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まめ知識カテゴリ: 足の健康

太ももの大敵・むくみとセルライトはマッサージで撃退しよう(2017年4月)

ダイエットをする女性にとって、悩みの種となるのが太もも。実は、カロリー制限や運動など、通常のダイエットを行ってもなかなか細くならない部位でもあります。むくみがちで、セルライトもできやすい太ももを細くするには、マッサージが有効。今回は、太もものマッサージ法をご紹介します。

 

◆重力の影響で太ももは太くなりやすい

太り方には上半身から太るタイプと、下半身から太るタイプがあります。下半身に脂肪がつく洋ナシ型の体型は、日本人女性に多い体型。人間は陸上で立って生活しているため、重力の影響で脂肪が下の方に溜まりやすいからです。また、内臓から離れていて老廃物が溜まりやすいことから、セルライトもできやすくなります。セルライトとは水分や老廃物が蓄積されることによって肥大化された脂肪細胞のことを指します。セルライトができているかは、太ももを摘んだ際の凸凹の状況で確認できます。

 

また、むくみやすいことも下半身太りの原因の一つです。冷たい空気は下へ向かう傾向があるため、足元は冷えやすく、すぐにむくんでしまいます。さらに現代人はデスクワークなどで一日中座りっぱなしということも多いため、血流が悪くなって足に水分が溜まりやすいことも影響しています。太りやすい足も、単純に脂肪が溜まっているだけならカロリーを抑えることで細くなりますが、むくみやセルライトが原因なら普通にダイエットしただけで細くするのは困難といえるでしょう。

 

◆マッサージでむくみをなくして太い足を改善

むくみが原因で痩せないときは、マッサージで解決を図りましょう。太ももをほぐして余分な水分を外に出すだけでも効果的。マッサージを行う前に、まずは体を温めます。湯船に浸かったあとにやるのがベストですが、難しい場合は温かい飲み物を飲むだけでもかまいません。体を温めたら、肌を傷つけないようにクリームやオイルをつけて、つま先から太ももにかけてゆっくり揉んでいきましょう。両手親指の根元などを使って、気持ちいいと感じる強さでマッサージしてください。

 

・しぼってほぐす

しぼってほぐすのも有効です。足の内側に親指がくるように両手の親指と人差し指で太ももをはさんでください。それから雑巾をしぼるように交互にスライドさせてひねり、足の付根までスライドさせましょう。外側のマッサージも同様に、両手の親指と人差し指で太ももをはさみ、内側と同じように交互にスライドさせながら足の付根までスライドさせましょう。

 

・つまんでマッサージ

つまんでマッサージする方法もあります。内側をほぐすときは、膝の横から内側のお肉を、両手を横にして親指と人差し指でつまみます。つまみながら足の付根までスライドさせましょう。外側も同様にお肉をつまみ、足の付根までスライドさせていきます。毒素を流したいときには、両手を拳にして、膝から付け根まで力を入れて流すようにスライドさせてマッサージすると上手くいきます。

 

太ももの前、内側、外側、裏側に各4回ずつ行ってください。毎日続けることでだんだん足が細くなっていきます。むくみがひどい人ほど効果が出るのも早く、一回で効果が出る人もいるようです。

 

◆リンパマッサージでセルライトを取り除こう

もう一つの原因、セルライトにはリンパマッサージが効果を発揮します。セルライトは足を太くするだけでなく、放っておくと病気の原因にもなるので早めに対処しておくことをおすすめします。

 

リンパマッサージも、入浴中や入浴後など体が温まったときに行うのがもっとも効果的です。リンパを流す前に、まずセルライトをほぐします。最初は足裏を押して血行を良くしておいてください。そして足の下から上へかけてセルライトの粒を潰すようにマッサージ。気になる部分があったら集中的にほぐしましょう。

 

セルライトをほぐしたら、次はリンパに沿ってマッサージします。足のリンパ節は膝下と足の付根にあるので、そこへ向けてリンパを流してください。リンパ管は皮膚の2mm~3mmの部分に張り巡らされているので、強く押し過ぎるのは流れにくくなり逆効果です。撫でるように優しくマッサージしましょう。毎日10分ほど行うことで効果が出てきます。ぜひお風呂上がりの習慣にしてみてください。

 

「臭うな」と思ったら・・・足のニオイと水虫対策(2015年10月)

 

イラスト足の裏には汗腺が密集しており、季節を問わずたくさんの汗をかきます。それが原因となり「最近、足のニオイが気になる……」という方は多いのではないでしょうか。イヤなニオイはご自身だけでなく、周りの方にも不快感を与えます。また、水虫の兆候とも言えるので注意をしなくてはなりません。今回はそんな、足のニオイと水虫の防止法についてご紹介します。

 

 

◆どうして足が臭くなる?イヤなニオイのメカニズムとは

人の足の裏は個人差こそあるものの、一日でコップ一杯分の汗をかくと言われています。特に湿気の多い季節や夏場になると発汗量が増えるでしょう。しかし、実は汗自体にはニオイはない、ということをご存じでしょうか?

