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風邪予防の基本をおさらい!秋~冬の体調管理のポイント(2020年9月)

 

秋~冬になると、毎年のように風邪をひいている――そんな心当たりがないでしょうか? 気温と湿度が低い季節には、ウイルスや細菌が活動しやすくなります。風邪をひく原因について理解するとともに、ウイルスや細菌に感染しにくい習慣を作ることが大切です。風邪予防の基本を守り、大量を崩さず健やかに過ごしましょう。今回は、意外と忘れがちな風邪予防についてお伝えします。

 

◆風邪をひく原因は?

気温が下がる秋~冬にかけての時期は、風邪をひいて体調を崩すことがあります。そんな身近な病気である風邪ですが、一体どのような原因で起こっているのでしょうか。そもそも私たちが「風邪」と呼んでいる病気は、上気道(鼻からのどまで)がウイルスや細菌に感染することで起こります。しかし、風邪の原因となるウイルスや細菌は種類が多く、はっきりと原因を特定するのは難しいのです。また、一度風邪をひいた後に、別のウイルスや細菌による風邪に感染することも珍しくありません。できるだけ風邪をひかずに秋~冬を過ごすために、以下でご紹介する方法で風邪を予防しましょう。

 

◆風邪予防のポイント

秋~冬の時期は風邪の予防につとめ、自分で自分の体を守ることが大切です。ここでは、風邪予防のポイントをお伝えします。すでにご存知の方も、改めて基本をご確認ください。

 

・手洗い+うがいを徹底する

風邪の原因はウイルスや細菌による感染です。ウイルスや細菌は、私たちの手に付着し、そこから目や鼻などの粘膜を通して感染します。また、咳やくしゃみなどの飛沫に含まれるウイルスや細菌が、のどを通して感染する可能性もあります。手やのどに付いたウイルスや細菌を洗い流すためには、手洗いとうがいが有効です。日常生活では手洗いとうがいを実施し、ウイルスや細菌が体に侵入するのを防ぎましょう。

・こまめな水分補給を行う

私たちの体にある粘膜には、体の外からのウイルスや細菌の侵入を防ぐ役割があります。粘膜のはたらきを保つには、体内に十分な量の水分が必要です。ウイルスや細菌の侵入を防ぎ、排出しやすくするために、こまめな水分補給を行いましょう。また、空気が感染すると粘膜も乾燥しやすくなります。風邪予防に適した湿度は60~80%といわれます。乾燥しやすい秋~冬は、加湿器を使用してお部屋の湿度を高めに保ちましょう。

・規則正しい生活を送る

栄養バランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動といった規則正しい生活は、風邪予防の基本といえます。特に、疲労がたまると風邪をひきやすくなります。風邪が流行る時期には、普段から体力を保つよう心がけてください。また、風邪予防では体を温めることも大切です。ウイルスや細菌は、低温低湿の環境を好みます。衣服や暖房により保温を行い、体から熱が奪われすぎないよう調整しましょう。

 

◆風邪をひいたら休養をとって治す

一般的に、風邪の症状はきちんと休養をとれば1週間程度で治ることがほとんどです。そのため「少しくらい体調が悪くても、普段と同じように活動できる」と、つい風邪による体調不良を軽視してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、風邪を治すためにはしっかりと体を休める必要があります。自己判断により解熱剤で熱を下げて無理に活動するのは、体への負担が大きくなりますから避けておきましょう。また、身の回りの方へ風邪をうつしたり、症状が悪化して二次感染や合併症などを引き起こしたりするリスクもあります。風邪を早く治したいときは、休養をとるよう心がけてください。

 

秋~冬にかけて注意したい、風邪の予防についてお伝えしました。日々の生活のなかで予防の基本を守るとともに、体調を崩したら休養をとって早めに治しましょう。

屋外で安全に過ごすには?熱中症を防ぐポイント(2020年8月)

 

厳しい暑さが続く時期。屋外での活動には、ますます体調への配慮が必要となります。通勤・通学で炎天下を移動する方や、日中に仕事で屋外作業に従事する方、夏場もスポーツに取り組む方が、多くいらっしゃるのではないでしょうか。それだけでなく、買い出しやお子さんの送り迎えでも、外出する機会があります。日常生活のあらゆる場面で、熱中症を防ぎ安全に過ごすために、ご紹介するポイントを意識してみてください。

 

◆熱中症が引き起こされる仕組み

熱中症になると、めまい・筋肉のけいれん・だるさ・吐き気などの症状が見られ、重度になるとまっすぐに歩けなくなったり、人の呼びかけに反応できなくなったりします。通常、体温が上昇すると汗をかき、汗が蒸発して体温が下がるよう、調整される仕組みになっています。しかし、気温や湿度の高い「環境」や、脱水症状や二日酔いなどの「体調」、運動や作業などの体温が上昇しやすい「行動」が重なると、体温調整ができなくなってしまうのです。体温調整機能がはたらかず、体温が上昇して体に熱がたまると、熱中症が引き起こされます。

