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健康まめ知識

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検査では見つからない「仮面高血圧」に注意しましょう(2018年3月)

 

健康診断では正常という結果が出ても、時間帯によっては高血圧になってしまう「仮面高血圧」という症状があります。仮面高血圧は検査で見つからないため、深刻な病気を引き起こすまで気づけないケースが多いなど、危険があります。万が一、仮面高血圧になってしまってもすみやかに気づけるように、ご自宅でも血圧をチェックしておきましょう。

 

◆仮面高血圧とは

仮面高血圧とは、健康診断や検査で血圧を測ると正常値なのにもかかわらず、ご自宅などで別の機会に測ると、高血圧になっていることを指します。正常血圧の仮面をつけているという意味で、このような名称で呼ばれるようになりました。仮面高血圧になる原因は、以下のようなものが考えられます。

  • 普段の喫煙量が多い(病院で検査を待つ時間はタバコが吸えないため血圧が下がる)
  • 日頃強いストレスがある(病院では医師に診てもらう安心感によりストレスが和らぐ)
  • 加齢による動脈硬化が起きている
  • 心臓や内臓に障害がある
  • 服用している降圧薬の効き目が早朝には薄れている
  • 糖尿病が悪化している

生活習慣の影響で検査を受けるときに血圧が下がりやすい方や、体調によって血圧の変動が大きい方は、仮面高血圧になりやすくなっています。

 

この仮面高血圧と似たものに、「白衣高血圧」や「ストレス高血圧」があります。「白衣高血圧」とは、仮面高血圧とは反対に、検査のときに血圧が高くなってしまう症状です。医師や看護師の白衣を見ると、緊張して血圧が高くなってしまうことが原因だと考えられています。白衣高血圧であっても、普段は正常血圧で高血圧による合併症がない場合は、特に治療の必要はありません。

 

「ストレス高血圧」とは、ストレスに反応することで血圧が上がる症状を指します。ストレスの多い職場で働いている方や、長年ストレスを抱えている方が発症しやすい症状です。災害時にも、強い心理的負担からストレス高血圧になる方が多くいらっしゃいます。

 

◆仮面高血圧は一般的な高血圧よりも健康リスクが高い

健康と診断されがちな仮面高血圧ですが、実は一般的な高血圧よりも病気になるリスクが高いと言われています。アメリカ・コロンビア大学のトーマス・ピッカリング教授の研究報告によれば、脳心血管疾患のリスクで正常血圧の方が1だとすると、持続性高血圧の方が2.94倍、仮面高血圧の方が3.86倍になるとわかりました。仮面高血圧の方は検査では正常と診断されるため、動脈硬化が進んでいても気づかずに放置してしまい、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気を引き起こしてしまうケースが多いのです。

 

また、すでに高血圧と診断されている方の中にも、時間帯による血圧上昇に気づいていない方がいらっしゃいます。たとえば、降圧剤を使用しているものの、24時間にわたり降圧できていないため、早朝には高血圧になるといったケースです。このような場合は、服用している薬を長時間作用型のものに変える必要があります。高血圧になっていることに気づかない状態は大変危険であるため、よく確認しておくようにしましょう。

 

◆仮面高血圧の対処法

仮面高血圧に気づくためには、ご自宅で血圧を測るのが効果的です。健康診断では異常がなかった方も、一度はご自宅で測定しておきましょう。なお、家庭で血圧を測る際は、以下の点に注意してください。

  • 1日2回、決まった時間に測る
  • 食後1時間以上経ってから測る
  • 直前にタバコを吸ったり、コーヒーを飲んだり、薬を服用したりといったことは避ける
  • 常に同じ腕を、同じ姿勢で測る
  • 腕を締め付けない状態で測る
  • 寒い場所で測らない

測定した結果、ご自宅で高血圧になっているようなら、病院で診てもらうことをおすすめします。

 

また、仮面高血圧になりにくい生活も心がけましょう。仮面高血圧になりやすい方には、このような特徴があります。

  • 睡眠時間が短い
  • 喫煙をする、または受動喫煙を受けている
  • お酒をたくさん飲む
  • 職場や家庭でのストレスが大きい
  • 塩分をたくさん摂る
  • メタボリックシンドロームである

仮面高血圧にならないためには、これらの状態をできるだけ避けることが必要になります。血圧を正常に保つためにも、普段から健康的な生活を心がけましょう。

風邪や花粉症対策になる?アロマの健康効果(2018年2月)

 

アロマはただ気分をリフレッシュできるだけでなく、ヘルスケアにも役立ちます。お好みのアロマオイルを用意すれば、あとはハンカチやマグカップを使うだけで、簡単にアロマテラピーを行えます。最近あまり体の調子が良くないという方は、ご自身をいたわるためにも試してみてはいかがでしょうか?

 

 

◆アロマとは?