 

足の裏に密集している汗腺は「エクリン腺」と呼ばれています。エクリン腺から出る汗は、脂肪やタンパク質を排出しないため基本的には無臭です。そのため、本来であればいくら汗をかいたとしてもイヤなニオイには結びつきません。

 

イラストそれでも不快なニオイを発するのは「靴」と「雑菌」に原因があります。同じ靴を長時間履き続けると中が蒸れてしまいます。この蒸れが発汗に作用し、靴の中を雑菌が繁殖しやすい不衛生な状態にします。そこに大量の汗と汚れが雑菌の繁殖を促し、イヤなニオイを発するようになるわけです。

 

◆足のニオイを防ぐ対処法

蒸れが原因で足のニオイが発生している場合には、以下のような対処法を試してみましょう。

 

  1. 常に予備の靴下を持ち歩き定期的に履き替える
  2. 学校や職場から帰宅した後はすぐに足を洗う
  3. 履いた靴下には除菌消臭剤をかけておく
  4. 同じ靴を連日履かない

 

イラスト靴下は履き続けると汗で汚れてしまうため、足裏周りが不衛生な状態となってしまいます。定期的に新しい靴下に履き替えることで、常に清潔な状態を保つことができます。

 

また、学校や職場など、長時間外出した後は足裏がとても不衛生な状態になっているもの。帰宅後はすぐに足を洗って生活な状態にしましょう。履いた靴下はすぐに洗うか除菌消臭剤をかけておくようにしてください。これだけでニオイを大幅に抑えることができます。

 

その他、同じ靴はできる限り連続して履かないようにしてください。サラリーマンの方は連日に渡って革靴を履くことになるでしょうが、毎日異なる種類の靴をローテーションで履くことをオススメします。

 

イラストちなみに、足裏にあるエクリン腺はストレスを感じた際に活発になる傾向があります。通勤ラッシュや多忙な仕事、運転、人間関係など、日々多くのストレスにさらされている人は、それだけ足の発汗量が多いと予想されます。上記の方法で適切な対策を行うよう心がけましょう。

 

◆水虫の予防法と対策について

足のニオイに原因は、常在菌と呼ばれる雑菌です。これは誰の皮膚にもあるものなので、前述の方法で対策をすることができます。一方、水虫菌である白癬菌はカビの一種であり、他者によってももたらされ感染します。なお、水虫菌は他の雑菌同様、高温多湿で不衛生な環境で感染しやすくなります。そのため、水虫予防には以下のような対策が必要です。

 

  1. 足を常に清潔にしておく
  2. 身内に水虫感染者がいる場合はスリッパやマットなどを別にする
  3. 身体の抵抗力を高めておく
  4. 水虫が疑われる場合は、できるだけ早く病院にいく

 

水虫になると、足の指に水泡が出来たり、かゆみなどの症状が出るようになります。さらに水虫菌は皮膚の奥に潜んでいる場合が多いので、仮に水泡やかゆみを感じなくても感染している恐れがあるということを覚えておきましょう。何か異変を感じた時は、できるだけ早く皮膚科へ足を運ばれることをオススメします。

 

なお、かゆみが収まったからといって、水虫が完全に治ったわけではありません。比較的再発もしやすいため、完治するまでは薬による治療を続けましょう。

 

いかがだったでしょうか?足のニオイに頭を抱えているあなたは、もしかしたらすでに水虫になっているかもしれません。早い段階で医師の診断を仰ぎ、正常な状態を取り戻しましょう。

なかなか治まらない脚のむくみは病気の兆候?知っておきたいケアの方法(2015年6月)

イラスト脚がむくむ原因にはさまざまなものがあります。一般的には、同じ態勢を長く続けたり、疲れや睡眠不足が蓄積したり、その他加齢による筋力の低下などが挙げられます。とは言え、こうした要因による症状はあくまで一過性のもの。しばらくすれば自然と治まっていきます。

 

しかし、なかなか脚のむくみが治まらない場合には注意が必要です。もしかすると、重大な病気の兆候かもしれません。今回は、脚のむくみの原因となり得るさまざまな病気についてご紹介。併せて、普段から取り組みたい脚のむくみの予防・改善方法についてお伝えします。

 

◆脚のむくみ教えてくれる病気とは?

脚のむくみはさまざまな病気のサインである可能性があります。一過性のものであればほとんど問題ありませんが、いつまでも続くようでしたら一度病院で検査を受けるようにしましょう。

 

○肝臓と腎臓の病気

イラスト血液中に含まれるタンパク質のひとつに「アルプミン」という物質があります。これはアミノ酸などの栄養素を体に運ぶだけでなく、血液の浸透圧(血管に水分を取り込んだり排出したりする圧力)をコントロールしてくれる役割があります。アルプミンの量が低下すると、この浸透圧も一緒に低下してしまうため、水分がたまりやすくなるのです。

 

アルプミンの低下には肝臓や腎臓の障害が大きく関わっていると言われています。その症状を見つけるサインのひとつが脚のむくみと言われています。そのため、もしも脚のむくみがなかなか治まらないのであれば、一度検査を受けてみることをオススメします。

 

○心不全など

イラストつまでも治らない脚のむくみの原因には、心不全や下肢静脈瘤が関係している場合もあります。たとえば心不全は、心臓のポンプ的な働きが弱まってしまい、圧力が下がってしまった状態です。心臓から遠くに位置する脚の血行が悪くなり“むくむ”ということは、それだけ心臓の働きが低下している可能性が疑われる、ということです。その他にも、心不全の原因となる動脈硬化や狭心症、心筋梗塞などが脚のむくみの原因となっている可能性もありますので、少しでも「おかしいな?」と感じたら、早めの受診を心がけましょう。

 

 

 

◆運動やマッサージでむくみを予防・解消

脚のむくみは基本的に一過性のものが多いですが、放置をすると免疫力低下につながる場合もあります。そのため、普段からしっかりと予防・解消を目指したケアを行うようにしましょう。

 

○適度な運動を心がけましょう

イラストむくみの原因はふくらはぎやももの筋肉が弱り、血液の流れが悪くなること。そのため、ウォーキングや散歩などをして、日頃から脚を鍛えるようにしましょう。

 

○積極的に階段を利用しましょう

疲れている時はついついエレベーターやエスカレーターを使いたくなってしまいますが、できれば階段を利用するよう心がけてみてください。階段の上り下りは脚の筋肉がしっかり使われますので、血の巡りを良くしてくれます。ただし、ひざ痛や腰痛がある人はできる範囲にとどめましょう。