 

◆熱中症を防ぐポイント

熱中症が引き起こされる仕組みをお伝えしました。それでは、熱中症を防ぐにはどんなポイントに気をつければよいのでしょうか? まず、大切なのはこまめな水分補給と、適度な塩分補給を行うことです。気温の高い屋外にいるときは、のどが渇いたと感じなくても、水分を摂るよう心がけてください。汗をたくさんかいたら、適量の塩分を摂ります。

 

また、外出するときは体温調整がしやすく、涼しい衣服を身に着けましょう。特に、通気性が良く、かつ汗の吸水と速乾に優れた素材は、屋外でのスポーツや作業に適しています。このように屋外にいるときは決して無理をせず、涼しいところで休憩する時間を設けましょう。空調設備のある屋内や、風通しの良い木陰のように、温度と湿度が低い場所で休みます。

 

体調が悪いときは、気温や湿度の高い場所へ行くのを避けるのも、熱中症を防ぐために必要といえます。睡眠不足の状態にある方や、持病などで体調がすぐれない方は、身の回りの気温と湿度を意識してお過ごしください。このように、屋外での行動や服装に気をつける一つひとつの取り組みが、熱中症のリスクを抑えることにつながります。

 

◆外出に便利な対策グッズ

熱中症を防ぐためには、外出時に日差しを防いだり、体を冷やしたりするグッズを使う方法もあります。日差しを防ぐグッズとして挙げられるのは、帽子や日傘などです。帽子や日傘には、頭や体が直射日光に当たるのを防ぎます。直射日光を避けるだけでも温度に差が出るため、ぜひご活用ください。また、体を冷やすグッズとして、保冷剤や冷却スカーフなどが挙げられます。太い血管が通る首筋を冷やすと、全身を効率よく冷やすことにつながるため、身につけて暑さの対策を行いましょう。

 

◆屋外だけじゃない?屋内の熱中症にもご用心

熱中症は、屋外だけで起こるわけではありません。たとえ屋内であっても、温度と湿度が高くなれば、熱中症になるおそれがあるのです。特に注意しておきたいのは、熱や湿気がこもりやすい浴室の周辺です。入浴時や清掃時には、汗をかいていなくてもこまめに水分を補給し、脱水を防ぎましょう。また、屋内で冷房機器を適切に使用しなかったことが要因となり、熱中症が発生する場合があります。屋内でも暑さを感じる場合には、冷房や扇風機を積極的に使用するよう心がけてください。

 

今回は熱中症を防ぐポイントをお伝えしました。夏の始まりだけでなく、残暑にも厳しい暑さが続くことがあります。屋外で過ごす機会があれば、お伝えしたポイントを参考に、熱中症を防ぐ取り組みを意識してみてください。

 

梅雨シーズン到来!食中毒に気をつけましょう(2020年7月)

 

6月は、全国的に梅雨入りする季節。この時期には、食中毒が増える傾向にあります。安全な食生活を送るためには、予防対策が大切です。そこで今回は、梅雨に食中毒が多い理由や、よくある食中毒の種類、予防のポイント、家庭でできる予防策などをご紹介します。

 

 

 

◆なぜ梅雨の時期に食中毒が増えるか

梅雨の時期に食中毒が増える主な理由は、細菌類の活動が活発になるためです。

 

食中毒を引き起こす原因菌の多くは、暖かい気候を好みます。国内が高温多湿になる梅雨の時期には、原因菌の増殖活動が盛んです。代表的な原因菌のなかでは、腸管出血性大腸菌(O-157など)、カンピロバクター、サルモネラなどの活動が目立ちます。

 

食中毒の増加傾向は、梅雨の時期の食事や体調とも無縁ではありません。一般的に、気温が高くなると冷たいものが美味しく感じられやすく、食品を加熱しないまま食べるケースが増えます。さらに体調面では、厳しい暑さのため体力が低下しがちです。

 

梅雨には、食中毒の原因菌が盛んに増殖するなか、食品を加熱処理せず摂取する傾向があり、食中毒の多発につながっています。

 

◆夏場によくある食中毒

食中毒のピークは8~9月であり、大半は初夏から初秋にかけて発生しています。この時期によくある食中毒は、上述したO-157、カンピロバクター、サルモネラによる事例です。

 

O-157やサルモネラはほかの細菌と比べて感染力が強いといわれ、食品に100個程度しか付着していなくても食中毒を引き起こすと考えられています。これらが付着しやすい食肉や卵を食べるときには、十分に気をつける必要があります。

 

近年、とりわけ注目されているのはカンピロバクターによる食中毒です。カンピロバクターは細菌性食中毒の代表といわれ、O-157と同じく食肉に付着しやすいことで知られます。多くの場合、鶏肉や牛レバーを生や加熱不十分のままで食べると発症します。

 

肉や卵を非加熱の状態で食べると、梅雨の時期には食中毒を引き起こすリスクが高いため、できるだけ食べ方を工夫したほうが良いでしょう。

 

