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免疫力を高めてくれる!発酵食品に期待できる健康効果とは(2019年3月)

 

納豆やヨーグルトといった発酵食品は体に良いとよく言われますが、なぜ発酵食品が健康に役立つのでしょうか?こちらでは発酵食品に期待できるパワーや、体に良い理由をご紹介します。

 

◆発酵食品とは

発酵食品とは、微生物の酵素による働きや、増殖によって生まれる物質を利用して変化させた食材の総称です。代表的な発酵食品には、味噌・ヨーグルト・ぬか漬け・納豆・キムチ・醤油といったものがあります。

 

食材の発酵には、「カビ」「酵母菌」「細菌」の主に3種類の微生物がかかわっています。

 

  • カビ

チーズを発酵させるためには青カビや白カビ、鰹節を発酵させるにはカツオブシカビが必要です。また、醤油や味噌を発酵させるために使われる麹菌もカビの一種です。

 

  • 酵母菌

酵母菌は、酒類・パン・醤油・味噌を発酵させるために使われます。

 

  • 細菌

ヨーグルト・漬物・酢・納豆といった食材を発酵させるために使われるのが、細菌です。乳酸菌や酢酸菌、納豆菌といった種類があります。

 

微生物がかかわることで「腐敗」するケースもあります。「発酵」と「腐敗」には厳密な違いはありません。基本的に、人にとって良い働きをする場合は「発酵」、悪い働きをする場合は「腐敗」と呼ばれています。

 

◆発酵食品のパワー

発酵食品は、体内でさまざまな働きをします。菌によって効果が異なるため、欲しい健康効果に合わせて食材を選びましょう。

 

  • 乳酸菌

乳酸菌には、便秘や肌荒れを引き起こす悪玉菌を抑え、腸内環境を整える働きがあります。免疫力を向上させたい場合におすすめです。ヨーグルト・チーズ・納豆・漬物に含まれています。

 

  • 麹菌

麹菌には、必須アミノ酸やビタミンB群が多く含まれており、血行を促進してくれます。代謝を上げる働きがあるため、ダイエットにもおすすめです。

 

  • 酢酸菌

酢酸菌にはクエン酸が豊富に含まれており、腸内環境を整えるのに役立ちます。便秘を解消したい方や、食欲を増進させたい方、血液をサラサラにしたい方におすすめです。

 

  • 酵母菌

酵母菌には善玉菌として働き、腸内環境を整える作用があります。さらに、糖分やアルコールをガスに分解する働きがあるため、カロリー吸収も抑えられます。

 

◆発酵食品が体に良い理由

発酵食品はなぜ体に良いのでしょうか? その理由のひとつは、食材の栄養を細かく分解することで、消化吸収しやすくできるからです。たとえば、塩麹を肉にかけると、プロアテーゼが肉のタンパク質を分解します。さらに、ペプチダーゼが分解されたタンパク質の分解を進めるため、栄養を体に取り込みやすくなるのです。

 

また、発酵させることで栄養価が上がる食材も多くあります。たとえば納豆です。煮大豆を納豆菌で発酵させると納豆になりますが、発酵の過程で、大豆には存在しない酵素やナットウキナーゼが生まれます。

 

さらに、発酵食品には腸内環境を整える働きがあります。発酵食品には多くの有用菌が含まれており、腸内の免疫細胞を活性化して、腐敗物質の増加を抑えてくれるのです。このように、発酵食品にはさまざまな体に良い働きがあります。

 

◆健康効果を高める方法

発酵食品の働きを強めるには、できるだけ毎日食べるようにしましょう。腸内で菌が活動できるのは、3~4日です。菌が活動できなくなる前に新しい菌を体内に入れましょう。

 

また、複数の発酵食品を組み合わせるのもおすすめです。菌によって働きが異なるため、さまざまな菌を一緒に摂ったほうが健康効果は高まります。ただし、漬物や味噌汁のような食品は塩分が高いため、同時に1食の中で食べるのは避けてください。

 

また、生のままで食べることもポイントです。微生物の多くは、40度以上に加熱すると死んでしまいます。発酵食品を食べる際はできるだけ加熱しないで食べるようにしてください。ただし、納豆菌は100度の熱でも死滅しないため、加熱しても構いません。

 

発酵食品を食べることで、免疫力が高まったり、腸内環境が整ったりといった働きが期待できます。健康に気をつけたい方は、ぜひ毎日食べる習慣をつけましょう。

 

健康のために栄養価の高いキノコを食べよう!(2019年2月)

キノコには、高血圧を防いだり、腸内環境を整えたりといったように、さまざまな健康効果があります。カロリーが低く毎日食べても太る心配がないため、ぜひ食事に取り入れてみてください。こちらでは、キノコの健康効果や栄養価の高いキノコの種類をご紹介します。

 

◆低カロリーで栄養豊富なキノコ

キノコは、ミネラル・ビタミン・食物繊維といった栄養素を豊富に含んでいます。カロリーが低く、ダイエットに最適です。

 