 

○脚の先を意識的に動かしましょう

椅子に座った状態でかかとを上下させたり、かかとを床につけてつま先を上げたり伸ばしたりいった運動を行いましょう。脚の先の運動はふくらはぎの筋肉を動かし、血行をよくする効果があります。

 

○マッサージでむくみを解消しましょう

イラストリンパ液の流れ改善を目的としたマッサージも効果的です。この時に注意したいのは“揉む”のではなく“なでる”ように行うこと。ももの表側と裏側、足首からひざ、ふくらはぎからひざ裏、足首から脚の付け根といった部位を、上方向にそれぞれ10回ずつそっとなでてください。この時、床に座って脚を伸ばし、ひざを立てるとマッサージがしやすくなります。

 

脚のむくみというのはさまざまな病気の兆候である可能性があります。普段からケアをしつつ、それでも解消されない場合には一度病院で診てもらうことをお勧めします。健康的な毎日を送るために、ぜひ覚えておきましょう。

裸足歩行を忘れた現代人を襲う踵(かかと)の痛み(2013年8月)

 

     
 
8月のテーマ:
裸足歩行を忘れた現代人を襲う踵(かかと)の痛み

 若い頃にやっていたスポーツを、40代、50代になってからもう一度やりたくなるという人も多いことでしょう。水泳や、野球、サッカーなどのスポーツの他に、剣道や空手、柔道など、一時期懸命に取り組んでいたものは、何かのきっかけで突然やりたくなってしまうようです。ただこの時に気を付けていただきたいのは、昔のイメージで突然身体を動かしてしまい、長年鍛えられていない箇所に過度な負担をかけてしまい、故障を引き起こすということです。

今回は、中学生の時にやっていた剣道を約30年ぶりに再開したところ、踵をいためてしまったというAさんの症状について紹介しましょう。この踵の痛みは、剣道だけでなく、固い道路を長い時間走るランニングなどについても、同様に起こりやすいものです。

 
     

 

扁平足と足底筋膜炎
 

 Aさんは若い頃から、扁平足が悩みの種だったといいます。扁平足の原因は、遺伝的なものと、子供の頃に裸足での十分な運動が足りず、土踏まずの形成が不十分だったことがあげられます。8歳頃までは誰もが扁平足の状態ですが、成長とともに土踏まずが形成されていきます。ところが、Aさんは、中学生になっても扁平足のままでした。運動も苦手だったAさんですが、顧問の先生に勧められたのがきっかけで、中学1年生で剣道を始めました。最初は、竹刀を振るのもぎこちなかったといいますが、努力の甲斐があって2年生の時にはレギュラーとなって試合に臨むようになりました。

しかし、この頃から踵の痛みに悩まされ、毎日学校に歩いて行くのも苦痛だったと言います。この症状は、足底筋膜炎と考えられますが、原因はAさんの足の元々の状態と外的な要因として剣道を行なっていた中学校の体育館の床にもあると考えられます。

体育館の床は、球技など多目的に利用するため、ボールが弾むように固く作られています。クッションの入った靴で、走り回るように設計されたものなので、裸足で剣道の練習を行なうには床が固すぎてしまうのです。この固過ぎる床と、土踏まずの形成が十分でないAさんの足の構造があいまって足底筋膜炎を引き起こしたと考えられます。裸足で利用することが前提で設計された剣道場などは、床材の下にクッションが施され、床材自体も踵や膝のために衝撃を吸収する素材が使われていますので、そうした故障を引き起こすことは比較的少ないと考えられます。
 

さて、この踵痛のため中学卒業と同時に剣道をやめてしまったAさんですが、それから約30年後に、また剣道をすることになりました。運動不足を解消するために何かスポーツをやろうと考えていたときに、ご子息が剣道教室に通うようになり、それにつられて始めたということでした。

今度は立派な剣道場での稽古でしたが、残念なことに中学生のときと同様に踵に痛みが出てしまいました。毎日車で通勤し、あまり歩くこともない生活で陥った運動不足、さらに扁平足のまま大人になったAさんの場合、足底筋が人より弱く、裸足で稽古するように設計された剣道場でも足底筋膜炎を起こしてしまったと考えられます。

同様に、固いコンクリートの上を走るランニングでもこの症状は、多くの人に見られます。現在、国内に1000万人もいると言われるランナー。華麗なウエアや、派手に演出された東京マラソンなどの人気に刺激され、いきなりランニングを始めて踵痛を起こしてしまう人が後を絶たないようです。
 走る前にまず一定の期間ウォーキングを行い、歩く距離を徐々に伸ばすことで、足や膝にある比較的小さな筋肉を強化してあげることが故障を起こさないためには大切なのです。

強い負荷のもとでは、大腿四頭筋などの大きな筋肉は鍛えられるのですが、小さな筋肉を強化することはできません。ウォーキングなどの、負荷の低い運動で、小さな筋肉群を強化し関節の動きなどを安定させることが、ケガを予防すると考えられるのです。

しかし、華麗なウエアに身を包んだらまず、走り出してしまいたくなってしまうのでしょう。特に若い頃運動部に所属して、過激なスポーツをこなしていた記憶のある人は、この誘惑に勝てないようです。

 

   
足底筋膜炎の診断
 

 朝起きて、最初の一歩目に踵に強い痛みを感じ、歩いているうちに痛みが引いて行く、というのが足底筋膜炎の特徴です。これは、寝ている間に傷ついた筋膜がある程度修復され、歩き始めにまた小さな亀裂が入るため痛みが出ると考えられます。足底筋膜炎の診断は比較的容易なので、痛みが数日続くようであれば整形外科でレントゲンなどを使った診断をあおぐようにしてください。レントゲンで踵の骨に骨棘が認められることもあります。

