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まめ知識カテゴリ: 疲労回復・リフレッシュ

ドライアイに目薬は逆効果?治すには温めるのが有効!(2017年11月)

 

パソコンやスマートフォンのディスプレイを長時間眺めることが多い現代は、ドライアイになる方が増えています。ドライアイになると、目がしょぼしょぼしたり、眩しく感じたりといった不快な症状がみられます。目の乾きによる不快感を和らげるには、何をすれば良いのでしょうか?

 

◆目の乾きに目薬は逆効果?

目が乾燥してきたら、うるおいのために目薬を差す方が多いかもしれません。しかし、目薬でドライアイを改善するのは難しいと言われています。なぜなら、涙の成分と目薬の成分は違うからです。

 

涙はムチン層・涙液層・油層の3層構造になっていて、それぞれに重要な働きがあります。

  • ムチン層:粘液で涙と角膜を結びつける
  • 涙液層:目にうるおいを与え、汚れや細菌を除去する
  • 油層:目を覆うことで涙の蒸発を防ぐ

このような働きがあるため、涙は目から流れ落ちにくくなっていますが、目薬の場合はすぐに流れ落ちてしまいます。うるおいの持続時間は5分程度です。

 

その上、目薬にはもともと目にあった涙を洗い流す作用もあります。目薬を差すことで涙の量が減り、再び目が乾いてしまうという悪循環に陥るのです。さらに、防腐剤の入った目薬だと目を傷つけるおそれもあります。目の乾きが気になる場合は、防腐剤の入っていない目薬を選びましょう。

 

◆目を温めれば水分を増やす手助けに

目の乾きを感じたときは、1回10分間を目安に、40度の蒸しタオルで目を温めましょう。まつ毛の内側には「マイボーム腺」という皮脂腺があります。マイボーム腺は、涙の層のうち油層を作り出すという重要な役割を担っています。こちらが詰まってしまうと、涙に油分がなくなり、うるおいを保つのが難しくなります。

 

そんなマイボーム腺の詰まりを和らげる手助けになるのが、目を温めることです。油は温めると溶け出す性質があります。油が溶け出して目の表面を覆ってくれれば、目のうるおいをより健康的に保つことが期待できます。

 

蒸しタオルは、濡らしたタオルを電子レンジで温めるだけで、簡単に作れます。外出中などで電子レンジを使えない場合には、専用のグッズがおすすめです。ドラッグストアでは、使い捨てのアイマスクや充電式のホットアイマスクといった便利な商品が販売されています。目が乾いたときのために用意しておきましょう。

 

◆目を温める際の注意点

目を温めるときにはいくつか注意点があります。まず、温度に注意しましょう。電子レンジでタオルを温めると、やけどしてしまうほど熱くなってしまうことがあります。レンジを利用する場合は、必ずタオルを手で触れても熱くない温度まで冷ましてから使用してください。

 

また、ホットアイマスクの代わりにカイロを当てるのは避けましょう。カイロは当てっぱなしにするとやけどするおそれがあり、目に使うのは危険です。蒸しタオルか専用のホットアイマスクを使うようにしましょう。

 

目が充血している場合は、温めることで却って炎症を悪化させてしまうおそれがあるため、注意が必要です。白目が赤くなっているときやかゆみがあるときには、温めるよりも冷やすようにしましょう。

 

目の充血は、白目の下にある毛細血管が膨張することで起こります。冷やして膨張した血管が縮小すれば、充血を和らげる手助けになります。ただし、あまりに冷たすぎると目に負担がかかってしまいますから、氷を直接当てるなどの冷やし方は避け、冷水に浸したタオルを使うようにしてください。

 

ドライアイを治すには、目薬を差すよりも目を温めた方が健康的です。ぜひ、1日の終わりに蒸しタオルやホットアイマスクで目を温めてみてください。お仕事や勉強で長時間ディスプレイを見て疲れた目を、ゆっくりと休ませてあげましょう。

ブロッコリーを食べて健康になろう!(2017年10月)

 

ブロッコリーは食べやすく、そして季節を問わず手に入れやすいため、普段からよく食べているという方も多いのではないでしょうか?そんな身近な食材であるブロッコリーですが、実は健康に良い成分が豊富に含まれています。最近あまり体調が良くないという方は、食事にブロッコリーをたくさん取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

◆貧血予防に効果的なブロッコリー

ブロッコリーに効果が期待できるのは貧血予防です。貧血は鉄分が不足することで起こります。鉄分は、ヘモグロビンの成分となり酸素の運搬を行う働きがあるため、不足すると血液の巡りが悪くなってしまうのです。ブロッコリーは野菜の中でも特に鉄分が豊富なため、たくさん食べれば鉄分不足の予防につながります。

 

ブロッコリーに含まれている有効な成分は、鉄分だけではありません。鉄分の吸収率を高めるビタミンCや、造血作用のある葉酸も豊富に含まれています。特にビタミンCはレモンの3倍も含まれていて、2房食べるだけで1日分のビタミン必要量を満たせるといわれています。

 

ブロッコリーを他の食材と合わせるのもおすすめです。例えば、牛・豚・鶏のレバーや青魚といった食材には、鉄分が豊富に含まれています。しかし、鉄分の吸収を促す栄養素を一緒に摂らなければ、うまく体内で吸収することができません。レバーや青魚を食べる際には、ブロッコリーを取り入れて、健康効果を高めましょう。

 

◆便秘解消にも役立つ!