キノコに含まれる代表的な栄養素には、ビタミンDがあります。ビタミンDには、筋肉を増強したり、カルシウムの吸収を助けたり、肥満を予防したりといった働きがあります。丈夫な体を作りたい方におすすめです。

 

キノコには食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維には腸内環境を整える働きがあり、便秘を予防したい場合に効果的です。コレステロールを下げて高血圧を防ぐ働きがあり、血圧が気になる方にも適しています。

 

今よりも健康になりたい方は、食事にキノコを取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

◆栄養価の高いキノコ

栄養価が高く、料理に使いやすいキノコには次のようなものがあります。

 

  • マイタケ

マイタケには、キノコキトサンが多く含まれています。キノコキトサンとは、脂肪の吸収率を抑え、中性脂肪を減らす働きのある成分です。生活習慣病や動脈硬化の予防に役立ちます。また、ビタミンD・ビオチン・ナイアシン・食物繊維も豊富です。

 

さらに、マイタケはMXフラクションという成分も含んでいます。MXフラクションは、血糖値の上昇を抑えたり、脂質を低下させたりする働きを持つ成分です。キノコの中でも、MXフラクションを持っているのはマイタケしかありません。健康を目指したい方は、ぜひマイタケを食べましょう。

 

  • シイタケ

シイタケには、食物繊維・ビタミンD・レンチナン・エリタデニンといった栄養成分が含まれています。シイタケの約40%は食物繊維です。食物繊維の整腸作用で便通が良くなり、肌荒れ防止やダイエットへの効果が期待できます。

 

生のシイタケだけでなく、干しシイタケもおすすめです。干すことでビタミンDや核酸成分が増加し、より健康効果が高まります。ぜひ、煮物やお味噌汁に入れて食べてみてください。

 

  • エノキダケ

エノキダケに含まれる主な栄養素は、ビタミンB1・ビタミンB2・ナイアシン・ビタミンDといったものです。ビタミンDの働きによって骨粗鬆症を予防でき、カルシウムの吸収率が高まります。さらに抗酸化作用があるため、免疫力が強化され、細胞の老化を抑えられます。

 

また、エノキダケにはGABAが含まれており、副交感神経の活性化が可能です。副交感神経が活性化するとリラックス状態になり、精神が安定します。体の健康だけでなく、精神的にもリラックスしたい方は、エノキダケを食べてみましょう。

 

◆キノコを料理するときの注意点

健康のために、ぜひキノコを食べる習慣をつけてみてください。キノコを料理する際は、いくつかの注意点があります。

 

まず、水洗いはしないようにしましょう。栽培されたキノコにはゴミや泥がほとんど付いていないため、洗う必要がありません。水洗いをすると、水溶性の栄養が流れてしまいます。気になる場合は、濡らした布巾で拭くか、軽く水洗いしましょう。ただし、なめこやマッシュルームは洗ってから使用してください。

 

また、加熱し過ぎないこともポイントです。長時間熱を加えると、キノコの栄養が損なわれてしまいます。調理の際は、火の通りにくい食材から加熱し、後からキノコを入れるようにしましょう。キノコの栄養は脂溶性であるため、油を使うとより吸収しやすくなります。

 

キノコは100gで20kcalほどのため、毎日食べても太りません。不足しがちな食物繊維を補ってくれ、脂肪の吸収も抑えられます。ぜひ、毎日の食事にキノコを取り入れてみてください。

 

リラックスしたいときにはハーブがおすすめ!(2019年1月)

 

ハーブには血行を良くしたり、体を丈夫にしたりと、さまざまな健康効果があります。また、ハーブの香りには鎮静作用があるため、リラックスしたいときにもおすすめです。こちらでは、ハーブの持つ働きや、代表的なハーブの種類についてお伝えします。

 

 

◆ハーブの健康効果

ハーブにはさまざまな健康効果があります。ひとつ目は、抗酸化作用です。ハーブには、βカロテンやポリフェノールといった抗酸化成分が豊富に含まれています。そのため、血流が改善され、血液がサラサラになることが期待できるのです。

 

二つ目はリラックス効果を得られることです。ラベンダーやカモミールを始めとして、多くのハーブは鎮静効果を持っています。不安やイライラ、緊張を鎮めるのに効果的です。また、紅茶やコーヒーとは異なり、覚醒作用のあるカフェインが入っていません。ハーブの香りによっても精神が安定します。鼻から入った匂いは大脳辺縁系に届き、自律神経を整えます。

 

三つ目は、カルシウムが摂れることです。やや意外かもしれませんが、バジルをはじめとしたハーブには、骨を作るのに必要なカルシウムが豊富に含まれています。リラックスしたい方や体の調子を整えたい方は、ぜひハーブを活用してみましょう。ここからは代表的なハーブをいくつかご紹介していきます。

 

◆ローズマリー

集中力や記憶力を高めるハーブとして有名なのがローズマリーです。ローズマリーのハーブティーを飲むと、脳を刺激する香りによって意識がはっきりします。抗菌作用と酸化防止作用を持っているため、健康になりたい方にもおすすめです。

 

さらに、ローズマリーのお茶は、化粧水としても使えます。ローズマリーの精油には皮膚を引き締めて、若々しい肌にしてくれる働きがあるのです。

 

