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エコであったか!保温グッズ活用のススメ(2009年1月)

 

     
 
1月のテーマ:
エコであったか!保温グッズ活用のススメ
 みなさま、新年明けましておめでとうございます。今年も一年、病気や怪我をすることなく健康な日々を過ごしていきましょう!さて、初詣や親戚参りにバーゲンと、新年は何かと外出する機会の多い時期です。インフルエンザの脅威から身を守るためにマスクの着用やうがい手洗いなどの予防を徹底するのはもちろんのこと、普段から身体を冷やさない工夫をしておきましょう。そこで今回は、エアコンやストーブに頼らない”エコ”効果も抜群の保温グッズをご紹介します。
 
     

 

まずは保温のポイントを押さえましょう
 
 身体を温める(冷やさない)ためには、第一に寒い外気を遮断し、体温を逃がさないことが重要です。例えば防寒・保温に優れているといわれるダウンジャケットは、生地の間に水鳥の羽毛をたっぷり入れることで外気との間に空気の壁を作り、抜群の保温効果を発揮してくれます。重ね着にも同じような効果があり、特に冷えやすいお腹を温める腹巻や下半身をぴったり包む股引(ももひき)は、まさに日本人の知恵から生まれた保温グッズの代表です。
お腹と下半身を温める
下半身には発熱源となる筋肉や太い血管が集中しているため、下半身を重点的に冷えから守ることで全身を効率よく温めることができます。お腹は腹巻で、足元はタイツや靴下でしっかりカバーし、下半身の冷えを防ぎましょう。
 
腰と太ももを温める
太ももの筋肉量は全身の3分の1から4分の1を占めるといわれ、発熱源である筋肉が最も多い部分。太ももを湯たんぽなどで温めると、温かい血液が全身に行きわたり、効率よく身体を温めることができます。また、腰には体温調節をつかさどる自律神経のスイッチがあるため、湯たんぽやカイロを使うときは太ももと腰を交互に温めると良いでしょう。
 
首を温める
首には寒さを感じるセンサーがあり、首を温めると手足の血流量がアップするといわれています。温感・冷感を感じ取るセンサーが集中している首を温めると、脳は「身体が温まった」と判断し、冷えて収縮していた手や足の先の血管が緩んで温かくなります。また、首の後ろには「風門」「風池」「風府」などのツボがあり、このツボを温めると体中がぽかぽかしてきます。
 
電気を使わない、エコな保温グッズ
 
保温下着
いつもの洋服の下に、保温効果の高い下着を1枚着るだけでずいぶん暖かく感じることができます。昨年はより保温効果の高いあったか下着が大ブームとなりましたが、腹巻やももひきと聞くと「かっこ悪い」「恥ずかしい」と感じる方も多いかもしれませんが、最近ではオシャレなデザインの商品もたくさん販売されているので、ファッション感覚で楽しんでみてはいかがですか?
 
マフラー
先にお話したとおり、首の保温は身体全体の保温につながります。オシャレのアクセントとしても活用できるマフラーが1本あると、寒い日の外出も楽しくなりますね。また、冷えてなかなか眠れないという夜には、首周りにタオルを巻くのもおススメです。布団の間から入ってくる冷気を防ぎ、身体を優しく温めてくれます。
 
湯たんぽ・カイロ
湯たんぽやカイロは、身体の一部分を直接温めてくれる即効性のあるアイテム。湯たんぽを太ももの上に置いたり、カイロで腰を温めると、その部分だけでなく全身を温めてくれる効果もあります。外出時に冷えを感じたときは、温かいペットボトル飲料や缶コーヒーなどで代用することもできます。
 
ひざ掛け・ブランケット
冷えやすい下半身を温めるのに便利なのが、ひざ掛けやブランケット。職場や車に1枚常備しておくと、足元の冷えを防いでくれます。先にお話したとおり、太ももの保温も全身の保温に効果があります。手元にひざ掛けがないときは、上着などで代用してもOKです。
   
温性食品で身体を中から温める
 
 温性食品とは、その名のとおり身体を温める機能を持つ食品のことで、代表的なものに秋冬が旬の食材(薬味、根菜類)などがあります。例えばニンジンやレンコン、ネギ、ニンニク、タマネギ、ショウガなど。根菜の煮物やショウガ湯などは、身体を中から温めてくれます。中でもショウガとシナモンは特に即効性が高いといわれ、ショウガは漢方の処方にもよく使われる食材です。ショウガはチューブ入りのものでも生と変わらない効果が得られるので、バッグに入れて持ち歩けば外出先でもスープや紅茶などに入れて飲むことができます。また、シナモンも小瓶入りのパウダータイプなら手軽に持ち歩くことができ、コーヒーやココアに入れておいしく身体を温めることができますよ。
   