「アロマ」とは、100%植物由来の香料のことを指します。植物の花・葉・茎・果皮・根には香り成分が凝縮されています。それを抽出したのがアロマです。そして「アロマテラピー」とは、アロマを使った健康法のことを指します。アロマがなぜヘルスケアに役立つと言われているのかといえば、以下のような仕組みがあるからです。

 

空気中の香り成分は、呼吸と一緒に鼻に入ります。鼻の中に入った香り成分は、嗅粘膜に溶け込み、嗅神経・嗅球・嗅索を通って大脳辺縁系に伝わります。大脳辺縁系とは、人間の記憶・感情・自律神経・ホルモン・免疫の調整を司っている部分です。しかし、ストレスを受けるとこれらの働きが弱まってしまいます。アロマの香りによって脳をリラックスさせると、この働きが弱まるのを防ぐと言われているのです。また、アロマトリートメントを行うと、香りが脳に伝わるだけでなく、精油成分が皮膚からも体内に浸透すると言われています。

 

アロマテラピーで重要なのは、自分が良い香りだと思えるアロマを使うことです。効果が高いと言われているアロマでも、良い香りだと思えなければヘルスケアになりません。実際に試供品の匂いを嗅いでみて、気に入ったものを使うようにしましょう。

 

◆アロマの使い方

アロマを使う方法はいくつもありますが、もっとも簡単なのは「芳香浴」という方法です。こちらの方法は、ハンカチやティッシュに精油を1~2滴染み込ませ、香りを嗅ぐだけで簡単に行えます。あるいはマグカップに熱めのお湯を入れて、精油を1~2滴入れても構いません。

 

より香りを長持ちさせたい場合は、アロマポットやオイルウォーマーといった専用の器具を使うのがおすすめです。使い方は、器具の上に水を8分目ほどまで入れたお皿を置き、精油を1~5滴たらします。それから下に置いたろうそくに火をつけると、水分が蒸発するのと同時に精油が空気中に広がります。また、アロマライトを使えば火を使わずに、水と精油を入れてスイッチを入れるだけでアロマを焚くことができます。

 

固まった体をほぐしたい場合は、アロマトリートメントがおすすめです。やり方はまず、アロマトリートメントオイルを手に適量とり、両手に良くなじませます。それから手足など体の先の部分から心臓に向かって、呼吸に合わせるようにゆっくり撫でます。手の平で揉みほぐしたり、指で押したりするのも効果的です。オイルはトリートメント後、肌に吸収されるため、そのままにしておいて構いません。ご自身にとってやりやすい方法を選んで、アロマテラピーをお楽しみください。

 

◆香りによって違うアロマの効果

アロマから得られる効果は、香りによって異なります。症状別にどんなアロマが適しているのかをご紹介します。

・風邪をなんとかしたい

風邪の原因はほとんどの場合がウイルスです。そのため、風邪の症状を和らげたい場合には、ウイルス対策ができるアロマが適しています。ラベンダー・レモン・ユーカリ・ローズマリー・サイプレス・サンダルウッド・ジンジャー・ペパーミントなどの香りがおすすめです。

・眠りやすくする

快適な眠りをサポートするには、ラベンダー・カモミール・クラリセージ・ネロリ・プチグレン・オレンジといった香りがおすすめです。最近眠りが浅いという方は、ぜひこれらのアロマを試してみてください。

・筋肉痛を和らげる

筋肉痛を和らげるには、血行を良くしたり、筋肉の疲れをほぐしたりできるアロマがおすすめです。レモングラス・ジュニパー・ローズマリー・ラベンダー・カンファー・ユーカリ・レモンといったアロマを使いましょう。

・花粉症対策

花粉症対策には、粘膜の腫れをケアしたり、炎症を防いだりしてくれる、ユーカリ・ペパーミント・ティーツリー・レモン・ラベンダーといったアロマが適しています。花粉が飛ぶ季節にはこれらの香りを使ってみてください。

 

ご自身の目的や、お好みの香りに合わせて、アロマを選んでみましょう。心が落ち着く香りに癒やされるだけでなく、体もすっきりとリフレッシュできるようになるかもしれません。

冬場は爪もみで健康対策をしてみよう(2018年1月)

 

寒い季節になると体が弱りやすくなります。この時期には、風邪を引きやすくなったり、アレルギーを起こしたりと、さまざまな問題が出てくるでしょう。そんな健康に気をつけたい方におすすめのマッサージが「爪もみ」です。1日にたった数分間指をマッサージするだけで、簡単にリラックスできると言われています。ぜひお試しください。

 

◆爪もみとは?

「爪もみ」とは、爪の生え際をマッサージすることで体内に働きかける、健康法のひとつです。爪の生え際には神経線維が密集しています。そのため、指先を刺激することで自律神経や血流を整えられると考えられています。

 

自律神経には、体を動かしたときに働く「交感神経」と、体の動きが少ないときに働く「副交感神経」の2種類があります。現代人は生活リズムや環境の影響から、交感神経が優位になりがちです。意識してリラックスするとともに、副交感神経の働きをサポートするようにしましょう。

 

爪もみは、自律神経を整えたいときにもおすすめの方法です。薬指を除いた4本の爪の生え際部分には、副交感神経が密集しています。そのため、爪もみをすることで副交感神経の働きを高められると考えられています。

 