ブロッコリーには、食物繊維が100gあたり4.4gと、野菜の中でもトップクラスに多く含まれています。食物繊維には腸内の働きを良くしてくれる働きがあり、便秘の解消に大変効果的です。

 

食物繊維は、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2つに分けられます。ブロッコリーに含まれる食物繊維は不溶性で、水に溶けません。不溶性食物繊維は腸内で水分を吸収して膨らみ、便をかさ増しして腸壁を刺激し、蠕動(ぜんどう)運動を促す効果があります。そのため、たくさん摂ることで便通が促進されるのです。

 

ただし、不溶性食物繊維だけを摂っても、あまり効果が期待できません。不溶性食物繊維には便を固くする作用もあるため、摂り過ぎると便秘を悪化させてしまうおそれもあります。理想は水溶性と不溶性の食物繊維を2:1の割合で摂ることです。水溶性食物繊維には便を柔らかくする働きがあるため、不溶性食物繊維による便を固くする働きを和らげることができます。ブロッコリーを食べるときは、水溶性食物繊維が多く含まれるりんご・にんじん・こんにゃく・海藻類も合わせることをおすすめします。

 

◆ブロッコリーの栄養をこわさない調理法は?

豊富に栄養を含むブロッコリーですが、調理法によって貴重な栄養素が流れ出てしまうことがあります。ブロッコリーを食べるときは調理のしかたに気をつけておきましょう。

 

ブロッコリーを茹で過ぎると、水溶性であるビタミンCが失われてしまいます。包丁で茎の部分に切れ込みを入れて茹で時間を短縮するなど、工夫をしてみてください。あるいは、電子レンジでそのまま加熱したり、鍋に少量の水とブロッコリーを入れフタをして蒸したりする調理法も便利です。

 

また、ブロッコリーをスープに入れると、流れ出た栄養素まで丸ごと摂れるのでおすすめです。例えばシチューのように肉や他の野菜がたっぷり入ったメニューを選べば、バランス良くブロッコリーを食べられます。寒い季節には、ブロッコリーを使った温かいメニューで健康を目指しましょう。

 

ブロッコリーには貧血・便秘などのさまざまな症状を防ぐ効果があります。ブロッコリーに含まれる栄養素が流れ出てしまわないためにも、調理法にも工夫をしてみてください。健康のために、身近な野菜であるブロッコリーをお役立てください。

疲れがなかなか取れないのはなぜ?脳疲労に気づいて体調を整えよう(2017年9月)

 

そこまで動いているわけではないのに、なぜか疲れが取れないということはないでしょうか? 疲れがなかなか取れないのは体ではなく、脳が疲れていることが原因かもしれません。情報量が圧倒的に増え、ストレス社会と呼ばれるようになった現代は、脳がとても疲れやすい時代です。脳が疲れていると、日常生活に支障をきたすようなさまざまな問題が出てきます。脳疲労には早めに気づいて、対処するようにしましょう。

 

 

◆脳疲労の兆候

体の疲れと違い、脳の疲れはなかなか自覚することができません。そのため、事態が深刻になってから初めて気づくというケースがよくあります。悪化を防ぐためにも、小さな症状を見過ごさないようにしましょう。

 

脳疲労の兆候としては、

 

  • イライラする
  • 夜中に目が覚める
  • 何事にもやる気が起きなくなる
  • あまり動いていなくても疲れる
  • 考えがまとまらない
  • 集中力が低下する
  • もの忘れが増える
  • ミスが増える
  • 記憶力が落ちる

 

などがあります。これらの症状が続くようなら、脳が疲れているのではないかと疑ってみてください。

 

また、教師・公務員・システムエンジニア・看護師・介護士といった職業の方は、脳疲労が起こりやすい傾向にあります。長時間労働が多く、理不尽なクレームを入れられることも多いため、どんどん脳に疲労が蓄積されてしまうからです。これらの職業に就いている方は特に注意して、自分の状態を振り返ってみましょう。

 

◆脳疲労の原因は情報の多さとストレス

脳疲労は情報が多過ぎることや、過度なストレスが原因で起こります。現在は、インターネットの普及で入ってくる情報量が昔に比べて圧倒的に増えました。それにより、脳のバランスが崩れやすくなっています。

 

大脳は理性を司る「大脳新皮質」と本能を司る「大脳辺縁系」に分けることができます。外からの情報は大脳新皮質で、感情や欲求のような内部の情報は大脳辺縁系で処理されています。しかし、外からの情報が多過ぎると、大脳新皮質だけが働くことになり、自律神経のバランスが崩れてしまうのです。このような状況が続くと、やる気が起きず考えが散漫になる慢性疲労の状態に陥りやすくなります。

 

また、ストレスがかかっているのに休みたい欲求を抑えることも、大脳新皮質と大脳辺縁系のバランスを崩すことにつながります。脳がストレスにさらされ続けると、本来の働きができなくなるので注意しましょう。

 

◆脳疲労を改善するためには睡眠が有効

脳を疲れさせるのは健康に良くないとはいえ、全く疲労させないのは難しいですよね。疲労を感じたときは脳を休めて、回復させましょう。

 

脳が休めるのは眠っているときだけです。そのため、脳疲労から回復するには睡眠をたくさんとるのが一番有効です。ただ、睡眠時間が長くても質が良くないとあまり疲れを取ることができません。良質な睡眠をとるために、午前中には太陽の光を浴びて夜眠りやすくし、寝る前にパソコンやスマートフォンを使うのは控えて、睡眠を阻害しないようにしましょう。その他には、軽い運動をしたり、温かい飲み物を飲んだり、目・首・肩を温めたりしても脳疲労を軽減できます、

 

注意が必要なのは、擬似回復ができるものです。コーヒー・アルコール・タバコ・糖分・エナジードリンクには、一時的に疲れが取れたかのように感じさせる効果がありますが、それは脳が錯覚しただけで、実際には疲労が残ったままです。脳を騙して頑張り続けていると、いつかは限界が来てしまいます。コーヒーやアルコールには頼り過ぎないようにしましょう。