寒い季節はついつい暖房器具に頼ってしまいますが、室内と外気の温度差や空気の乾燥が体調を崩す原因となることも。そして何より、CO2の排出を少しでも抑えるために、エコな保温グッズを上手に活用し、身体にも地球にも優しいあったか生活を送りましょう。

 

 

糖尿病を予防する食生活(2009年1月)

 

糖尿病を予防する食生活
 
  ○糖尿病になる人が増え続けています。
   日本人の多くは体質的に糖尿病になりやすい遺伝子をもっていますが、この半世紀余りの間に食生活が急速に豊かになりすぎたことなどが皮肉にも、糖尿病患者数を20倍にも増やす事態をまねきました。

2007年に厚生労働省が発表した糖尿病実態調査の結果によると、糖尿病予備軍を含めて、全国で「糖尿病が強く疑われる」あるいは「糖尿病の可能性を否定できない」人が、2210万人もいるのです。5年前の調査に比べて600万人も増えています。

 血糖値が少々高くても、自覚症状はまったくありません。しかし、血糖値が高い状態が続くと、さまざまな合併症をまねきます。成人の失明の原因の第1位、人工透析を受けなければならなくなる原因の第1位はいずれも糖尿病です。

血糖値が高めと指摘されたら、生活習慣の見直しを始めましょう。糖尿病の誘因は、肥満、食生活の偏り、運動不足などの生活習慣と深く関わります。したがって、糖尿病は一人ひとりの生活習慣の見直しと改善によって予防し、進行を遅らせることが可能になります。

   
 

日本人は糖尿病になりやすい!?

日本人は2型糖尿病になりやすいと言われています。これは、日本人のインスリン(血液中の糖を細胞に取り込み、血糖値を下げる働き)分泌能力が、欧米人に比べ低いからです。欧米人の中には高カロリー、高脂肪の食生活をしている為に、日本では考えられないくらいの肥満体をした人を見かけることがありますが、欧米人のインスリン分泌能力はその高カロリーの食生活に対応でき、過剰に摂取した栄養は脂肪として体につき、血中に糖として残る事はないそうです。ところが日本人はインスリン分泌能力が欧米人よりも低いために、過剰に取った栄養が糖として血中に残ってしまいます。つまり、私たち日本人は欧米人よりも太りにくいかわりに、糖尿病になり易いのです。

もう一つの理由としては、飢餓に強い遺伝子的な要因を持っている為とされています。栄養状態が悪い状態が長く続いた時代に、飢餓に強い遺伝子が残り、子孫に伝わったと考えられていますが、現在では、この節約遺伝子が裏目にでてしまい、高カロリー、高脂肪の食事に対応できず、肥満や糖尿病に陥ってしまうのです。

   
  糖尿病を予防する食事
  ○野菜はたっぷりとろう
  野菜に含まれる食物繊維は、肥満を防ぐ働きをします。野菜は1日に350g以上とり、このうち緑黄色野菜を120g以上とるようにしましょう。
   
  ○食事は決まった時間に、時間をかけて食べよう
 
朝食を抜いたり、食事時間が不規則だったり、寝る前3時間の間に食べるのはよくありません。ゆっくりよくかんで、一家団らん、会話を楽しみながら、時間をかけて食べましょう。
   
  ○甘いものや脂っぽいものは食べ過ぎない
  甘いものや脂っぽいものは太りやすい食品です。食べ過ぎに気をつけましょう。
   
  ○ひとり分ずつ、取り分けて食べよう
  大勢で大皿から食べると、どのくらい食べたかわかりづらいため、たくさん食べてしまいがちです。
   
  ○薄味にしよう
  濃い味のおかずはごはんをたくさん食べてしまいがちです。素材の味をいかした薄味料理を。
   
  ○ながら食いはやめよう
  テレビを見ながら、新聞を読みながらといったながら食いも、食べた量がわかりづらいもの。またよく味わえないため、満足感もありません。
   
  ○多いときは残そう
  多いと感じたら、無理せずに残しましょう。
   
  ○お茶碗は小ぶりのものを
  お茶碗を小さくすると、1膳の量が少なくなるため、食べ過ぎを防げます。
   
  ○調味料はかけずにつける
  マヨネーズやドレッシングは、油が多く、太りやすい食品。お醤油などの塩分は、高血圧の原因になり、糖尿病を悪化させます。直接料理にかけず、小皿にとってつけましょう。
   
  ○食品のエネルギーを知ろう
 

毎日食べるものがどのくらいのエネルギーなのかを知り、食品を選ぶときや食べるときの参考にしましょう。

 

 

入浴剤を上手に使って、ぽかぽか&リフレッシュ!(2008年12月)

 

     
 