乾燥しても香りが続くため、切り取ってそのまま部屋に置いておくこともできます。ぜひ活用してみましょう。

 

◆ラベンダー

ラベンダーは「ハーブの女王」とも呼ばれる、もっとも有名なハーブのひとつです。花だけではなく、茎や葉っぱにも高い芳香成分が含まれています。

 

ラベンダーの香りには神経を鎮静する働きがあり、リラックスしたいときにおすすめです。また、頭痛やめまいを軽減することもできると言われています。

 

肌質を問わず塗れるため、ローションとしてもよく使われています。肌荒れが気になる方は試してみてはいかがでしょうか。

 

◆カモミール

カモミールは、イギリスではもっとも古くから知られている薬用植物です。主に熱病や婦人病の治療薬として使われてきました。香りはりんごに似ています。

 

カモミールには、アズレンやノニル酸、カプリン酸といった有効成分が含まれており、肌を整えたりアレルギー症状を抑えたりする働きがあります。

 

また、鎮静や抗抑うつに活用できるため、伝統的にヒステリーや神経症に使われてきました。更年期の不快も改善できるとされています。

 

◆ペパーミント

ペパーミントは、食品や歯磨き粉によく使われる、もっとも親しまれているハーブのひとつです。世界の幅広い地域で栽培されています。精油の産出量が一番多いのはアメリカですが、イギリス産の精油がもっとも品質的に優れていると考えられています。

 

ミントには毛細血管を収縮させて体を冷ます働きがあり、皮膚をリフレッシュさせるのに効果的です。トニック剤にもよく使われています。また、夏にはバスオイルとして使い、体の熱を冷ますのに活用できます。

 

◆レモングラス

レモングラスは、全体から強いレモンの香りがする植物です。熱帯性の植物で、主に東南アジアに生息しています。

 

レモングラスのハーブティーには、消化を助けて発汗を促す働きがあります。胃もたれや胸焼けのときに飲んでみましょう。香りに清涼感があることから、眠気を覚まし、気持ちをリフレッシュさせるのにも役立ちます。

 

睡眠不足や血行不良につながることも。頭の凝りを解消しよう!(2018年12月)

 

肩こりに気を使う方は多くいらっしゃいますが、あまり意識されることがない頭の凝りにも注意が必要です。現代人は長時間スマホを触ったり、パソコンを見たりして、頭が凝りやすい生活を送っています。頭が凝った状態が続くと、眠りにくくなったり、血流が悪くなったりといった問題が出てきます。頭が凝っている方は、マッサージやストレッチで改善しましょう。

 

 

 

◆頭が凝ってしまう原因

人間の平均的な頭の重さは、体重の10%ほどだと言われています。体重50kgの方の場合、頭の重さは約5kgで、これは11ポンドのボウリング球に相当します。

 

頭を支えるために使われるのが首や頭の筋肉です。日常生活では、スマホを見たり、食べ物を噛んだりと、何度も頭を動かしていますが、そのたびに筋肉は使われ続けています。さらに、ストレスによっても頭の凝りは悪化します。現代人は、頭が凝りやすい生活を送っているのです。

 

◆頭の凝りによる影響

頭が凝ると、健康にさまざまな影響が出ます。そのひとつが睡眠です。人間は十分な睡眠を取ることによって疲労を回復させ、脳を休ませています。しかし、頭が凝っていると、脳が緊張して質の良い睡眠が取れなくなってしまいます。

 

ぐっすりと眠るためには、副交感神経を優位にしなければなりません。しかし、脳が緊張状態のときは交感神経が優位になっているため、熟睡が難しくなります。この状態が続くと、不眠症につながるおそれもあります。

 

もうひとつは、脳脊髄液の循環が悪化することです。人間の脳内では、脳脊髄液という体液が生成されており、睡眠中に脳内老廃物を排出したり、全身に栄養を補給したりしています。また、体のポンプ作用をサポートする役割も担っています。頭が凝っていると、脳脊髄液がうまく循環できません。その結果、血流が悪くなったり、脳の疲れが蓄積されたりしてしまいます。

 

さらに、顔にも影響が出てきます。頭部の血液やリンパの流れが悪いと、くすみや乾燥の原因になってしまうからです。顔色が悪くなり、不健康に見えてしまうことがあります。このように、頭の凝りを放置するとさまざまな問題が出てきます。頭の筋肉が固まっているように感じたら、早めにケアしましょう。

 

◆頭の凝りを改善するには?