自分でできるケアとしては、アキレス腱を伸ばすストレッチと、ふくらはぎのマッサージが有効です。ふくらはぎの上部である膝の裏側から、ふくらはぎ全体に圧痛点を揉み解すようにマッサージすると良いでしょう。また、足底筋膜炎を起こす原因となった運動は、しばらく休んで安静にすることが大切です。

痛みがなくなったら、素足の下にタオルを引き、足の指でタオルをつかむようにして足底筋を強化すると良いでしょう。足のアーチの状態も良くなることが期待できます。

この他に踵に痛みを感じる疾患として、アキレス腱滑液包炎、踵骨骨端炎、踵骨骨髄炎、単発性骨嚢腫などが挙げられます。いずれにしても専門医の診断で、適切な治療を行なうことが大切です。

   
裸足が世界最速のランナーをつくる?
 

 裸足で歩く習慣が足底筋を鍛え、形成してくれる足のアーチ。このアーチの役割は現在完全に解明はされていませんが、歩くときや走るときのクッションの役割をしていると考えられています。裸足のアベベが、始めて東アフリカの選手のスピード、強さを照明したのが1960年のローマオリンピック。それから半世紀でエチオピアやケニアの選手が、世界最速の称号を独占しています。あるデータによると、それらの選手を排出する地域の子供達は、EU圏の子供の10倍もの距離を毎日裸足で走っているということです。

日本人もそう遠くない昔は、下駄や草鞋で未舗装の道を長距離歩いていたのです。このような時代には、足底筋膜炎になる人もきっといなかったに違いありません。

   

 

サンダル履きの素足に注目!巻き爪、大丈夫?(2009年5月)

 

     
 
5月のテーマ:
サンダル履きの素足に注目!巻き爪、大丈夫?
  肌寒い夜もありますが、日中は半そで一枚で過ごせる陽気も多くなり、木々の新緑にも初夏を感じる季節になりました。大型連休もあり、キャンプや川遊びなど、アウトドア・レジャーに出かけるご家族も多いのではないでしょうか。そんな時、水辺で遊ぶには欠かせないのがビーチサンダル。レジャー以外でも、夏に向けて素足にサンダルを履く機会も増える季節です。以前にも「外反母趾」や「靴の選び方」など、足に関するお話を何度かしましたが、今回は足の「爪」についてお話します。
 
     

 

巻き爪とは
 
元々季節の変わり目は、気候の変化やホルモンバランスの変化によって、体調を崩しやすい傾向があります。特に春は、風が強く、花粉やホコリなどが大気中に舞うため、肌にとっては決して優しい季節ではありません。そして、夏に向けて紫外線も多くなる時期。まずはトラブルの原因を知りましょう。
巻き爪の原因
    生まれつき巻き爪という人を除き、日常生活を過ごす中で巻き爪になってしまうのは、爪に何らかの負担がかかっている証拠。爪が薄いとその分変形しやすく、巻き爪になりやすい傾向はありますが、一般的に考えられる主な原因は以下のとおりです。

外部からの圧迫
  足の巻き爪の原因として、一番多いと考えられるのが「靴」による圧迫。例えば、つま先が細くなっているデザインの靴や、ヒールの高い靴などを日常的に履いていると、足の指先(特に親指)が圧迫される状態が続き、爪を変形させてしまいます。また、窮屈な靴ではなく、サイズの合わないぶかぶかの靴も指に体重が集中してしまうため、巻き爪の原因となることもあります。
爪の切り方
  いわゆる「深爪」が原因となるケースも多く見られます。普段から深爪がちな場合はもちろん、巻き爪の初期段階で、爪が肉に食い込むのを防ぐために短く切ってしまうのも、実は巻き爪を悪化させる原因となります。これは、爪がどこまで伸びればいいのかを知らせる「爪のアンテナ」を、深爪によって切り落としてしまうしまうためと言われ、深爪を続けた結果、本来なら伸びない皮膚に向かって爪が食い込むように伸びてしまう原因となります。
スポーツや怪我など
  足をふんばるスポーツやサッカーなど、足の指に負担や衝撃が加わる場合にも、巻き爪になることがあります。これは靴と同じく外部からの圧迫で爪に負担がかかるためです。また、足の指を強くぶつけたり、足の上に重いものを落としてしまった場合なども、足の指が腫れて両側から爪を圧迫し、巻き爪の原因となります。
体重の増加
  妊娠などで、急激に体重が増加した場合も、足の指に普段以上の負担がかかることになり、巻き爪を引き起こす恐れがあります。こういう場合は特に、ヒールの低い靴を履くなどして、足の指に負担がかからないよう注意して過ごしましょう。
巻き爪を防ぐには
    巻き爪を放っておくと、指の肉に爪がどんどん食い込み激しい痛みを伴うだけでなく、ひどいケースでは巻き込まれた皮膚が化膿してしまうこともあります。また、巻き爪による足の痛みをかばうため、歩き方が不自然になり、足首や膝、腰などを痛めてしまう場合も。その他、重心を無意識に小指側にかけるためにO脚になってしまったり、巻き爪が身体全体のバランスを崩してしまうこともあります。そうなる前に、正しいケアで巻き爪を防ぎましょう。