12月のテーマ:
入浴剤を上手に使って、ぽかぽか&リフレッシュ!
 2008年も残すところあと少し。年内に片付けなければならない仕事や雑事に追われ、普段以上に忙しく過ごしている方も多いのではないでしょうか。『師走』と呼ばれるだけあり、何かと慌しい時期ではありますが、健康維持のためにも、ゆっくりリフレッシュする時間は大切にしたいもの。そこで今回は、前回に続きお風呂の話題、一番のリラックスタイム・入浴をより心地よい時間にする「入浴剤」についてお話します。
 
     

 

入浴剤を使った入浴のメリット
 
 お風呂が大好きな日本人にとって、入浴剤は身近なアイテムのひとつ。各地の有名な温泉のお湯が楽しめるものをはじめ、スーパーの日用品コーナーにも様々な入浴剤が並んでいます。菖蒲湯や柚子湯など“薬湯”に入る習慣は古くからあり、生薬を配合して布袋に詰めた入浴剤の原点とも呼ぶべき商品は、なんと明治時代から登場していたそうです。現代の入浴剤と同じように、温泉の効果を自宅で再現するような商品が開発されたのは昭和に入ってからですが、それ以降、健康の保持・改善だけでなく、色や香り、感触などでリラクゼーションの効果を重視した商品も開発されるようになりました。
 入浴剤の基本的な効果は、入浴そのものによって得られる温浴効果(身体を温める、痛みの緩和など)と、清浄効果(身体の汚れを落とす、皮膚を清浄にするなど)を高めることにあります。商品に表示される具体的な効能については薬事法に定められており、各メーカーが勝手に効能をうたうことはできません。効果や効能は入浴剤を選ぶ際の重要なポイントになるので、以下に挙げる「代表的な成分の効果」を参考にしてください。
   
入浴剤の代表的な成分の効果と、そのメカニズム
 
無機塩類系入浴剤
成  分:
硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、等を主成分とするもの
剤  型:
粉末、顆粒が多い
効果について:
無機塩類系入浴剤の最大の効果は、塩類が皮膚の表面のたんぱく質と結合して膜を形成し、身体の熱の放散を防いでくれるというもので、入浴後の保温効果を高め、湯冷めしにくくしてくれます。また、硫酸ナトリウムには皮下組織の賦活作用や修復作用があり、あせも、ひび、あかぎれ等の予防に効果があり、炭酸水素ナトリウム(重曹)は石鹸と同じように皮膚の汚れを乳化し、清浄効果を高めてくれます。
 
炭酸ガス系入浴剤
成  分:
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等とコハク酸、フマル酸、リンゴ酸等を組み合わせたもの
剤  型:
錠剤や粒状
効果について:
炭酸ガスの血管拡張作用を有効利用したもので、湯に溶けた炭酸ガスが皮膚吸収によって容易に皮下内に入り、直接血管の筋肉へ働きかけて血管を拡げます。血管が拡がると末梢血管の抵抗が弱まって血圧が下がり、血流量が増えるため、全身の新陳代謝が促進されて疲れや痛み等の回復に効果的です。ちなみに、皮下内に入った炭酸ガスは肺から呼吸によって体外へ排出されるので、身体の中に蓄積することはありません。
 
酵素系入浴剤
成  分:
蛋白質分解酵素、パパイン、パンクレアチン等の酵素を配合したもので、無機塩類と組み合わせて使うことが多い
剤  型:
粉末、顆粒が多い
効果について:
医薬品の消化剤や洗浄剤等によく利用される酵素は、蛋白質や脂肪、澱粉等を分解して消化や洗浄を助ける効果をもっています。入浴剤に酵素を配合する目的は、皮膚に無理な刺激を与えずに清浄にし、他の成分と一緒に入浴効果を高めることにあり、皮膚の表面や毛穴にたまった汚れを洗い流しやすくしてくれます。そのため、浴後は清潔で滑らかな使用感をもたらしてくれます。
 
薬用植物系入浴剤
成  分:
センキュウ、トウキ、ボウフウ、チンピ、カミツレ、ハッカ葉等の生薬を配合しており、生薬をそのまま刻んだもの、生薬のエキスを取り出して他の成分と組み合せたもの等種類は色々
剤  型:
粉末、袋状など様々
効果について:
効果は配合されている生薬の種類によって異なりますが、生薬に含まれる化学成分の働きと、独特な香りの働きが特長です。生薬の効果は、医療薬として日本ばかりでなく欧米でも高く評価されており、入浴剤に応用した場合にも血行促進効果や湯冷め防止効果等が認められています。また、もう1つの効果『香り』についても、生薬に限らず“アロマテラピー(芳香療法)”の研究が進み、香りによるリラックス効果は脳波や心拍数等の測定により証明されてきています。
 
