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秋の夜長、リラックスしてよい睡眠を(2004年9月)

 

     
 
9月のテーマ:
秋の夜長、リラックスしてよい睡眠を

4年に一度のスポーツの祭典アテネオリンピックが閉幕しました。日本代表選手の活躍に目が離せず、連日にわたる深夜の観戦で寝不足続き…なんて方も多かったのではないでしょうか。それでなくても寝苦しい熱帯夜の続いた今年の夏。生活のリズムが狂ったり、体調を崩したりしていませんか?徐々に秋めいて、過ごしやすくなってくる季節。カラダもココロもほぐしてリラックス、心地よい睡眠をとり、正常な生活リズムを取り戻しましょう。

 
     

 

安眠の大敵・不快ストレス
 
 睡眠不足は脳機能の低下を引き起こし、ストレスへの耐性も弱めてしまいます。そして自律神経やホルモンバランスをも乱し、結果として心身に不調を生じさせる原因となってしまうのです。 

ストレスを受けると分泌される副腎皮質刺激ホルモン( ACTH )には外敵から身を守るため睡眠を抑制させるはたらきがあり、このホルモンのためにストレスを感じるとなかなか寝付けなかったり、浅い眠りしか得られない、といった状態になります。

 しかもこのホルモンの ” 分解 ” は睡眠中に行なわれるため、ストレスを感じる→ ACTH が分泌される→分解するために身体が睡眠を要求する(眠気がおこる)→しかし ACTH のはたらきでよく眠れない…という悪循環に陥ってしまうのです。つまり十分な睡眠と正しい生活リズムを取り戻すには、ストレスを解消することが必要なのです。
上手にストレスを解消しよう
 
 ストレスとは医学的に言うと「なんらかの刺激が身体に加えられた結果、身体が示したゆがみや変調」のこと。窮屈な姿勢を続けていると身体が痛くなってしまうように、ストレスを受けつづけていると心が傷み、身体にまで影響を与えてしまいます。一般的に内気な人や真面目で几帳面な人などはストレスを受けやすく、溜め込みやすいと言われます。ストレスの解消法は人それぞれですが、趣味や好きなことをしたりのんびりすごしたり、自分なりのストレス解消法をみつけておきましょう。
 
ストレッチでストレス解消
 

頭や神経を使うとストレスが起こり、筋肉が緊張状態になります。筋肉をストレッチ( stretch :伸ばす、引っ張る)すると筋肉がほぐれて身体の疲れが和らぐように、ストレスでこってしまった筋肉をほぐすことはストレス解消にも役立ちます。また、軽い運動は眠りを誘う効果も期待できます。

お風呂でストレス解消
 

40 度くらいの少しぬるめのお湯にゆっくりつかると血行がよくなり、首や肩のこりがほぐれて身体が心地よく温まります。入浴後、徐々に身体が冷えていくにつれ眠気が訪れるため、寝る前の入浴は快眠にも効果的。お風呂に入れないときには、 40 度くらいのお湯をはった洗面器などに足を 15 分ほど浸す「足浴」がオススメ。

アロマでストレス解消
  アロマセラピー(芳香療法)で利用されるアロマオイルには、鎮静効果をもつものもあり、ストレスを和らげたり誘眠や睡眠の質を高める効果が期待できます。キャンドルやオイルマッサージ、入浴などに上手く取り入れてみましょう。
  <ストレス解消や安眠に効果のある香り>

ラベンダー:心地よい眠りを誘う

ネロリ:心を穏やかにして安眠を促す

スィートオレンジ:不安や緊張をほぐす

カモミールローマン:ストレスを和らげる

サンダルウッド:緊張を和らげる

フランキンセンス:心を落ち着かせる

クラリーセージ:緊張をほぐす

ゼラニウム:精神を安定させる

ローズ:不安や緊張を和らげる

マージョラム:神経を鎮静する

呼吸法でストレス解消
  ストレスによる緊張状態が続くと呼吸が浅くなり、全身に酸素が行き渡らないため、リラックスしたくてもできなくなってしまいます。そこで、ストレスや緊張を感じたら「腹式呼吸」を。椅子にゆったり腰掛け、お腹を膨らませながら鼻からたっぷり息を吸いこみ、吐く時はお腹をへこませながら口からゆっくり息を吐き出す。これを何度か繰り返すと緊張がほぐれ、心身ともにリラックスできます。
   