 

脳が疲労していると、あらゆる場面での効率が落ちてしまいます。最近疲れが取れなくなったと感じるなら、なるべく睡眠時間を増やして脳を休めてみてください。脳の疲労が回復すれば、再び元気に活動できるようになるはずです。

栄養効果抜群!トマトを食べて夏バテ対策(2017年8月)

 

夏になるとだるくなったり、食欲が無くなったりしますよね。暑さで何もやる気が起きないという方も多いのではないでしょうか?そんなときは、ぜひトマトをたくさん食べてみてください。トマトは、「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほど、健康に良い食材です。豊富に含まれる栄養分によって、夏バテの改善が期待できます。

 

 

◆夏バテの主な原因は自律神経が乱れること

日本の夏は高温多湿であるため、どうしても体力を消耗しやすくなります。夏バテすると、全身の倦怠感・食欲不振・下痢・便秘・微熱・目まい・吐き気といったさまざまな症状が起こります。

 

このような夏バテの主な原因は、自律神経が乱れることです。自律神経には、暑いときに汗を出したり、血管を広げたりする働きがあります。しかし、夏場は暑い屋外とエアコンが効いた涼しい室内を頻繁に行き来するため、自律神経のバランスが崩れやすくなるのです。さらに、エアコンが効き過ぎた室内に長くいると、血行不良が引き起こされ、体に栄養が行き渡らず疲れやすくなります。

 

また、暑さによる寝苦しさで眠りにくくなることから、睡眠不足に陥るケースも多くなります。寝ているつもりでも暑さによって眠りが浅くなり、疲労が回復しきれないということもあるため、注意が必要です。

 

汗をかいて水分・塩分・ミネラル分が排出されてしまうことも、体力の低下につながります。塩分やミネラルが不足すると内臓の働きが弱くなるため、食欲が落ちます。食欲不振で栄養が摂れないと、なかなか夏バテを治すことができません。このような悪循環に陥りやすいため、体調に異変を感じたら早めに対策することをおすすめします。

 

◆夏バテ予防に効果的なのはトマト

夏バテを改善するには、たくさん睡眠を取ったり水分補給をしたりという方法がありますが、おすすめなのは食べ物から栄養を摂ることです。特にトマトには夏バテ解消に役立つ栄養素が豊富に含まれているため、おすすめの食材です。

 

トマトには貧血予防になる「鉄分」や、ナトリウムを排出する「カリウム」、胃の働きを活発にする「クエン酸」が含まれています。さらに、抗酸化作用のある「βカロテン」や「リコピン」も豊富です。抗酸化作用とは細胞を傷つける活性酸素を除去する力のことで、昨今大きな注目が集まっています。人間が呼吸によって酸素を吸ったとき、その一部は活性酸素に変化します。

 

活性酸素には体内に入り込んだ細菌を駆除する働きがありますが、増え過ぎると血管や細胞を傷つけ、体の中を酸化させることにつながります。体内が酸化すると細胞の老化が早まり、生活習慣病や肌荒れといったさまざまな問題が引き起こされます。さらに活性酸素は自律神経の中枢細胞も錆びさせるため、ふらつきや目まいのような夏バテ特有の症状を引き起こします。抗酸化作用のあるトマトを食べれば、これらのトラブルを軽減することが期待できるというわけです。

 

◆おすすめのトマトの食べ方

トマトは生で食べても十分に健康への効果を期待できます。しかし、トマトに含まれる「リコピン」は加熱すると2~3倍吸収されやすくなるため、効率的に栄養を摂りたいなら加熱調理して食べるのがおすすめです。

 

理想的なのは、トマトを肉と一緒に食べることです。トマトに含まれるクエン酸は、胃の働きを強める作用があるため、肉の消化吸収を助けてくれます。牛肉の脂肪にはリコピンの吸収を促す作用があるため、よりトマトの栄養効果を高めることができます。

 

リコピンには油に溶けやすい性質があるため、油を使った料理もおすすめです。オリーブオイルで炒めてトマトソースにしたり、カレーに入れたりしてみてください。

 

また、食欲が無い場合はトマトジュースを飲むだけでも効果があります。長時間外を歩く予定があるときは、出かける前と帰ってきた後にトマトジュースを飲みましょう。抗酸化作用を期待できるだけでなく、水分補給ができます。

 

トマトは食べやすくどこでも買えるため、普段の食事に取り入れやすい食材です。夏場に体の調子が悪いと感じたときは、ぜひトマトをたくさん食べてみてください。

深い呼吸で心も体も健康になろう!(2017年5月)

 

忙しい毎日を過ごしていると、気づかないうちに呼吸が浅くなっていることはないでしょうか。浅い呼吸をしていると疲れが取れにくくなり、メンタルにも悪い影響が出ます。きちんと休んでいるのに疲れが取れない人や、しょっちゅうイライラしたり落ち込んだりしてしまうという方は、ぜひ腹式呼吸に変えてみましょう。お腹まで深く息を吸い込むことで、心身ともにリフレッシュできます。

 

◆間違った呼吸の仕方は疲れや体調不良を招く

呼吸は心身のさまざまな面に影響しています。それは呼吸の仕方と自律神経が密接に関係しているからです。息を吸うときは交感神経が刺激され、息を吐くときは副交感神経が優位となり、リラックスに必要なセロトニンが分泌されます。もしも慢性的に呼吸が浅くなっていれば、休んでいるときでも身体が活動中だと勘違いして交感神経優位の状態が続きます。その結果、セロトニンが不足し、いつも緊張状態で疲れもなかなか取れない状態になりやすいのです。

 