頭の凝りを改善するには、マッサージやストレッチ、ツボ押しがおすすめです。頭のケアをして、健康な体を目指しましょう。

 

  • 首周りのストレッチ

頭の凝りをほぐしたいときは、首周りのストレッチを行うと改善しやすくなります。頭を巡る血液やリンパは、首を通過してくるからです。

 

まず、首をかしげる側の手を後ろに回し、もう片方の腕を掴みましょう。そして、肩が上がらないように首を傾けて伸ばします。終わったら反対側も行ってください。

 

次に両手を頭の後ろで組んで、重みをかけます。このとき、顎を引いて首の後がよく伸びるようにしましょう。

 

それから、天井に向かって円を描くように頭を回します。右と左に10回ずつ回してください。最後に首の後ろと後頭部にあるツボを押して凝りをほぐします。頭を後ろに傾けて行うと、押しやすくなります。

 

  • 頭部のツボ押し

頭部のツボ押しもおすすめです。まずは、指を頭皮に入れるようにして、髪の根元を掴んでください。掴んだ髪を痛くない程度に引っ張りながら揺らしていきます。

 

次にブラシを使って頭頂部・側頭部・後頭部を刺激しましょう。心地良く感じる程度の強さでリズミカルにツボを押してください。

 

最後にブラシで髪の生え際から、頭頂部・後頭部・襟足にかけてマッサージします。血や水が流れるイメージで行うのがおすすめです。

 

頭皮マッサージや首周りのストレッチを行うことで、頭の凝りがほぐれ、血の巡りが良くなります。不眠や血行不良にお悩みの方は、ぜひ頭をほぐしてみてください。

 

外食だらけの食生活に注意!栄養不足が招く危険(2018年11月)

 

外食やコンビニ食の多い生活を送っていると、栄養が不足しやすいため、注意が必要です。日本人に不足しがちな栄養素には、カルシウムやタンパク質、ビタミンがあります。健康のためにも、栄養バランスの良い食事を取りましょう。こちらでは栄養不足によるリスクやおすすめの食材についてご紹介します。

 

 

◆カルシウムが不足するとどうなる?

日本人に不足しがちな栄養素のひとつがカルシウムです。1日あたりに成人が必要とするカルシウムの量は600mgですが、2015年の日本人の平均摂取量は517.3mgです。

 

カルシウムが不足すると、骨や歯が弱くなります。高齢者であれば骨粗鬆を招いたり、幼児の場合は骨の発達に影響が出たりするおそれがあります。また、カルシウムは血管の細胞の活動にも影響を与えるため、血圧上昇や血管の老化にも注意が必要です。

 

カルシウムは乳製品や魚類、豆類に多く含まれます。カルシウム不足が気になる方は、牛乳・チーズ・ヨーグルト・イワシ・シシャモ・豆腐・納豆といった食材を積極的に食べるようにしましょう。

 

◆タンパク質が不足するとどうなる?

カルシウムのほかにも不足しがちなのがタンパク質です。タンパク質は、体重1kgあたり1.2~1.4g必要だとされています。体重60kgの方であれば、必要なタンパク質量は72~84gです。しかし、多くの方は必要な分のタンパク質を摂取できていません。

 

タンパク質はダイエットや加齢による食欲低下で食事量が減った場合に不足するケースが多くなります。極端な減量は避けたほうが無難です。

 

タンパク質は、筋肉・骨・臓器・髪の毛・爪といったように、体のあらゆる部分を作るために使われます。さらに、体の機能を助けるホルモンや酵素、体を守るための免疫体の材料になるのもタンパク質です。タンパク質が不足すると、体を新しく作り変えられなくなり、衰えていきます。免疫力も弱まり、体調を崩しやすくなることもあります。

 

タンパク質が不足している方は、肉・魚・豆類・卵といった食品を多く食べるようにしましょう。食事だけでは摂取仕切れない場合は、プロテインも活用してみてください。

 

◆ビタミンCが不足するとどうなる?

ビタミンCが不足している方も少なくありません。推奨されるビタミンCの1日の摂取量は100mgですが、2015年の日本人の平均摂取量は97.9mgです。

 

ビタミンCには骨や腱の結合タンパク質であるコラーゲンを生成する働きがあります。そのため、ビタミンCが不足するとコラーゲンが合成されなくなり、血管がもろくなってしまいます。血管がもろくなると、血管が破れて出血を起こす壊血病が引き起こされかねません。

 

ビタミンCは、イチゴ・ミカン・ブロッコリー・ほうれん草・ピーマンといった、野菜や果物に多く含まれます。これらの食材をできるだけ多く食べるようにしましょう。また、風邪や感染症にかかった際は、ビタミンCの必要量が増えます。体調を崩したときは、普段よりも多めにビタミンCを摂取してください。

 

◆葉酸が不足するとどうなる?

葉酸不足にも注意しましょう。葉酸とは、ビタミンB群に属する、水溶性ビタミンの一種です。植物の葉に豊富に含まれています。赤血球の形成を助ける働きがあり、「造血のビタミン」とも呼ばれています。

 

葉酸は通常の食生活では不足しにくい栄養素ですが、妊娠中の女性の場合は必要量が2倍ほどに増えるため、お気をつけください。

 

葉酸が不足すると、巨赤芽球性貧血が引き起こされるおそれがあります。また、粘膜の機能が損なわれて胃潰瘍になったり、血清中のホモシステイン含有量が高まって動脈硬化が起こったりするケースもあります。

 

体内の葉酸を増やすには、レバー・枝豆・モロヘイヤ・ブロッコリー・ほうれん草といった食材を食べることが効果的です。葉酸不足が心配な方は、これらの食材を多めに食べるようにしましょう。