 「早寝早起き」ではなく「早起き」が「早寝」につながる、という言葉があります。眠りの浅いときはむしろ「遅寝早起き」と割り切り、同じ時刻に起床して生活リズムを作りましょう。すっきりとした寝覚めは快眠の証拠。気持ちよく起きて、元気な一日を過ごしたいものですね。

 

 

筋肉疲労・筋肉痛の回復促進栄養素(2004年9月)

 

筋肉疲労・筋肉痛の回復促進栄養素
社団法人 茨城県栄養士会
管理栄養士 近藤 郁文
 
 
 
食欲の秋到来!!また運動会シーズンにもなります。運動不足のため筋肉痛に悩まされた経験を、ほとんどの方が持っているのではないでしょうか?

筋肉疲労や筋肉痛の軽減、回復を手助けする食事、栄養素について紹介します。

    筋肉疲労が起こるメカニズム
     筋肉疲労の主な原因として、筋肉中のエネルギー源(主にグリコーゲン)が消耗すること、および乳酸などの疲労物質が蓄積することがあげられます。

筋肉中のグリコーゲンとは、筋肉に蓄積されているブドウ糖ですが、激しい運動をするとおよそ1時間ほどでほとんど使い切ってしまいます。からだ全体のエネルギー源としては脂肪を貯えていますが、グリコーゲンが枯渇すると筋肉は脂肪も使えなくなりますので、筋肉が上手く動かなくなります。

一方、激しい筋肉の収縮では、筋肉への酸素の供給が間に合わないので、主なエネルギー源であるブドウ糖は不完全燃焼します。その燃えかすが乳酸です。筋肉に乳酸が蓄積されると、筋肉の細胞内が酸性化され、エネルギーを生産できなくなってしまいます。すなわち疲労します。

    筋肉痛について
     筋肉に強い負荷がかかったり、普段使っていない筋肉を使うと、その翌日以降に筋肉痛が発生します。この筋肉痛の原因は、筋肉に負荷がかかることによって筋肉が損傷し、その部分に炎症が起こるためと考えられています。
    筋肉疲労の回復を促進する栄養素
 
運動後なるべく早く糖分とクエン酸(レモンや梅干しに含まれる酸味の成分)を摂取しましょう。

これによって、グリコーゲンの回復が促進され、また同時に乳酸の解消も促進されます。

ビタミンB群は、体内でエネルギーを生産するのに必須のビタミンで、豚肉(B1)、豆類(B1、B6)、牛や豚の肝臓(B2、B6、B12)、卵(B6)に比較的多く含まれています。
   
    筋肉痛を和らげる栄養素
     運動前後や運動中にアミノ酸を摂取しましょう。アミノ酸にはたくさんの種類がありますが、筋肉痛の軽減に効果的なアミノ酸としてBCAA(分岐鎖アミノ酸)が知られてます。正確な有効摂取量はわかっていませんが、4g程度のBCAA摂取が目安です。BCAAは、肉や魚、乳製品や卵などに多く含まれています。
 
 
 
○食品可食部100g当りのBCAA量 (mg/100g)
 
 
100g当り
たんぱく質
 
 
精白米
 6.8
糸引納豆
16.5
ほんまぐろ・

赤身 

28.3
あさり
 8.3
 
牛・ひき肉
17.9
豚・ひき肉
18.2
鶏卵・全卵・生
12.3
 
プロセスチーズ
22.7
 
トマト
 0.7
オレンジ
 0.9
 
BCAA
合 計
 
イソロイシン
ロイシン
バリン
 290
 570
 430
1,290
 260
 440
 290
 990
 
1,300
2,100
1,400
4,800
 300
 520
 330
1,150
 790
1,400
 850
3,040
 770
1,300
 870
2,940
 680
1,100
 830
2,610
1,200
2,300
1,600
5,100
  15
  24
  17
  56
  16
  28
  22
  66
 
