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まめ知識カテゴリ: 運動

スポーツと食事(2007年11月)

 

スポーツと食事

 
 
 
 
スポーツの秋!食欲の秋!読書の秋!・・・・・人によって秋の楽しみ方は様々かと思いますが,スポーツをするには絶好の季節です。心身の健康のためにも進んで体を動かしましょう。
 
スポーツをする人は食事の気配りが大切!
部活動や地域のクラブでスポーツをする人の食事について考えてみましょう。成長が著しく体格などの個人差も大きい時期ですが,スポーツをするからといって特別な食事があるわけではありません。ごく普通の食品をじょうずに組み合わせた食事を毎日とればよいのです。もちろん,1日3回規則正しく食事をする習慣を身につけることが大切です。正しい食事の積み重ねは,スポーツをする人にとってなくてはならないものなのです。

基本は
食事で主食・主菜・副菜(汁物も含む)・牛乳,乳製品・果物をとるように

心がけましょう。

主食 ご飯,パン,麺類など
主菜 肉,魚,卵,豆料理など
副菜 野菜,芋,きのこ類,海藻料理など
牛乳

乳製品

牛乳やヨーグルト,チーズなど
果物 果物
食事のこんなところに気を配りましょう
炭水化物をしっかりとりましょう
  エネルギーのもととなるご飯やパン,めん類などをとりましょう。
たんぱく質,カルシウムをとりましょう
 
成長が著しいこの時期、睡眠中の成長ホルモンの働きにあわせて、夕食はたんぱく質、カルシウムに富んだ食事となるように心がけることが大切です。もちろん栄養的にかたよらないようビタミン、無機質の多い野菜類もたっぷりとりましょう。
水分を補給しましょう
 
活動が激しければ激しいほどのどが渇きます。運動中の水分補給はとても大切です。水分が不足すると熱中症や脱水症などになりやすくなります。じょうずに水分を補給しましょう。

・炭酸飲料や糖分が多く口あたりがよいものを選びがちなので注意しましょう。

・市販されているスポーツドリンクにも糖分がふくまれていすので、飲みすぎに注意しましょう。

鉄分を忘れずにとりましょう
 
鉄分の不足は、スポーツをする人にとって命とりともいえる
スタミナ不足になります。それは気力をなくすことにもつなが
ります。鉄分が不足したままスポーツを続ければ、めまい、立ちくらみなど貧血になります。
夕食をしっかりとりましょう
  放課後のトレーニングが、暗くなるまであったり、さらに習いごとに行ったりすると、夕食を一人で食べる場合も出てきます。そんなときは好きなものを自由に食べてしまいがちですので注意しましょう。
運動後の筋肉疲労には,たんぱく質やビタミンなどをとりましょう
  激しい運動の後、筋肉に疲労が残るときがあります。そんなときは整理体操をしっかりやることはもちろんのこと、たんぱく質やビタミンに富んだ食事をとることや睡眠をたっぷりとることがなによりの解決策です。胃腸などの消化吸収力も低下していますから、汁気の多いものや、消化のよいものにしましょう。

 

アドバイス
 疲れ知らずの筋肉を作ろう!
運動を長く続けると,足が動かなくなったり,腕が上がらなくなったりします。

なぜ筋肉は疲れるのでしょうか?

筋肉が疲れるのは,筋肉のなかにあるエネルギーのもと(筋グリコーゲン)を使い果たしたり,エネルギーを作り出すときにできた乳酸が筋肉中にたまってしまうことが原因です。

さて,疲れ知らずの筋肉を作るには,よく練習をすることはもちろん,日ごろの食事でたんぱく質やビタミンなどいろいろな栄養素をとることが大切です。また,筋肉にエネルギーのもとであるグリコーゲンを蓄えるためには,炭水化物をしっかりとることが大切です。

さらに,グリコーゲンを早く回復させるためには,練習が終わったら,なるべく早く食事をするとよいです。

 

 

 

スポーツの秋到来! 筋肉痛の予防とアフターケア(2005年9月)

 

     
 
9月のテーマ:
スポーツの秋到来!