爪は「スクエアカット」に
  爪を短く切りすぎる「深爪」が良くないことは先にお話しましたが、爪を切るときは先端に丸みをもたせる「ラウンドカット」ではなく、先が四角くなる「スクエアカット」にしましょう。爪の先の左右を伸ばすことで支えができ、爪が巻きにくくなります。ただし、あまり長すぎると先端が圧迫されて変形を助長してしまうため、白い部分を1ミリ程度残す長さを目安に。また、左右の角がとがっているとストッキングなどに引っかかってしまうため、やすりで少し丸く整えると良いでしょう。
靴選びも重要!
  つま先に負担や圧迫をかけないよう、足に合った靴を履くよう心がけましょう。また、パンプスなど、ヒールの高い靴や先の細い靴でなくても注意が必要です。靴の中で足が遊んでしまうような場合は、サイズや形が合っていない証拠。巻き爪だけでなく、外反母趾など足の変形の原因にもなるので、普段履いている靴もこの機会に見直してみましょう。また、仕事などでどうしても窮屈な靴を履かなくてはいけない場合は、時々靴を脱いで足をマッサージするなどの工夫をして、足先への負担を減らしましょう。
 
  巻き爪は、サンダルの足元がスマートに決まらないばかりか、痛みや身体のゆがみなどのトラブルの原因にもなります。靴選びや爪の切り方など、普段からできるケアをしっかり行い、巻き爪にならないよう気をつけてくださいね。また、子供や赤ちゃんの爪を切るときにも、深爪にはご注意を!

 

 

足の健康は靴選びから。足に合った靴で、ウォーキングに出かけよう!(2008年10月)

 

     
 
10月のテーマ:
足の健康は靴選びから。足に合った靴で、ウォーキングに出かけよう!
 季節は秋、過ごしやすい季節になりました。「食欲の秋」「実りの秋」と言われるように、秋は食べ物がおいしく、ついつい食べ過ぎてしまうこともあるのでご用心!運動するにも快適な季節です。このコーナーでも何度か紹介してきた「ウォーキング」を始めるにもぴったりのタイミング。この時、気をつけて欲しいのが「靴選び」。足に合わない靴は、思わぬトラブルの原因にもなるので軽視できません。今回は、正しい靴選びのポイントについてお話します。
 
     

 

足に合わない靴が引き起こすトラブル
 
 私たちの全体重を支える足は、歩行や運度をするだけでなく、血液の循環にも重要な役割を担っています。足にはなんと28個もの骨があり、これらの骨と、じん帯、筋肉、毛細血管で構成されていますが、歩行運動によって毛細血管を収縮して、ポンプのように血液の循環を助けてくれています。足が「第二の心臓」と呼ばれるのはこのためで、全身に血液を送る心臓の大切なサポート役として活躍しているのです。
そしてこのポンプ運動を助ける重要な部位が、歩行を助ける「土踏まず」です。土踏まずは一般的に知られる内側のアーチ状の部分(内アーチ)だけでなく、足の外側にある外アーチ、親指の付け根から小指の付け根にかけてある横アーチの3つがあります。この3つのアーチが、体重や衝撃を分散する天然のクッションの役割を果たしてくれるため、人間が長い時間二足歩行をすることが可能になったのです。この土踏まずのアーチ構造が崩れてしまうことで起こる、様々な足のトラブルを紹介します。
 
外反母趾
外反母趾は、足の親指の形が変形して小指に向かって曲がっている状態。親指の付け根が外側に飛び出して見えるため、この名前がついています。逆に、小指が親指側に向かって曲がってしまい、指の付け根が外側に張り出した状態を「内反小趾」といい、どちらも放っておくと痛みが出てきたり、ひどい場合は脱臼したような状態になることもあります。
開帳足
外反母趾になる一番の原因とも言われる足の変形が「開帳足」。じん帯や筋肉などの結合組織が低下し、横アーチが機能しなくなることで足の指の付け根部分の骨(中足骨)が横に開いてしまう状態です。足が幅広に変形し、柔らかい状態のため「こんにゃく足」とも呼ばれます。一番の原因は筋肉の低下で、運動不足の人や、足が疲れやすい立ち仕事の人に多いトラブルです。
ハンマートゥ
足の指が折れ曲がったままの状態になっているもので、間接の背が靴にあたるため、摩擦でタコができたり、指の腹に魚の目ができたりします。サイズの合わない靴を履いているのが大きな原因で、足指の長い人にも起こりやすいトラブルです。小さい靴や先端の細い靴を履くことで、靴の中で指が折れ曲がってしまい、その状態が長く続くとハンマートゥになってしまいます。
へん平足
足の裏に土踏まずのない状態で、アーチがつぶれ、足の裏全体が地面にくっついている足のトラブルです。幼児の足は足裏全体に脂肪がついているため土踏まずがなくて当たり前ですが、一般的に8歳前後で形成される土踏まずのアーチができていない状態がへん平足です。へん平足になると歩きづらく、足への負担が大きくなるため疲れやすくなります。
   
足の変形から起こる身体のトラブルと、予防のための正しい靴選び
 
 足のトラブルは、足自体の痛みやゆがみだけでなく、身体全体にも影響を及ぼします。例えば、歩き方に変な癖がついたために膝を痛めたり、腰が痛くなったり、さらには肩や首などのコリの原因にもなります。O脚やX脚などの関節の変形も、もとを正せば足のバランスの悪さに大きな原因が。また、土踏まずがしっかり機能しないことで足裏全体が圧迫され、血行不良からむくみや冷えなどの症状が引き起こされたり…と、足の変形は実に様々なトラブルの因子となります。
 土踏まずがしっかり形成されない大きな原因は、歩行(運動)不足による筋肉の低下。遺伝的な原因もありますが、ほとんどは生活の中で改善していけるものです。よく言われるのは裸足で砂場などを歩いて足裏を刺激するという方法ですが、一年中裸足で過ごすわけにはいきません。そこで、普段履いている靴を見直してみましょう。  
靴選びのポイント
  • 靴の中敷の、土踏まず(特に中アーチ)部分が盛り上がっているもの