清涼系浴用剤
成  分:
l-メントール、炭酸水素ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウム等を配合したもの
剤  型:
液体、粉末、顆粒が多い
効果について:
その名のとおり、清涼感を与えることを目的にした商品が多く、主に夏の入浴を快適にするために利用されます。l-メントールを配合して冷感を付与させたものや、炭酸水素ナトリウム、硫酸アルミニウムカリウムを配合し、入浴後のべたつきを抑えてサッパリ感を与えてくれます。また、お湯の色は青色を基調にしたものが多く、視覚的にも爽快感を付与しています。
 
スキンケア系入浴剤
成  分:
セラミド、コレステリルエステル、米胚芽油、エステル油、スクワラン、ホホバ油、ミネラルオイル、米発酵エキス等の保湿成分を主に配合したもの
剤  型:
液体が多い
効果について:
保湿成分が入浴中に皮膚に吸着浸透してスキンケアを行うタイプ。特に空気が乾燥する冬場は、入浴後に過度に角層中の水分が失われてお肌のかさつきが起こりやすくなってしまうため、保湿を重視したこのタイプは効果的です。また入浴で膨潤したお肌は、保湿成分が浸透し易い状態になっているため、肌の表面だけでなく角層内部にまで浸透し、入浴後のお肌にしっとり、すべすべ感を与えてくれます。
   
入浴剤を使用する際の注意点
   医薬部外品として厚生労働省の承認許可を得て販売されている入浴剤は、その成分やいくつかの商品で実施している皮膚刺激性テストの結果からみて、問題となるような皮膚刺激性はありません。ただし、ごくまれにアレルギー性を示すことがあり、その場合は使用を中止してください。また、乳児の皮膚は抵抗力が弱く、かぶれや湿疹などのトラブルが起きやすいため、入浴剤を使用するのであれば殺菌作用のある沐浴剤を入れた赤ちゃん専用の浴槽を使いましょう。
 
誤飲や目に入った場合
入浴剤の入ったお湯を飲んだり、目に入った場合、通常の使用濃度であれば特に問題はありません。ただし、原液を多量に飲んでしまった場合、異常が認められた場合などは速やかに医師の診断を受けましょう。
洗髪、洗顔に利用する際
皮膚に対する安全性が認められた上で製品化・市販されているため、入浴剤の入ったお湯はもちろん洗髪や洗顔に利用でき、シャンプーや洗顔料の洗浄力にも問題はありません。ただし、衛生上の観点から、すすぎは清潔なさら湯で行いましょう。
   
 
入浴の効果を高めてくれる、様々なタイプの入浴剤。泡の出るものや、トロっとした感触のお湯にするものなど、ユニークな製品も多数開発されています。また、市販の入浴剤でなくても、日本酒や天然塩を入浴剤として使ったり、ちょっとした工夫が入浴効果を高め、リラックス気分を演出してくれます。効果だけでなく、香りや色なども様々なものがあるので、好みや気分に合わせて入浴剤を上手に利用し、お風呂タイムを楽しんでください。

 

 

冬野菜を食べよう!(2008年12月)

 

冬野菜を食べよう!
 
 
  「冬野菜」といっても、お店に行けばたくさんの種類の野菜が一年中並んでるので、どれが冬野菜…?という人も多いかもしれません。旬を迎えたほとんどの野菜は、収穫量が増えるため価格もお手頃になります。しかも旬の野菜は、味わい・栄養価ともに高く安くて体にもおいしいと嬉しい事ずくめです。旬の野菜は、その季節に合わせてそれぞれに働きが異なるのも特長です。冬野菜には、ごぼう、れんこんなどの根菜類や春菊、ほうれん草、ブロッコリー、小松菜などの緑黄色野菜、ネギやカリフラワー、白菜、大根、かぶなどの淡色野菜があります。これらは、体を温めてくれる成分や風邪予防に効果的な作用があります。
   
  【冬野菜の上手な食べ方】
  ★鍋料理に最適
 
 野菜に含まれる栄養素には水溶性のものがあります。ビタミンCやビタミンB、カリウムなどはその代表です。溶け出してしまった成分もしっかり取り入れるなら、煮汁まで一緒にいただける味噌汁や鍋料理が最高です。また、不足しがちな野菜の摂取量も煮込むことによって食物繊維が柔らかくなり、生よりも多く食べれる様になります。その他にも野菜に含まれるペクチンは、胃の調子を整える効果もあります。蛋白質源の魚や肉と合わせると、栄養バランスもより良くなります。
   
  ★薬味に使う
 
ねぎ、にんにく、しょうがは、血行促進や新陳代謝を高める成分があり、身体を温めてくれます。基本的に香味野菜は殺菌力や解熱効果があるものが多いよう。風邪気味の時には特に摂取を!
   