そのため、睡眠をとっているにもかかわらず眠気を催したり、代謝が落ちて痩せにくくなったりします。さらには、血行不良を起こしてむくみや便秘などの不調を招くことも。しかも現代社会は仕事の激務や対人関係などストレスを抱えがちで、自然と呼吸も浅くなりがちです。

 

また、姿勢にも要注意。猫背の姿勢は胸郭が潰れた状態になり、呼吸時に上下に動く横隔膜の動きが妨げられた結果、浅い呼吸しかできません。浅い呼吸かどうか確かめるには、ゆっくりと20秒以上かけて息を吐いてみること。20秒未満になってしまう場合は、浅い呼吸の可能性があります。

 

 

◆慣れれば簡単!腹式呼吸のやり方を覚えよう

呼吸が浅い人はお腹で息を吸わず、胸で吸い込む胸式呼吸になっています。胸式呼吸では胸のあたりだけを使って息を吸ったり吐いたりするので、どうしても呼吸か浅くなりがちです。腹式呼吸に変えて、深く呼吸できるようになりましょう。

 

やり方はまず、お腹を楽にゆるめて鼻からゆっくり息を吸い込みます。手をお腹に乗せて、お腹が膨らむのを感じながら行うとやりやすいです。次にお腹をぐっとへこませながら、口からゆっくりと息を吐きます。お腹が筒状に縮まることを意識しながら吐くとより効果的。吐き出しにくい場合は、ケーキのロウソクを消すように何回かに分けて息を吐くといいでしょう。息を吐くときは身体の中にある悪いものが外へ出ていくイメージをし、吸うときにはきれいな空気が体の中を洗い流してくれるように思い描いて呼吸をするとさらに効果が高まります。

 

腹式呼吸は簡単そうに思えて、今まで浅い呼吸をしてきた人や、吸ったり吐いたりするときのお腹の動きが逆になっている人にはなかなかうまくできない呼吸法です。慣れないうちは難しいですが、習慣化すると考えなくてもできるようになるので、ぜひ思い出したときに取り組んでみましょう。

 

◆深い呼吸に変えれば、自律神経が整い疲れもとれる

呼吸を整えることで得られる一番のメリットは、自律神経が整うことです。基本的に自分の意志でコントロールできない自律神経に、唯一自分の意志で働きかけることができるのが呼吸だといわれています。自律神経は内臓や血管の働きをコントロールしているため、整うと腸の調子が良くなったり、冷えを改善したりという効果が期待できるのです。

 

ゆっくり息を吐き出すことを意識すれば副交感神経の働きが強まり、体を休めているときもよりリラックスできるでしょう。ほかにも、正しい呼吸で脊椎起立筋が鍛えられることにより姿勢が正しくなったり、深く呼吸をすることで肩や首の筋肉がストレッチされて肩こり・首こりが改善されたりと、たくさんのメリットが得られます。呼吸が浅くなっていると感じたら、ぜひ深い呼吸を心がけてみてください。

アボカドは栄養の宝庫! でも食べ過ぎには要注意!(2017年2月)

「森のバター」とも呼ばれるアボカドは、とても健康に良い食材です。老化の防止、体内のデトックス、血液をサラサラにするなど様々な効果があります。脂肪の燃焼にもよく、ダイエットにもおすすめの食べ物。ただ、果物の中ではカロリーが高い部類に入るので、食べ過ぎには注意が必要です。今回は、アボガドの持つパワーと、食べるときの注意点についてご説明します。

◆アボカドに含まれる栄養素の紹介

アボカドは果物の中で最も栄養価が高いといわれる食材です。皮膚の新陳代謝を高めてシミやそばかすを防止してくれるビタミンEや、皮膚や粘膜の正常保持効果があるビタミンA、免疫力アップや、コラーゲンの生成を促進してくれるビタミンCなどが豊富に含まれています。これらの成分を取るとアンチエイジング効果も期待できます。

ビタミン以外の栄養素にも着目。アボカドのコエンザイムQ10には生活習慣病予防や美肌効果があり、カルシウムやリンには骨を強くする働きがあります。さらにグルタチオンという成分には解毒を促進させて肝臓を助ける働きがあるので、飲酒・喫煙で疲れた肝臓を癒す力も。また、アボカドに含まれるビタミンEの抗酸化作用はがんの予防、プロトカテク酸にはがん細胞の増殖を抑制する効果があるといわれています。

アボカドには脂肪分が多いですが、体に良いタイプの脂肪なので摂っても問題ありません。

アボカドにはリノール酸やオレイン酸、リノレン酸といった不飽和脂肪酸が含まれています。これには悪玉コレステロールを抑える働きがあるので、むしろ体にとっていい働きが期待できるでしょう。コレステロールの吸収を抑えられると血液がサラサラになり、動脈硬化の予防につながります。アボカドを一つ食べるだけで、これだけ多くの栄養素を摂取することができるのです。

◆デトックス効果もあり、ダイエットの食事にもおすすめ

アボカドにはさらに、デトックス効果も期待できます。アボカドにはゴボウ1本分もの豊富な食物繊維が含まれていますが、食物繊維には腸内の環境を良くしてくれる効果があるので、便秘に悩む人には心強い味方です。またアボカドに含まれるカリウムには、摂り過ぎたナトリウムを尿として排出してくれる働きも。余分なナトリウムが体内から出ていくことで、高血圧の予防にもつながります。現代は塩分過多の食事が問題視されますので、カリウムは積極的に摂っておきたい成分の1つです。

また、脂肪を燃焼してくれるうえに満腹感も高いのでダイエットにも適している食材です。アボカドに含まれる消化酵素やオレイン酸には脂肪を分解、燃焼させる効果があります。運動の前にアボカドを口にすれば、効率よく脂肪を吸収・消化できるでしょう。食べ方として、バターの代わりに使うのがおすすめ。パンを食べるときなどにバターを塗る代わりアボカドを塗って、カロリーを抑えてみてください。

◆難点は高カロリー。食べ過ぎに注意!

