リラックスしたいときや、リフレッシュしたいときは、自分の好きな香りをじっくりと味わってみてはいかがでしょうか。今回は、植物の香りの力を借りて心身を健やかに保つ「アロマテラピー」についてご紹介します。市販のアロマオイルを用意するだけで、ご自宅で簡単にヘルスケアの習慣を取り入れられるため、お気軽にお試しください。
◆ヘルスケアでも注目されるアロマテラピー
アロマテラピーとは、植物の香りを利用した自然療法のことです。「アロマオイル」と呼ばれる植物から抽出した精油を用いて、心身を健やかに保ちます。アロマオイルによってもたらされる匂いの情報は、嗅覚を通じて大脳辺縁系へと伝わり、刺激を与えます。そんなアロマテラピーは、市販のグッズを使えば、ご自宅でも簡単に行えるのが魅力です。
お家でアロマテラピーを行うには、お好みのアロマオイルと、香りを広げるためのディフューザーやティッシュなどを用意しましょう。ディフューザーやティッシュに数滴のアロマオイルを垂らして香らせるのが、基本の楽しみ方です。
なお、アロマテラピーは医療機関の治療とは異なるものです。病気を治療中の方や、妊娠中の方など、体調に留意すべき点があれば医師へ相談のうえで楽しみましょう。
◆アロマに期待できる効果とは?
日常生活にアロマオイルを取り入れると、それぞれの香りの特徴を楽しめます。さらには、原料となる植物の種類によって、心身の健康にうれしい効果が期待できることも。たとえば、花のように甘いフローラル系の香りや、濃厚な樹脂系の香りは、心身をリラックスさせるといわれます。同様に、爽やかな柑橘系の香りや、清涼感のあるハーブ系の香りは、心身をリフレッシュさせるといわれます。
◆リラックス&リフレッシュにおすすめの香り
心身を健やかに保ちたいとき、シーンに合わせて以下のおすすめの香りを試してみてはいかがでしょうか。
・リラックスにおすすめのアロマ
気分を落ち着けたいリラックスのシーンには、「ラベンダー」「カモミール」「イランイラン」などのアロマオイルがおすすめです。ラベンダーは初心者にも使いやすい定番の精油で、優しい香りによって緊張がほぐれるといわれます。フルーティーなカモミールの香りは心に安らぎを与え、甘いイランイランの香りは気持ちを安定させるのが特徴です。これらのアロマは、眠りに入るタイミングにもよく使われます。
・リフレッシュにおすすめのアロマ
すっきりと気分転換したいリフレッシュのシーンには、「レモン」「ペパーミント」「ユーカリ」などのアロマオイルがおすすめです。爽やかなレモンの香りは柑橘系のなかでも知名度が高く、気持ちを前向きにしてくれます。ペパーミントの香りにはすっとした清涼感があり、鼻の通りを良くするのが特徴です。ユーカリはウッディーな香りで、集中したいときにも適しています。上手に活用して気分を切り替えましょう。
◆アロマオイルを使うときの注意点
最後に、日常生活でアロマオイルを使うとき、注意しておきたいことをご紹介します。
まず、アロマオイルは直接に肌へ付けないようお気をつけください。精油の原液は皮膚への刺激が強いため、付着すると異常が生じるおそれがあります。同じように、精油が目や口に入らないよう注意して使いましょう。
また、柑橘系の精油のなかには「光毒性」を持つものもあります。光毒性とは、紫外線に当たると皮膚に刺激を与える作用のことです。肌の露出部分にアロマオイルが付いた状態で日中の屋外へ外出するのは避けておきましょう。
ほかに、子どもやペットによる誤飲といった事故のリスクもあります。アロマオイルの入った容器は安全な場所へ保管してください。
ここまでご紹介したポイントを参考にしながら、アロマオイルをリラックス&リフレッシュに活用してみましょう。
2020年以降、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、マスクの着用が推奨されるようになりました。それに伴い、長時間マスクを着用し続けることで引き起こされる「マスク肌荒れ」に悩む人が急増しています。こちらでは、マスク肌荒れを防ぐ方法や対策をご紹介します。肌トラブルを回避して、マスク生活と上手に付き合いましょう。
◆マスク肌荒れはなぜ起こるの?