◆食中毒予防のポイントは3つ

梅雨の時期、食中毒を予防する主なポイントは、細菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」の3つです。

 

・つけない

私たちの手には、多くの細菌がついています。調理する際、そのまま食品や調理具に触れると、細菌の付着範囲が広がります。調理を始める前や、子どものおむつを交換したり動物に触ったりした後には、丁寧に手を洗いましょう。

 

・増やさない

高温多湿な環境で活性化する細菌は、基本的に10℃以下で増殖しにくくなり、マイナス15℃以下で繁殖を止めます。食中毒の原因菌を増やさないためには、食品を低温で保存することが効果的です。購入した生鮮食品は、速やかに冷蔵庫へ入れてください。

 

・やっつける

そもそも食品に細菌が付着している場合があります。ほとんどの細菌は加熱処理すると死滅するため、食べる前にきちんと火を通しましょう。食中毒が起こりやすい肉料理は、中心まで加熱します。加熱時間の目安は、75℃で1分以上です。

 

参考:政府広報オンライン「食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント」

 

◆家庭でできる予防策

食中毒予防の3つのポイントを家庭で実践するために、日頃の買い物・調理・食事の方法を見直してみましょう。

 

買い物をするとき、生鮮食品を長時間にわたり持ち歩かず、最後に購入します。消費期限の確認を忘れず、購入品は氷や保冷剤で冷やしてください。

 

調理をするときは、きちんと手を洗ってから下準備を始めましょう。野菜は表面をよく洗い、肉・魚・卵を処理する際もこまめな手洗いが望まれます。使用した調理器具はよく洗い、熱湯で殺菌してください。

 

食事をするときは、忘れずに手を洗いましょう。料理は清潔な食器に盛りつけ、室温で放置せず早めに食べ切るのがポイントです。

 

食中毒の発生件数が増える梅雨の時期には、買い物から食事まで予防策の実践を心がけてください。

平熱はどれくらい?体温計での正しい検温のポイント(2020年6月)

“平熱”の範囲は一人ひとり異なります。大人の平均的な体温は36.6~37.2℃といわれますが、毎日体温を測り記録をとらなければ、その人の“平熱”はわかりません。自分自身の平均的な体温を知り、日々の健康管理にお役立てください。ここでは、いわゆる“平熱”の考え方や、体温計での正しい検温のポイントをご紹介します。

 

 

◆大人の平均的な体温

体温計で体温を測ったとき、いわゆる“平熱”と思われる数値と比べて「これって発熱かも?」と不安になった経験がないでしょうか。なかには体温が37.0℃に達したときを目安に、発熱を疑う方もいらっしゃるようです。しかし、大人の平均的な体温は36.6~37.2℃といわれており、必ずしも37.0℃が発熱と判断されるとは限りません。一方で、普段の平熱がやや低い傾向にある方の場合は、37.0℃でも発熱と判断されることもあるでしょう。このように体温には個人差があり、さらには時間帯や生理周期などの条件により変動しています。まずは定期的に体温を測りご自身の平熱を知ることが大切です。

 

◆家庭向けの体温計の種類

家庭向けの体温計には種類があります。一般的によく知られているのは、脇の下で体温を測る「脇式体温計」です。脇式体温計は、細長い棒状をした体温計の先端を脇へ当て、腕と体側で挟むように使います。体温を測り終えるまでにやや時間がかかるのが特徴です。ほかにも、耳の穴のなかで体温を測る「耳式体温計」もあります。耳式体温計は、本体を手で持ち、センサー部分を耳に入れて使います。たった数秒で体温を測れるのが特徴で、子どもの体温を測定するときにも役立ちます。ただし、値段は脇式体温計よりもやや高額です。

 

◆基本的な体温の測り方

多くの家庭に常備されている脇式体温計を使った場合の、体温の測り方をご紹介します。まずは、体温計の電源を入れましょう。体温計が起動し、検温の準備ができたら、先端にあるセンサー部分を斜め下方向から脇の中心へ当てます。このとき、体温計のディスプレイが体の内側を向くようにしつつ、もっとも温度が高い脇の中心に挟むのが大切です。体温計の角度は30~45度を目安にしましょう。しっかりと腕を締めて、反対の手で軽く押さえた状態で検温が完了するまで待ちます。体温計の先端が脇からはみ出さないようご注意ください。

 

◆毎日の体温を測るときのポイント

ご自身の平熱を知るために、体温は毎日測るのが好ましいでしょう。最後に、定期的に体温を測定し記録をつける方へ向けて、ポイントをお伝えします。

 

・検温の時間も記録しておく

人間の体温は1日のうちに変動しているため、平熱を知るために検温の記録をつけるなら、毎日同じ時間に体温を測定する必要があります。時間帯ごとの平熱を知りたい方は、「起床時」「10~12時(午前)」「16~18時(午後)」「就寝前」の4つのタイミングで検温するのが理想です。このとき、体温と併せて検温の時間も忘れずに記録しておきましょう。

 