満腹感を得られ、栄養価も高い夢のような食材のアボカドですが、高カロリーという難点もあります。アボカドは1つ220キロカロリーと、ご飯1杯分くらいのカロリーがあるので、ご飯も同じように食べていては、カロリーの過剰摂取につながります。適度なカロリー摂取を心がけるのであれば、普段からごはん1杯分減らす食事を意識してみてはいかがでしょうか。もしくは切って半分だけ食べる、という食べ方もいいかもしれません。カットしてある場合でもきちんとラップで包めば、冷蔵保存で2日程持つので、小分けに食べることも可能です。

果物を食べ過ぎて太るということは滅多にありませんが、アボカドの場合は果物の中でもカロリーが高い種類なので要注意です。しかし、健康効果はとても高いので食べ過ぎない範囲でぜひ取り入れてみてください。

いろいろな症状の改善につながるリンパマッサージ。自分でやるときの注意点とは?(2016年12月)

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テレビや雑誌などでよく取り上げられるリンパマッサージ。しかし、具体的にどういうものなのか分からない人も多いのでは?リンパは老廃物の除去や健康的な肌作りに重要な役割を担っていますが、滞りやすいという欠点も。そこで、リンパの働きをよくするためのマッサージが重要なのです。ここでは、リンパマッサージの詳しい効能と、自宅でやるときの注意点についてご紹介します。

 

 

◆リンパとは?

リンパとは、血液と同じように体中に存在するものです。全身に張り巡らされているのがリンパ管。その中を流れている血しょうの一部で、リンパ管に吸収されたのがリンパ液。そして、全身の要所にある、リンパ管が合流している部分をリンパ節と呼びます。これらを総称したものがリンパです。リンパの働きは、老廃物の回収と排泄、細菌の退治など。また、ウイルスなどへの抗体を作ったり、異物や細菌を除去したり、健康を維持するうえでさまざまな機能を備えています。

 

血管と同じように体中に張り巡らされているリンパですが、その役割は全く異なります。血管が酸素と栄養を運ぶのに対して、リンパ管は不要物を運ぶごみ箱のような存在です。また、血液は心臓をポンプとして自動的に全身に流れてきますが、リンパは筋肉の動きによって自発的に流れています。そのため、リンパの停滞は運動不足の人に多く見られます。

 

リンパマッサージは、溜まった老廃物を流して、体のリンパの流れを改善するマッサージです。不要物がなくなれば、健康や美容にさまざまな効果が期待できます。

 

◆便秘、冷え症、ダイエットに効果を発揮

まずは便秘。痛みがないので油断しがちですが、お通じが悪いと頭痛や食欲不振、肩こりや腰痛の引き金になることがあり、見逃せない症状です。便秘とリンパには密接な関係があるので、マッサージで改善できる可能性があります。腸回りのリンパに刺激を加えると、腸の働きが活性化されて、排便が促されるのです。便秘解消が目的の人は、腰回りと下腹部のマッサージを行いましょう。

 

mame1612_002冷え症の人にもリンパマッサージは効果的です。冷え症は慢性化すると、ホルモンバランスが崩れて老化を早めたり、免疫力を低下させたりするなど、さまざまな問題を起こします。リンパマッサージは、下半身を重点にし、広い範囲で定期的に行うことが有効です。ふくらはぎや足裏、足首などをマッサージしましょう。休憩時間などにぜひ試してみてください。

 

ダイエットにも効果が期待できるかもしれません。リンパマッサージをすると、リンパの流れだけでなく、血液の流れもよくできます。体が活発になり、基礎代謝が上がるので、痩せやすい体が作れるでしょう。また、マッサージでリンパの流れを良くすれば、老廃物が外に流れてむくみを取ることができるので、見た目が痩せて見えることも。体型が気になる方は、ぜひトライしてみましょう。

 

◆セルフマッサージの注意点

mame1612_003リンパの流れはとても穏やかなので、あまり早くマッサージしてはいけません。心臓から出て行ったリンパ液がまた心臓に戻ってくるまでには12~24時間かかります。血液は1周40秒程なので、比べるとリンパの流れはとても遅いことが分かります。リンパ液は1秒で1センチほどしか進まないので、リンパマッサージはゆっくりと一定の速度で行うのが理想的です。

 

また、早く効果を出したいからといって、強くし過ぎてもいけません。リンパ液は皮膚の表面近くを流れているので、くれぐれも強い力で押さないように。あまり強く押しすぎると、逆にむくみや血行障害を引き起こす恐れがあります。1か所の所要時間は10~15分が目安です。一度にたくさんやらずに、こまめに行って毎日続けましょう。

 

リンパマッサージは病院の治療とは違うので、一度に劇的な効果が出るものではありませんが、続けると体質改善につながります。無理せずこまめに続けましょう。あまり力は入れず、さするようなマッサージを心がけてくださいね。

肩こりの要因をつくる習慣とは?原因と予防法を知って改善をめざしましょう(2015年9月)

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肩こりの主な原因は「同じ姿勢」「眼精疲労」「運動不足」「ストレス」の4つと言われています。特に毎日遅くまで残業をしているような方は、当てはまる項目が多いのではないでしょうじゃ?そこで今回は、肩こりの原因について探り、併せて予防法についてもお伝えします。

 

 

 

◆デスクワーカーは姿勢と運動不足に注意!