マスク生活が始まってから、マスクによる肌荒れを実感している方も多いようです。まずは、なぜマスク着用によって肌荒れが起こるのか、その原因から見ていきましょう。
・蒸れ
マスク内は湿度が高いため、一見肌に良さそうに見えます。しかし、過度な湿度は肌にとって好ましいわけではありません。汗や皮脂の分泌が増えたり、雑菌が繁殖しやすくなったりするため、ニキビができやすい環境になっているといえます。汗や皮脂が出やすくなる夏場は、さらなる注意が必要です。
・摩擦
マスク着用時に喋ったり、こまめにつけ外ししたりすると、肌は摩擦ダメージを受けてしまいます。蒸れによる影響があるうえ、さらに摩擦ダメージが加わるため、肌トラブルが起きやすくなってしまうのです。
・乾燥
マスクをつけていると、自分の呼気によって内部の温度や湿度が高くなります。その反対に、マスクを外すとこうした湿気が蒸発するとともに、肌の水分も一緒に奪われてしまいます。乾燥は肌トラブルの大きな要因になるため、特に注意が必要です。
◆マスク肌荒れを予防しよう
マスク肌荒れを予防するには、マスク着用による肌ストレスをできるだけ軽くしておくことが大切です。ここでは、ご家庭でできる簡単な予防法をご紹介します。
・丁寧なスキンケア(保湿)
肌荒れ予防の基本は、肌を清潔に保つことです。マスク内は、ニキビの原因であるアクネ菌が繁殖しやすい環境といえます。毎日朝晩、たっぷりの泡を使って丁寧に洗顔しましょう。肌の保湿は、肌を外的刺激から守ることにつながるため、季節を問わず重要です。特に、洗顔後は肌の水分が失われやすい状態になっているため、すぐに化粧水・乳液・クリームなどで保湿しましょう
・こまめに汗を吸い取る
マスクの内部は温度や湿度が高くなり、汗をかきやすい状態になっています。そのままにしておくと雑菌が繁殖してしまい、ニキビやかゆみなどの肌トラブルの原因につながってしまいます。汗をかいたら清潔なガーゼやタオル、またはウェットティッシュなどを押し当て、こまめに汗を吸い取りましょう。皮脂も一緒に吸い取ってしまうので、可能であれば再度マスクをつける前に保湿することをおすすめします。
・自分に合ったマスクの着用
マスクが肌に合わないと感じたら、マスクの素材を変えてみると肌への刺激が軽減することがあります。一般的に綿やシルクなど天然素材のマスクのほうが肌への負担は少ないといわれていますが、感染拡大を予防するうえでは不織布マスクが推奨されています。肌触りが気になるときは、不織布マスクと肌の間にガーゼなどを一枚はさむと、刺激が和らぐのでおすすめです。
・保湿クリームなどを塗っておく
マスク着用前に、保湿効果の高いクリームやワセリンなどを塗っておきましょう。特に、マスクが触れやすいほほ・鼻・あごなどに塗っておくと、マスクによる摩擦ダメージを軽減させる効果が期待できます。マスクのゴムが擦れやすく、ダメージを受けがちな耳の後ろも、忘れずにケアしてください。
マスク着用によって引き起こされる、「マスク肌荒れ」の原因と予防法をご紹介しました。コロナ禍の今、マスクは感染拡大防止のためになくてはならないものとなっています。マスク生活と上手に付き合うために予防と対策をしっかり行い、美肌と健康を守りましょう。
巣ごもり生活で体を動かす機会が減り、心身に不調を感じていないでしょうか。ここでは、運動不足による健康リスクや、日常生活で運動量を増やすコツについてお伝えします。無理なく体を動かす習慣をつけて、健康のために適度な運動量を確保しましょう。
◆「巣ごもり生活」でライフスタイルに起こった変化
2020年以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐため、国内ではテレワークや外出自粛といったさまざまな対策が採られることとなりました。こうした「巣ごもり生活」によってライフスタイルが大きく変わり、1日のうち多くの時間を自宅で過ごしている人も少なくありません。そこで問題となっているのが、自宅から出ないことによる運動不足です。これまでは通勤や通学のほか、休日のアクティビティなどで体を動かす機会が多かった方も、ライフスタイルの変化にともない運動不足となっている可能性も。運動量が減って心身の不調を感じるときは、生活習慣を見直してみましょう。
◆運動不足による健康リスクとは?