・体温が上がりやすいタイミングを避ける

体温は私たちが日常生活で行うさまざまな活動でも上がることがあります。たとえば、運動をしたとき、食事を摂った直後などはその一例です。定期的な検温をするときは、体温が上がりやすいタイミングを避けておきましょう。上記の4つのタイミングで記録をとるなら、午前と午後の検温では昼食や夕食を摂る前に体温を測ります。

 

“平熱”といえる体温は人により異なるため、日頃から正しい方法で検温して、ご自身の平熱を知っておくことが大切です。平熱と比較して体温が高いときや低いときは、体調の異変を疑ってみましょう。体温を測るときは毎日同じ時間に、体温が上がりやすいタイミングを避けて検温し、体温と時間帯を併せて記録してください。

気をつけたい初夏の夏バテ!季節の変わり目の過ごし方(2020年5月)

 

 

季節の変わり目は体調を崩しやすくなりがちですが、特に初夏は真夏並みに気温が高くなる日もあります。
暑さや気温の変化で体調を崩さないよう、健康的にお過ごしください。

 

 

◆気温が高くなる初夏の体調管理

「初夏」とも呼ばれる5月頃は、気温が高まり夏の始まりを感じられる時期です。場合によっては気温が25度を超え、30度近くなることも。その一方で、天気が崩れると半袖ではやや肌寒い日もあり、季節の変わり目は体調管理が難しいといえます。そんな初夏は、夏バテにご注意ください。夏バテといえば夏本番にあらわれる不調のイメージがあるかもしれませんが、実は気温が上がる初夏に生じることもあります。以下でご紹介するような症状があれば、夏バテの可能性を考えて体調管理に取り組みましょう。

 

◆知っておきたい夏バテの症状

夏バテになると、主にだるさ・疲労感・食欲不振などの症状がみられます。これらは夏バテの症状の代表例です。体がだるいと感じる日が続いたり、休んでも疲れが取れにくかったりしたら、夏バテによる不調を疑ってみましょう。また、食欲がわかず食事を摂れないと、栄養不足につながるおそれがあります。消化器の調子もよくご確認ください。

 

ほかにも、夏バテにより体の熱っぽさや頭痛といった症状も起こり得ます。場合によっては無気力のように気分への影響もみられるため、併せて様子をみておきましょう。夏バテの体調不良が悪化すると、夏風邪をひいてしまうおそれがあります。不調が長引くケースでは、別の病気の可能性も考えられますから、早めの医療機関の受診をおすすめします。

 

◆夏バテの主な原因とは?

気温が高いときに起こりやすい夏バテは、どのような原因で生じるのでしょうか。ここでは、初夏にもありがちな原因をご紹介していきます。

 

・睡眠不足

十分に眠れない日や眠りの浅い日が続くと、睡眠不足に陥り疲労を回復しにくくなります。特に、暑さで寝苦しくなる時期は睡眠不足になりがちです。夜間でもほとんど気温が下がらない日も珍しくありません。こうした状況が夏バテの原因となる可能性があります。

 

・自律神経の乱れ

暑い時期は自宅や職場で冷房を使う機会が増えます。室外は温度が高く、室内は温度が低い状態です。このような温度差に対応すると体力が消耗され、ストレスが溜まりやすくなります。温度差の変化が自律神経の乱れにつながり、夏バテを招くおそれがあります。

 

・水分不足

夏場には水分をこまめに補給することが大切ですが、初夏も同様です。体内の水分が不足すると血流が滞り、だるさや食欲不振をはじめとした不調にもつながります。汗をかく量が増えるのに備え、暑さを感じ始める5月頃から意識して水分を摂るよう心がけましょう。

 

◆夏バテを予防するための過ごし方

最後に、夏バテを予防するためのポイントをご紹介します。季節の変わり目の不調を防ぎ健康的に過ごすために、日常生活では以下に配慮してみてください。

 

・疲労回復につながる栄養を摂る

夏バテになると食欲が落ちやすくなりますが、食事を摂らないままでいると栄養不足が懸念されます。食欲があまり出ないときも、工夫して栄養を取り入れましょう。その際は、ビタミンB1が含まれる食品(うなぎや豚肉など)や、アリシンが含まれる食品(ネギやニンニクなど)がおすすめです。ビタミンB1は摂取すると疲労回復につながり、アリシンはビタミンB1の吸収を高めるといわれます。

 

・眠りやすい状態を整える

暑さで眠れないときや、眠りが浅いときは、意識して普段よりも眠りやすい状態を整えましょう。就寝前30~60分に入浴し、ぬるめの温度の浴槽に浸かります。どうしても暑さが気になるときは、入眠時に氷枕や冷房を活用しても良いでしょう。十分な睡眠で疲労を回復して、疲れを残さない習慣をつくれると理想です。

 

真夏並みに気温が高くなることがある5月頃。早くも暑さでこの時期に夏バテが起こる可能性があるため、日々の生活習慣を整えて不調を防ぎましょう。

腸内環境から健康に!お腹を健やかに整えよう(2020年4月)

腸内環境は私たちの健康と深いかかわりがあります。消化や吸収のほかにも、多くの大切な機能がある腸。普段の生活習慣や食習慣によって、腸内環境が乱れないように過ごしましょう。ここでは、腸の役割やお腹を健やかに整えるポイントをお伝えしていきます。毎日の健康維持にお役立てください。

 

◆腸内環境とは?どうして整える必要があるの?