    ただ平べったいものより、土踏まずのアーチ部分を支えてくれるためバランスが整います。

  • 足先が窮屈でなく、かつ余裕がありすぎてもいないもの

    窮屈な靴は足の変形を引き起こしますが、大きすぎる靴も、無意識に指をくの字に曲げて踏ん張ってしまうため、指が曲がるハンマートゥなどの原因となります。

  • 足にしっかりとフィットするもの

    紐靴など、細かい調整のできる靴がベストです。脱ぎ履きがしづらいと、紐を緩めたままで履く方も多いようですが、足をしっかり包んでフィットする靴を意識して選びましょう。

子供靴の選び方
  • 成長に合わせ、サイズの合った靴を選ぶこと

    靴に足を入れたとき、かかとをぴったりつけて指先に8mmから10mm程度の余裕があるサイズを目安に。

  • かかと周りがしっかりと固定されるもの

    かかとが左右にずれてしまうと、歩き方に変な癖がついてしまいます。かかと周りにホールド力のある靴を選びましょう。

  • 土踏まずを支えるパッドがあるもの

    市販の靴にはパッド入りのものが少ないため、購入後に足に合った補正パッドを取り付けると良いでしょう。

  • 足を甲から足首でしっかり固定できるもの

    紐靴やマジックタイプの靴で、足にしっかりフィットする動きやすいものを選びましょう。

   
  身体の健康は、足の健康から。普段からよく歩くことはもちろん、足に合った靴選びも心がけましょう。いくら歩いても、サイズや形の合わない靴を履いて、足を不自然な状態に押し込めたままでは却ってトラブルの原因となってしまいます。この機会に、普段履いている靴を見直して、サイズや形、中敷までチェックしてみましょう。足にあった靴は歩きやすく、ウォーキングをより快適にできるようになりますよ。

 

 

健康は足元から。 外反母趾に気をつけよう!(2007年9月)

 

     
 
9月のテーマ:
健康は足元から。

外反母趾に気をつけよう!

 暑さも和らぎ、過ごしやすい季節になりました。運動の秋と言われるように、運動会やウォークラリーなど、秋は身体を動かす行事の多い季節でもあります。日頃の運動不足を解消しようと、これらの催しに張り切って参加する方も多いのではないでしょうか。この時、履きなれたスニーカーを履くのはもちろんですが、普段あまり気にしない「足の形」についても注意して見てみましょう。
 
     

 

外反母趾は現代病?
 
  外反母趾とは、平たく言うと足の親指の付け根の間接が外側を向いている状態のことで、通常痛みを伴う疾患です。一般的に、ハイヒールなどの靴が原因で起こると考えられていますが、実際にはハイヒールを履かない男性や、子供にも見られます。もちろんハイヒールに限らず、現代人は長時間靴を履いて過ごすことが増え、足が圧迫され続けていることもその要因のひとつではあります。しかし、それだけでなく道路面や床面が昔より硬くなったという環境の変化、そして何より足指の機能が低下して弱ってきたことがそもそもの原因だと言われています。
 
外反母趾の種類
    一口に外反母趾と言っても、その症状や程度には個人差があり、治療法もそれぞれです。「外反母趾かな」と心当たりのある方は、まずは以下に挙げた5つのタイプに当てはまるかどうか照らし合わせてみてください。

靭帯性外反母趾
 

足先の横幅(横のアーチ)を支えている横中足靭帯(中足関節)が伸びたり緩んだことで、親指が小指側に曲がってしまった状態。

仮骨性外反母趾
 

親指の付け根の骨だけが異常に出っ張り、付け根の部分が曲がったように見える状態。

混合性外反母趾
 

靭帯性外反母趾と仮骨性外反母趾が合併したもので、付け根の骨が出っ張ったうえに親指が内側に曲がっている状態。

ハンマートゥ性外反母趾
 

指がハンマーのように縮こまっていたり、上を向きすぎていて、指が地面に接地しない状態。先天的にこの状態の人に起こりやすいもの。

病変性外反母趾
 

リウマチやへバーデン結節などの病的要素や、事故、ケガが加わり著しい変形や脱臼を伴っている状態。

 

 
放っておくと怖い外反母趾
    発症の初期には窮屈な履物を履いて動いた時しか痛まないこともあり、「ただ親指が曲がっているだけ」と軽く捉えてしまう人も多いものですが、症状(変形)が進むと親指が人差し指の下に入り込んで底側に痛みを伴うタコを形成したりと、裸足でも痛みを感じるようになります。
 
外反母趾が引き起こす二次的障害
 

外反母趾になると、足の一部分に体重がかかったり、無理なねじれが生じて身体のバランスが崩れます。そして地面を踏みしめるべき足指に力が入らなくなり、不安定な歩き方になっていきます。この状態が続くと、身体のどこかに過剰な負担がかかることになり、膝や腰の痛み、肩こりや頭痛などの二次的な障害を引き起こす原因となります。

   
外反母趾を治療・予防するには
    外反母趾の治療には外科手術の方法もありますが、歩けないほどの痛みがない限りはその必要はないでしょう。治療・予防ともに、まずは身近なところから、履物への注意や足指の強化を心がけましょう。また、足にかかる負担を減らすため、体重を増やさないことや長時間の立位を避けることも大切です。
 
正しい姿勢で歩く
 

足の一部だけに負担をかけないよう、バランスの良い歩き方をしましょう。踵→足の裏全体の順に足底を地面につけ、足の指を使って地面を蹴るようにして前に進みます。大股気味に歩くのが理想的です。

履物選びの注意
 

日常生活で窮屈な靴を履かないこと。先端が広くて足のアーチ構造が無理なく保持できる履物を選びましょう。負担を減らすには、免震効果のある中敷などを利用するのも良いでしょう。