[改訂 日本食品アミノ酸組成表]
 
BCAAとは・・・
 
私たちのからだの約18%はたんぱく質です。そのたんぱく質を構成しているのが約20種類のアミノ酸で、体内で合成できるものとできないものに分けられ、合成できないアミノ酸は食事から摂る必要があるので、必須アミノ酸といわれています。中でも、筋肉をつくるのに重要なアミノ酸はイソロイシン、ロイシン、バリンで、この3つのアミノ酸を総称してBCAA(Branched Chain Amino Acid)と呼んでいます。
    普段から全身運動を習慣的に行ない、からだの全体の血行を良くしましょう。血行が良ければ筋肉に乳酸がたまりにくくなりますし、乳酸の代謝も早くなります。十分な準備運動も心がけましょう。
 
 
 
     
     

 

 

気をつけよう、食中毒(2004年8月)

 

     
 
8月のテーマ:
気をつけよう、食中毒

近年最高の猛暑とも言われる今年の夏。気温が高いと食べ物も傷みやすく、食中毒の危険も当然高まります。食中毒自体は年間を通して発生するものですが、気温が高い上に食欲・体力が落ちて体の抵抗力が弱くなってしまいがちな夏場は特に注意が必要。

 
     

 

食中毒を引き起こす菌
 
 食中毒の原因の 90 %以上は、細菌やウイルスによるものだと言われています。ぶどう球菌やボツリヌス菌など、食中毒を起こす原因菌には様々なものがありますが、最も発生率が高いのが下の3つ。「3大食中毒」とも呼ばれ、数年前より世間を騒がせている O - 157 など、重症化すると死に至るケースもあるので、ただの腹痛などと油断は禁物。
 
病原大腸菌
 

牛・豚・鶏などの食肉や水を含むその他多種に及ぶ食品が原因となる。腸炎を起こす大腸菌。中でも O - 157 (腸管出血性大腸菌 O - 157 )は二次感染もあり、重症化すると死に至る危険もある。

サルモネラ菌
 

牛・豚・鶏などの食肉、玉子などの食品が主な原因。また、ネズミやハエ、ゴキブリなどの害虫やペットから感染することもある。腹痛や吐き気、下痢、発熱などの症状が出る。

腸炎ビブリオ菌
  好塩性で、魚や貝などの海産物が主な原因食品。増殖スピードが速く、海水の温度が上がる季節は特に注意が必要。生魚を調理した後のまな板からの二次感染も。激しい腹痛や下痢、吐き気・嘔吐、発熱、血便などの症状が出る。重症化すると意識障害やチアノーゼなどを引き起こし、ごくまれに死亡するケースもある。
 
 
とにかく清潔に!徹底して予防しよう。
 
 
買い物編
 

必ず製造年月日や消費期限をチェックし、新鮮なものを選ぶこと。生ものを買ったあとは他の店などに寄り道せず、まっすぐ帰りましょう。

保存編
 

冷蔵庫を過信せず、食品は早めに使い切ること。また、食品を詰め込みすぎると冷えにくくなり庫内の温度が上がる原因になるので、常に整理を心掛けましょう。残り物を保存する場合は手早く粗熱を取り、すぐに冷蔵庫へ。色、臭い、ねばりなど少しでも気になった物はくれぐれも食べないように!