 

日々の健康のために鼻呼吸を心がけよう!(2018年10月)

 

つい口呼吸が癖になっているために、鼻から自然と息を吸えない状態になっていないでしょうか? 口呼吸には、虫歯のリスクを高めたり、歯並びを歪ませたりと、さまざまなデメリットがあります。健康のためにも鼻での呼吸を心がけましょう。こちらでは、口呼吸の危険性や鼻呼吸のメリットについてご紹介します。

 

◆口呼吸のデメリット

無意識に口で息を吸ってしまうことがある方は、健康のためにも意識して鼻呼吸を続けましょう。口呼吸にはさまざまなデメリットがあります。

 

たとえば、虫歯や歯周病のリスクが上がることです。唾液には、口内の細菌を殺したり、汚れを洗い流したりする働きがあります。しかし、口呼吸をすると口の中が乾燥してしまい、虫歯や歯周病の原因となる菌を取り除きにくくなります。歯の健康を守るためにも、口での呼吸は避けましょう。

 

また、子どもの場合、口呼吸によって歯並びが悪くなるケースがあります。歯並びは、内側からの圧力と外側からの圧力の均衡が保たれるように形成されます。しかし、口呼吸を続けていると、唇や頬の筋肉といった外側からの圧力がかからず、歯並びが歪みやすくなるのです。子どものうちは、特に口呼吸に気をつけましょう。

 

さらに、風邪やアレルギーのリスクも高まります。鼻から呼吸する場合は、呼吸時に細菌やウイルスを排除して空気を取り込めますが、口呼吸ではそのまま吸い込んでしまいます。健康のためには、できるだけ口で呼吸することを避けてください。

 

◆口呼吸チェックリストで確認してみよう

自分が口呼吸をしているかどうか判断できないという方もいらっしゃるかもしれません。口呼吸しているか分からないという方は、以下の点を確認してみましょう。

 

  • 唇がよく乾燥する
  • 上唇が富士山型をしている
  • 唇を閉じようとすると、顎に力が入ってしわができる
  • いびきをかくことが多い
  • 鼻炎
  • 鼻の穴を意識して動かせない
  • 上下の唇の厚さが異なり、下唇のほうが厚みがある
  • への字口になっている
  • 意識していないと口が開いてしまう

 

ここで挙げた内容に当てはまる項目が多い方ほど注意が必要です。

 

◆鼻が持つさまざまな機能

人間の体は、本来鼻で呼吸するようにできています。そのため、鼻には呼吸にかかわるさまざまな機能があります。

 

まず挙げられるのは、取り込んだ空気を加湿する機能です。鼻の中にある鼻水は、入ってきた空気に湿り気を与えるために使われています。このような機能があることから、鼻呼吸により入ってくる空気は湿度が高められた状態になっています。

 

空気中の細菌やウイルスを殺菌できるのも、鼻呼吸の特徴です。鼻粘膜に生える線毛と粘液層により、入ってきた異物の多くを除去できます。

 

加えて、鼻の機能によって空気を暖めることも可能です。口呼吸では冷たいままの空気が肺まで届けられますが、鼻呼吸をすれば空気が35~37度まで温まります。そのため、肺の免疫力が低下するリスクを抑えられるのです。

 

今まで口呼吸をしていた方は、鼻呼吸に切り替えるよう心がけてみてください。

 

◆口呼吸から鼻呼吸に切り替える方法

長い間口呼吸を続けていた方にとって、鼻呼吸に切り替えるのは簡単ではありません。

 

中には鼻が詰まっていて、鼻で息を吸えないという方もいらっしゃいます。そのような場合は、まず耳鼻科に行って鼻詰まりを改善してから口呼吸に挑戦しましょう。一時的な鼻詰まりの場合は、鼻の血流が悪くなっている可能性があります。鼻を温めて血行を促進し、呼吸がしやすくなるかどうかをお試しください。

 

鼻詰まりのような問題がない場合、口周りの筋肉が緩んでいたり、口で呼吸するのが癖になっていたりする可能性があります。癖を治したい場合は、テープを使って口周りの筋肉を鍛えましょう。寝る前に鼻呼吸用のテープで唇を固定しておけば、睡眠中に自然と鼻呼吸ができるようになります。

 

鼻呼吸には多くのメリットがあるため、慢性的な口呼吸の方はぜひ練習してみてください。日々の健康を守るためにも、できるだけ意識をして鼻呼吸へと切り替えましょう。

熱中症患者を見つけたら?いざというときに役立つ応急処置(2018年9月)

 

暑い中外で活動していると、どんな方でも熱中症にかかるおそれがあります。もしも近くにいる方に熱中症の症状が見られたらどうすれば良いのでしょうか? こちらでは、いざというときのために知っておきたい、熱中症の応急処置についてお伝えします。

 

 

◆意識があるか確認して涼しい場所へ

熱中症の方を見つけたら、最初に行うのは意識があるかどうかの確認です。話しかけても返事がなかったり、朦朧として受け答えがおかしかったりする場合は、速やかに病院で診てもらわなければなりません。この処置を誤ると後遺症が残る可能性があり、最悪の場合は死に至ることもあり得ます。病人に意識がないようなら、すぐに救急車を呼びましょう。