また、爪の生え際は動脈と静脈の折り返し地点でもあります。血液は動脈を通って身体を巡った後、指先や足先、頭頂部を折り返し地点として静脈に入ります。このとき、折り返し地点の血管に老廃物が多いと、血液の流れが滞ってしまうのです。爪もみによって指先の血流を良くしておけば、全身の血行促進にもつながると考えられています。

 

◆指ごとに違う爪もみの効果

ケアしたい場所ごとに、もむ爪は異なります。まずは、どの指がどんな部位と関係しているのかご紹介します。

 

  • 親指……呼吸器(肺など)
  • 人差し指……消化器(胃や腸など)
  • 中指……耳
  • 小指……循環器(心臓や腎臓など)

 

親指は肺のような呼吸器、人差し指は胃や腸といった消化器、中指は耳、小指は心臓や腎臓のような循環器に対応しています。それぞれの爪をもむと、気になる症状のケアができると言われています。

 

ただし、薬指だけは、交感神経を活発にするツボがあるため、マッサージには注意が必要です。特に、リラックスを目的として爪もみをするのであれば、薬指だけはもまないのが適切でしょう。ある調査によると、薬指だけをもみ続けた被験者の免疫力が落ちたというデータが出たこともあるようです。マッサージをするのであれば、単独ではなく必ず他の指と組み合わせて行なってください。

 

また、足の指も合わせて爪もみしてもよいでしょう。足の指先は手の指先と同じように、血流の折り返し地点となっています。マッサージすることで、より血が巡りやすくなるため、よりリフレッシュしやすくなります。

 

◆爪もみの方法

爪もみでは、爪そのものを上から押すわけではありません。まずは、もみたい指の爪の両脇を、もう片方の手の親指と人差し指で挟みます。それから10~20秒間ぎゅっと押しましょう。力が弱すぎると効果を期待しにくくなるため、やや痛いくらい強めに押してください。指の腹よりも指先を使ったほうが力を入れやすくなります。なお、より副交感神経を優位にしやすくするためにも、腹式呼吸をしながらマッサージしてみてください。

 

体のどこかに不調がある場合は、その部分と対応している指を長めに押しましょう。1日に行う爪もみの回数は、2~3回が目安です。それ以上はもまないようにしてください。なかなか効果を実感しにくい場合は、回数を増やすのではなく、1回あたりの爪もみの時間を増やしてみましょう。

 

爪もみはいつでもどこでも簡単に行えるリフレッシュ方法です。寒い冬の季節を健康に過ごしたいという方は、ぜひお試しください。

お部屋の乾燥は風邪や肌荒れの原因になるので注意しよう!(2017年12月)

 

寒い季節になるとお部屋が乾燥しやすくなりますが、空気が乾いていると、健康にさまざまな問題が生じてしまいます。湿度の下がり過ぎには気をつけましょう。お部屋の空気が乾燥することで起こるトラブルと、乾燥させない方法をご紹介します。

 

◆お部屋が乾燥すると起こるトラブル

お部屋の空気が乾燥することで起こる代表的なトラブルは、肌荒れです。湿度が低い部屋に長時間いると、皮膚の中の水分が奪われ、お肌がカサカサになります。水分がなくなると肌のバリア機能が低下するため、外部からの刺激に弱くなります。結果、ヒビ割れしたりかゆみが出たりというように、お肌が荒れてしまうのです。

 

また、乾燥によって風邪を引きやすくなります。風邪の原因であるウイルスや細菌は1年中存在していますが、温度や湿度が高い季節は活動が鈍るため、風邪を引くことは少なくなっています。しかし、寒くなり空気が乾燥してくると、これらの動きが活発化するため、風邪を引きやすくなるのです。乾燥による健康トラブルを防ぐためにも、部屋の湿度を下げないようにしましょう。

 

◆乾燥予防のために加湿器を置こう

部屋の乾燥を予防するためには、加湿器の設置がおすすめです。加湿器には「スチーム式」「気化式」「超音波式」「ハイブリット式」の4種類があります。

 

スチーム式は、蒸気を出して湿度を上げるタイプの加湿器です。即効性があり、加湿機能が高いですが、火傷の危険があるというデメリットもあります。小さな子どもがいる場合には注意しましょう。

 

気化式は、水分を含ませたフィルターを蒸発させて加湿します。熱を使わないため、小さな子どもがいるご家庭でも安心できる方式です。しかし、冷たい風が出てくることで、部屋の温度を下げてしまいます。また、フィルターを定期的にメンテナンスする必要があります。

 

超音波式は、超音波で水を蒸気に変える加湿器です。気化式と同じく熱くならないため、安全に使えます。さらに本体もコンパクトです。しかし、加湿器のタンク内に雑菌が増えると、雑菌がお部屋全体に振りまかれるおそれがありますからご注意ください。こちらのタイプを使う場合には、小まめなメンテナンスが必要です。

 

ハイブリット式は、スチーム式と気化式の良いところを合わせた加湿器です。加湿器でお湯を沸かし、それをフィルターに含ませることで、水分を室内に送ります。吹き出し口が熱くならないため安全で、電気代も安く済みます。ただし、本体価格は高めです。

 