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パソコンに向かって仕事をするのが当たり前となっている現代では、一日中画面を見続けている方も多いことでしょう。デスクワークを中心に、朝から晩まで同じ姿勢を保ちながら仕事をする方の多くが、肩こりに悩まされていると言われています。

 

デスクワークは手を使った作業が中心となります。その際、多くの人が首を前に突き出した状態で肩をすぼめ、猫背のような姿勢になりがちです。この体勢を続けていると首から肩にかけて緊張性の疲労が生じ、その部位の血流が悪くなります。これが結果として、肩こりの症状を引き起こしている訳です。

 

主な予防策としては、とにかく同じ姿勢をキープしないということ。一定時間毎に首や肩を回して緊張をほぐしてあげましょう。首をゆっくりと後ろに反らせるのも効果的です。

 

また、日頃からデスクワークがメーンの方は運動不足になりやすい傾向があります。運動不足も肩こりを誘発する要因となるため、日頃から適度な運動を心がけ、全身の血行を促進するよう努めてください。これにより、肩こりはもちろん、疲れを感じにくい強い身体を作ることができます。はじめから肩こりが起きにくい身体なれば、つらい症状に悩まされることもなくなるでしょう。

 

図とは言え、運動の時間が中々確保できないという方も多いでしょう。その場合は、最低でも一時間に一回はイスから立ち上がり、全身を動かすよう心がけてください。手を伸ばして手首を振る、屈伸をする、といった簡単な運動だけでも肩こりの防止効果が望めます。

 

◆パソコンやスマートフォンによって目が疲れる

パソコンはもちろん、最近ではスマートフォンの普及により、一日の中でディスプレイを見続ける時間が増えてきた現代人。当然ですが、長時間画面を見続けると目が疲れてしまいます。そして、この眼の疲れは肩こりにもつながります。

 

眼精疲労が肩こりの原因となる理由は、細かい文字などを長時間見続けることにより、目およびその周囲に筋肉が緊張状態になるからです。同時に、光源(パソコンの画面など)を見続けると瞬きの回数が減り、ドライアイ状態になります。この二つが重なり合うことで、肩こりの症状が悪化することもあるので注意しましょう。

 

図眼精疲労の対策としては、一分程度目を閉じて休ませるか、目の疲れを感じたら目薬を注すのが良いでしょう。ドライアイを防ぐのに効果的です。また、こめかみあたりを八の字にマッサージするのも良いでしょう。目の周りの筋肉がほぐれて、肩こりの予防につながります。

 

また、大前提としてパソコンやスマートフォンの使用を控える、ということも付け加えておきましょう。仕事中は仕方ないかもしれませんが、家に帰ってからは極力スマートフォンを見ないようにし、読書などをして過ごすのがお勧めです。

 

◆ストレスからくる肩こりもある

肩こりにはストレス性のものがあり、特に女性を中心に引き起こされます。ストレス性の肩こりの対策は、当然ですがストレスを溜めすぎないこと。好きなことや夢中になれることを楽しみ、定期的にストレスを発散することが大切です。

 

人によって発散方法は異なりますが、できるだけ運動で発散させるのが良いでしょう。気持ちがスッキリするのはもちろん、運動することで血行が促進され、肩こりの予防につながります。また、気分が落ち込みやすい人ほど発症しやすいという特徴もあるので、気持ちを前向きに保てるよう心がけることも重要です。

 

◆つらい肩こりを改善できるかは、あなたの心がけ次第です

いかがでしたか?ご自身に当てはまる習慣がある方は、それが肩こりの原因かもしれません。今回ご紹介した予防法をお試しいただき、なおかつ肩こりを引き起こす要因を取り除けるような生活を心がけましょう。

 

健康なランナーを目指そう(2015年3月)

イラスト

 

毎年、春を目前に行われる東京マラソン。参加する人も応援する人もこれほど楽しめる大会はないかもしれません。東京の街並みを普段とは違った目線でじっくり味わいながらのラン。こうした大会に参加して、もう二度と走りたくないと思う人と、初参加で病みつきになる人がいるといいます。今回参加した知人にその典型のような二人がいましたので、その顛末をご紹介しながら、ランニングで健康になる方法を考えてみましょう。

 

運の良いA氏、頑張り屋のBさん

A氏は、元水泳選手で水泳のコーチもしていたという颯爽としたスポーツマン。東京マラソンには過去に2回続けて当選したという幸運な男です。今回は残念ながら抽選にもれ、それまで行っていた練習のモチベーションが一気に下がってしまっていました。ある日、会社の上司との飲み会の席でその話しをすると、なんと会社の後押しでチャリティーランナーとして参加することになりました。どこまでも運の良い男です。

 

Bさんは、頑張り屋のキャリアウーマン。毎日早朝から猛勉強、仕事で使う資格取得を目指していました。その試験に合格したBさんは、空いてしまった早朝の時間を走ることにしました。それが昨年の8月。初めてのフルマラソンにチャレンジする半年前のこと。たまたまギリギリに申し込んだ東京マラソンにも当選してしまったのです。それまで、マラソンはおろか短い距離のレース経験もありません。早速、ランニングシューズを買い求めました。

 

まったく異なる練習法

イラストさて、この二人の練習内容は、まったく異なっています。A氏は、一般応募で落選してからしばらくの間、練習に気が乗らず、さらにチャリティー枠での出場が決まってからも年末年始に例年より多い宴会が重なり、思うように練習できない日々が続きました。過去に4時間を切ってフィニッシュした経験があるので、1月に入ってからの短期間のコンディショニングでも4時間程度で走れる自信があったのです。1月の中旬には、徐々にペースをあげて走れるようになりました。

 