一見すると、それほど深刻には見えない運動不足。しかし、運動不足が長期間にわたり続くと、心身に影響を与えるだけでなく、生活習慣病のリスクを高めると考えられているのです。日常生活における運動量が不足していると、体力や筋力が低下してしまいます。立ったり歩いたりする能力が衰えれば、やがて活動の幅が制限され、生活の質(QOL)が下がるおそれがあるでしょう。適度に体を動かして気分転換ができない場合、ストレスが溜まりやすいため注意が必要です。また、運動不足が続くと食事での摂取エネルギーに対して消費エネルギーが少なくなる傾向にあります。こうした状況から、肥満・高脂血症・高血圧といった生活習慣病を引き起こしかねません。
◆日常生活で体を動かす習慣をつけましょう
巣ごもり生活で運動不足を感じているものの、いきなりスポーツを始めるのはハードルが高い……そんなときは、身近なところから少しずつ体を動かす習慣をつけていきましょう。最後に、日常生活で運動量を増やすコツをご紹介します。
・日常の動作を少しずつ増やす
日常生活のなかには、体を動かすチャンスが意外と多くあります。まずは、いつもより多く動くことを目標にしてみましょう。エレベーターやエスカレーターを使わずに階段で移動したり、拭き掃除のように全身を使った家事に取り組んだりするだけでも構いません。少しずつ運動量を増やして、運動に慣れていくことが大切です。
・ウォーキングを取り入れる
特別な準備が不要で、どこでも気軽に始められるウォーキング。初めのうちは短い距離から、軽い散歩のつもりで取り組んでみてはいかがでしょうか。日用品の買い物のためにお店まで歩いたり、近所の公園へ出かけたりすると良いでしょう。余裕ができたら、歩いた距離を記録したり、週や月ごとの目標を立てたり、自分なりの楽しみ方ができると理想的です。
・トレーニング動画などを活用する
昨今の巣ごもり需要を受けて、自治体の公式サイトや動画共有サイトなどで、無料のトレーニング動画が提供されています。動画では目的に応じたトレーニングメニューが用意されており、自宅で効果的に体を動かすために役立ちます。スポーツジムに通うのが難しい方は、動画でプロのトレーナーによる解説を聞くのもひとつの手です。
巣ごもり生活で運動不足を感じたら、自分が無理なくできる運動に、少しずつ取り組むようおすすめします。慣れてきたら、徐々に運動量を増やしてみてください。体を動かすことで健康リスクを避けて、心身を健やかに保ちましょう。
紫外線は、一般的に夏の季節にもっとも強くなります。春から夏にかけて、少しずつ紫外線対策を意識し始めましょう。今回は、紫外線と健康の関係についてお伝えします。つい勘違いしがちな部分もあるからこそ、改めて日焼けの基礎知識を確認してみてください。
◆紫外線の浴びすぎは健康に悪いの?
私たちが目で見ることはできませんが、太陽光には「紫外線」が含まれています。紫外線は、体内でビタミンDを作るために必要な要素です。ビタミンDには、腸でのカルシウムの吸収を2~5倍にする働きがあります。不足するとカルシウム不足に陥るおそれがあり、大切な栄養素といえるでしょう。きのこや一部の魚類にも含まれていますが、食品のみで必要な量を確保するのは難しいと考えられています。ところが、紫外線の浴びすぎは健康への影響が懸念されているため、やや注意が必要です。
◆日焼けの基礎知識
紫外線を浴びると、私たちの体は日焼けをします。日焼けには、紫外線を浴びた数時間後に肌が赤くなる「サンバーン」と、数日後に肌が黒くなる「サンタン」という種類があります。サンバーンが2~3日程度で消えるのに対して、サンタンが消えるまでには数週間から数カ月といった長い期間がかかることも珍しくありません。
このようにサンタンによって肌が黒くなるのは、体が紫外線の被害を防ごうとする防衛反応です。よく「サンタンが紫外線を防ぐ」と誤解されることもあるようですが、実際に紫外線を防ぐ効果はとても小さく、SPF4程度だといわれます。なお、一般的な日常生活レベルで使われる日焼け止めは、SPF10~35です。
日本で紫外線がもっとも強くなるのは6~8月ですが、紫外線の強さや量は地域によって異なります。また、紫外線量は環境によって大きく異なり、日陰の紫外線量は日向の50%、光が反射しやすい新雪の上では紫外線量が100%+80%となります。紫外線をよく反射する雪や砂のある環境では、日焼けをしやすくなることに注意しましょう。
◆紫外線が健康に与える影響
紫外線を浴びすぎると、皮膚や目の健康に影響を与えると考えられています。たとえば、紫外線を浴びた数時間後に起こるサンバーンでは、皮膚に炎症が起こって赤みや痛みといった急性傷害が生じることも。また、日焼けのダメージが長年にわたり続くと、肌にシワやシミなどの慢性傷害が現れます。ほかにも皮膚に良性や悪性の腫瘍ができるおそれがあり、目には白内障や翼状片といった病気のリスクがもたらされます。
◆紫外線の浴びすぎを避けるポイント