まだ意識がある場合は、速やかに涼しい場所に移動してください。可能であればクーラーの効いた室内に連れていくことが理想ですが、近くにないようなら日陰で風通しの良い場所に移動させます。

 

◆衣服を脱がせて体を冷やす

涼しい場所に移動できたら、衣服を脱がせます。服を着ていると中に熱がこもって体温が下がりにくくなるからです。特に、ネクタイやベルトといった体を締め付けるものは、必ず外しておきましょう。

次に体を冷やして体温を下げます。首やわき、足の付根といった部分には太い静脈が流れており、冷やすと体全体の温度を効率的に下げられます。これらの部分を優先的に冷やすようにしてください。タオルで巻いた保冷剤や氷が使えますが、ない場合は、皮膚に水をかけてうちわで扇ぐだけでも効果があります

 

◆水分補給をさせる

体を冷やすのと同時に、水分補給をさせましょう。可能であれば、水分と塩分が同時に摂取できるスポーツドリンクが理想です。味が濃いようなら水で薄めても構いません。スポーツドリンクが手に入らない場合は、水1リットルに対して1~2gの塩を加えた食塩水でも代用できます。水分を十分補給できれば、しばらく安静にしていることで、症状が落ち着く可能性が高くなります。

ただし、意識がない場合や嘔吐の症状が出ている場合は、水を飲ませると気道に入るおそれがあります。飲むのが難しいようなら、無理に飲ませないようにしましょう。このようなケースでは、病院に行って点滴をしてもらう必要があります。

 

◆症状が改善した後も安静に

めまいや吐き気といった症状が収まった後も、体が完全に回復したわけではないため、ご注意ください。熱中症にかかった後は、体温調節を始めとした自律神経の機能が正常に動いていません。軽度の症状でも、最低2~3日は安静にしている必要があります。また、重症化した場合は、3カ月前後入院して治療しなければならないケースもあります。

治りかけの状態で暑い場所に行くと、熱中症が悪化してしまうため、お気をつけください。症状が収まっても、完全に回復するまでは安静にしておきましょう。

 

◆熱中症を予防するには

熱中症は重症化すると大変危険な病気です。かからないように、あらかじめ対策を採っておきましょう。熱中症対策のポイントになるのは、水分と塩分をこまめに補給することや、よく眠ること、暑さを我慢しないことです。

夏場は体感以上に汗で水分が流れてしまっています。喉が渇いていなくてもこまめに水分を取るようにしてください。また、汗をかくと塩分も一緒に流れるため、スポーツドリンクで水分補給するか、塩飴や塩分タブレットと一緒に摂取するのがおすすめです。

ただし、お茶やコーヒーのようなカフェインを含む飲み物を飲むと、利尿作用によって反対に水分が失われてしまう可能性があります。熱中症対策には、カフェインの含まれていないものを飲むようにしましょう。

睡眠を取ることも熱中症対策に効果的です。毎日よく眠れている健康な状態だと、暑さに負けにくくなります。特に外で長時間活動する予定があるときは、前日によく眠っておくようにしてください。

また、暑さを我慢しないことも熱中症対策につながります。暑いと感じたら、無理せずエアコンの効いた部屋で休むようにしてください。

夏でもシャワーで済ますのはやめよう!湯船に浸かるメリット(2018年8月)

 

夏は湯船に入らず、シャワーを浴びるだけという方も多くいらっしゃいます。しかし、入浴にはさまざまな健康効果があり、可能であれば毎日湯船に浸かるのが理想です。こちらでは、入浴のメリットをご紹介します。

 

 

◆体を温められる

湯船に浸かると、体を芯まで温めることができます。暑い季節でも、クーラーの効いた部屋にいたり、冷たい飲み物を飲んだりすることで、体が冷えてしまうことがあります。冷えによって血行不良が引き起こされると、肌荒れやむくみの原因になります。シャワーだけでは、体を十分に温めることはできません。夏場でも、体が冷えたときには湯船に浸かって温まるようにしましょう。

体が温まると、血液が温まって、血の巡りが良くなります。汗をたくさんかくことから、老廃物が排出されやすくなり、デトックス効果も期待できます。暑い夏でも健康に過ごすには、体を冷やさないことがポイントです。

 

◆疲れが取れる

お風呂に肩まで浸かると浮力効果が働き、体重が10分の1以下まで減ります。入浴している間は筋肉や関節の負担がなくなり、リラックスした状態になれるのです。

また、水中では深さに応じて体に水圧がかかります。肩までお湯に浸かった状態だと、ウエストは3~5cm、ふくらはぎは1cmほど引き締まります。お風呂に浸かるだけで、マッサージをしたのと同じ効果が期待できるというわけです。

さらに、血流が良くなることから、肩こり・腰痛・むくみの改善にも役立ちます。疲労や体のこりに悩んでいる方は、毎日湯船に浸かるようにしましょう。

 