◆加湿器を置く以外の部屋を乾燥させない方法

加湿器を置くほどでもないけれど、部屋の乾燥が気になるという方は、家にあるものや簡単に用意できるものを使って湿度を上げてみましょう。

 

1つ目の方法は、部屋に水を入れたコップを置くことです。コップの中の水が蒸発することによって、部屋の湿度が上がります。即効性はありませんが簡単にできるためおすすめの方法です。

 

また、観葉植物を置くのも効果的です。観葉植物には根っこから吸収した水分を葉っぱから空気中に放出する働きがあり、部屋を潤わせてくれます。霧吹きで水をかければより加湿効果が高まります。小さめのものなら手軽に用意できるため、ぜひ部屋に置いてみてください。

 

他にも、洗濯物を部屋干しして加湿する方法があります。洗濯物の水分が室内で蒸発することで、部屋の湿度が上がるのです。部屋の乾燥が気になるときは、あえて洗濯物を部屋の中に干してみてください。雨が降っているわけでもないのに部屋干ししたくないという方は、濡らしたタオルを干しておくことでも同じ効果が得られます。ただ、あまり湿度を上げすぎるとカビの原因になるため、丁度良い湿度を保ちましょう。

 

お部屋の湿度は、少しの工夫で上げられます。乾燥対策をして、寒い季節も健康に過ごしましょう。

ドライアイに目薬は逆効果?治すには温めるのが有効!(2017年11月)

 

パソコンやスマートフォンのディスプレイを長時間眺めることが多い現代は、ドライアイになる方が増えています。ドライアイになると、目がしょぼしょぼしたり、眩しく感じたりといった不快な症状がみられます。目の乾きによる不快感を和らげるには、何をすれば良いのでしょうか?

 

◆目の乾きに目薬は逆効果?

目が乾燥してきたら、うるおいのために目薬を差す方が多いかもしれません。しかし、目薬でドライアイを改善するのは難しいと言われています。なぜなら、涙の成分と目薬の成分は違うからです。

 

涙はムチン層・涙液層・油層の3層構造になっていて、それぞれに重要な働きがあります。

  • ムチン層:粘液で涙と角膜を結びつける
  • 涙液層:目にうるおいを与え、汚れや細菌を除去する
  • 油層:目を覆うことで涙の蒸発を防ぐ

このような働きがあるため、涙は目から流れ落ちにくくなっていますが、目薬の場合はすぐに流れ落ちてしまいます。うるおいの持続時間は5分程度です。

 

その上、目薬にはもともと目にあった涙を洗い流す作用もあります。目薬を差すことで涙の量が減り、再び目が乾いてしまうという悪循環に陥るのです。さらに、防腐剤の入った目薬だと目を傷つけるおそれもあります。目の乾きが気になる場合は、防腐剤の入っていない目薬を選びましょう。

 

◆目を温めれば水分を増やす手助けに

目の乾きを感じたときは、1回10分間を目安に、40度の蒸しタオルで目を温めましょう。まつ毛の内側には「マイボーム腺」という皮脂腺があります。マイボーム腺は、涙の層のうち油層を作り出すという重要な役割を担っています。こちらが詰まってしまうと、涙に油分がなくなり、うるおいを保つのが難しくなります。

 

そんなマイボーム腺の詰まりを和らげる手助けになるのが、目を温めることです。油は温めると溶け出す性質があります。油が溶け出して目の表面を覆ってくれれば、目のうるおいをより健康的に保つことが期待できます。

 

蒸しタオルは、濡らしたタオルを電子レンジで温めるだけで、簡単に作れます。外出中などで電子レンジを使えない場合には、専用のグッズがおすすめです。ドラッグストアでは、使い捨てのアイマスクや充電式のホットアイマスクといった便利な商品が販売されています。目が乾いたときのために用意しておきましょう。

 

◆目を温める際の注意点

目を温めるときにはいくつか注意点があります。まず、温度に注意しましょう。電子レンジでタオルを温めると、やけどしてしまうほど熱くなってしまうことがあります。レンジを利用する場合は、必ずタオルを手で触れても熱くない温度まで冷ましてから使用してください。

 

また、ホットアイマスクの代わりにカイロを当てるのは避けましょう。カイロは当てっぱなしにするとやけどするおそれがあり、目に使うのは危険です。蒸しタオルか専用のホットアイマスクを使うようにしましょう。

 

目が充血している場合は、温めることで却って炎症を悪化させてしまうおそれがあるため、注意が必要です。白目が赤くなっているときやかゆみがあるときには、温めるよりも冷やすようにしましょう。

 

目の充血は、白目の下にある毛細血管が膨張することで起こります。冷やして膨張した血管が縮小すれば、充血を和らげる手助けになります。ただし、あまりに冷たすぎると目に負担がかかってしまいますから、氷を直接当てるなどの冷やし方は避け、冷水に浸したタオルを使うようにしてください。

 

ドライアイを治すには、目薬を差すよりも目を温めた方が健康的です。ぜひ、1日の終わりに蒸しタオルやホットアイマスクで目を温めてみてください。お仕事や勉強で長時間ディスプレイを見て疲れた目を、ゆっくりと休ませてあげましょう。