私たちの体にある腸が、食べ物の消化と吸収にかかわる大切なはたらきをしていることは、多くの方がご存知でしょう。しかし、腸の役割はそれだけではありません。

 

実は、腸は自律神経と深いかかわりのある器官です。自律神経には、心身の緊張とリラックスを切り替え、コントロールする役割があります。腸は神経細胞が多い器官であり、私たちの感情とも密接に関係するといわれます。また、人間の体内にある免疫細胞のうち、5割以上が腸に存在するともいわれ、体を守るはたらきを担っているのです。

 

このように、多くの大切な機能を備えている腸。ところが、そんな腸のはたらきは、生活習慣の乱れにより低下してしまうことがあります。腸内環境が悪化すると、便秘や下痢のほか、肥満や肌荒れなどさまざまな不調につながることも。腸内環境を健やかに保つことは、日々の健康維持にも欠かせません。

 

◆腸内フローラのはたらき

人間の腸内には、1,000兆個を超える細菌が住んでいるといわれます。これらの大量の細菌が住む様子が、まるで花畑のように見えることから、腸内細菌は「腸内フローラ」とも呼ばれます。「フローラ(flora)」とは、英語で花畑を意味する言葉です。

 

腸内フローラには、体に良いはたらきをする「善玉菌」、悪いはたらきをする「悪玉菌」、どちらでもない「日和見菌(ひよりみきん)」という種類があります。日和見菌は、善玉菌と悪玉菌のうち、数が多く優勢なほうの味方となる細菌です。

 

バランスの良好な腸内フローラは、食べ物を栄養のある物質へと作り変えたり、体を守ったりするはたらきがあります。一方で、悪玉菌が増えて腸内環境が悪化すると、お腹の調子が悪くなり便秘や下痢につながります。

 

健康のためには、腸内フローラを善玉菌が多い状態に保ち、お腹の調子を整えることが大切です。ここからは、腸内環境を整える生活習慣や食生活についてご紹介します。

 

◆腸内環境を整える生活習慣

腸内環境を整えるために、朝~昼は活動的に過ごし、夕方~夜はリラックスして過ごしましょう。自律神経が自然と切り替わるような生活リズムが理想です。朝、目が覚めたら1杯の水を飲み、朝食を取ってください。腸に刺激を与えて排便を促しましょう。一方で、交感神経と副交感神経が切り替わる夕方以降には、軽い運動と軽い食事を心がけます。睡眠不足やストレスは、自律神経の乱れにつながるため、できるだけ解消につとめてください。

 

◆腸内環境を整える食生活

食生活から腸内環境を整えるうえでは、善玉菌を含む食品と、善玉菌のエサとなる食品をバランス良く摂ることが大切です。善玉菌を含む食品の例には、ヨーグルト・チーズ・納豆をはじめとした発酵食品が挙げられます。また、乳酸菌やビフィズス菌を含む整腸剤を摂る方法もあります。一方で、食物繊維やオリゴ糖を豊富に含む食品は、善玉菌のエサとなります。野菜類・果物・豆類をはじめとした食品も、併せて取り入れましょう。

 

今回は、私たちの腸内環境を整える大切さや、腸内フローラのはたらきについてご紹介しました。自律神経が自然と切り替わる生活習慣や、善玉菌および善玉菌のエサを取り入れた食生活で、腸内を健康的に保ちましょう。

 

寒い時期も水分補給が大切!水を飲んで冬の脱水予防(2020年3月)

 

脱水といえば夏の健康被害というイメージがないでしょうか? 実は、寒い季節にも脱水は起こります。健康維持や風邪予防につなげるために、こまめな水分補給を心がけましょう。

 

 

◆水分補給は寒い冬にも必要です

まだ寒い日が続いています。主に手足や体の冷えが気になるこの時期、つい忘れがちになるのが水分補給です。暑さからたくさんの汗をかく夏には、多くの方が脱水予防に努めているのではないでしょうか。その一方で、冬の脱水は見落とされやすいといえます。

 

たとえ寒くて汗をかかないとしても、冬場は排泄にともない水分が失われています。特に、暑さが去ってから水を飲む量が極端に少なくなった方は要注意。引き続き積極的に水分補給を行ってください。ここからは、冬の水分補給の重要性についてお伝えしていきます。

 

◆寒い時期に起こる脱水とは?