筋肉痛の予防とアフターケア

 暦の上ではすっかり秋となり、子どもの運動会や会社のスポーツ大会などに参加する機会もあることでしょう。普段から身体を動かしてる人ならまだしも、日頃は運動しないのにここぞとばかりに張り切って参加する、となると心配なのが筋肉痛。今回は筋肉痛の仕組みと予防、対処法についてご紹介します。
 
     

 

筋肉痛のおこる仕組み
 
【筋肉痛になる原因は、主として下の2つ】

筋疲労によるもの
 

 激しい筋収縮により、筋肉への酸素供給が間に合わなくなる。するとエネルギー源となるブドウ糖が不完全燃焼を起こし、代謝産物(乳酸)が残ってしまう。この乳酸が筋肉中に蓄積することにより痛みを生じる。

筋損傷によるもの
 

 普段使わない筋肉を急に使うなどすると、筋繊維が損傷し、炎症を起こしてしまう。この炎症が痛みを生じる。ちなみに、運動によって起こる筋肉痛は前者の場合がほとんど。また、大きな力を出すほど、長時間運動するほど筋肉痛になりやすく、「筋肉に力を入れた状態で、その筋肉が引き伸ばされる」運動が最も筋肉痛になりやすいと言われます。

これは、筋肉は本来「縮んで力を出す」つくりになっているため、階段を下るときのように「力をだしながら筋肉をゆるめる」運動をすると筋肉が傷つきやすくなるから。階段を上るときより下るときのほうが筋肉痛になりやすいという実験結果も出ています。

2日後の筋肉痛は老化のシルシ?
 
 歳をとると筋肉痛が遅れて出てくるといいますが、これは筋肉の衰えによるもの。筋肉痛は運動直後に起こるものと1~2日後に起こるものがあり、それぞれ以下のような特徴があります。
運動直後
 

 筋原繊維(筋繊維のもと)の損傷による。早期解消し、痛みがあるうちも軽い運動は問題なし。

1~2日後
 

 運動の際、極度の筋緊張が起こったため。ひどいものだと痛みと腫れを伴い、治りにくい。内出血していたりへこんでいる場合は肉離れを起こしていると考えられるため、動かさないように。

そもそも痛みというのは体の防御反応で、生きるために必要な感覚。筋肉痛も例外ではなく、遅れて起こる遅発性筋肉痛は、筋肉に何らかの異常が起こっている危険信号とも考えられます。1週間以上も筋肉痛が取れないような場合は、動脈硬化が原因となっている疑いもあるので病院で循環器系の検査を受けることを勧めます。

筋肉痛のアフターケア
 
基本は「温-冷-温」
 

 痛み=冷やすと考えがちですが、筋肉痛の場合は温めるケアが適しています。「冷やす」のは主に炎症を抑え、痛みを(一時的に)軽くする等の効果があると考えられているので、痛みのひどいときは冷やし、あとは温めるのがいいでしょう。

1.運動後、痛みが出ない間は温めておく。

2.痛みが発生したら、痛みが峠を越すか横ばいになるまでは冷やす。

3.痛みが良くなりはじめたら(まだ痛みがあっても)温める。

「温める」のは筋肉組織の血液の循環を促進し、筋肉痛を直すリサイクル全般を早める働きをします。ただし、炎症の進行中は、温めると炎症を促進してしまうので、一時的に痛みが激しくなることもあります。

お風呂やサウナ、マッサージ、軽い運動をする、などは血液の循環を促進するので主に「温」の効果があります。入浴する際は38~40度のぬるめのお湯にゆっくり入るのが効果的です。

運動後にはクール・ダウン
 

 激しい運動後は急に寝たり休んだりせず、軽いランニングでクール・ダウンし、血液の循環を急激に落とさないようにしましょう。そのあと力を入れた腕や足などの筋肉を重点的にストレッチングし、この2段階を踏んでから休息します。この時先に紹介したように入浴などで身体を温めて血液の循環をよくするとさらに効果的です。(※最初から痛みのある場合は除く)

筋肉痛の予防策
 
 筋肉痛の予防には日ごろからジョギングなどで筋肉を鍛えておくのが理想的な方法、とは言ってもなかなかできないもの。普段運動不足だったり筋力に自信のない人は、運動前にストレッチングすることで運動後の筋肉痛の軽減をめざしましょう。

ストレッチのやり方は、運動前に日ごろ使っていない筋肉を十分に伸ばすこと。筋肉を温め、血流を良くする効果があります。呼吸しながら20秒ほどゆっくりと筋肉を伸ばと良いでしょう。

運動前後の十分なストレッチングと、運動後のクール・ダウンでだいぶ軽減できる筋肉痛。しかし日頃から運動して身体をならしておくのがやっぱり一番。季節はスポーツの秋、涼しくなりジョギングやウォーキングにも最適な季節です。今度の休みは少し時間を取って、街路樹の紅葉を眺めながらウォーキングなんていかがですか?