調理編
  とにかく清潔第一で。調理前、生ものを扱う前後は必ず石鹸で手洗いを。まな板や包丁、ふきんなどの調理器具も清潔に保ち、熱湯や漂白剤などでこまめに消毒をしましょう。キッチン用のアルコールスプレーなどの使用も効果的です。

 

 

夏バテ防止(2004年8月)

 

夏バテ防止
社団法人 茨城県栄養士会
茨城県栄養士会 管理栄養士 廣木 智子
 
 
 
    快適な夏を過ごすには、どのような工夫をされますか?
    からだがだるい!疲れやすい!やる気がない!など症状がでるのは、残暑が厳しくなる8月下旬ごろ。夜更かしや(暑くて眠れない、テレビやパソコンに夢中)食欲が低下、暴飲暴食がつづいたりし、生活のリズムが崩れると「夏バテ」の原因となります。
夏バテ防止のために
 
【生活習慣】
1.
 
規則的な食生活習慣にしましょう。(3食/1日)
2.
 
充分な睡眠を確保し、寝不足にならないようにしましょう。夜更かしは疲労の原因になりますので注意しましょう。
3.

冷房のかけすぎに注意しましょう(外気温の差は5~6度が望ましい)。

からだを冷やしすぎないようにしましょう。

冷たいもののとり過ぎは胃腸の働きが弱くなり、食欲を低下させます。

4.
適度な運動にこころがけましょう。
   
夏バテ予防にはこんな食事
 
 
さっぱりとした食事は栄養不足。
 
タンパク質やビタミン・ミネラルの補給にこころがけましょう。
 
献 立
ひと工夫
栄養効果
そうめん・冷麦
そうめん
焼き豚・ロースハム・焼きピーマン・トマト・青シソをトッピングしましょう 豚肉にビタミンB1が多く疲労回復効果があります。焼き豚や豚しゃぶを添えましょう。
バーベキュー
バーベキュー
夏野菜を串に刺して焼いてはいかがでしょう。食欲がないとき、工夫してみましょう。

(カボチャ・ナス・ピーマン・豚肉・鶏肉・レバー)

夏は食欲が低下するためFe(鉄分)が不足がちです。

レバー・ホタテ貝も使用してみましょう。

抹茶ミルクの

ゼリーフロート

抹茶ミルクのゼリーフロート
Ca不足に牛乳は最も身近な食品です、葉酸の多い抹茶を入れ、フルーツゼリーを荒砕きしたものを混ぜるとちょっとおしゃれな飲み物になるでしょう。 夏は緑の多い野菜が少ないので、抹茶を20mlのお湯で溶いて牛乳を入れて飲んでみては。

骨租しょう症の予防にもなります。

冷たい

ポタージュスープ

冷たいポタージュスープ
カボチャ・人参・ホーレンソウ・さつま芋・ジャガイモ・そら豆をベースにタマネギ・人参などをコンソメで煮込み、ミキサーにかけ牛乳を混ぜて冷たく、もちろんホットでもおすすめです。 食欲低下、野菜不足に簡単ポタージュです。

脂肪の気になる方へもこれなら安心。

   
 
     
     

 

 

日焼け後のアフターケア(2004年7月)

 

     
 
7月のテーマ:
日焼け後のアフターケア

いよいよ夏本番。海へ、山へとレジャーに出かけたり、太陽の下で過ごす機会も増える季節です。日に焼けた小麦色の肌は健康の象徴、というのも一昔前の話。紫外線が体に与える害が解明されるにつれ、また美白ブームなども手伝って、日焼けを嫌う傾向が強くなってきました。しかしやっぱり夏は日に焼けるもの。普段からの紫外線対策はもちろんですが、日に焼けてしまった場合の対処法を知り、上手に日焼けと付き合っていきましょう。

 
     

 

日焼けのメカニズム
 

 前回もお話しましたが、日焼けという現象は、紫外線に対する自己防衛システム。メラノサイトという細胞が紫外線を防ぐために作り出したメラニンという色素が、紫外線で酸化することによって、皮膚の細胞にダメージが及ぶのを防ぐという仕組みです。このときメラニンが酸化して黒くなるため、日に焼けて肌が黒くなったり、その色素がシミとなって残ってしまうのです。