皮膚や目の健康を守るためにも、日頃から紫外線の浴びすぎを避けるよう心がけましょう。ここで押さえておきたいのは、すでに日焼けをした後に対策をするより、日焼けをする前に対策をするほうが効果的である点です。外出をするときは、紫外線の強い10~14時の時間帯や、紫外線量の多い環境をできるだけ避けましょう。その際は、できるだけ日陰に入ったり、衣服・帽子・日傘で肌を覆ったりする対策が有効です。
また、屋外の紫外線を避けるのが難しいときは、肌に塗る日焼け止めを活用する方法もあります。市販の日焼け止めは、利用シーンに応じたSPF・PAの数値から選ぶと良いでしょう。特に、レジャーやスポーツのように、長時間にわたり紫外線の強い場所で過ごすときは、数値が高くかつ耐水などの効果も併せて確認してみてください。
紫外線は体内でビタミンDを作るために必要な一方で、浴びすぎは皮膚や目の健康に影響を与えると考えられています。肌のシワやシミといった、美容の観点でのデメリットも少なくありません。紫外線の浴びすぎを避けるために、ご紹介したポイントをぜひ参考にしてみてください。
職場でテレワークが導入されたり、学校がオンライン授業に切り替わったりと、2020年以降ライフスタイルに大きな変化があった方もいらっしゃるでしょう。今回は、そんなオンライン化で注意したい目の疲れと、対策についてお伝えします。PCやスマートフォンの活用が必須のオンライン時代、大切な目の健康を守りましょう。
◆オンライン化で実感する目の疲れ
多くの企業でテレワーク(リモートワーク)が導入され、会議やミーティングなどもオンラインで行われるようになりました。また、プライベートでもオンライン上での交流が増えて、PCやスマートフォンの画面を見る時間が増えたと感じる方も多いでしょう。一方で、社会のオンライン化にともない注意したいのが目の疲れです。ライフスタイルが変わって以降、これまで以上に目の疲れを実感することがないでしょうか。特に、デスクワークで長時間にわたり画面を見続けている方は、改めて目の健康に注目してみてください。
◆気をつけたい「VDT症候群」とは?
日常的にPCやスマートフォンのディスプレイを見続けることが多い現代。そんな画面の見すぎによって起こる目の症状は、「VDT症候群(Visual Display Terminal)」と呼ばれています。VDT症候群は、目を酷使することで起こり、慢性化すると全身に症状が見られるのが特徴です。目の疲れや肩こりから始まり、しだいにだるさや背中の痛みが生じ、さらには精神的な症状をまねくと懸念されています。お仕事で画面を見る時間が長い方は、今日から取り組める簡単な対策で、少しでも目の疲れを防ぐ工夫をしてみましょう。
◆目の疲れを防ぐ3つの対策
画面の見すぎで目の疲れを感じるときは、以下の3つの対策をお試しください。今日から自分で取り組める、簡単な対策をご紹介します。
・正しい姿勢を保って作業する
仕事などで長時間にわたり画面を見続けるときは、正しい姿勢を保って作業しましょう。まず、イスに座った状態でディスプレイとは40~50cm程度の距離をとります。背筋を伸ばして画面を見たら、視線の向きをやや下方向にするのが疲れを防ぐポイントです。机とイスの高さを調節して、適切な姿勢でいられるよう作業環境を整えましょう。このとき、視線が上向きのまま画面を見続けると目の緊張や乾燥につながるためご注意ください。
・作業中はこまめに休憩を取る
PCを使って作業をするときは、定期的に休憩を取るよう推奨されています。1時間の作業につき10~15分間の休憩を取るのが目安です。休憩時間には、簡単なストレッチや体操で体を動かしたり、目の周りをやさしくマッサージしたりすると良いでしょう。また、目薬をさしたり、ホットアイマスクで目を温めたりする方法もあります。作業に集中していると、つい休憩がおろそかになるため、意識して目を休める時間を作りましょう。
・画面の明るさや色味を調節する
PCのディスプレイは、設定によって自分で明るさや色味を調節することができます。目の負担を抑えたいときは、画面の明るさを下げるとともに、「ブルーライト」と呼ばれる青色の光を下げて対策します。昨今では、多くの端末に「夜間モード」が搭載されており、簡単な操作でブルーライトを調整できるようになりました。ほかにも、画面にブルーライト対策フィルムを貼る方法や、ブルーライトカットのメガネを使う方法があります。
VDT症候群や目の疲れを防ぐ対策についてお伝えしました。オンライン化にともない、ライフスタイルに大きな変化があった方は、改めて目の健康を見直してみましょう。機器の設定を見直したり、市販のアイテムを活用したり、できることから対策を始めてみてください。
日々の忙しさのなかで、お風呂を沸かして湯船に浸かる時間を確保できず、ついシャワーのみで済ませてしまうことがないでしょうか。実は、湯船に浸かって体を温めると、多くのメリットが期待できます。たまにはゆっくりとお湯に入って、疲れた体と心を休められる時間を作れると理想的です。今回は、お風呂と健康の関係についてお伝えします。
◆湯船に浸かると健康にどんなメリットがある?