足指の運動をする
 

普段から足の親指を内側・外側に曲げたり、回したりする運動をしたり、足自体の筋肉を強化するよう心がけましょう。同時に、足裏のマッサージや足指のグーパー運動も習慣づけます。

  身体に原因不明の痛みがあるときは外反母趾を疑ってみろ」との意見もあるほど、足指の異常は身体全体に影響を及ぼすものです。靴だけが原因ではないと言っても、やはり窮屈な靴は立ち方・歩き方を不自然にし、足に無理な力を加えてしまいます。足の形に合った靴を選び、身体のバランスを足元から整えましょう。
 

 

 

足の指の皮がポロポロ…これって水虫?(2006年7月)

 

     
 
7月のテーマ:
足の指の皮がポロポロ…これって水虫?
 湿度の高い日本の夏。梅雨があければ、本格的に夏本番です。暑さとともに、食欲不振や日射病、夏バテなどの体調不良も心配になってくるので、身体の調子には注意して過ごしましょう。

さて、蒸し暑い時期は特に気になる靴の中の蒸れ。そう、水虫の多くなる季節です。特効薬のない病気、オヤジの病気と言われた時代も今は昔。対処法や効果的な薬が開発される一方、若い女性や子供の水虫も多くなっています。そこで今回は水虫についてのお話。本人はもちろん、家族に水虫がいる人もぜひご一読ください。

 
     

 

水虫ってどんな病気?
 

 テレビCMなどでご存知の方も多いと思いますが、水虫は一種のカビ。皮膚糸状菌という一種のカビによって生じる感染症を言い、多くは白癬菌というカビが原因です。高温多湿を好むカビの特性と、皮膚のたんぱく質(ケラチン)を栄養源とする性質があるため、足の裏や足指の間などが「住みやすい場所」となるようです。

また、足に発症した場合は水虫ですが、生じる場所が爪なら爪水虫、体ならたむし、股ならいんきんたむし、頭皮ならしらくもと呼び名が変わり、必ずしも足だけに生じるものではありません。

 
足水虫の特徴
 
さらに、足の水虫にもいくつかのタイプがあります。
・ジュクジュクタイプ(趾間型)

一番多いタイプの水虫。足指の間が、びらん(ジュクジュクした状態)して白くふやけるタイプ。皮がむけたり、赤くただれてきたりします。
・ポツポツタイプ(小水疱型)

足裏などに小さな水ぶくれがポツポツとでき、その後薄皮がむけるタイプ。水ぶくれの周りが腫れてくる場合もありますが、水ぶくれが目立たず、薄皮がむけるだけの場合もあります。ちなみに、水ぶくれが破れたときの汁には白癬菌はいないため、この汁から水虫がうつる心配はありません。
・ガサガサタイプ(角質増殖型)

足裏の角質が厚くなりガサガサになって割れたりはがれたりするタイプ。このはがれた皮には白癬菌がすんでいるため、ここから家族などへ感染する場合もあります。また、水ぶくれやかゆみなどがないため、水虫と気付かない場合も多いタイプなので注意が必要です。
・爪水虫

爪の色が白色から黄色に濁り、厚くなるタイプ。進行してくると爪がもろくなって欠けたり、でこぼこになったりします。足水虫が爪にうつることで発症することが多いようです。

 「かゆい」というイメージの強い水虫ですが、かゆみを感じない場合も意外と多いのが実際のところ。特にガサガサタイプの場合、水虫と気付かずに過ごしている人も多いようです。一度自分の足を見て、「もしかして…」と感じるところがあれば、皮膚科へ行ってみましょう。

 
水虫に似た皮膚病
 
 水虫になると、大抵の人は市販の水虫薬で治療を試みます。しかし「薬を塗っても治らない」と、皮膚科に訪れる人も多く、なんとその3割近くが別の病気なんだとか。逆に水虫じゃないと思っていたのに水虫だったというケースもありますが、水虫に似た病気には以下のようなものが挙げられます。
・掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

手のひらや足の裏などの皮膚に、膿をもったプツプツができる皮膚病
・汗疱(かんぽう)

手のひらや足の裏などの皮膚に、小さな水ぶくれができる皮膚病
・かぶれや湿疹

手のひらや足の裏などがかぶれたり湿疹ができ、赤みやかゆみができる

これらの症状は水虫と間違いやすいものですが、水虫ではないので水虫薬を塗っても治らなくて当然ですね。このような間違いを防ぐためにも、疑わしい場合はやはり皮膚科での診断をおすすめします。

 
水虫治療はどう行うの?
 

●皮膚科での診断

では、皮膚科ではどのような診断と治療をするのでしょうか。一般的な流れをご紹介します。

皮膚科ではまず皮膚の状態をみて診断しますが、水虫かどうかの判断は、白癬菌の確認によって行います。皮膚の表面をこすって、顕微鏡で白癬菌の有無を確認することで、水虫かどうかを判断するのです。

●水虫薬について

水虫と診断されたら、そのあとは外用薬による治療が始まります。抗真菌薬を患部に塗布しますが、ジュクジュク水虫や白くふやけている場合、化膿やかぶれを伴っている場合などは、まずはその症状を抑えてから抗真菌薬による治療を開始します。また、爪の水虫の場合は内服薬が必要になりますが、肝臓へ負担がかかることもあるため、医師の指示に従いましょう。

薬を使用する際、大切なのは毎日続けて塗布することです。水虫は角質層の奥深くに寄生している場合が多いため、表面上治ったようにみえても、菌が残っているおそれが高いのです。皮膚のターンオーバーのサイクルは約1ヶ月。つまり、角質層が新陳代謝によって完全に生まれ変わるのには約1ヶ月かかるのです。このことからも、症状が治まったように見えても、それから最低でもさらに1ヶ月は薬を塗布し続けることが水虫治療のポイントなのです。塗るタイミングは、毎日の入浴後がベスト。清潔なのはもちろん、皮膚が柔らかくなっており、成分が浸透しやすい状態になっているからです。また、かゆいところや赤くなっているところ以外にも菌の広がっている可能性があるため、患部周辺になるべく広範囲に塗るようにしましょう。