 この紫外線によるダメージは、皮膚が老化するにつれて大きくなってきます。皮膚の表面は、少量の汗と皮膚の内部から出る皮脂で作られた「皮脂膜」によって守られ、わずかながら紫外線を反射させる働きもしています。皮脂の分泌量が十分で新陳代謝も活発な子供の肌は、紫外線によるダメージも回復が早く、夏休みに真っ黒に焼けても秋には元の肌に戻ることができます。しかし皮脂の分泌量は肌の老化とともに減り、皮脂組織に含まれる水分が蒸発してカサついたり、外部刺激への抵抗力が弱まって肌トラブルが起こりやすくなります。女性の場合なら 20 代後半から皮脂量の分泌量が下がり始め、 35 歳を境に衰えが目立つようになってきます。いわゆる「お肌の曲がり角」ですね。

 
 
日に焼けてしまったときの対処法
  日焼けは「軽いやけど」と同じもの。放っておかず、アフターケアを心がけましょう。
 
 
皮膚科編
 

 短時間で急激に日焼けした場合、肌が真っ赤になってヒリヒリ痛むときがありますね。ひどいときは炎症を起こしているため、皮膚科での処置を受けた方がいいでしょう。皮膚科ではメラニン色素の生成を抑えるビタミン C の外用薬や塗り薬などを処方してくれます。

自宅ケア編
 

 皮膚科に行くほどでない場合も、日焼けは一種のやけどですから、それなりの手当てをしましょう。まず炎症を抑えるために冷たい水に浸したタオルや、氷をビニール袋に入れたものなどで、ヒリヒリ感がなくなるまで冷やし続けます。その後、例刺激性の基礎化粧品を使い、水分補給と保湿をします。化粧水をたっぷりつけて水分補給と整肌をした後、乳液や美容液でうるおいを与えます。美容液などをたっぷり含ませたコットンでパックをするとより効果的。数日して皮がむけ始めても、無理にはがさないようにしましょう。赤くムラになる原因となるので、自然にはがれるのを待ってください。

食べ物編
   紫外線による皮膚へのダメージを回復させるには、バランスのとれた食生活が必須。新陳代謝を活発にする働きをもつ、ビタミン A 、 C 、 E を多く含む食品を中心にしたメニューをとりましょう。

 
<ビタミン A を多く含む食品>
・うなぎ、卵黄、バター、かぼちゃなど
<ビタミン C を多く含む食品>
・柑橘類、芋類、大根、海苔、緑茶など
<ビタミン E を多く含む食品>
・胚芽米、玄米、植物油、豆類、サンマなど
 

ちなみに、アルコールを飲んだときや体内にアルコールが残っているときは日焼けをしやすくなるので、バーベキューなど、野外でビールなどを飲む時は日焼けに気を付けてください。ビタミンを破壊する、タバコの吸いすぎにも気をつけましょう!

肌を焼きすぎる状態を度々繰り返すと皮膚の修正リズムが崩れ、細胞の異常繁殖、つまり皮膚ガンが発生する危険が出てきます。健康のためにも美容のためにも、過度の日焼けは絶対に避けるようにしてください。

 

 

安全な食事の提供(2004年7月)

 

安全な食事の提供 社団法人 茨城県栄養士会  
 
 
 
    食中毒予防月間
    7~8月は、「食中毒予防月間」です。

病院・学校・保育所・福祉施設・社員食堂など、多くの方へ食事を提供している給食施設では、「大量調理施設衛生管理マニュアル」(厚生労働省通知)を基本にし、衛生管理を行っています。

食中毒を予防するために行っている作業を紹介します。

 
 調理作業の流れ
8:00
 ミーティング
 
作業確認と衛生点検(調理員の体調と手指等の化膿創の有無確認)