ブロッコリーを食べて健康になろう!(2017年10月)

 

ブロッコリーは食べやすく、そして季節を問わず手に入れやすいため、普段からよく食べているという方も多いのではないでしょうか?そんな身近な食材であるブロッコリーですが、実は健康に良い成分が豊富に含まれています。最近あまり体調が良くないという方は、食事にブロッコリーをたくさん取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

 

◆貧血予防に効果的なブロッコリー

ブロッコリーに効果が期待できるのは貧血予防です。貧血は鉄分が不足することで起こります。鉄分は、ヘモグロビンの成分となり酸素の運搬を行う働きがあるため、不足すると血液の巡りが悪くなってしまうのです。ブロッコリーは野菜の中でも特に鉄分が豊富なため、たくさん食べれば鉄分不足の予防につながります。

 

ブロッコリーに含まれている有効な成分は、鉄分だけではありません。鉄分の吸収率を高めるビタミンCや、造血作用のある葉酸も豊富に含まれています。特にビタミンCはレモンの3倍も含まれていて、2房食べるだけで1日分のビタミン必要量を満たせるといわれています。

 

ブロッコリーを他の食材と合わせるのもおすすめです。例えば、牛・豚・鶏のレバーや青魚といった食材には、鉄分が豊富に含まれています。しかし、鉄分の吸収を促す栄養素を一緒に摂らなければ、うまく体内で吸収することができません。レバーや青魚を食べる際には、ブロッコリーを取り入れて、健康効果を高めましょう。

 

◆便秘解消にも役立つ!

ブロッコリーには、食物繊維が100gあたり4.4gと、野菜の中でもトップクラスに多く含まれています。食物繊維には腸内の働きを良くしてくれる働きがあり、便秘の解消に大変効果的です。

 

食物繊維は、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2つに分けられます。ブロッコリーに含まれる食物繊維は不溶性で、水に溶けません。不溶性食物繊維は腸内で水分を吸収して膨らみ、便をかさ増しして腸壁を刺激し、蠕動(ぜんどう)運動を促す効果があります。そのため、たくさん摂ることで便通が促進されるのです。

 

ただし、不溶性食物繊維だけを摂っても、あまり効果が期待できません。不溶性食物繊維には便を固くする作用もあるため、摂り過ぎると便秘を悪化させてしまうおそれもあります。理想は水溶性と不溶性の食物繊維を2:1の割合で摂ることです。水溶性食物繊維には便を柔らかくする働きがあるため、不溶性食物繊維による便を固くする働きを和らげることができます。ブロッコリーを食べるときは、水溶性食物繊維が多く含まれるりんご・にんじん・こんにゃく・海藻類も合わせることをおすすめします。

 

◆ブロッコリーの栄養をこわさない調理法は?

豊富に栄養を含むブロッコリーですが、調理法によって貴重な栄養素が流れ出てしまうことがあります。ブロッコリーを食べるときは調理のしかたに気をつけておきましょう。

 

ブロッコリーを茹で過ぎると、水溶性であるビタミンCが失われてしまいます。包丁で茎の部分に切れ込みを入れて茹で時間を短縮するなど、工夫をしてみてください。あるいは、電子レンジでそのまま加熱したり、鍋に少量の水とブロッコリーを入れフタをして蒸したりする調理法も便利です。

 

また、ブロッコリーをスープに入れると、流れ出た栄養素まで丸ごと摂れるのでおすすめです。例えばシチューのように肉や他の野菜がたっぷり入ったメニューを選べば、バランス良くブロッコリーを食べられます。寒い季節には、ブロッコリーを使った温かいメニューで健康を目指しましょう。

 

ブロッコリーには貧血・便秘などのさまざまな症状を防ぐ効果があります。ブロッコリーに含まれる栄養素が流れ出てしまわないためにも、調理法にも工夫をしてみてください。健康のために、身近な野菜であるブロッコリーをお役立てください。

疲れがなかなか取れないのはなぜ?脳疲労に気づいて体調を整えよう(2017年9月)

 

そこまで動いているわけではないのに、なぜか疲れが取れないということはないでしょうか? 疲れがなかなか取れないのは体ではなく、脳が疲れていることが原因かもしれません。情報量が圧倒的に増え、ストレス社会と呼ばれるようになった現代は、脳がとても疲れやすい時代です。脳が疲れていると、日常生活に支障をきたすようなさまざまな問題が出てきます。脳疲労には早めに気づいて、対処するようにしましょう。

 

 

◆脳疲労の兆候

体の疲れと違い、脳の疲れはなかなか自覚することができません。そのため、事態が深刻になってから初めて気づくというケースがよくあります。悪化を防ぐためにも、小さな症状を見過ごさないようにしましょう。

 

脳疲労の兆候としては、

 

  • イライラする
  • 夜中に目が覚める
  • 何事にもやる気が起きなくなる
  • あまり動いていなくても疲れる
  • 考えがまとまらない
  • 集中力が低下する
  • もの忘れが増える
  • ミスが増える
  • 記憶力が落ちる

 

などがあります。これらの症状が続くようなら、脳が疲れているのではないかと疑ってみてください。

 

