家庭用として販売される商品が増え、身近な存在になった「体組成計」。一般的な体重計と比べて、機能にはどのような違いがあるのでしょうか。また、健康管理においてどのようなメリットがあるのでしょうか。今回は、体組成計についてお伝えしていきます。
◆体組成計とは?
体重を量ることで日々の健康管理に役立てられる体重計。それに対して「体組成計(たいそせいけい)」は、体脂肪や筋肉量といった体の内側の情報がわかるのが特徴です。そもそも「体組成」とは、人間の体を構成する水分・筋肉・脂肪・骨などの組織のことを指します。体組成計では、体に非常に弱い電流を流すことで、体組成の状態を推定しているのです。
◆体組成計の種類
近年では、家庭用に体重計と体組成計の両方の機能を兼ね備えた「体重体組成計」が発売されています。体組成を計測する方法は、主に2種類あります。ひとつは、体重計と同様に機器の上に乗り、両足から計測する方法。もうひとつは、両足で機器の上に乗るとともに両手でグリップを握り、両手両足から計測する方法です。
このうち、より安定して数値を計測しやすいのは、両手両足から計測する方法だといわれます。その理由は、両足から測定する方法の場合は、体内の水分量の変動により数値が影響を受けやすいためです。数値を安定して測るために、毎日同じ時刻に測定する必要があります。また、両手両足から測定すると、体の部位別の細かい数値まで割り出せます。
◆体組成計のメリット
日頃の体重計を使った健康管理に加えて、体組成計を取り入れると、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。まず挙げられるのは、皮下脂肪や内臓脂肪の量を測定できることです。体組成計を使うと、体脂肪率がわかるだけでなく、その脂肪が皮下脂肪なのか内臓脂肪なのかをチェックすることができます。
皮下脂肪と内臓脂肪は、どちらも脂肪ですが、蓄積する場所が異なります。皮下脂肪が皮膚と筋肉の間に蓄積するのに対して、内臓脂肪が蓄積するのは内蔵の周辺です。特に、内臓脂肪は増えすぎると健康リスクが高まりやすいといわれます。このように、体組成計で自分の体のバランスを知ると、生活習慣の改善につなげやすくなるでしょう。
また、一見すると肥満ではないように見えるにもかかわらず、実は体脂肪率が高い「隠れ肥満」と呼ばれる状態もあります。隠れ肥満は、体重や体格から肥満を判断するのが難しいため、肥満の発見が遅れやすく危険視されています。体組成計で体脂肪の状態をチェックし、脂肪と筋肉の量を調整する健康的なダイエットにお役立てください。
◆内臓脂肪型肥満のリスク
肥満が多くの健康リスクをもたらすことは、今や幅広く知られています。特に、内臓脂肪が多い傾向にある肥満は「内臓脂肪型肥満」と呼ばれ、健康リスクが高いため注意が必要です。
内臓脂肪が増えると、血液中の脂質が増え、血圧が上昇し、インスリンの働きが悪くなります。これらの要因は、脂質異常症・糖尿病・高血圧症などの生活習慣病につながると考えられています。また、複数の症状が組み合わさることで、メタボリックシンドロームをまねくリスクがあるのも知っておきたいポイントです。
生活習慣病の中には、重症化すると命にかかわる症状もあります。これらのリスクを予防するためには、日々の生活習慣の改善が欠かせません。食生活や運動習慣を見直すとき、体組成計をはじめとした機器を活用して、適切に健康管理を続けましょう。
体組成計の特徴や活用法についてご紹介しました。健康管理はモチベーションを保つのが難しく、お悩みの方も多いのではないでしょうか。そんなときは体組成計による体のチェックを毎日の習慣にすることで、健康的なダイエットの指針としてみましょう。自分なりに健康管理をするために、ぜひさまざまな工夫を取り入れてみてください。