
自由な働き方ができるテレワーク。自宅で働くと、どんな健康リスクがあるのでしょうか。また、健康的に働くためには、どんな点に注意するべきでしょうか。労働環境の変化に応じて、新たなヘルスケアの習慣を取り入れてみてください。
◆テレワーク中の健康管理が課題に
働き方の選択肢が増え、新たにテレワーク(在宅勤務)を導入する企業が多くあります。時間や場所に縛られないテレワークは、一人ひとりのライフスタイルに合わせて働きやすいのがメリットです。その一方で、昨今ではテレワーク中のヘルスケアの課題が浮き彫りになりつつあります。なかには、長期的なテレワークが導入されて以降、従業員が体調を崩してしまうケースも少なくありません。そこで今回は、テレワークで注意したい健康リスクや、健康的な在宅勤務のコツをご紹介します。多様な働き方が実現される一方で、労働環境が大きく変わっても、これまでに引き続き心身の健康を守りましょう。
◆テレワークで注意したい健康リスク
長期的なテレワークでは、どのような健康リスクが想定されるのでしょうか。在宅勤務ならではの、よくある健康リスクの事例をご紹介します。
・運動不足
テレワークの導入により通勤が不要になると、運動不足が懸念されます。たとえば、駅の階段の上り下りや、オフィスまでの徒歩も、大切な運動習慣のひとつです。運動には、生きるために必要な筋力を維持したり、生活習慣病を予防したり、気分転換をしたりする効果があります。在宅勤務では、日常生活での運動量が著しく減る点に注意が必要です。
・生活習慣の乱れ
テレワークは自由な働き方ができる反面、仕事とプライベートのメリハリをつけにくいといえます。適切な自己管理を行わないと、起床・就寝の時間や、食事の時間が乱れやすくなります。さらに、自宅では菓子類を食べ過ぎたり、インスタント食品に頼りがちになったりと、食生活の乱れが起こることも。健康的な生活習慣の維持が難しい場合があります。
・ストレス
テレワークが続き、日常的にオフィスへ通う習慣がなくなると、人と会う機会やコミュニケーションの量が著しく減少します。人によっては、強い孤独を感じやすいといえるでしょう。また、チャットやメールなどの間接的なコミュニケーションでは、相手の様子が十分に伝わりません。周囲の人から体調不良に気づいてもらえないおそれがあります。
◆健康的な在宅勤務のコツ
それでは、健康的にテレワークを続けるためには、どんなポイントを意識するべきでしょうか。まず、自ら積極的に運動する習慣をつけましょう。たとえば、「毎日○分散歩をする」「週に○回スポーツジムに通う」といった形で、新しいルールを作るのもおすすめです。休憩中に簡単なエクササイズやストレッチを取り入れる方法もあります。
また、仕事とプライベートの切り替えは、意識的に行ってください。自宅のなかで仕事をするスペースを決めて、休憩時間や就業後にはその場を離れる方法もあります。就業時間外には、仕事で使うPCや端末を片付けても良いでしょう。オフィスで勤務する場合と同じように、就業時間や休憩時間を守り、こまめな休憩を取ってください。
さらには、社内のコミュニケーションを充実させることも大切です。チャットやビデオ通話は業務連絡での利用に限定せず、雑談も交えながら気軽に交流できる機会を増やします。同僚や部下の様子がおかしいと思われたら、必要に応じて声がけを行ってください。プライベートでも、親しい方とコミュニケーションを取る機会を設けましょう。
ご紹介したポイントを参考に、時には周囲の人と協力しながら、自分なりに健康的に働くための習慣を身に着けてみてください。







風邪の原因はウイルスや細菌による感染です。ウイルスや細菌は、私たちの手に付着し、そこから目や鼻などの粘膜を通して感染します。また、咳やくしゃみなどの飛沫に含まれるウイルスや細菌が、のどを通して感染する可能性もあります。手やのどに付いたウイルスや細菌を洗い流すためには、手洗いとうがいが有効です。日常生活では手洗いとうがいを実施し、ウイルスや細菌が体に侵入するのを防ぎましょう。
私たちの体にある粘膜には、体の外からのウイルスや細菌の侵入を防ぐ役割があります。粘膜のはたらきを保つには、体内に十分な量の水分が必要です。ウイルスや細菌の侵入を防ぎ、排出しやすくするために、こまめな水分補給を行いましょう。また、空気が感染すると粘膜も乾燥しやすくなります。風邪予防に適した湿度は60~80%といわれます。乾燥しやすい秋~冬は、加湿器を使用してお部屋の湿度を高めに保ちましょう。
栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動といった規則正しい生活は、風邪予防の基本といえます。特に、疲労がたまると風邪をひきやすくなります。風邪が流行る時期には、普段から体力を保つよう心がけてください。また、風邪予防では体を温めることも大切です。ウイルスや細菌は、低温低湿の環境を好みます。衣服や暖房により保温を行い、体から熱が奪われすぎないよう調整しましょう。