 

 

1年の健康は一歩から! ウォーキングのススメ(2005年1月)

 

     
 
1月のテーマ:
1年の健康は一歩から!

ウォーキングのススメ

 2005年、新しい年の幕開けです。皆さん『一年の計』はたてましたか?毎日ジョギングする、ダイエットする、禁煙する…健康に過ごすための目標を掲げた人も多いのではないでしょうか?でも早速三日坊主、なんてことになっていませんか?そこで今回は手軽にできるウォーキングについて紹介します。ウォーキングは特別な道具もいらず、誰でも、いつでもどこでもできる手軽な運動。さあ、まずは一歩、健康な1年に向かって歩き出しましょう。

 
     

 

ウォーキングの効果
 
<ダイエットに>

運動には大量の酸素を取り入れながらある程度の時間運動を行なう有酸素運動と、ほとんど呼吸をせず短時間で激しい運動をし、運動後急激に心拍や血圧があがる無酸素運動の2種類があります。

身体が脂肪を燃焼するのは、運動を始めて10~20分後、身体が温まり血液の流れがさかんになってから。短距離走や激しいスポーツと比べ、苦しい思いをせずに長時間続けられるウォーキングは、脂肪の燃焼にも効果的な有酸素運動の代表です。

<糖尿病の予防に>

厚生労働省研究班によると、1日平均1時間以上2時間未満歩くと、糖尿病にかかる割合が男性で13.3%、女性で12.4%減少することが発表されています。

<心臓疾患の予防に>

健康・体力づくり事業財団の資料によると、1日平均10,000歩以上歩くと、高脂血症(中性脂肪)の割合が15.3%減少するとされており、コレステロールの低下によって心臓病の予防効果が期待できます。

正しいウォーキングとは
 
ウォーキングと言っても、ただ歩けばいいというものではありません。骨や筋肉に負担をかけないよう、正しい姿勢で歩くことが大切。そして何より、無理せず自分のペースで歩くことが長続きさせるコツです。
<正しいフォーム>

背筋を伸ばし、上体をまっすぐにして立つ。腹部は引き締めてあごを引き、目は前方を見つめるようにする。

腰の位置を高くするよう意識して、地面を蹴り出すときはひざや足首を十分伸ばすようにする。

足の着地はかかとから柔らかく、離すときは足の裏全体に体重をのせてつま先を蹴り出すようにする。

荷物はなるべく持たずに両手を空け、効果的な腕振りを心掛ける。大きく振る必要はないが、自然に伸ばして前後にテンポ良く振るようにする。

高い姿勢で歩けば歩幅も広がり、伸び伸びとスピードにのって歩くことができます。

<正しい靴選び>
 

きちんとサイズをはかり、自分に合ったものを選ぶ。

つま先をつけて踏み出したとき、親指の付け根と小指の付け根を結んだ線に違和感がないこと。

歩いたとき、かかとの部分がすっぽりと包まれていること。

指先がきつくなく、クッションが適度にきいていること。

 
<歩くための10のアドバイス>
アメリカの厚生省が指摘する「歩くための10のアドバイス」。これを参考に、無理せず怠けず、続けられるウォーキングを目指しましょう

車に乗るよりも、歩く。

靴は底部に弾力があり、ひもで結ぶタイプのランニングシューズを履く。

一度に長時間よりも、分割して歩いてもよい。

昼休みを有効に使う。20~30分歩いた後は、食事もおいしい。

一週間のうち3日は、せめて20分間の速歩をする。

満腹時は歩かない。食後、1時間半経過が目安。

歩数計を腰に、1日1万歩を目標に。

途中で、決めた時間ごとに脈拍を測る。1分間の計測が好ましいが、10秒間計ったものを6倍にしてもよい。

歩く習慣とともに、栄養のバランスを考慮することも習慣づける。

自分のペースを守って歩く。犬を連れての散歩は、自分のペースを乱されることが多いので注意。

 

本格的なウォーキングは面倒で…という人も、会社やデパートではエレベーターを避けて階段を使う、入り口から遠い駐車場に停める、バスや電車の一駅分歩いてみる…。ちょっと気をつけるだけで普段の生活の中でも歩くチャンスは増やせます。万歩計をつけて、現在の生活でどのくらい自分の足で歩いているかを知っておくのもいいでしょう。万里の道も一歩から、今日から早速始めてみませんか。

 

 

筋肉疲労・筋肉痛の回復促進栄養素(2004年9月)

 

筋肉疲労・筋肉痛の回復促進栄養素
社団法人 茨城県栄養士会
管理栄養士 近藤 郁文
 
 
 
食欲の秋到来!!また運動会シーズンにもなります。運動不足のため筋肉痛に悩まされた経験を、ほとんどの方が持っているのではないでしょうか?