毎日の入浴で湯船に浸かると、健康にはどのようなメリットがあるのでしょうか。まずは、入浴に期待されている効果をご紹介します。
・体が温まり疲れが取れやすくなる
温かい湯船に全身が浸かると、体が温まって血管が広がり、血行が良くなります。血液には、私たちの体のすみずみまで酸素や栄養を運び、そして二酸化炭素や老廃物を排出する役割があります。血行が良くなると、筋肉の凝りがほぐれ、疲れが取れやすくなるのがメリットです。ほかにも、体を温めることは内臓や自律神経にも良いといわれます。シャワーを浴びる場合と比べて、全身をしっかりと温められるのが大きな違いです。
・水圧によって血行が促される
湯船に浸かると、体が水圧による影響を受けます。こうして全身に圧力がかかると、溜まった血液が押し戻されて流れが促されたり、腹部が縮んで呼吸の回数が増えたりするのがメリットです。適度なしめつけによって、滞りがちな血行が促されます。体へのマッサージ効果が期待できるだけでなく、むくみの解消につながると考えられています。
・全身のリラックスにつながる
水のなかでは「浮力」と呼ばれる作用がはたらき、自然と体が浮いてきます。実はこの浮力は、お風呂で湯船に浸かっているときにもはたらいているのです。浮力があることで、常に体の重みを支えている筋肉や関節をリラックスさせることにつながります。体の重みから解放されて緊張が減るため、体と心をゆったりと休められるのがメリットです。
◆日々の入浴で注意したいポイント
このように多くのメリットが期待できる入浴ですが、いくつか注意しておきたいポイントもあります。最後に、湯船に浸かるうえで気をつけておきたいことを解説します。
・お湯の温度は40℃程度が目安
体の疲れを取りリラックスするために、お湯の温度は40℃程度を目安にしましょう。お湯の温度が高すぎると、興奮につながる「交感神経」が活発になりやすく、血圧が上がるおそれがあります。42℃以上の熱いお湯での入浴にはリスクがあるためご注意ください。特に冬場は温かいお湯に浸かりたくなりますが、お風呂を沸かすときは適温を守りましょう。
・長風呂をしすぎない
湯船に浸かる時間は、長ければ長いほど良いわけではありません。目安として、入浴時間は40℃程度のお湯の場合で、10~15分に留めましょう。ただし、顔が汗ばんでくるのを感じたら、上記の時間以内であっても湯船から出て休憩を取るようおすすめします。40℃程度のお湯に10~15分浸かると、体温が約1℃上がるといわれます。長風呂には体温が上がりすぎるリスクがあるため注意しましょう。
・アルコールを飲むのは避ける
湯船に浸かると多くの水分が失われます。一般的には、入浴により約800mlの水分が失われるといわれるため、水・イオン飲料・麦茶などで水分補給を行うと良いでしょう。このとき、アルコール飲料を飲むと利尿作用により脱水が起こるおそれがあります。お風呂上がりはお酒を飲むのを避けて、まずはしっかりと水分補給を行ってください。
今回は、お風呂で湯船に浸かるメリットをご紹介しました。入浴時には、可能であればシャワーよりも湯船に浸かって、体を温めるようおすすめします。冷えやすい冬は、ぜひご紹介した入浴のポイントを参考にしてみてください。
よく耳にする「旬の食材」とは、一体どんな食材のことを指すのでしょうか。また、食べ頃の食材を選ぶと、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、季節に合った物を食べるメリットや、冬に旬を迎えるおすすめの食材をご紹介します。ヘルシーで美味しい食事を楽しむために、ご紹介する内容をぜひ参考にしてみてください。
◆食卓で季節を感じられる「旬の食材」
季節に関係なく、1年を通して多彩な食材が簡単に手に入る現代。お店に並ぶ食材のバリエーションは、通年でほとんど変わらないかもしれません。しかし、それぞれの食材には、もっとも食べ頃となる“旬”があるのです。食べ頃を迎えた「旬の食材」を使って料理をすると、食卓で季節を感じられて、毎日の食事をさらに楽しめます。そんな旬の食材には、季節感を楽しめる以外にも、たくさんのメリットがあります。日々の健康維持のために、旬の食材を食べるメリットを押さえておきましょう。