  ★皮や葉っぱもお料理に
 
 大根やかぶは、白い所の皮の部分や、葉っぱの方にビタミンCが豊富に含まれています。普段は捨ててしまう部分も、実は栄養がいっぱい含まれています。細かく刻んでおひたしにしたり、皮の厚いものは皮ごとふかす・じっくり熱を通す、などの工夫でいつもと違う料理に大変身。生ゴミ減量にもつながって一石二鳥です。
   
  野菜の効用…、といっても野菜は薬ではないし、これを食べれば病気が治るというものではありません。しかし、薬やサプリメント、高価な健康食品に頼らずに、毎日の食事から体調を整えたいですね。もちろん、同じ野菜ばかりを食べるのではなく「バランスよく食べる事」が基本になります。
   
   
茨城県栄養士会 鈴木 宏美

 

 

寒い季節こそ、効果的な入浴で温まろう!(2008年11月)

 

     
 
11月のテーマ:
寒い季節こそ、効果的な入浴で温まろう!
 天気の良い日中は暖かいものの、朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。寒暖の差が激しいと、風邪をひいたり体調を崩しやすくなるので、外出時は上着を持参するなど、体調管理のためにも外気温には注意して過ごしましょう。さて、冬になると身体の冷えや乾燥、各部のコリや痛みなどが気になってくる方も多いのではないでしょうか。今回は、これらの悩みを助ける効果的な入浴方法についてお話します。
 
     

 

湯船につかるメリット
 
 入浴する大きな目的のひとつは、やはり「身体の汚れを落とす」こと。そのため、一人暮らしの方や、帰宅が遅くて家族と入浴時間が合わない方などは、シャワーのみで済ませてしまうという方も多いようです。しかし、お湯をはった湯船に浸かることには、シャワーだけでは得られない様々なメリットがあります。
温熱作用
肩までお湯に浸かる日本式の入浴法は、最も効果的に身体を温めることができると言われています。それは、温められた血液が血管を通して全身に運ばれ、深部温度を上昇させるため。身体の表面だけを温めるシャワーでは、深部温度はなかなか上昇しません。また、この深部温度の上昇は、視床下部の温熱中枢を刺激し、末梢の血流まで増加するため発汗を促進します。これにより、身体の隅々まで酸素や栄養分が行き渡り、代謝によって蓄積された疲労物質や老廃物も除去されます。
水圧効果
入浴すると身体表面に水圧がかかり、一般的な家庭用の浴槽で肩までの全身浴をした場合、胴回りが3~6cm、胸周りが1~3cm小さくなると言われています。腹部においては、横隔膜が押し上げられて肺の容量が減少するため、それを補うために呼吸数が増加します。この静水圧によって圧縮された血管やリンパ管は求心性(中心に向かって集まる動き)に働き、血液やリンパ液がいっせいに心臓に向かうため、心臓の働きが活発になり、疲労回復へとつながります。
浮力作用
お湯に浸かると、身体は浮力を受けて軽くなります。水中では空気中に比べて約1/9 程度の重さになると考えられるため、例えば体重60kg の人なら、水中では6.2~6.3kgの重力しかかからない計算になります。アクアビクスなどプールでのエクササイズにも応用される原理で、入浴では、身体が軽くなることでだるさを感じなくなり、心身ともにリラックスできます。
   
目的別の入浴方法
 
 このように、湯船に浸かることは身体に様々な物理的効果を与えてくれますが、その効果をより高めるためには「湯温」と「入浴時間」が大きなポイントとなります。目安としては、「ぬるめのお湯にゆっくり」はリラックス効果が、「熱いお湯に短時間」は覚醒・興奮させる効果があると覚えてください。
リラックスし、ストレスを解消したいとき
40℃以下のぬるめのお湯に、ゆっくり長めに浸かります。副交感神経を刺激し、心身を鎮静させる作用があるため、のんびりリラックスした気分を味わえます。また、身体の緊張がとれて本来の疲れが表面に出てくると同時に、脈拍も穏やかになるため、ぐっすりと眠りにつきやすい状態になります。ちなみに、脳が実際にリラックスするのは湯船から出てしばらく経ってからという実験結果も報告されているため、入浴のリラックス効果をより満喫するには、入浴後すぐに家事や明日の準備をするのは避け、のんびり過ごすと良いようです。
筋肉の疲れをとりたいとき、眠気を覚ましたいとき
42~43℃の、少し熱めのお湯に浸かります。熱めのお湯は血行を血行を良くして疲労物質を早く取り除く効果があり、この場合は熱めのシャワーを身体に当てるのも効果が望めます。ただし、心臓や血圧に不安のある方には負担が多いため厳禁です。また、お風呂に入ると眠くなるというイメージがありますが、熱いお湯での短時間の入浴は交感神経を刺激し、心身の緊張を高めてくれます。「これから一仕事するために眠気を覚ましたい」「気分転換したい」という場合は、熱いお湯をさっと浴びる入浴がオススメ。朝風呂の場合も、この入浴法が向いています。
冷えた身体を温めたいとき、湯冷めしたくないとき
身体を温めるには熱いお湯のほうがいいような気がしますが、芯から身体を温めるには40℃くらいのお湯に10分以上浸かるほうが効果的。42℃のように熱いお湯だと、どうしてもゆっくり浸かることができず、身体の表面しか温まらないため、風呂上りに身体の熱が奪われやすくなってしまします。
肌を美しくしたいとき、乾燥肌を防ぎたいとき
湿度の低い冬場は、肌の水分が奪われ、ただでさえ乾燥しがちな季節ですが、熱いお湯は皮膚を乾燥させて肌の老化を早める原因にもなります。そこで、美肌や乾燥肌対策の入浴なら、一番風呂は避けて40℃以下のぬるめのお湯に浸かるのがベスト。また、長時間お湯に浸かると肌に膨潤変化がおきて保湿成分が溶け出してしまうため、過度の長風呂は避けましょう。ナイロンタオルやスポンジで身体をゴシゴシこすることも、皮脂不足や角質層のはがれを起こして乾燥肌を助長するので避け、しっかり泡立てた石鹸で優しく洗うようにしましょう。
   