もともと空気が乾燥しやすい冬。さらには、使用している暖房器具の影響でさらに湿度が低くなることがあります。このような環境で生活を続けていると、体の表面にある皮膚や粘膜、そして呼気から水分が失われてしまうのです。

 

また、夏と比べて自然と水分を摂取しにくいのも、冬に脱水が起こる要因となります。寒いと喉が渇いたのを実感しにくく、水分補給を怠りやすいためです。ほとんど汗をかかないため、あまり水を飲みたくないと感じる方もいらっしゃるでしょう。

 

それだけでなく、冬に流行する風邪や感染症で体調を崩して下痢・嘔吐・発熱などの症状が出た場合も、多くの水分が失われます。このように、体から失われる水分が多いにもかかわらず水分補給を行わないと、脱水が起こるおそれがあります。

 

水分が不足すると、血行が悪くなり冷えにつながったり、血液の粘度が高まり脳卒中や心筋梗塞といった病気のリスクが高くなったりすることも。寒い時期でも体が必要とする水分を積極的に摂り入れて、健康的な生活を続けたいですね。

 

◆風邪予防にも水分補給が大切

冬場のこまめな水分補給が推奨されるのには、実はほかにも理由があります。それは、風邪予防とかかわりがあるためです。ウイルスが私たちの喉の粘膜に付着すると、風邪を引き起こします。このとき、水を飲むことでウイルスが胃に流れると、風邪予防につながります。

 

人間の胃袋には、強力な酸性の胃酸があります。胃に流れたウイルスは、その後に胃酸で死滅します。こまめに水分を摂れば、その分ウイルスが喉の粘膜に付着したままになりにくいというわけです。目安としては、30分間に1回の頻度で一口の水を飲みましょう。

 

また、気道の壁にある「線毛」は、喉から入った異物が肺に侵入するのを防ぐ役割があります。この線毛の弱点は乾燥です。乾燥により線毛が本来の働きをしにくくなると、ウイルスが体内に入り込みやすくなってしまいます。

 

線毛の乾燥を防ぐためには、マスクをしてのどの乾燥を防ぎ、こまめな水分補給を行うことが大切です。風邪や感染症が流行する冬は、日々の健康維持のために水を飲みましょう。

 

◆冬におすすめしたい水の飲み方

寒い冬には、冷たい水を飲みにくいといえます。そのため、水分補給では温めた水である「白湯(さゆ)」を摂るのがおすすめです。お湯を沸かしたり、高温の水が出るウォーターサーバーを利用したり、温かくて飲みやすい温度の水を用意すると良いでしょう。

 

1日に摂取する理想的な水の量は2.5Lといわれます。このうち、飲み水から取り入れる分は2Lが目安です。一度に2L近くの水を摂るのは難しいため、コップ1杯の水をこまめに摂るイメージをしましょう。夏場と同様に、意識して水分補給を行ってください。

 

冬におろそかになりがちな水分補給。水不足は冷えや病気のリスクにかかわるため、寒い日には温かい水を飲んで健康にお過ごしください。

冬の乾燥から手肌を守るには?ひび・あかぎれの対策(2020年2月)

 

気温が低く、乾燥しがちな冬場。この時期は、皮膚の健康にも気を配りましょう。特に、手肌に起こりやすいひび・あかぎれは、悪化すると痛みをともない、日常生活にも支障をきたすことがあります。こまめな保湿で予防をして、健やかに保ちましょう。

 

 

◆痛みにもつながるひび・あかぎれの症状

湿度が低い冬は、皮膚が乾燥しやすくなります。そこで注意しておきたいのが、手肌によく起こる「ひび」や「あかぎれ」です。ひびとは、肌の表面に亀裂が生じた状態を指します。それに対してあかぎれは、上記のひびの症状がさらに悪化し、患部の亀裂から血が滲んできたり、割れにともない痛みを感じたりする状態を指します。

 

ひび・あかぎれが起こりやすいのは、主に手の甲・手の指・かかとなどの部位です。特に手に生じた場合には、日常生活での手洗いや入浴、皿洗いや洗濯などの家事を行うとき、支障をきたすおそれがあります。乾燥しやすい冬は、ひびやあかぎれの予防につとめるとともに、できるだけ症状を悪化させないよう対策を行いましょう。

 

◆冬場のひび・あかぎれの主な原因

手肌に生じるひび・あかぎれの主な原因は、気温の低下や空気の乾燥だと考えられています。冬場に気温が低下すると、皮膚は汗をかきにくく、皮脂の分泌量が少なくなります。そのうえ、乾燥した空気による影響を受け、皮膚の水分が不足しがちになるのです。こうして皮膚が乾燥すると、関節の動きで引っ張られたときや、体重がかかったときなどに耐えられず、表面に亀裂が生じます。ひびやあかぎれはこのようなメカニズムで起こります。

 

◆ひび・あかぎれを予防するには?