◆旬の食材を食べる3つのメリット
春夏秋冬、食卓で季節感を楽しめるのが魅力の「旬の食材」。そんな季節の食べ物には、健康や家計にもたくさんのメリットがあるのです。ここでは、3つのポイントでお伝えします。
・新鮮で美味しい
旬の食材は、ほかの季節と比べて香りや旨味が豊かに感じられ、美味しいのがメリットです。素材そのものの味わいを楽しみながら食事を摂れます。たとえば、塩分や糖分といった調味料をやや控えめにして、素材の味を生かして調理するのもおすすめです。採れたての新鮮な食材を美味しく味わいながら、ヘルシーに食事ができます。
・栄養価が高い
旬の食材は、ほかの季節と比べて栄養価が高いのがメリットです。食材の栄養価は、季節ごとに変化しています。現代は通年で入手できる食材が多くありますが、季節に応じて旬を迎える食材を選ぶと良いでしょう。また、旬の野菜には、その季節に体が必要とする成分が含まれていることが多く、日々の健康を維持するために役立ちます。
・価格が安い
旬の野菜は生産量が多く、ほかの季節よりも価格が安くなるのがメリットです。新鮮で美味しく、さらには栄養価の高い食材を、家計にうれしい低価格で入手できます。健康的な食生活は日々続けていくことが大切です。たくさんのメリットがあるリーズナブルな旬の食材を、ぜひ毎日の食生活へ積極的に採り入れましょう。
◆今が食べ頃!冬が旬の食材をチェックしよう
最後に、冬に食べ頃を迎える旬の食材をご紹介します。寒い冬を健康に過ごすために、これらの旬の食材を意識して採り入れてみてはいかがでしょうか。
・長ネギ
鍋料理や煮物といった、温かい料理によく使われる長ネギ。煮ると独特のとろみのある食感に仕上がり、美味しくいただけます。購入するなら、みずみずしくて固さがあり、葉の先までハリがある新鮮なものを選びましょう。
・小松菜
小松菜は冬になると葉が肉厚で柔らかくなります。炒め物やお浸しによく使われる食材です。葉が濃い緑色をしていることや、肉厚でハリがあることが選び方のポイント。傷みやすいため、購入後は数日以内に、葉がしおれる前に食べ切るようにしましょう。
・春菊
春菊は鍋料理に入れるほか、生食にも適している食材です。新鮮な春菊は香りが強くなります。葉が濃い緑色をして、みずみずしく、ハリがあるものをお選びください。傷みやすいため早めに食べ切るか、茹でてから冷凍保存しましょう。
旬の食材は、食卓で季節を感じられるだけでなく、健康や家計にもたくさんのメリットがあります。お店に並ぶ食材のなかで、食べ頃を迎えたものを積極的に選ぶよう心がけ、日々美味しくてヘルシーな食事をお楽しみください。
激しい嘔吐や下痢といった症状を引き起こすノロウイルス。食中毒のなかでも最も年間の患者数が多く、特に冬期には急激に発生件数が増えるため注意が必要です。今回は、12月から翌年1月にかけてピークを迎える、ノロウイルスの予防についてご紹介します。健やかに冬を過ごすためにも、ご家庭でできることに取り組みましょう。
◆ノロウイルスは12月から翌年1月が発生のピーク
例年、冬になると急激に発生件数が増えるノロウイルスによる食中毒。毎年100万件前後の感染報告のうち、大部分が冬に発生しています。その理由は、ウイルスが低温で乾燥した環境を好むためだと考えられています。なかでも12月から翌年1月は、ノロウイルス食中毒のピークです。厚生労働省が公表している「ノロウイルスによる食中毒発生状況」の資料によれば、患者数は2018年12月で1,922人、2019年1月で1,054人となっています。また、ノロウイルスは1件あたりの患者数が多い傾向にあり、大規模な食中毒の事件になりやすい点でも注意が必要です。冬場の健康を守るため、各家庭でも対策を講じましょう。
※参考:厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
◆ノロウイルスの症状や感染経路とは?