  寒い夜の温かいお風呂は嬉しいものですが、冬場は高齢者のお風呂での事故も増えがちです。高齢者や血圧の高い人がいる家庭では、浴室や脱衣所も温めておき、温度差をなくすよう心がけましょう。

 

 

バランスの良い食事について(2008年11月)

 

バランスの良い食事について
 
 
  秋も深まり、朝晩の気温が下がる日も多くなってきました。風邪をひきやすくなるので、日ごろから食事をきちんと摂って、からだに抵抗力をつけておきましょう。
生活習慣予防のために、日本型の食生活が見直されています。
日本型食生活は、米や魚介、大豆製品、野菜を主材料に、肉や乳製品など欧米型の材料がバランスよく使われた食事内容のことです。
    今から20年ぐらい前までは、栄養バランスがよく健康的な食事であると世界的にも高く評価されていました。ところが、最近そのバランスが少し崩れてきました。手遅れになる前に、私たちの食事を見直しましょう。

バランスのよい食事のキーワードのひとつに、ひとつずつ体によい食べ物の頭文字になっている「まごはやさしい」があります。

   
 
「まごはやさしい」
 ご存知の方が多いと思いますが、医学博士吉村裕之先生が、提唱されているバランスの良い食事の覚え方です。
   
 
・・豆類  
 
  大切なたんぱく質の供給源です。ビタミンB群や食物繊維を多く含んでいます。
 
・・ごま  
 
  脂質、鉄、カルシウム、ビタミンB1などを豊富に含んでいます。
 
・・わかめ・海藻  
 
  無機質(カリウム・カルシウム・鉄等)や食物繊維を豊富に含んでいます。
 
・・野菜  
 
  ビタミン・無機質や食物繊維の供給源として重要な食品です。
 
・・魚類  
 
  たんぱく質のアミノ酸組成では、必須アミノ酸に富み、特に穀類に不足しているリジンを多く含んでいます。脂質は、イコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸をおおく含んでいます。
 
・・椎茸・きのこ類  
 
  食物繊維が豊富で、低カロリーなのが特徴です。
 
・・いも類  
 
  主成分はでん粉です。ビタミンCや食物繊維を豊富に含んでいます。
   
  ごはんを主食(ごはんは和食・洋食のおかずどちらにもあいます)に、バランスの良い食事を心がけ、生活習慣病を予防しましょう!
   
茨城県栄養士会 住友 かほる

 

 

足の健康は靴選びから。足に合った靴で、ウォーキングに出かけよう!(2008年10月)

 

     
 
10月のテーマ:
足の健康は靴選びから。足に合った靴で、ウォーキングに出かけよう!
 季節は秋、過ごしやすい季節になりました。「食欲の秋」「実りの秋」と言われるように、秋は食べ物がおいしく、ついつい食べ過ぎてしまうこともあるのでご用心!運動するにも快適な季節です。このコーナーでも何度か紹介してきた「ウォーキング」を始めるにもぴったりのタイミング。この時、気をつけて欲しいのが「靴選び」。足に合わない靴は、思わぬトラブルの原因にもなるので軽視できません。今回は、正しい靴選びのポイントについてお話します。
 
     

 