*健康診断及び検便(0-157検査を含む・月1回以上)を行う。

*調理衣は、清潔なものを着用、指輪等は付けない。

   
8:45
 給食材料の受け入れ
 
*生鮮食品は、1回で使い切る量を調理当日に購入する。

*品質、鮮度、品温、異物の混入等について点検し、記録する。

*食材料は、食品毎に50gずつビニール袋等に密閉し、マイナス20度以下で2週間以上保管する。

 
   
9:00
 下処理作業開始(十分な手洗いをする)
 
*まな板・包丁など調理器具は、下処理・調理用と区分し使用する。
 
検食の実施風景
   
11:50
 食事配膳開始
 
* 清掃は、食品が調理室から搬出された後行う。
   
12:30
 下膳・食器洗浄
 
*調理器具、食器類は、十分に洗浄、殺菌後乾燥し、衛生的に保管する。

    「食の安全」を確保するために・・・
     「食の安全」が、重要視されている時、保健所や関係機関が実施する研修会に参加し、新しい情報を収集することも必要です。

給食を利用する方も、食事前の「手洗い」を習慣づけましょう。

     
 
     
     

 

 

紫外線(2004年6月)

 

     
 
6月のテーマ:
紫外線

本格的に日差しが強くなってくる初夏・ 6 月。 7 月 8 月の真夏よりも、実は紫外線量が最も多い季節です。しかも UVA という種類の紫外線は、曇りで日差しの弱い日でも晴れの日とその量は変わりません。そして室内にいたとしてもガラスを通過して肌まで届いてしまいます。

シミやシワの原因となるだけでなく、皮膚がんや白内障といった病気のリスクファクターともなり、美容にも健康にも悪影響を及ぼす紫外線。今のうちからしっかり防いでおきましょう。

 
     

 

紫外線と日焼け
 
 紫外線には3種類あり、最も強力な UVC という紫外線はオゾン層にさえぎられ地上まではほとんど届きませんが、 UVA と UVB という紫外線は私たちの肌まで届き、体に影響を与えています。 UVA はパワーは弱いものの皮膚の奥まで入り込み、シワなどの原因となります。
 細胞の DNA を傷つけ、活性酸素を発生させる紫外線。日焼けという現象は、紫外線に対する自己防衛システムなのです。メラノサイトという細胞が紫外線を防ぐためにメラニンという色素を作り出し、メラニンは紫外線で酸化することによって、皮膚の細胞にダメージが及ぶのを防いでくれます。このメラニンが酸化するとき黒くなるため、日に焼けて黒くなったり、その色素がシミとなって残ってしまうのです。

ちなみに紫外線は DNA を破壊するため、殺菌作用があるという利点も。洗濯物やまな板などを直射日光にあてて乾かすことで衛生管理の面では上手に活用しましょう。

 
コレで完璧・紫外線対策
 
 
ファッション編
 

 紫外線を防ぐには、まず肌の露出を極力抑えること。そして日の高い正午をはさんだ前後2時間はできるだけ外出を避けること。外出する際は、薄手の生地でもいいので長袖のシャツやカーディガンをはおるだけで紫外線を直接浴びなくて済みます。また、生地の色は黒いほうがより紫外線をさえぎる効果が高いということも参考に。そして見落としがちな首元も忘れないよう、外出時のファッションは襟付きのシャツやハイネックのシャツがお勧めです。

また、帽子やサングラス、日傘などのアイテムも活用し、それらは UV カット効果のある素材のものを選ぶなどして工夫を。ちなみに帽子のつばは、 7 cm以上あれば顔が浴びる紫外線の約6割をカットできるといいます。

   
日焼け止め編
 

 服装だけで防ぎきれない紫外線の対策に、日焼け止めも有効に活用しましょう。日焼け止めには子供用、敏感肌用など様々な種類のものが出ています。人によって肌荒れなどを起こす場合もあるため、自分の肌に合ったものを探して使いましょう。

ちなみに日焼け止めや日焼け止め効果のある化粧品に表示されている SPF ( Sun Protection Factor )と PA ( Proteciton Grade of UVA )という数値はそれぞれ UVB と UVA を防御するレベルを表す指標。