ノロウイルスによる食中毒は、感染から24~48時間で発症します。主な症状は、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・微熱などです。これらの症状が1~2日にわたり続くケースが多いものの、人によっては軽い風邪に近い症状で済む場合があります。ノロウイルスの感染経路には、主に「食品」と「人」の2種類があります。食品による感染は、汚染された食品を食べることで発生します。人による感染では、患者の嘔吐物や糞便から二次感染したり、飛沫から感染したりするのが特徴です。日頃から調理方法や身近な方の健康状態に注意しましょう。
◆適切な消毒で衛生的に調理をしましょう
食品を通して感染するノロウイルスの対策では、消毒を行うのが有効です。食器や調理器具、手指は正しい方法で消毒して、清潔に保ちましょう。
・食器や調理器具の消毒
食器や調理器具は、洗剤を使って洗うとともに、熱湯や消毒液を使って消毒します。消毒には、家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを薄めた消毒液を使用できます。200ppmの濃度の消毒液を用意し、食器や調理器具を浸したり、拭き取ったりするのに使いましょう。消毒液を作るときは、12%の濃度の製品5mlに対して3Lの水で薄めます。
・手指の消毒
石鹸を使用して手洗いを行うと、手指に付いたノロウイルスを減らす効果が期待できます。調理前には必ず手洗いをしましょう。一方で、ただちに水と石鹸を使った手洗いができない場合には、消毒用エタノールを使った消毒が有効です。その際は、3mlの消毒液を手に取り、指先から順番にすり込みましょう。最初に指先、次に手のひら・手の甲・指の間・親指・手首の順番で、消毒液が乾燥するまですり込むのがポイントです。
◆日常生活で注意したいノロウイルス対策
ノロウイルスが流行する冬場には、日常生活でも感染予防を意識して過ごしましょう。食事の場面では、可能な限り手で食べ物に触れないよう注意します。おにぎりは使い捨ての手袋やラップを使って調理し、袋入りの食品は袋から直接に食べると良いでしょう。
また、多くの方が利用するトイレが汚染されると、ノロウイルスの集団感染が起こるリスクがあります。使用前後には除菌クリーナーを使用して、必ず手洗いを行いましょう。石鹸を使った手洗いができない場合は、必要に応じて消毒用エタノールも使用してください。
12月から翌年1月にかけての冬場は、ノロウイルス発生のピークとなります。今回ご紹介した対策を参考に、ご家庭でも対策を意識してお過ごしください。
自由な働き方ができるテレワーク。自宅で働くと、どんな健康リスクがあるのでしょうか。また、健康的に働くためには、どんな点に注意するべきでしょうか。労働環境の変化に応じて、新たなヘルスケアの習慣を取り入れてみてください。
◆テレワーク中の健康管理が課題に
働き方の選択肢が増え、新たにテレワーク(在宅勤務)を導入する企業が多くあります。時間や場所に縛られないテレワークは、一人ひとりのライフスタイルに合わせて働きやすいのがメリットです。その一方で、昨今ではテレワーク中のヘルスケアの課題が浮き彫りになりつつあります。なかには、長期的なテレワークが導入されて以降、従業員が体調を崩してしまうケースも少なくありません。そこで今回は、テレワークで注意したい健康リスクや、健康的な在宅勤務のコツをご紹介します。多様な働き方が実現される一方で、労働環境が大きく変わっても、これまでに引き続き心身の健康を守りましょう。
◆テレワークで注意したい健康リスク
長期的なテレワークでは、どのような健康リスクが想定されるのでしょうか。在宅勤務ならではの、よくある健康リスクの事例をご紹介します。
・運動不足
テレワークの導入により通勤が不要になると、運動不足が懸念されます。たとえば、駅の階段の上り下りや、オフィスまでの徒歩も、大切な運動習慣のひとつです。運動には、生きるために必要な筋力を維持したり、生活習慣病を予防したり、気分転換をしたりする効果があります。在宅勤務では、日常生活での運動量が著しく減る点に注意が必要です。
・生活習慣の乱れ
テレワークは自由な働き方ができる反面、仕事とプライベートのメリハリをつけにくいといえます。適切な自己管理を行わないと、起床・就寝の時間や、食事の時間が乱れやすくなります。さらに、自宅では菓子類を食べ過ぎたり、インスタント食品に頼りがちになったりと、食生活の乱れが起こることも。健康的な生活習慣の維持が難しい場合があります。
・ストレス
テレワークが続き、日常的にオフィスへ通う習慣がなくなると、人と会う機会やコミュニケーションの量が著しく減少します。人によっては、強い孤独を感じやすいといえるでしょう。また、チャットやメールなどの間接的なコミュニケーションでは、相手の様子が十分に伝わりません。周囲の人から体調不良に気づいてもらえないおそれがあります。
◆健康的な在宅勤務のコツ