足に合わない靴が引き起こすトラブル
 
 私たちの全体重を支える足は、歩行や運度をするだけでなく、血液の循環にも重要な役割を担っています。足にはなんと28個もの骨があり、これらの骨と、じん帯、筋肉、毛細血管で構成されていますが、歩行運動によって毛細血管を収縮して、ポンプのように血液の循環を助けてくれています。足が「第二の心臓」と呼ばれるのはこのためで、全身に血液を送る心臓の大切なサポート役として活躍しているのです。
そしてこのポンプ運動を助ける重要な部位が、歩行を助ける「土踏まず」です。土踏まずは一般的に知られる内側のアーチ状の部分(内アーチ)だけでなく、足の外側にある外アーチ、親指の付け根から小指の付け根にかけてある横アーチの3つがあります。この3つのアーチが、体重や衝撃を分散する天然のクッションの役割を果たしてくれるため、人間が長い時間二足歩行をすることが可能になったのです。この土踏まずのアーチ構造が崩れてしまうことで起こる、様々な足のトラブルを紹介します。
 
外反母趾
外反母趾は、足の親指の形が変形して小指に向かって曲がっている状態。親指の付け根が外側に飛び出して見えるため、この名前がついています。逆に、小指が親指側に向かって曲がってしまい、指の付け根が外側に張り出した状態を「内反小趾」といい、どちらも放っておくと痛みが出てきたり、ひどい場合は脱臼したような状態になることもあります。
開帳足
外反母趾になる一番の原因とも言われる足の変形が「開帳足」。じん帯や筋肉などの結合組織が低下し、横アーチが機能しなくなることで足の指の付け根部分の骨(中足骨)が横に開いてしまう状態です。足が幅広に変形し、柔らかい状態のため「こんにゃく足」とも呼ばれます。一番の原因は筋肉の低下で、運動不足の人や、足が疲れやすい立ち仕事の人に多いトラブルです。
ハンマートゥ
足の指が折れ曲がったままの状態になっているもので、間接の背が靴にあたるため、摩擦でタコができたり、指の腹に魚の目ができたりします。サイズの合わない靴を履いているのが大きな原因で、足指の長い人にも起こりやすいトラブルです。小さい靴や先端の細い靴を履くことで、靴の中で指が折れ曲がってしまい、その状態が長く続くとハンマートゥになってしまいます。
へん平足
足の裏に土踏まずのない状態で、アーチがつぶれ、足の裏全体が地面にくっついている足のトラブルです。幼児の足は足裏全体に脂肪がついているため土踏まずがなくて当たり前ですが、一般的に8歳前後で形成される土踏まずのアーチができていない状態がへん平足です。へん平足になると歩きづらく、足への負担が大きくなるため疲れやすくなります。
   
足の変形から起こる身体のトラブルと、予防のための正しい靴選び
 
 足のトラブルは、足自体の痛みやゆがみだけでなく、身体全体にも影響を及ぼします。例えば、歩き方に変な癖がついたために膝を痛めたり、腰が痛くなったり、さらには肩や首などのコリの原因にもなります。O脚やX脚などの関節の変形も、もとを正せば足のバランスの悪さに大きな原因が。また、土踏まずがしっかり機能しないことで足裏全体が圧迫され、血行不良からむくみや冷えなどの症状が引き起こされたり…と、足の変形は実に様々なトラブルの因子となります。
 土踏まずがしっかり形成されない大きな原因は、歩行(運動)不足による筋肉の低下。遺伝的な原因もありますが、ほとんどは生活の中で改善していけるものです。よく言われるのは裸足で砂場などを歩いて足裏を刺激するという方法ですが、一年中裸足で過ごすわけにはいきません。そこで、普段履いている靴を見直してみましょう。  
靴選びのポイント
  • 靴の中敷の、土踏まず(特に中アーチ)部分が盛り上がっているもの

    ただ平べったいものより、土踏まずのアーチ部分を支えてくれるためバランスが整います。

  • 足先が窮屈でなく、かつ余裕がありすぎてもいないもの

    窮屈な靴は足の変形を引き起こしますが、大きすぎる靴も、無意識に指をくの字に曲げて踏ん張ってしまうため、指が曲がるハンマートゥなどの原因となります。

  • 足にしっかりとフィットするもの

    紐靴など、細かい調整のできる靴がベストです。脱ぎ履きがしづらいと、紐を緩めたままで履く方も多いようですが、足をしっかり包んでフィットする靴を意識して選びましょう。

子供靴の選び方
  • 成長に合わせ、サイズの合った靴を選ぶこと

    靴に足を入れたとき、かかとをぴったりつけて指先に8mmから10mm程度の余裕があるサイズを目安に。

  • かかと周りがしっかりと固定されるもの

    かかとが左右にずれてしまうと、歩き方に変な癖がついてしまいます。かかと周りにホールド力のある靴を選びましょう。

  • 土踏まずを支えるパッドがあるもの

    市販の靴にはパッド入りのものが少ないため、購入後に足に合った補正パッドを取り付けると良いでしょう。

  • 足を甲から足首でしっかり固定できるもの

    紐靴やマジックタイプの靴で、足にしっかりフィットする動きやすいものを選びましょう。

   
  身体の健康は、足の健康から。普段からよく歩くことはもちろん、足に合った靴選びも心がけましょう。いくら歩いても、サイズや形の合わない靴を履いて、足を不自然な状態に押し込めたままでは却ってトラブルの原因となってしまいます。この機会に、普段履いている靴を見直して、サイズや形、中敷までチェックしてみましょう。足にあった靴は歩きやすく、ウォーキングをより快適にできるようになりますよ。