SPF20 と表示のあるものは日焼けするのに素肌の状態より 20 倍時間がかかるという意味。ただし汗などで落ちていくため、なるべくこまめに塗りなおすとより効果的です。そして PA は+の数が多いほど UVA を防止する効果が高く、 PA +なら UVA 防止効果がある、++ならかなり効果がある、最高ランクの+++なら非常に効果がある、ということになります。

SPF 値と PA 値、そして肌に合うかどうか。日焼け止めはこれらを参考に選びましょう。

 

 

ユニバーサルデザインについて(2004年6月)

 

ユニバーサルデザインについて 社団法人 茨城県栄養士会
 社会福祉法人 勇成会
  管理栄養士 伊藤 友子
 
 
 
    ユニバーサルデザインの定義
     最近良く耳にするようになった「ユニバーサルデザイン」。

この言葉は、ノースカロライナ州立大学(米)の故ロナルド・メイス教授によって1990年代に提唱されました。

メイス教授をはじめとする建築家、工業デザイナー、環境デザイン研究者などがチームとなって、「できるだけ多くの人が利用可能であるように製品、建物、空間をデザインすること」をユニバーサルデザインとして定義しました。

    ユニバーサルデザインの7つの原則
  公平な実用性(役に立ち実用性がある)
         
  柔軟性(個人の好みや能力に対応している)
         
  簡単でカンだけで使える
  (経験、知識、言語知識、集中力に無関係で使える
         
  感覚でわかる情報
  (ユーザーの近くや環境条件にかかわりなく効率的に情報を提供する)
         
  エラー対応
  (事故や間違いで生じる危険性を最小限にする)
         
  労力が少なくてすむ
  (肉体疲労を最小限に抑えられる)
         
  利用しやすい大きな空間
  (体格、姿勢、可能性に無関心で利用できる)
         
    季刊 ユニバーサルデザイン創刊号より    
 
    身近なユニバーサルデザインって何?
 建物であれば自動ドアや多目的トイレ、日用品であればシャンプーのボトルに 付いているギザギザなどがデザインの代表例として挙げられています。

例えば、多目的トイレの場合、車椅子利用者はもとより、ベビーカーを携えて  いる親、大きな荷物持つ人なども快適に利用できます。

このように、ユニバーサルデザインは利用する人を限定せず、誰もが快適で容 易に利用できるデザインの推奨という、画期的な提唱であったと思います。

    ユニバーサルデザイン食器紹介
     私たちが毎日使う、食器などにもユニバーサルデザインの波が押し寄せています。片手でも食べやすいお皿、むせにくいコップ、持ちやすい柄の付いたカップ、日本人の口の大きさにあわせ、一口の分量がのるように考えられたスプーンなど、どんどん研究も進められているようです。
    皆さんも、これを機会にユニバーサルデザインに目を向けてみてはいかがでしょうか?
     
     
 
     
     

 

 

禁煙(2004年5月)

 

     
 
5月のテーマ:
禁煙
体に良くないと分かっているものの、なかなかやめられないのがタバコ。アンケート結果では喫煙者の約8割もの人が「タバコをやめたい」と考えていると言います。しかし禁煙に挑戦した人のうち、半数以上の人が1年以内で失敗。成功するのは1割程度と言われています。5月31日は世界禁煙デー。この機会に、禁煙・減煙して健康な体を取り戻してみませんか?そしてタバコは喫煙者自身だけでなく、周りの人の健康にも害を及ぼしていることもお忘れなく!
 