冬場に起こりやすいひび・あかぎれを予防するためのポイントをご紹介します。

 

・こまめに保湿を行う

クリームを付けてこまめに手肌の保湿を行いましょう。市販のクリームには、セラミド・ワセリン・ヘパリン類似物質などの保湿成分が配合されています。手肌が水で濡れた後にすみやかに保湿できるよう、キッチン・洗面所・浴室にクリームを用意しておくと安心です。

 

・水仕事はゴム手袋を付けて行う

皿洗いや洗濯などの家事では、洗浄力の強い洗剤や水が手肌に直接触れないよう、ゴム手袋を付けることをおすすめします。ほかにも、手の油分を奪ったり刺激を与えたりする習慣は乾燥につながりやすいためご注意ください。

 

・手洗いの方法を見直す

手洗いにお湯を使うと油分が奪われやすいため、水温は高すぎない温度に設定します。タオルを使うときはゴシゴシと手をこするのではなく、優しく押さえて水分を吸い取りましょう。濡れた手から水分が蒸発すると乾燥につながるため、すみやかに拭き取るのが理想です。

 

◆ひび・あかぎれができたときの対策

もしもひび・あかぎれができてしまったときは、以下の対策を参考にしてみてください。

 

・幹部を清潔に保ち保湿する

すでにひび・あかぎれができてしまったときも、基本的には手肌の保湿を行います。患部の悪化を防ぐために、常に清潔に保ちましょう。市販されているひび・あかぎれ用の医薬品を使用する方法もあります。患部に痛みが生じているときは、保湿成分が配合され、かつ皮膚への刺激が少ないクリームや軟膏をお選びください。

 

・医療機関を受診する

ひびやあかぎれの症状が悪化したときや、市販の医薬品を使っても状況が変わらなかったときは、皮膚科の医療機関を受診しましょう。患部が感染したり、別の皮膚炎にかかっていたりする可能性も考えられます。医師の指示にしたがって処方された医薬品を使用するとともに、栄養バランスの良い食事をとり、十分な睡眠時間を確保してください。

 

冬場の冷えや乾燥が原因で起こりやすいひびやあかぎれ。日常生活に支障をきたすことがあるため、手肌は十分に保湿するとともに、刺激を避けて予防につとめましょう。

ピリッと辛い生姜のパワー!身近な食材で冷え対策(2020年1月)

 

気温が下がり肌寒くなると、温かいものを食べたくなりますよね。そんな冬の食卓に欠かせないのが生姜です。スープや鍋料理をはじめとして、美味しく食べられるレシピがたくさんあります。今回は、美味しくてかつたくさんの健康効果が期待されている生姜のパワーについてお伝えしていきます。

 

 

◆冬の冷え対策には生姜がおすすめ

幅広い料理に使える生姜は、毎日の食卓に並ぶことの多い、身近な食材のひとつです。ピリッとした独特の辛味があり、食べると体がポカポカと温まる感じがあることから、冬が近づくと生姜を食べたくなる方も多いのではないでしょうか。

そんな生姜には、気温の低い時期に嬉しい健康効果のほかに、ヘルスケアに役立つさまざまな効果が期待されています。食物繊維が豊富に含まれ、低カロリーな食材であるため、肥満が気になる方にもおすすめです。ぜひ冬の食事に取り入れましょう。

 

◆人類と生姜の歴史

古くから私たちの暮らしとともにあった生姜。人類と生姜の歴史の始まりは、なんと人類が狩猟生活をしていた頃にまで遡ります。生姜は当時から、肉や魚の防腐剤や調味料として用いられていたと考えられているのです。

日本では、中国を経由して生姜が伝わったといわれており、古くから医薬品として暮らしに役立てられてきました。中華料理における生姜といえば、ネギやニンニクと並んで重要な食材のひとつ。また、多くの漢方薬にも生姜が配合されています。

現在は食材として一般家庭の食卓に並ぶイメージのある生姜ですが、かつては医薬品として重宝されていた歴史があります。気軽に購入しやすい食材でありながら、豊富な健康効果が期待されており、日々の健康維持におすすめです。

 

◆生姜に期待される冬の健康効果

生姜の味わいの特徴でもあるピリッとした辛味は、「ジンゲロール」「ショウガオール」という2つの成分から生じています。

このうちジンゲロールは、特に生の生姜に多く含まれる成分です。強い殺菌力を持つといわれ、風邪予防に役立ちます。ほかの食材の生臭さを消したり、食中毒を予防したりするために生姜が使われるのはこのためです。

ジンゲロールを加熱すると、ショウガオールに変化します。ショウガオールには血行促進作用が期待されています。さらには、血液の流れが良くなることで鎮痛作用も期待されるため、風邪や冷えによる関節の痛みにもおすすめの食材です。

生姜を食べたときにポカポカと体が温まる感じがするのは、これらの成分の働きによるもの。スープや鍋料理など、冬の料理を美味しく引き立ててくれる生姜ですが、冷えや風邪の対策としても役立てられます。

 

◆冷え対策だけじゃない!生姜のパワー

冬に嬉しい健康効果が期待できる生姜ですが、食べることでほかにもたくさんのメリットが得られます。古くから人類とともにあった生姜のパワーを、ぜひ理解しておきましょう。

まず、生姜に含まれるジンゲロールやショウガオールは、消化吸収を助けるといわれています。胃液の分泌を促すことで、胃腸の健康にも役立てられます。食べたあとの胃もたれが気になる方も、生姜のパワーをぜひお役立てください。

また、生姜の成分により血流が促されると、代謝がアップすると考えられています。豊富に含まれる食物繊維には、腸内での糖分や脂肪の吸収を抑える働きが期待されています。肥満でお悩みの方は、ダイエット中のおやつを生姜に置き換えてみてはいかがでしょうか?