それでは、健康的にテレワークを続けるためには、どんなポイントを意識するべきでしょうか。まず、自ら積極的に運動する習慣をつけましょう。たとえば、「毎日○分散歩をする」「週に○回スポーツジムに通う」といった形で、新しいルールを作るのもおすすめです。休憩中に簡単なエクササイズやストレッチを取り入れる方法もあります。
また、仕事とプライベートの切り替えは、意識的に行ってください。自宅のなかで仕事をするスペースを決めて、休憩時間や就業後にはその場を離れる方法もあります。就業時間外には、仕事で使うPCや端末を片付けても良いでしょう。オフィスで勤務する場合と同じように、就業時間や休憩時間を守り、こまめな休憩を取ってください。
さらには、社内のコミュニケーションを充実させることも大切です。チャットやビデオ通話は業務連絡での利用に限定せず、雑談も交えながら気軽に交流できる機会を増やします。同僚や部下の様子がおかしいと思われたら、必要に応じて声がけを行ってください。プライベートでも、親しい方とコミュニケーションを取る機会を設けましょう。
ご紹介したポイントを参考に、時には周囲の人と協力しながら、自分なりに健康的に働くための習慣を身に着けてみてください。
“人生100年時代”ともいわれ、多くの方が長生きする現代。長い人生のうち、できるだけ長い期間を健康な状態で過ごせると理想です。ここでは、そんな今こそ知っておきたい「健康寿命」の考え方をご紹介します。健康寿命と平均寿命の違いや、健康寿命を延ばすためにできることをお伝えするため、ぜひご一読ください。
◆健康寿命とは?平均寿命との違い
厚生労働省が発表した「平成30年簡易生命表」によれば、国内における男性の平均寿命は81.25年、女性の平均寿命は87.32年となっています。前年度の平成29年のデータでは男性が81.09年、女性が87.26年でした。平均寿命は男女ともに80年を超え、年々伸びる傾向にあります。その一方で、近年では“健康寿命”にも注目が集まっています。
健康寿命とは、平均寿命から不健康な期間を差し引いた寿命のことです。ここでいう不健康な期間とは、寝たきりや認知症などの状態にあり、健康上の問題から日常生活に制限がある期間を指します。健康寿命が長いと、生涯で健康に過ごせる期間が長いということです。従来の平均寿命に対して、世界保健機関(WHO)が新しい寿命の指標として提唱しました。
健康寿命を延ばすと、私たち一人ひとりの生活の質が高まるだけでなく、医療費や介護費など社会保障の負担を軽くすることにもつながります。それでは、健康寿命を延ばすためには、どんなことに取り組むべきでしょうか。次に、国内の取り組みをご紹介します。
参考:厚生労働省 平成30年簡易生命表の概況「1 主な年齢の平均余命」
◆健康寿命を延ばすための取り組み
国内では、2000年から2012年にかけて「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」の取り組みが行われてきました。その結果、生活習慣が原因で起こる「メタボリックシンドローム」を認知する国民の割合が増加したり、80歳で20歯・60歳で24歯を有する人が増加したりと、一部の項目で目標を達成しました。そんな「健康日本21」の評価を踏まえて、2013年から2022年にかけて新たに「健康日本21(第二次)」の取り組みが始まっています。医療・介護分野では、健康寿命を延ばすため幅広い支援が推進される見込みです。
◆健康寿命を延ばすためにできること
健康寿命を延ばすためには、一人ひとりが自分の生活習慣を見直すことが有効です。日頃の食事や運動の習慣、喫煙や飲酒の習慣などのライフスタイルが、生活習慣病と大きく関わっています。たとえば、食事の栄養バランスを意識したり、塩分の摂り過ぎを避けたりする日々の心がけが、健康寿命を延ばすことにつながります。適度な運動と十分な睡眠も欠かせません。お酒やタバコなどの嗜好品が引き起こす健康被害について知り、上手に付き合うことも大切です。健康寿命を延ばして生活の質を高めるために、できることから始めましょう。
特に近年では、メタボリックシンドロームのほかに、「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」への注目が高まりつつあります。これは、骨・関節・筋肉の衰えにより、介護が必要となるリスクが高い状態のことです。移動手段が発達した現代は、自分の足腰を使う機会が減り、体の移動機能が低下しやすいといえます。なお、健康日本21(第二次)の目標には、ロコモの認知度を高めることが含まれています。健康寿命を延ばすために、運動不足のリスクを理解し、日常生活のなかで体を動かす機会を作ってみてはいかがでしょうか。ご自身のライフステージに応じて、適切な身体活動量を保ちましょう。
現代を生きるうえで知っておきたい「健康寿命」についてお伝えしました。生活の質を高めるために、まずはご自身の日常生活を見直すことから始めてみましょう。長い人生をできるだけ健康な状態で過ごすために、お伝えした内容をお役立てください。