一方のBさん。11月に20キロレースに出場して、1月には30キロレース。物事を計画通りに進めることが得意なBさんは、ランニングの大会でも着々と距離を伸ばし、それぞれ10キロを約1時間で走ることができました。初めてにしては出来過ぎの感がありますが、これには理由があります。友人から勧められた本で体幹トレーニングとストレッチがランのフォームを作る上で大切なことを知り、毎日欠かさず練習に取り入れました。アスリート専門のトレーナーの講習会にも参加し、さらに知識を深めました。

 

大会直前のアクシデント

イラストこうしてそれぞれ本番を一ヵ月後に控え、練習に気合いが入る日々を過ごしていました。ところが、二人とも身体に問題がおきてしまいました。

 

A氏は、1月の末にひどい風邪を引いて体調を崩してしまったのです。せっかく練習も調子に乗ってきて、これからさらにペースを上げようとしていた矢先です。

 

Bさんの方は、足に問題が起きました。左足の踵のあたりが毎朝痛むようになったのです。

 

 

A氏の場合

まず、A氏の方から体調を崩す原因になったことを推測してみましょう。彼は経験も自信もあったので、比較的短期間にコンディショニングをあげられると考えていました。ここ何年かマラソンに参加してきた練習の蓄積もあります。しかし、彼のようマラソンの経験があっても日頃コンスタントに走っているのでなければ、大会本番に向けて最低でも3ヵ月はかけて基礎的な代謝機能を高め、衰えている筋力などを強化する必要があります。しかし、大会まで時間がなかったために、実際のレースでの走行スピードをイメージしたトレーニングに集中することになったのです。キロ何分という設定で練習していました。こうした練習では、心肺機能は高まるのですが、基礎体力が落ちてしまうことがあります。

 

皆さんもご存知の有酸素運動レベルでは、体内の糖質と脂肪の燃焼割合は50%ずつです。ところが、比較的早いスピードでの練習をすると酸素摂取量を酸素消費量が上回り酸素不足になります。酸素不足では脂肪をエネルギーにすることができません。この状態での練習を続けると身体は次第に脂肪をスムーズに燃やせなくなってくると考えられるのです。脂肪が使えないとなると、エネルギーは糖質に依存することになります。しかし、糖質は脳で常に大量に使われる上、体内の備蓄が少ないので身体は常にエネルギー不足の状態になり、疲れやすくなってしまいます。

 

A氏が早いスピードの練習で調子が上がってきたと思ったところで、ひどい風邪を引いてしまったのはエネルギー不足で基礎体力を失い、免疫機能を低下させたのだと考えられるのです。

 

この事態を避けるには、どうしたら良いのでしょうか。一つの方法が、トレーニングに心拍計を使うこと。心拍計を使うと脂肪を燃焼するゾーンで練習するエアロビックトレーニングを確実に行うことができます。このエアロビックトレーニングで脂肪を燃焼するエアロビックシステムを身体の中にしっかりと構築した上で、スピードを上げるトレーニングをすれば、A氏のように体調を崩すことはなかったと思います。

 

こうしたアドバイスをしたところ、A氏は大会本番で心拍計を付けて走ることになりました。今回は準備不足でエアロビックシステムが強固でないため、心拍計を確認しながらエアロビックゾーンで走り終盤にエネルギーを温存すると良いということも伝えました。本番では、15キロ地点まではゆっくり走っていたのですが、その後体調が良いと感じて30キロあたりまでスピードを上げてしまったということでした。ここでエネルギーを使い果たしたA氏は、35キロ過ぎからは足も動かずとても辛い思いをしながら歩いてフィニッシュラインに辿り着いたということです。走り終わっての感想は「もう二度と走らない」でした。

 

Bさんの場合

一方Bさんの足はどうだったのでしょうか。朝起きると踵に痛みがあって歩いているうちに消えるということでしたので、初期の足底筋膜炎だと思われます。これは、足底の筋肉の膜に炎症が起きるものです。長距離を走るようになって半年近く経過し、疲労から足のアーチが落ちてしまったことが原因です。Bさんには、このアーチを作るために足の指で靴底を掴むようにして歩くこと、裸足でタオルの上に足を置き、足指でタオルをたぐり寄せる練習をするというアドバイスをしました。この訓練でアーチを高くするのです。この後、幸いなことにこのことでBさんの足の痛みはなくなったということでした。

 

さて、大会本番。Bさんは女性らしいコスチュームに可愛らしい縫いぐるみのキャラクターを冠って走っていました。大会参加者の中には、全身に映画のキャラクターの衣装で着込んでフルマラソンを走るという強者もいて、皆さんサービス精神満点です。

 

Bさんの腕には、最新型の脈拍計が付けられています。これは、胸にセンサーのベルトをつける形の「心拍計」ではなく、腕の血流をセンサーで測定するもの。気軽に付けられるという点に特徴があります。初めて一人で走るマラソンが不安だという彼女に、一緒に走ってくれるトレーナー役をこの脈拍計に託したのです。Bさんにもエアロビックゾーンで走れるよう目標にする心拍数の上限と下限を設定し、それぞれの心拍数を超えるとアラームが鳴るように設定しました。走っている間、このアラームの音に支えられてとても心強かったとBさん。見事に笑顔で初マラソンを完走しました。

 

エアロビックトレーニングの活用

イラスト大会の翌日、A氏とBさんに会いました。二人とも筋肉痛で階段の上り下りが辛いようです。A氏はレース直後に、もう二度と走りたくないと思ったが、時間が経つにつれて悔しさがこみ上げてきたと言います。もう一度、身体を作り直し、エアロビックシステムをきちんと構築してからレースに臨みたいとのこと。Bさんは、レース後もアミノ酸を摂ったりストレッチをしたりして身体のケアにも気をつけている様子。もう次のレースをどこにしようかと目を輝かせていました。

 