◆肌がきれいになる

湯船に浸かって全身が温まると、毛穴が開きます。そのため、汚れが奥から浮き出てきて、落としやすくなります。汚れをより効果的に落としたいときは、湯船に10分以上浸かるようにしましょう。

また、肌が清潔だと、皮膚呼吸がしやすくなり、新陳代謝も活発になります。ターンオーバーが促進され、肌を常に新しい状態に保てます。

さらに、お湯の温かさによって汗腺や皮脂腺が開くため、汗や皮脂が分泌されやすくなり、肌が潤います。角質も水分を含んで柔らかくなり、肌に弾力が生まれます。ゆっくり入浴することは、肌にとても良い影響を与えます。

 

◆免疫力が上がる

湯船に浸かると一時的に体温が上がりますが、そうすると免疫力がアップします。人間の体は体温が1度上がるごとに免疫力が5~6倍になり、基礎代謝も12%ほど上がるとされています。免疫力が上がると風邪や病気にかかりにくくなることはもちろん、肌もきれいになります。

肌には毛穴から菌やウイルスが侵入しないようにブロックする働きがありますが、免疫力が高まることで、乾燥やニキビといった肌トラブルを防ぐことができます。ぜひ、お風呂で温まって、免疫力を上げておきましょう。

 

◆ダイエットにもなる

お風呂に入るだけで、カロリーを消費できるため、ダイエット効果も期待できます。40度のお湯に10分間浸かると約40キロカロリー、42度のお湯に浸かると約80キロカロリーが消費できます

なかなか痩せられない方には、低体温(平熱が36度を下回ること)の方が多くなっています。体温の低い状態が続くと代謝が悪くなって、脂肪が燃えにくくなるためです。しかし、お風呂に入ることで、脂肪を燃やしやすくなり、ダイエット効果が期待できます。

効果を高めるには、40~42度のお湯に10分ずつ2回浸かるのがおすすめです。ただし、あまり長く浸かりすぎると皮膚の保湿力が弱まって乾燥してしまう恐れがあるため、お気をつけください。長くても15分ほどで出るようにしましょう。

 

お風呂で温まることにはさまざまなメリットがあります。夏でもできるだけ湯船に浸かるようにしましょう。

糖尿病や動脈硬化を引き起こすことも?血糖値スパイクの危険性(2018年7月)

 

食後に急激に血糖値が上がる状態を「血糖値スパイク」と呼びます。血糖値スパイクを放置すると、糖尿病や動脈硬化が引き起こされてしまう可能性があり、早めに対策することが必要とされています。こちらでは、血糖値スパイクの特徴や対策法についてお伝えします。健康維持のためにぜひお役立てください。

 

 

 

◆血糖値スパイクとは?

血糖値スパイクとは、食後に急激に血糖値が上昇する状態のことです。通常、血糖は空腹時は80~100mg/dl、食後は高くても140mg/dl以下で安定しています。しかし、血糖値スパイク状態になると、食後の血糖値が140mg/dl以上にまで急激に上昇してしまうのです。現在、成人の約20%が、このような血糖値スパイク状態であると言われています。

 

血糖値スパイクになると、糖尿病にかかるリスクが高まります。糖尿病とは、空腹時の血糖値が126mg/dl、食後の血糖値が200mg/dlを超える状態を指します。つまり血糖値スパイクの方は、糖尿病の予備軍になってしまっているのです。

 

また、血糖値スパイクによって動脈硬化の危険性も高まります。動脈硬化とは、動脈が硬くなり、血管内部で詰まりが起こることによって血流が悪くなる状態のことです。血糖値スパイク状態が続くと、細胞から活性酸素が発生するようになり、細胞が傷ついてしまいます。そうすると動脈が硬くなり、心不全・狭心症・心筋梗塞・脳梗塞・脳出血・閉塞性動脈硬化症といった病気が引き起こされやすくなります。病気を防ぐためにも、血糖値スパイクには早めに対策することが必要です。

 

◆血糖値スパイクは気づかれにくい!

放置すると危険な血糖値スパイクですが、健康診断ではなかなか見つけることができません。なぜなら健康診断は空腹時に行われるため、血糖値スパイクの方も、正常な数値が出てしまうからです。血糖値スパイクを調べるためには、食後1~2時間の間に検査をすることが必要になります。病院の中には、検査の前にブドウ糖の入った甘い液体を飲んで、飲む前と後の血糖値を測定してくれるところもありますが、このような検査方法はまだ一般的ではないのが現状です。

 

また、血糖値スパイクは痩せている方でも起こります。ある調査では、痩せ型の20代女性のうち、5人に1人に血糖値スパイクが起きていることが分かりました。しかし、若い方や痩せ型の方で、血糖値スパイクを気にする方は多くありません。血糖値スパイクは、年代や性別に関係なく、全ての方が気にかけておくべき症状です。

 

◆血糖値スパイクを改善するには?