筋肉疲労や筋肉痛の軽減、回復を手助けする食事、栄養素について紹介します。

    筋肉疲労が起こるメカニズム
     筋肉疲労の主な原因として、筋肉中のエネルギー源(主にグリコーゲン)が消耗すること、および乳酸などの疲労物質が蓄積することがあげられます。

筋肉中のグリコーゲンとは、筋肉に蓄積されているブドウ糖ですが、激しい運動をするとおよそ1時間ほどでほとんど使い切ってしまいます。からだ全体のエネルギー源としては脂肪を貯えていますが、グリコーゲンが枯渇すると筋肉は脂肪も使えなくなりますので、筋肉が上手く動かなくなります。

一方、激しい筋肉の収縮では、筋肉への酸素の供給が間に合わないので、主なエネルギー源であるブドウ糖は不完全燃焼します。その燃えかすが乳酸です。筋肉に乳酸が蓄積されると、筋肉の細胞内が酸性化され、エネルギーを生産できなくなってしまいます。すなわち疲労します。

    筋肉痛について
     筋肉に強い負荷がかかったり、普段使っていない筋肉を使うと、その翌日以降に筋肉痛が発生します。この筋肉痛の原因は、筋肉に負荷がかかることによって筋肉が損傷し、その部分に炎症が起こるためと考えられています。
    筋肉疲労の回復を促進する栄養素
 
運動後なるべく早く糖分とクエン酸(レモンや梅干しに含まれる酸味の成分)を摂取しましょう。

これによって、グリコーゲンの回復が促進され、また同時に乳酸の解消も促進されます。

ビタミンB群は、体内でエネルギーを生産するのに必須のビタミンで、豚肉(B1)、豆類(B1、B6)、牛や豚の肝臓(B2、B6、B12)、卵(B6)に比較的多く含まれています。
   
    筋肉痛を和らげる栄養素
     運動前後や運動中にアミノ酸を摂取しましょう。アミノ酸にはたくさんの種類がありますが、筋肉痛の軽減に効果的なアミノ酸としてBCAA(分岐鎖アミノ酸)が知られてます。正確な有効摂取量はわかっていませんが、4g程度のBCAA摂取が目安です。BCAAは、肉や魚、乳製品や卵などに多く含まれています。
 
 
 
○食品可食部100g当りのBCAA量 (mg/100g)
 
 
100g当り
たんぱく質
 
 
精白米
 6.8
糸引納豆
16.5
ほんまぐろ・

赤身 

28.3
あさり
 8.3
 
牛・ひき肉
17.9
豚・ひき肉
18.2
鶏卵・全卵・生
12.3
 
プロセスチーズ
22.7
 
トマト
 0.7
オレンジ
 0.9
 
BCAA
合 計
 
イソロイシン
ロイシン
バリン
 290
 570
 430
1,290
 260
 440
 290
 990
 
1,300
2,100
1,400
4,800
 300
 520
 330
1,150
 790
1,400
 850
3,040
 770
1,300
 870
2,940
 680
1,100
 830
2,610
1,200
2,300
1,600
5,100
  15
  24
  17
  56
  16
  28
  22
  66
 
[改訂 日本食品アミノ酸組成表]
 
BCAAとは・・・
 
私たちのからだの約18%はたんぱく質です。そのたんぱく質を構成しているのが約20種類のアミノ酸で、体内で合成できるものとできないものに分けられ、合成できないアミノ酸は食事から摂る必要があるので、必須アミノ酸といわれています。中でも、筋肉をつくるのに重要なアミノ酸はイソロイシン、ロイシン、バリンで、この3つのアミノ酸を総称してBCAA(Branched Chain Amino Acid)と呼んでいます。
    普段から全身運動を習慣的に行ない、からだの全体の血行を良くしましょう。血行が良ければ筋肉に乳酸がたまりにくくなりますし、乳酸の代謝も早くなります。十分な準備運動も心がけましょう。