また、教師・公務員・システムエンジニア・看護師・介護士といった職業の方は、脳疲労が起こりやすい傾向にあります。長時間労働が多く、理不尽なクレームを入れられることも多いため、どんどん脳に疲労が蓄積されてしまうからです。これらの職業に就いている方は特に注意して、自分の状態を振り返ってみましょう。

 

◆脳疲労の原因は情報の多さとストレス

脳疲労は情報が多過ぎることや、過度なストレスが原因で起こります。現在は、インターネットの普及で入ってくる情報量が昔に比べて圧倒的に増えました。それにより、脳のバランスが崩れやすくなっています。

 

大脳は理性を司る「大脳新皮質」と本能を司る「大脳辺縁系」に分けることができます。外からの情報は大脳新皮質で、感情や欲求のような内部の情報は大脳辺縁系で処理されています。しかし、外からの情報が多過ぎると、大脳新皮質だけが働くことになり、自律神経のバランスが崩れてしまうのです。このような状況が続くと、やる気が起きず考えが散漫になる慢性疲労の状態に陥りやすくなります。

 

また、ストレスがかかっているのに休みたい欲求を抑えることも、大脳新皮質と大脳辺縁系のバランスを崩すことにつながります。脳がストレスにさらされ続けると、本来の働きができなくなるので注意しましょう。

 

◆脳疲労を改善するためには睡眠が有効

脳を疲れさせるのは健康に良くないとはいえ、全く疲労させないのは難しいですよね。疲労を感じたときは脳を休めて、回復させましょう。

 

脳が休めるのは眠っているときだけです。そのため、脳疲労から回復するには睡眠をたくさんとるのが一番有効です。ただ、睡眠時間が長くても質が良くないとあまり疲れを取ることができません。良質な睡眠をとるために、午前中には太陽の光を浴びて夜眠りやすくし、寝る前にパソコンやスマートフォンを使うのは控えて、睡眠を阻害しないようにしましょう。その他には、軽い運動をしたり、温かい飲み物を飲んだり、目・首・肩を温めたりしても脳疲労を軽減できます、

 

注意が必要なのは、擬似回復ができるものです。コーヒー・アルコール・タバコ・糖分・エナジードリンクには、一時的に疲れが取れたかのように感じさせる効果がありますが、それは脳が錯覚しただけで、実際には疲労が残ったままです。脳を騙して頑張り続けていると、いつかは限界が来てしまいます。コーヒーやアルコールには頼り過ぎないようにしましょう。

 

脳が疲労していると、あらゆる場面での効率が落ちてしまいます。最近疲れが取れなくなったと感じるなら、なるべく睡眠時間を増やして脳を休めてみてください。脳の疲労が回復すれば、再び元気に活動できるようになるはずです。

栄養効果抜群!トマトを食べて夏バテ対策(2017年8月)

 

夏になるとだるくなったり、食欲が無くなったりしますよね。暑さで何もやる気が起きないという方も多いのではないでしょうか?そんなときは、ぜひトマトをたくさん食べてみてください。トマトは、「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほど、健康に良い食材です。豊富に含まれる栄養分によって、夏バテの改善が期待できます。

 

 

◆夏バテの主な原因は自律神経が乱れること

日本の夏は高温多湿であるため、どうしても体力を消耗しやすくなります。夏バテすると、全身の倦怠感・食欲不振・下痢・便秘・微熱・目まい・吐き気といったさまざまな症状が起こります。

 

このような夏バテの主な原因は、自律神経が乱れることです。自律神経には、暑いときに汗を出したり、血管を広げたりする働きがあります。しかし、夏場は暑い屋外とエアコンが効いた涼しい室内を頻繁に行き来するため、自律神経のバランスが崩れやすくなるのです。さらに、エアコンが効き過ぎた室内に長くいると、血行不良が引き起こされ、体に栄養が行き渡らず疲れやすくなります。

 

また、暑さによる寝苦しさで眠りにくくなることから、睡眠不足に陥るケースも多くなります。寝ているつもりでも暑さによって眠りが浅くなり、疲労が回復しきれないということもあるため、注意が必要です。

 

汗をかいて水分・塩分・ミネラル分が排出されてしまうことも、体力の低下につながります。塩分やミネラルが不足すると内臓の働きが弱くなるため、食欲が落ちます。食欲不振で栄養が摂れないと、なかなか夏バテを治すことができません。このような悪循環に陥りやすいため、体調に異変を感じたら早めに対策することをおすすめします。

 

◆夏バテ予防に効果的なのはトマト

夏バテを改善するには、たくさん睡眠を取ったり水分補給をしたりという方法がありますが、おすすめなのは食べ物から栄養を摂ることです。特にトマトには夏バテ解消に役立つ栄養素が豊富に含まれているため、おすすめの食材です。

 

トマトには貧血予防になる「鉄分」や、ナトリウムを排出する「カリウム」、胃の働きを活発にする「クエン酸」が含まれています。さらに、抗酸化作用のある「βカロテン」や「リコピン」も豊富です。抗酸化作用とは細胞を傷つける活性酸素を除去する力のことで、昨今大きな注目が集まっています。人間が呼吸によって酸素を吸ったとき、その一部は活性酸素に変化します。