熱中症が引き起こされる仕組みをお伝えしました。それでは、熱中症を防ぐにはどんなポイントに気をつければよいのでしょうか? まず、大切なのはこまめな水分補給と、適度な塩分補給を行うことです。気温の高い屋外にいるときは、のどが渇いたと感じなくても、水分を摂るよう心がけてください。汗をたくさんかいたら、適量の塩分を摂ります。
熱中症を防ぐためには、外出時に日差しを防いだり、体を冷やしたりするグッズを使う方法もあります。日差しを防ぐグッズとして挙げられるのは、帽子や日傘などです。帽子や日傘には、頭や体が直射日光に当たるのを防ぎます。直射日光を避けるだけでも温度に差が出るため、ぜひご活用ください。また、体を冷やすグッズとして、保冷剤や冷却スカーフなどが挙げられます。太い血管が通る首筋を冷やすと、全身を効率よく冷やすことにつながるため、身につけて暑さの対策を行いましょう。
食中毒のピークは8~9月であり、大半は初夏から初秋にかけて発生しています。この時期によくある食中毒は、上述したO-157、カンピロバクター、サルモネラによる事例です。
・つけない
・増やさない
家庭向けの体温計には種類があります。一般的によく知られているのは、脇の下で体温を測る「脇式体温計」です。脇式体温計は、細長い棒状をした体温計の先端を脇へ当て、腕と体側で挟むように使います。体温を測り終えるまでにやや時間がかかるのが特徴です。ほかにも、耳の穴のなかで体温を測る「耳式体温計」もあります。耳式体温計は、本体を手で持ち、センサー部分を耳に入れて使います。たった数秒で体温を測れるのが特徴で、子どもの体温を測定するときにも役立ちます。ただし、値段は脇式体温計よりもやや高額です。
多くの家庭に常備されている脇式体温計を使った場合の、体温の測り方をご紹介します。まずは、体温計の電源を入れましょう。体温計が起動し、検温の準備ができたら、先端にあるセンサー部分を斜め下方向から脇の中心へ当てます。このとき、体温計のディスプレイが体の内側を向くようにしつつ、もっとも温度が高い脇の中心に挟むのが大切です。体温計の角度は30~45度を目安にしましょう。しっかりと腕を締めて、反対の手で軽く押さえた状態で検温が完了するまで待ちます。体温計の先端が脇からはみ出さないようご注意ください。
夏バテになると、主にだるさ・疲労感・食欲不振などの症状がみられます。これらは夏バテの症状の代表例です。体がだるいと感じる日が続いたり、休んでも疲れが取れにくかったりしたら、夏バテによる不調を疑ってみましょう。また、食欲がわかず食事を摂れないと、栄養不足につながるおそれがあります。消化器の調子もよくご確認ください。
・疲労回復につながる栄養を摂る
暑さで眠れないときや、眠りが浅いときは、意識して普段よりも眠りやすい状態を整えましょう。就寝前30~60分に入浴し、ぬるめの温度の浴槽に浸かります。どうしても暑さが気になるときは、入眠時に氷枕や冷房を活用しても良いでしょう。十分な睡眠で疲労を回復して、疲れを残さない習慣をつくれると理想です。
腸内環境を整えるために、朝~昼は活動的に過ごし、夕方~夜はリラックスして過ごしましょう。自律神経が自然と切り替わるような生活リズムが理想です。朝、目が覚めたら1杯の水を飲み、朝食を取ってください。腸に刺激を与えて排便を促しましょう。一方で、交感神経と副交感神経が切り替わる夕方以降には、軽い運動と軽い食事を心がけます。睡眠不足やストレスは、自律神経の乱れにつながるため、できるだけ解消につとめてください。
食生活から腸内環境を整えるうえでは、善玉菌を含む食品と、善玉菌のエサとなる食品をバランス良く摂ることが大切です。善玉菌を含む食品の例には、ヨーグルト・チーズ・納豆をはじめとした発酵食品が挙げられます。また、乳酸菌やビフィズス菌を含む整腸剤を摂る方法もあります。一方で、食物繊維やオリゴ糖を豊富に含む食品は、善玉菌のエサとなります。野菜類・果物・豆類をはじめとした食品も、併せて取り入れましょう。
もともと空気が乾燥しやすい冬。さらには、使用している暖房器具の影響でさらに湿度が低くなることがあります。このような環境で生活を続けていると、体の表面にある皮膚や粘膜、そして呼気から水分が失われてしまうのです。
寒い冬には、冷たい水を飲みにくいといえます。そのため、水分補給では温めた水である「白湯(さゆ)」を摂るのがおすすめです。お湯を沸かしたり、高温の水が出るウォーターサーバーを利用したり、温かくて飲みやすい温度の水を用意すると良いでしょう。
冬場に起こりやすいひび・あかぎれを予防するためのポイントをご紹介します。
皿洗いや洗濯などの家事では、洗浄力の強い洗剤や水が手肌に直接触れないよう、ゴム手袋を付けることをおすすめします。ほかにも、手の油分を奪ったり刺激を与えたりする習慣は乾燥につながりやすいためご注意ください。