マラソンを趣味にしている人、これから参加しようという人はたくさんいます。楽しくフィニッシュするには、どうしたら良いかもうお分かりでしょう。本格的に走り出す前にエアロビックゾーンでの練習をじっくりと行い、脂肪を燃やしながら走れる身体を作ることが大切です。体脂肪の燃える身体にすれば、自然に普通体型になりますので無理なダイエットをする必要はありませんね。

姿勢年齢を若く保つ(2014年12月)

 

図 先日なにげなくテレビをつけたところ、とても姿勢の良い初老の男性がでてきました。別に芸能人でもなければ、体操の先生でもないようです。しかし、その姿勢の良さが生み出す雰囲気がとても若々しく、歌声もなかなか素敵で、実際の年齢を聞いてたいへん驚きました。「姿勢年齢」という言い方があるとすれば、その若さを保つということは大切なことでしょう。今月は、その方法についてご紹介しましょう。

 

良い姿勢はなぜ大切か

 地球上に生息する我々は、常に重力によって地面に向かって押さえつけられています。普段は意識しないことですが、長いこと風邪等で寝込んだ後に起き上がると重力に逆らって立ち上がることがとても辛く感じられたりします。この重力に逆らって身体を支えている筋肉を抗重力筋と呼ぶこともあります。この抗重力筋は、日常生活を送る上で常に活躍を強いられているのですが、姿勢が悪いとさらに負担が増え疲労やコリの原因にもなってしまいます。そのため慢性的な腰痛や肩こり、頭痛などの症状が、悪い姿勢と相関関係にあると言われます。
図 肩こりを例にあげれば、約5kgもある頭部を首と肩甲骨周辺の筋肉が抗重力筋として支えているということがそもそもの出発点です。通常は、脊柱の自然なS字カーブで頭部の重みを上手に分散して支えていますが、姿勢が悪いと頭部の重さは、脊柱の上に上手く乗らずに首と肩の筋肉で主に支えることになります。5kgの重さというと2ℓ入りのペットボトルを2.5本分。片手で持ったら5分もしないうちに下に置きたくなる重さです。
 さらに首と肩の筋肉は腕の重さも支えているというのをご存知ですか? 腕は肩の関節で身体に繋がっているというイメージを持つのが当然ですが、実は肩の筋肉が身体に繋ぎ止めているのです。その証拠に腕を大きく動かすと肩も一緒に動くはずです。この腕が一本で約3.5kg。2本で7kg。頭部と合わせると10kg以上の重さが常に首と肩周りにかかっているということになります。
 つまり人類は、二本足で歩き始めたときから良い姿勢で立つということが宿命づけられているということになります。

 

自然体の作り方

 自然体は、最近大ブームのスポーツでも取り入れられています。ランニングがそうです。今や1000万人とも言われるランニングブームも、最終的に良い姿勢で走るということに行き着きます。なぜなら、42kmを走るマラソンでは何より脚や腰、膝などの一部の筋肉や関節に過度の負担をかけないことが大切だからです。このマラソンのフォーム作りでも取り入れられている方法を紹介します。
 1.真っすぐだと思われる姿勢で立ちます。
 2.そのままの姿勢で軽く膝を曲げ、真っすぐ上に軽くジャンプします。
 3.それを2~3回繰り返し、真っすぐに着地するようにイメージします。
 このジャンプで、頭部が脊柱に真っすぐに乗ります。ランニングでは、この姿勢のまま走り出すことで、自然体でのランニングフォームを作って行きます。
 全身の映る鏡の前で、身体の側面を鏡に映してジャンプしてみてください。着地して自然に立った時、耳、腰の骨、くるぶしの3点が一つの軸上にあればこれが「自然体」です。
 もう一つの確認の仕方が、壁を利用する方法です。あごを引いた状態、つまり首の後ろを十分に伸ばして後頭部と背中とお尻、ふくらはぎ、踵を壁に付けて立ちます。自然体で立てれば無理なく全てが壁につきます。

 

椅子に座って良い姿勢を保つには

図 デスクワークの長い人は、1時間に一度ぐらいは立ち上がって自然体で少しでも歩くようにしましょう。また、良い姿勢で座るということも大切です。椅子に座った良い姿勢というのは、背もたれとの間に隙間を作らないように深く腰掛け、骨盤の下にある座骨で椅子に座りこの座骨の上に骨盤から脊柱を真っすぐに乗せます。腰を引かずにやや骨盤を前傾させるようなイメージで椅子に深く座ればこの姿勢になります。

 

正しい歩き方は、正しい姿勢から

図 健康のためにウォーキングを始めても長続きしないという人は、姿勢と歩き方に問題があるかもしれません。特に、歩くための筋力をアップしようと、足腰の筋肉を意識して早歩きしようとすると、すぐに疲れてしまいます。最悪の場合、筋肉がコリ固まりケガをしてしまうこともあります。
 まず、先に紹介したように自然体で立ちそこから歩き始めます。歩くときは、筋肉の力ではなく、重心を前に倒し、重心が移動する力で歩くようにします。

 具体的には、以下のようにします。
 1.まず自然体を上の「自然体の作り方」の方法で作ります。
 2.身体を一本の棒としてイメージします。
 3.この棒が前に倒れるイメージで身体を前に倒すと、身体の真下に一歩前に足がでます。
 4.この自然に前に出た足に重心を乗せる動きの繰り返しで歩きます。
 こうすると、筋肉の力に頼らずにある程度の距離をラクに歩くことができます。心拍数も上がりすぎない運動強度で歩くことができるので、身体の様々な機能が改善され、健康の維持にもつながります。

 

 良い姿勢は、若々しく見えるだけでなく身体を本質的に若々しくしてくれるのです。自然体を身につけ、いつまでも若さを保ち、生き生きと充実した日々を過ごしましょう。