 

活性酸素には体内に入り込んだ細菌を駆除する働きがありますが、増え過ぎると血管や細胞を傷つけ、体の中を酸化させることにつながります。体内が酸化すると細胞の老化が早まり、生活習慣病や肌荒れといったさまざまな問題が引き起こされます。さらに活性酸素は自律神経の中枢細胞も錆びさせるため、ふらつきや目まいのような夏バテ特有の症状を引き起こします。抗酸化作用のあるトマトを食べれば、これらのトラブルを軽減することが期待できるというわけです。

 

◆おすすめのトマトの食べ方

トマトは生で食べても十分に健康への効果を期待できます。しかし、トマトに含まれる「リコピン」は加熱すると2~3倍吸収されやすくなるため、効率的に栄養を摂りたいなら加熱調理して食べるのがおすすめです。

 

理想的なのは、トマトを肉と一緒に食べることです。トマトに含まれるクエン酸は、胃の働きを強める作用があるため、肉の消化吸収を助けてくれます。牛肉の脂肪にはリコピンの吸収を促す作用があるため、よりトマトの栄養効果を高めることができます。

 

リコピンには油に溶けやすい性質があるため、油を使った料理もおすすめです。オリーブオイルで炒めてトマトソースにしたり、カレーに入れたりしてみてください。

 

また、食欲が無い場合はトマトジュースを飲むだけでも効果があります。長時間外を歩く予定があるときは、出かける前と帰ってきた後にトマトジュースを飲みましょう。抗酸化作用を期待できるだけでなく、水分補給ができます。

 

トマトは食べやすくどこでも買えるため、普段の食事に取り入れやすい食材です。夏場に体の調子が悪いと感じたときは、ぜひトマトをたくさん食べてみてください。

さまざまな健康効果が!話題のスーパーフード(2017年7月)

 

チアシードやブロッコリースプラウトのように高い栄養価を持つ食材は、「スーパーフード」と呼ばれています。少しの量でたくさんの栄養を摂れる上に低カロリーなため、芸能人やアスリートにも重宝されています。

 

◆特別に栄養価が高いスーパーフード

スーパーフードとは、一般的な食品よりも栄養価の高い食品や、一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品のことを指します。1980年代、アメリカやカナダの医師や専門家たちの間で、有効成分を特別に多く含む食品を「スーパーフード」と呼び始めたのがその始まりです。2004年にアメリカの医師であるスティーブン・プラットが『スーパーフード処方箋~あなたの人生を変える14の食品』を執筆し、一般的に知られるようになりました。

 

◆日本で話題になったスーパーフードは?

日本でも度々話題にのぼるスーパーフード。代表的な食品にはチアシード・キヌア・ブロッコリースプラウトなどがあります。

 

●チアシード

チアシードは、メキシコ産のシソ科サルビア属ミント植物「チア」の種子です。水に浸すと10倍近く膨らむ性質があるため、食べると満腹になりやすく、ダイエット食品として人気があります。さらにタンパク質・必須アミノ酸・必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸・食物繊維・ビタミン・ミネラル・カルシウム・リン・カリウム・鉄分・亜鉛・マグネシウムといった豊富な栄養素を含んでいるので、健康にも効果的です。チアシードはヨーグルトにかけたり、ご飯に混ぜたりして食べましょう。

 

●キヌア

キヌアはアンデス山脈一帯で収穫できる栄養豊富な穀物です。13世紀のインカ帝国では“穀物の母”と呼ばれていました。玄米と比べてタンパク質と鉄分が2倍、カルシウムが5倍も多く含まれています。キヌアはご飯に混ぜて炊く他、おかずやデザートにも使えます。

 

●ブロッコリースプラウト

ブロッコリースプラウトとは、ブロッコリーの新芽を指します。ブロッコリースプラウトの主成分は「スルフォラファン」というフィトケミカルの一種です。フィトケミカルには“第7の栄養素”と呼ばれるほど高い健康効果があります。中でも代表的なのは、がん予防・除菌・肝臓ケア・育毛・活性酸素抑制・花粉症抑制の効果です。ブロッコリースプラウトは癖がなく食べやすいので、サラダにしたり、いろいろな料理に混ぜたりといった使い方ができます。

 

●その他のスーパーフード

他にも、ケール・ココナッツ油・クコの実・アサイー・アマニ・スピルリナといったスーパーフードがあります。

 

◆意外と身近にあったスーパーフード

スーパーフードといえば、チアシードやブロッコリースプラウトのように、あまり馴染みのない食品というイメージがあるかもしれません。しかし、私たちが日常的に食べているものの中にもスーパーフードは存在します。

 

●味噌

味噌は、タンパク質・ビタミンB,C,E・ナトリウム・カルシウム・カリウム・マグネシウム・リン・銅・鉄・亜鉛・ヨウ素・セレン・クロム・モリデブン・食物繊維・遊離リノール酸などの大変豊富な栄養素を含んでいます。海外でも注目が高まりつつある食品です。味噌汁はもちろん、調味料としても積極的に使っていきましょう。

 

●納豆

納豆も、とても健康にいいスーパーフードです。タンパク質が多いため美肌効果が期待でき、カルシウムやリンには骨粗鬆を予防する効果も期待できます。納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」には血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化予防にも効果的です。

 

●緑茶

緑茶に含まれるポリフェノールの一種であるカテキンには、脂肪吸収抑制や抗酸化作用の他、アルツハイマー予防の効果が期待できます。また、フッ素が含まれるため虫歯予防にも効果的です。普段からよくコーヒーやジュースを飲んでいる方は、緑茶に変えてみてはいかがでしょうか?

