムを尿として排出してくれる働きも。余分なナトリウムが体内から出ていくことで、高血圧の予防にもつながります。現代は塩分過多の食事が問題視されますので、カリウムは積極的に摂っておきたい成分の1つです。
また、脂肪を燃焼してくれるうえに満腹感も高いのでダイエットにも適している食材です。アボカドに含まれる消化酵素やオレイン酸には脂肪を分解、燃焼させる効果があります。運動の前にアボカドを口にすれば、効率よく脂肪を吸収・消化できるでしょう。食べ方として、バターの代わりに使うのがおすすめ。パンを食べるときなどにバターを塗る代わりアボカドを塗って、カロリーを抑えてみてください。
◆難点は高カロリー。食べ過ぎに注意!
満腹感を得られ、栄養価も高い夢のような食材のアボカドですが、高カロリーという難点もあります。アボカドは1つ220キロカロリーと、ご飯1杯分くらいのカロリーがあるので、ご飯も同じように食べていては、カロリーの過剰摂取につながります。適度なカロリー摂取を心がけるのであれば、普段からごはん1杯分減らす食事を意識してみてはいかがでしょうか。もしくは切って半分だけ食べる、という食べ方もいいかもしれません。カットしてある場合でもきちんとラップで包めば、冷蔵保存で2日程持つので、小分けに食べることも可能です。
果物を食べ過ぎて太るということは滅多にありませんが、アボカドの場合は果物の中でもカロリーが高い種類なので要注意です。しかし、健康効果はとても高いので食べ過ぎない範囲でぜひ取り入れてみてください。
テレビや雑誌などでよく取り上げられるリンパマッサージ。しかし、具体的にどういうものなのか分からない人も多いのでは?リンパは老廃物の除去や健康的な肌作りに重要な役割を担っていますが、滞りやすいという欠点も。そこで、リンパの働きをよくするためのマッサージが重要なのです。ここでは、リンパマッサージの詳しい効能と、自宅でやるときの注意点についてご紹介します。
◆リンパとは?
リンパとは、血液と同じように体中に存在するものです。全身に張り巡らされているのがリンパ管。その中を流れている血しょうの一部で、リンパ管に吸収されたのがリンパ液。そして、全身の要所にある、リンパ管が合流している部分をリンパ節と呼びます。これらを総称したものがリンパです。リンパの働きは、老廃物の回収と排泄、細菌の退治など。また、ウイルスなどへの抗体を作ったり、異物や細菌を除去したり、健康を維持するうえでさまざまな機能を備えています。
血管と同じように体中に張り巡らされているリンパですが、その役割は全く異なります。血管が酸素と栄養を運ぶのに対して、リンパ管は不要物を運ぶごみ箱のような存在です。また、血液は心臓をポンプとして自動的に全身に流れてきますが、リンパは筋肉の動きによって自発的に流れています。そのため、リンパの停滞は運動不足の人に多く見られます。
リンパマッサージは、溜まった老廃物を流して、体のリンパの流れを改善するマッサージです。不要物がなくなれば、健康や美容にさまざまな効果が期待できます。
◆便秘、冷え症、ダイエットに効果を発揮
まずは便秘。痛みがないので油断しがちですが、お通じが悪いと頭痛や食欲不振、肩こりや腰痛の引き金になることがあり、見逃せない症状です。便秘とリンパには密接な関係があるので、マッサージで改善できる可能性があります。腸回りのリンパに刺激を加えると、腸の働きが活性化されて、排便が促されるのです。便秘解消が目的の人は、腰回りと下腹部のマッサージを行いましょう。
冷え症の人にもリンパマッサージは効果的です。冷え症は慢性化すると、ホルモンバランスが崩れて老化を早めたり、免疫力を低下させたりするなど、さまざまな問題を起こします。リンパマッサージは、下半身を重点にし、広い範囲で定期的に行うことが有効です。ふくらはぎや足裏、足首などをマッサージしましょう。休憩時間などにぜひ試してみてください。
ダイエットにも効果が期待できるかもしれません。リンパマッサージをすると、リンパの流れだけでなく、血液の流れもよくできます。体が活発になり、基礎代謝が上がるので、痩せやすい体が作れるでしょう。また、マッサージでリンパの流れを良くすれば、老廃物が外に流れてむくみを取ることができるので、見た目が痩せて見えることも。体型が気になる方は、ぜひトライしてみましょう。
◆セルフマッサージの注意点
リンパの流れはとても穏やかなので、あまり早くマッサージしてはいけません。心臓から出て行ったリンパ液がまた心臓に戻ってくるまでには12~24時間かかります。血液は1周40秒程なので、比べるとリンパの流れはとても遅いことが分かります。リンパ液は1秒で1センチほどしか進まないので、リンパマッサージはゆっくりと一定の速度で行うのが理想的です。