     

 

まずはタバコの害を知ろう
 
 タバコの害=肺がん、というイメージが一般的ですが、タバコは様々な病気のリスクファクター。非喫煙者と比較すると、死亡率(男性)は全ての死因で1.3倍、全てのがんでは1.7倍にもなるという数値が出ています。具体的には、肺がんは4.5倍、胃潰瘍は1.9倍、喉頭がんではなんと32.5倍!女性の場合は子宮がん1.6倍という数値が出ている他、妊娠中の喫煙は胎児にも影響を及ぼし、障害児や早産、出生率低下の原因ともなりえます。
 また、非喫煙者が喫煙者のタバコの煙(副流煙や呼出煙)を吸ってしまうのが「受動喫煙」。有害物質を含んだ煙を吸うことで、非喫煙者にまでも、肺がん、虚血性心疾患、呼吸機能障害などの健康被害が生じているのです。

 
  禁煙できないのは「依存症」
 
 禁煙の大敵は「ニコチン依存症(中毒)」と「心理的依存」という2つの依存症。ヘロインやコカイン並と言われるほど依存性の強いニコチン。肺から血液中に入ったニコチンは一時的に脳を覚醒状態にしますが、その効果が切れると物足りなくなり、再びニコチンを求めてしまうのが「ニコチン依存症」。また、喫煙が日常的な習慣やストレス解消の手段になってしまっている場合、タバコを吸わないとイライラしたり、不安や寂しさを感じてしまうのが「心理的依存」です。

 
 本当はやめたいのにやめられない、そんな人はまずは減煙から始めましょう。ただし、「軽いタバコなら健康への害も減る」というのは間違い。喫煙者は2~3mgのニコチンがないと満足できないと言われ、低タールや低ニコチンの「軽いタバコ」にすると、それまで以上にフィルターギリギリまで吸ったり、本数が増える傾向が強くなります。軽さに関わらず、少しずつでも本数を減らすよう、減煙にチャレンジしてみましょう。

 

 

 

生活習慣病予防の食生活(2004年5月)

 

生活習慣病予防の食生活 社団法人 茨城県栄養士会
取手協同病院 管理栄養士 小林 君枝
 
    以前は「成人病」、今は「生活習慣病」
     糖尿病、高脂血症、高血圧症などは成人になるとよく発病することから以前は成人病と呼ばれていました。しかし、最近は食生活や運動などの生活習慣がその発生や進展に大いに関係していることや小学生にも見られるようになり、生活習慣病と呼び改められるようになりました。
    こんな生活習慣がアブナイ!
     生活習慣でもとくに食事、運動、休養、喫煙、飲酒の習慣が病気の鍵を握っています。自分の生活が以下のような項目にいくつ当てはまるか、見直してみましょう。当てはまる項目が多いほど、危険です。
   
こんな生活が危険を招く!
1
仕事が忙しく、外食が多い
6
塩分の多いものをよく食べる
2
朝食を抜くことが多い
7
運動をあまりしてない
3
食事時間が不規則で、間食、夜食が多い
8
ストレスがたまっている
4
ジュースや甘いものをよく口にする
9
たばこを吸う
5
脂っこいものをよく食べる
10
毎日、アルコール飲んでいる
   

どの項目に○がつきましたか? 自分でできるところから改善していきましょう。

    肥満は万病のもと
   
体格指数(BMI)を用いて自分の体重を確認してみましょう!
 
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
 
 
 
   

例:身長165㎝、体重70kgの場合
⇒ BMI=(70kg)÷(1.65m)÷(1.65m)=25.7

BMIが18.5~25だったら正常、25以上の方は肥満です。

    生活習慣病を予防する食事のポイント
    バランスのとれた食事を
      好き嫌いをなくし、いろいろな食品1日30品目を目標に食べるとバランスのとれた食事になります。
   

肉より魚を多めに

      とくに青魚(さば、いわし、あじ、さんまなど)は血液をサラサラにしてくれる作用があります。
    塩分は1日10g以内に
      醤油、味噌、塩などの調味料の使いすぎに注意!
    甘いもの、油っこいもの、アルコールは控えめに
      これらはちょっとでも高エネルギー、とりすぎは要注意!
    野菜はたっぷり
      ビタミン、ミネラル、食物繊維はいっぱい含まれていて、生活習慣病予防に最適。