 

その他には、海苔・玄米・梅干し・ぬか漬けなども意外と身近なスーパーフードです。

 

スーパーフードには、少し珍しい食品から身近にある食品まで、さまざまなものがあります。食べ続けることで健康効果を期待できるので、体の調子が悪いと感じてきたら、ぜひ毎日の食事にスーパーフードを取り入れてみてください。

貧血を甘く見るのは危険。食べ物で対策しよう!(2017年6月)

 

目まい・動悸・息切れを引き起こす貧血。少し具合が悪くなるだけだからと言って放置してしまっている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、貧血は放っておくと重大な病気を引き起こす可能性もあり危険です。必要な栄養を摂って貧血対策をしましょう。

 

 

◆貧血の原因は鉄分が不足すること

貧血の7割は鉄分が不足することで起こる「鉄欠乏性貧血」です。

 

血液の成分である赤血球には酸素を運ぶ働きがあり、赤血球の中に含まれるヘモグロビンは酸素と結合することで、肺から取り込まれた酸素を体中に運んでいます。

 

ヘモグロビンを作るには鉄が必要なので、鉄が不足するとヘモグロビンも少なくなり、酸素の運搬が上手く行かなくなってしまうのです。すると酸素を体中に送ろうとして心臓や肺が激しく動き、動機や息切れが起こります。

 

鉄が不足してしまう原因には、過度なダイエットや偏食があります。また、女性の場合は毎月の生理や、妊娠中および授乳中に胎児や母乳に鉄分を取られてしまうことで、鉄欠乏性貧血を引き起こすことがあるので注意が必要です。

 

◆貧血を甘く見ると大変なことに

貧血の症状には、目まい・立ちくらみ・動悸・息切れ・食欲がなくなる・耳鳴りなどがあります。休めば一旦は回復しますが、そのまま放置してしまうと、重大な症状にもなりかねないので気をつけましょう。

 

慢性的に貧血が続くと、心臓は動く回数を増やし、より多くの血液を送って酸素を運ぼうとします。この状態が長期間続けば、心臓に負担がかかって心不全などのリスクを高めることになります。

 

また、大きな病気が原因で貧血が起こっていることも考えられます。胃潰瘍・十二指腸腫瘍・大腸がん・子宮筋腫などを患っていると、体内で出血が起きて貧血になることがあるのです。

 

さらに、貧血の多くを占める「鉄欠乏性貧血」以外の原因だった場合、病院での治療が必要になるかもしれません。血液中の白血球・赤血球・血小板が減少する「再生不良性貧血」や、ビタミンB12が欠乏することで赤血球が上手く作れなくなって起こる「巨赤芽球性貧血」、赤血球が破壊されることで起こる「溶血性貧血」などの場合は、早急に病院へ行って診てもらう必要があります。

 

このように貧血は大きな病気の原因や疾患のサインであることも考えられるので、放置しないようにしましょう。

 

◆貧血対策に鉄分を多く含むものを食べよう

貧血を治すためには、鉄分をたくさん含んだ食事を摂るのが有効です。鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。ヘム鉄は肉や魚などの動物性食品に含まれる鉄で、体内への吸収率が高くなっています。一方、非ヘム鉄は植物性食品や、乳製品、卵に含まれており、吸収率は低いのが特徴です。非ヘム鉄の吸収率を上げるには、タンパク質やビタミンCと一緒に摂取するのが重要になります。

 

ヘム鉄を多く含んでいるのがレバーです。とくに豚レバーには多くの鉄分が含まれます。レバーにはヘモグロビンに鉄を渡す役目をする銅も多く含んでいるため、より効果的に貧血の対策ができます。レバーの他には、イワシやカツオなどにヘム鉄が含まれています。

 

非ヘム鉄を多く含む食材にはほうれん草・小松菜・ひじき・大豆・ドライフルーツなどがあります。非ヘム鉄を含む食材はそれだけ食べても吸収されにくいので、ビタミンCを多く含む野菜や果物と一緒に摂取しましょう。ビタミンCが多く含まれている食材にはブロッコリー・カリフラワー・じゃがいも・にがうり・苺・キウイフルーツなどがあります。

 

貧血のとき避けた方が良い食べ物もあります。コーヒー・ウーロン茶・紅茶などのお茶類には「タンニン」という成分が含まれていますが、こちらは鉄分の体内への吸収を妨げる働きがあり、貧血によくありません。貧血のときはコーヒーやお茶類を飲みすぎないようにしましょう。どうしても飲みたい場合は、比較的タンニンが少ない麦茶を飲むようおすすめします。