血糖値スパイクを防ぐには、食べる順番に気をつけることが効果的です。ご飯を食べる前に、副菜や主菜を食べることで、血糖値の急激な上昇が抑えられます。最初にご飯を食べてしまうと、少量であったとしても、血糖値は大きく上がってしまいます。しかし、野菜やきのこ、海藻といった野菜類から食べれば、血糖値の急激な上昇を抑えられるのです。

 

野菜類には食物繊維が豊富に含まれており、糖や脂肪を吸着してくれます。また、満腹感も感じやすくなるため、食べ過ぎを予防することにも役立ちます。血糖値スパイクが気になる方は、野菜から先に食べる習慣をつけましょう。

 

また、食後に適度な運動をすることも有効です。運動をすると血液中のブドウ糖類が筋肉のエネルギーとして使われるため、血糖値が下がります。食後30分~2時間の間に運動をすることで、血糖値スパイクを防ぐことができます。食事の後は、ウォーキングや体操といった緩やかな運動を行うようにしましょう。

 

健康診断で気づかれにくいですが、血糖値スパイクの状態になっている方は数多くいらっしゃいます。血糖値スパイクを放置すると、糖尿病や動脈硬化が引き起こされる可能性があり、危険です。食べる順番を工夫したり、食後に運動したりして、血糖値スパイク状態になるのを防ぎましょう。

パズルや塗り絵が効果的!認知症の予防方法について(2018年6月)

 

 

高齢になるとかかる方が増えてくる認知症。認知症にならないためにはどうすれば良いのでしょうか?こちらでは認知症の原因や対策方法についてお伝えします。

 

 

◆認知症の原因

認知症とは病名ではなく、何らかの原因によって脳の細胞が死んだり、脳の働きが悪くなって障害が起こったりする状態を指します。その原因ははっきり分かっていません。しかし、多くは生活習慣が影響していると考えられています。

 

認知症にはいくつかの種類がありますが、もっとも多いのがアルツハイマー型です。アルツハイマー型認知症の原因も明確になっていませんが、主な原因はアミロイドβタンパクという異常タンパク質であると考えられています。ゆっくりと進行するのが特徴で、大きな症状が出てくる何年も前から、脳が萎縮し始めます。早期のうちに発見して治療することが求められる病気です。

 

アルツハイマー型に次いで多いのが、レビー小体型です。こちらも脳内にレビー小体という名前の異常タンパク質が溜まることで発症します。脳幹の側にレビー小体が蓄積すると、手足の震えといったパーキンソン病に似た症状が出るようになり、大脳皮質全体に蓄積するとレビー小体型認知症を発症すると考えられています。

 

◆認知症の症状

症状の出方は認知症の種類によって異なります。アルツハイマー型認知症にかかると、初期のうちは、忘れたこと自体を忘れてしまう症状が出てきます。夕食に何を食べたのか忘れてしまうのではなく、夕食を食べたこと自体を忘れてしまうといった形です。中期になると、現在と過去の区別がつかなくなっていきます。過去の習慣通りに出社してしまい、途中で目的が分からなくなり、外から帰れなくなってしまうというようなことが起こります。後期になると、だんだんと話が通じなくなっていきます。食事の介助が必要になり、寝たきりになってしまうケースも出てきます。非常に深刻な症状です。

 

レビー小体型認知症にかかると、体の動きが緩慢になり、転倒しやすくなります。また、幻聴や幻視が現れることもあります。認知機能障害が変動しやすいため、調子が良いときには話が通じますが、調子が悪いときは周りの状況も分からなくなるといったように、症状に差が出やすいのが特徴です。

 

◆どんな対策が有効?

認知症を予防するためには、頭を働かせる習慣を作ることが効果的です。以下のような行動をするように心がけましょう。

 

  • パズル

パズルには認知症予防の効果があると言われています。パズルを行うと、色の識別や図形の認識、記憶といったさまざまな能力を使うことになるため、脳のトレーニングになるのです。

 

  • 新しいことを行う

今までやったことがないことを行うと、脳が活発に働きます。日曜大工や英会話、パソコンといったような、新しく行えそうな趣味を見つけてみましょう。

 

  • 読み書きをする

何かを見ながら書いたり、声に出して読んだりすることは脳のトレーニングになります。新聞を音読したり、短い文章を書き写したりしてみましょう。日記を付けるのも効果的です。

 

◆認知症の症状が出てしまったら

すでに認知症の症状が出ている方も、以下のようなトレーニングに取り組んでみましょう。

 

  • 塗り絵や折り紙をする

どんな風に色を塗るか考えながら塗ることで、脳に刺激が与えられます。また、折り紙も手先を使うため、脳のトレーニングになります。

 

  • 昔のことを思い出す

昔の思い出話をすると、脳が刺激され、精神が安定すると言われています。写真があれば、それを見ながら話すとさらに効果的です。ぜひ思い出を語り合ってみてください。

 

  • 囲碁や将棋

囲碁・将棋・麻雀といったゲームのルールを知っている方は、行ってみましょう。対戦相手がいるゲームをすることで、脳に刺激を与えられます。輪投げのような大勢で行えるゲームもおすすめです。

 

認知症にかかると、ついさっきしたことを忘れてしまったり、言葉が分からなくなったりと、さまざまな症状が出てきます。認知症を防ぐためにも、パズルや塗り絵、読み書きといった、脳の刺激になることを行いましょう。