血行促進の効果が期待されている生姜は、肌荒れを防ぐともいわれています。血の巡りが良くなると、お肌の新陳代謝も促されるため、美肌を目指す方に嬉しい効果がたくさん。食物繊維によるお通じの改善も含めて、女性におすすめの食材といえるでしょう。

 

このように、生姜には冷え対策のほかにもさまざまな健康効果が期待されています。寒い季節に美味しく食べられて、さらにヘルスケアにもおすすめの一石二鳥の食材です。生姜を日々の健康維持にお役立てください。

 

冬場の入浴にご用心。ヒートショックのリスクと対策(2019年12月)

 

冬場にご自宅の寒暖差が気になることがないでしょうか?
リビングから廊下へ出たとき、浴室から脱衣所へ出たときなどに強い冷えを感じるときは、ヒートショック対策を始めましょう。今回は、寒い季節に気をつけたいヒートショックのリスクと対策をご紹介します。

 

◆ヒートショックとは?

冬場によく起こる健康被害としてよく話題にのぼる「ヒートショック」。そんなヒートショックとは、急激な温度差が原因で血圧に大きな変動が生じ、さまざまな病気のリスクが高まることを指します。例年、秋頃から被害が増え始め、ピークは1月頃。風呂場やトイレでの事故が多く、特に65歳以上の高齢者や生活習慣病患者の方は注意が必要です。

 

ヒートショックにより血圧が大きく変動すると、心筋梗塞・脳卒中・不整脈などを引き起こすリスクが高まります。入浴中にヒートショックが起こった場合には、浴槽内で倒れることによる溺死の危険性も無視できません。なお、年間の入浴中の死亡者数は全国で約14,000人といわれていますが、このうち大部分はヒートショックが原因だと考えられています。

 

このように、ヒートショックは急死につながるケースもあり、決して軽視できない症状です。被害が起こりやすい場面を理解するとともに、秋から冬にかけて対策を始めましょう。

 

◆ヒートショックが起こりやすい場面

ヒートショックによる事故が起こりやすい場所として、主に浴室・脱衣所・トイレが挙げられます。たとえば、温かい居間から寒い脱衣所へ移動し、寒い脱衣所から浴室へ移動し、熱い湯船に浸かるような場面はその一例です。急激な温度差で血圧が上下し、ヒートショックを起こす危険性があります。気温の低いトイレでも同様のことが起こりえます。

 

さらに、ヒートショックは浴室やトイレ以外で起こることもあるため、注意しておきましょう。たとえば、温かい居間から寒い廊下に移動したときに血圧が上下してしまうケースも珍しくありません。冬場は、暖房を入れた部屋と入れない部屋とで10度以上の温度差が生じることもあり、身近な場所にヒートショックの危険が潜んでいるといえます。

 

◆今からできるヒートショックの対策

ヒートショックによる健康被害や死亡事故を防ぐために、今からできる対策をご紹介します。気温が下がり始めたら意識的に取り入れてみてください。

 

・脱衣所に暖房器具を設置する

浴室と脱衣所に温度差があるときは、脱衣所に暖房器具を設置して、部屋と部屋の温度差をできるだけ少なくすると良いでしょう。あるいは、浴室の扉や浴槽の蓋を開けておくことで、脱衣所との温度差を和らげる方法もあります。脱衣所だけでなく浴室も冷える場合には、シャワーでお湯はりをして、浴室全体を温めるのも効果的です。

 

・浴槽に入る前に手足を温める

浴室に入ったとき、いきなり浴槽に入り全身を温めると、心臓に負担をかけやすくなります。まずは心臓から遠い手足にお湯をかけて、部分的に温めてから少しずつ体を慣らしましょう。また、お湯の温度が高すぎるのも好ましくありません。温度は38~40度を目安にして、長時間浴槽に浸かりすぎないようお気をつけください。

 

・入浴前の食事や飲酒を控える

食事を摂った直後は消化器官に血液が集まるため、血圧が下がりやすくなります。また、飲酒をすると血管が拡張して血圧が下がりやすく、かつ体の反応が鈍くなります。このような状態での入浴は体への負担が大きく、血圧の変動によるヒートショックのリスクが高まるため注意が必要です。食事や飲酒は入浴後にするよう心がけましょう。

 

意外と身近にある健康被害であるヒートショック。特に高齢者や生活習慣病患者の方は、入浴前にご家族に声がけを行うなど、万が一の事態に備えておくことが大切です。冬場によくある危険についてよく理解し、日々健康にお過ごしください。