また、早く効果を出したいからといって、強くし過ぎてもいけません。リンパ液は皮膚の表面近くを流れているので、くれぐれも強い力で押さないように。あまり強く押しすぎると、逆にむくみや血行障害を引き起こす恐れがあります。1か所の所要時間は10~15分が目安です。一度にたくさんやらずに、こまめに行って毎日続けましょう。
リンパマッサージは病院の治療とは違うので、一度に劇的な効果が出るものではありませんが、続けると体質改善につながります。無理せずこまめに続けましょう。あまり力は入れず、さするようなマッサージを心がけてくださいね。
「コーヒーを飲むと高血圧症になるよ」といった噂を聞いたことはありませんか?確かに以前まで、コーヒーと高血圧症には密接な関係性があると考えられていました。しかし、近年の研究によると、こうした症状が起こる可能性は低く、むしろ血圧を下げてくれる場合がある、ということが分かってきています。
そこで今回は、コーヒーと高血圧症の関係について紹介するとともに、摂取する際にはどのようなことに気をつけるべきか?また、どんな症状が起こったら飲むのをやめるべきか?といった話題をお伝えします。大好きなコーヒーを安心して楽しむために、ぜひご覧ください。
◆「コーヒーは高血圧のもと」という噂について
まずは、なぜ「コーヒーを飲み過ぎると高血圧になる」という噂が広まっていたのかについて解説しましょう。これは、コーヒーに含まれるカフェインに理由があります。カフェインは刺激物です。そのため、摂取すると交感神経が優位に働くようになり、血圧上昇につながるのです。
受験勉強や残業などで、眠気覚ましや気合いを入れるためにコーヒーを飲んだ経験のある方も多いでしょう。気分が高まったり、やる気が出たりすることにつながるのは、こうしたカフェインの作用が理由です。しかし、そのせいで「コーヒー=高血圧症」という噂が広まってしまった、と考えられます。
◆コーヒーと高血圧症に関する研究結果
では果たして、本当にコーヒーを飲み過ぎると高血圧になるのでしょうか。実は、このことについて調査した研究がアメリカで行われています。
ある施設で高血圧症の約3万人の助成に12年間、コーヒーの摂取を習慣的に行ってもらい、それに伴う血圧上昇を調査したというこの研究。その結果はなんと、ほとんどの人にコーヒーと高血圧症の関連性が認められなかったのだとか。それだけでなく、なんと高血圧症になるリスクが低下した、という傾向についても分かったそうです。
「でも、これは外人の話でしょ?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。実は、こうした研究は日本でも行われています。
その研究は、飲酒習慣のある20~79歳の男性を対象に行われました。彼らをいくつかのグループに分け、コーヒーと高血圧症について調べた結果、なんとコーヒーを飲んだグループのほうが高血圧症の人の割合が少なかったそうです。
こうした事例を見てみると、コーヒーが高血圧症の原因になるとは考えられません。さらに言えば、高血圧症の予防に効果があるかもしれない、とも予想されます。なお、その理由のひとつに挙げられるのが、コーヒー豆に含まれるクロロゲン酸と呼ばれるポリフェノール。これには、血圧を下げる作用があるのだそうです。
◆飲み過ぎには十分ご注意ください
前項の結果を見ると、「コーヒーは高血圧症の予防につながるから、どんどん飲むべき」とお考えになる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それには少し注意が必要です。
どんなものでも、摂りすぎは良くありません。特に缶コーヒーには大量の砂糖が入っているものが多いため、飲み過ぎると肥満の原因になります。結果、血圧上昇を引き起こす可能性もあるので十分注意しましょう。また、カフェインの過剰摂取も基本的には厳禁。「カフェイン中毒」という言葉もあるくらいですから、飲み過ぎには注意が必要です。1日1~2杯程度が適量とされていますので、その分量を守りましょう。
なお、カフェインの過剰摂取によって以下のような症状が現れると非常に危険、と言われています。心当たりのある方は、コーヒーを飲む習慣について見直したほうが良いかもしれません。
- 胸がドキドキして、心拍数が上がる
- 胸焼けがしてくる
- 不安感が泊まらない
- 集中力がなくなって、考えがまとまらなくなる
- まぶたや筋肉にけいれんが起こる
- 手や指が震え出す
- 頭痛に見舞われる
- 喉が異常に乾く
- 寝つきが悪くなってくる
- 幻聴、幻覚が出る
コーヒーは決して健康に害を及ぼすものではありません。適量であれば、むしろ健やかな生活を後押ししてくれます。飲み過ぎには注意して、良い香りを楽しみながら愛飲するようにしましょう。