 
 水虫の正体はカビ。ということは、カビが繁殖しづらい環境を作ることが水虫撃退の第一歩です。カビは高温多湿を好むので、足を蒸らさない、乾燥させる、こまめに洗う、などしてカビの繁殖しにくい状態を保ちましょう。

バスマットやスリッパなどから感染するケースも多いため、家族に水虫のいる家庭はもちろん、プールや公衆浴場、スポーツジムなどでも、最後に足をキレイに洗う、自分専用のスリッパを持参するなどして対処しましょう。また、靴や靴下も通気性のよいものを選ぶようにして、足の蒸れを減らしましょう。

治りにくいと思われている水虫ですが、正しい治療を根気よく続ければ約1ヶ月でよくなるはずです。民間療法も多く出回っていますが、症状を悪化させたりかぶれやただれなどを引き起こしてしまう場合もあるので、おすすめできません。やはり一番は医師の診断を受け、早めに正しい治療を始めること。家族に水虫のいる家庭は、本人だけでなく家族揃って診断するのがよいでしょう。素足になる機会もおおい季節、キレイな足で気持ちよく過ごしましょう。

 

 

1年の健康は一歩から! ウォーキングのススメ(2005年1月)

 

     
 
1月のテーマ:
1年の健康は一歩から!

ウォーキングのススメ

 2005年、新しい年の幕開けです。皆さん『一年の計』はたてましたか?毎日ジョギングする、ダイエットする、禁煙する…健康に過ごすための目標を掲げた人も多いのではないでしょうか?でも早速三日坊主、なんてことになっていませんか?そこで今回は手軽にできるウォーキングについて紹介します。ウォーキングは特別な道具もいらず、誰でも、いつでもどこでもできる手軽な運動。さあ、まずは一歩、健康な1年に向かって歩き出しましょう。

 
     

 

ウォーキングの効果
 
<ダイエットに>

運動には大量の酸素を取り入れながらある程度の時間運動を行なう有酸素運動と、ほとんど呼吸をせず短時間で激しい運動をし、運動後急激に心拍や血圧があがる無酸素運動の2種類があります。

身体が脂肪を燃焼するのは、運動を始めて10~20分後、身体が温まり血液の流れがさかんになってから。短距離走や激しいスポーツと比べ、苦しい思いをせずに長時間続けられるウォーキングは、脂肪の燃焼にも効果的な有酸素運動の代表です。

<糖尿病の予防に>

厚生労働省研究班によると、1日平均1時間以上2時間未満歩くと、糖尿病にかかる割合が男性で13.3%、女性で12.4%減少することが発表されています。

<心臓疾患の予防に>

健康・体力づくり事業財団の資料によると、1日平均10,000歩以上歩くと、高脂血症(中性脂肪)の割合が15.3%減少するとされており、コレステロールの低下によって心臓病の予防効果が期待できます。

正しいウォーキングとは
 
ウォーキングと言っても、ただ歩けばいいというものではありません。骨や筋肉に負担をかけないよう、正しい姿勢で歩くことが大切。そして何より、無理せず自分のペースで歩くことが長続きさせるコツです。
<正しいフォーム>

背筋を伸ばし、上体をまっすぐにして立つ。腹部は引き締めてあごを引き、目は前方を見つめるようにする。

腰の位置を高くするよう意識して、地面を蹴り出すときはひざや足首を十分伸ばすようにする。

足の着地はかかとから柔らかく、離すときは足の裏全体に体重をのせてつま先を蹴り出すようにする。

荷物はなるべく持たずに両手を空け、効果的な腕振りを心掛ける。大きく振る必要はないが、自然に伸ばして前後にテンポ良く振るようにする。

高い姿勢で歩けば歩幅も広がり、伸び伸びとスピードにのって歩くことができます。

<正しい靴選び>
 

きちんとサイズをはかり、自分に合ったものを選ぶ。

つま先をつけて踏み出したとき、親指の付け根と小指の付け根を結んだ線に違和感がないこと。

歩いたとき、かかとの部分がすっぽりと包まれていること。

指先がきつくなく、クッションが適度にきいていること。

 
<歩くための10のアドバイス>
アメリカの厚生省が指摘する「歩くための10のアドバイス」。これを参考に、無理せず怠けず、続けられるウォーキングを目指しましょう

車に乗るよりも、歩く。

靴は底部に弾力があり、ひもで結ぶタイプのランニングシューズを履く。

一度に長時間よりも、分割して歩いてもよい。

昼休みを有効に使う。20~30分歩いた後は、食事もおいしい。

一週間のうち3日は、せめて20分間の速歩をする。

満腹時は歩かない。食後、1時間半経過が目安。

歩数計を腰に、1日1万歩を目標に。

途中で、決めた時間ごとに脈拍を測る。1分間の計測が好ましいが、10秒間計ったものを6倍にしてもよい。

歩く習慣とともに、栄養のバランスを考慮することも習慣づける。

自分のペースを守って歩く。犬を連れての散歩は、自分のペースを乱されることが多いので注意。

 

本格的なウォーキングは面倒で…という人も、会社やデパートではエレベーターを避けて階段を使う、入り口から遠い駐車場に停める、バスや電車の一駅分歩いてみる…。ちょっと気をつけるだけで普段の生活の中でも歩くチャンスは増やせます。万歩計をつけて、現在の生活でどのくらい自分の足で歩いているかを知っておくのもいいでしょう。万里の道も一歩から、今日から早速始めてみませんか。