 

 

病気を防ぐ「あぶら」のとり方(2008年10月)

 

病気を防ぐ「あぶら」のとり方
茨城県栄養士会 佐藤 光恵
 
「あぶら」の種類は様々で、とり方によって、体にプラスにもマイナスにもなります。

健康によい「あぶら」を選んでとることは、メタボリック症候群を防ぐことにつながります。

   
 
「あぶら」の主成分「脂肪酸」にはさまざまな種類があります。
   
 
  サラダ油、ごま油、オリーブ油、肉、魚、乳製品、ナッツなどの食品から、私たちはさまざまな「あぶら」をとり入れています。「あぶら」は正式には脂質あるいは脂肪といい、たんぱく質、糖質とともに3大栄養素の一つです。

脂質は主に脂肪酸によって構成されています。脂肪酸は炭素、水素、酸素が結びついてできており、結びつき方で飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。また、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸は体内での生理作用が異なります。

   
 
脂肪酸の種類と特徴
 
一つの食材や油脂には、複数の脂肪酸が含まれています。多く含まれる主な脂肪酸と食品の種類、その特徴は下表のようになります。
 
脂肪酸の分類と主な種類 不飽和脂肪酸

n-3系多価不飽和脂肪酸

 α-リノレン酸。

 EPA。DHA

不飽和脂肪酸

n-6系多価不飽和脂肪酸

(リノール酸)

不飽和脂肪酸

一価不飽和脂肪酸

(オレイン酸)

飽和脂肪酸

 パルミチン酸

ミリスチン酸

ラウリル酸

ステアリン酸

主な食品 しそ油、えごま油、青背の魚 サフラワー油、

ごま油、大豆油

ひまわり油、

くるみ、とうもろこし油

オリーブ油、大豆油、菜種油、アーモンド、へーゼルナッツ ラード、ヘット

バター、肉の脂身

ショートニング

ヤシ油、ココナツ油

特徴
悪玉のLDLコレステロールをある程度下げる。
中性脂肪を下げる。血栓防止をする。
酸化しやすい
悪玉のLDLコレステロールを下げる。
善玉のHDLコレステロールも下げる。
酸化しやすい
悪玉のLDLコレステロールを下げる。
多くとると悪玉のLDLコレステロールを上げる。
不足すると血管がもろくなる。
   
 
積極的にとりたい脂肪酸、減らしたい脂肪酸
  食事でとった脂肪は脂肪酸に分解後、吸収され、エネルギーとして使われます。エネルギーとして利用されなかった残りは空腹時に備えて脂肪組織に蓄えられます。余れば脂肪になる点では炭水化物もたんぱく質も同じです。コレステロールは脂質の一種で、細胞膜や各種のホルモンの材料としてある程度の量は体に必要です。

健康によいと言われる脂肪酸を含む「あぶら」でも1gで9キロカロリーと、高エネルギーですから、とり過ぎると肥満を招きます。

国民栄養調査では多くの人が「あぶら」をとり過ぎているという調査結果になっています。

一般に肉などに多い飽和脂肪酸の摂取が多く、魚に多いn-3系多価不飽和脂肪酸や、一価不飽和脂肪酸は不足傾向がみられます。

「あぶら」の総量が過剰にならないようにし、様々な不飽和脂肪酸を含む「あぶら」をバランスよくとることが大切です。

   
  油のヘルシーなとり方
  肉に多く含まれる飽和脂肪酸は少なくし、魚に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸や、オリーブ油に多く含まれる一価不飽和脂肪酸を多くするように心がけることが健康的な「あぶら」のとり方です。

(1)   揚げ物にサラダ油。炒め物にごま油。パスタにオリーブ油とバランスよく料理に使い分け、1日の使用量を大さじ1~2杯までに抑える。
(2)   バラ肉、ベーコン、鶏肉の皮などはできるだけ控える。
(3)   魚の干物は酸化し易いので、新鮮なものを購入し、早く食べきる。
   
 
特定保健用食品に指定されている油
  「体に脂肪が付きにくい」「脂肪の吸収を抑える」などの表示がある食用油が市場に出回っています。あくまで、一般の食用油を使ったときと比べた場合に、表示されているような効果が得られると理解して使うことが必要です。特定保健用の油も1gは9キロカロリーなので、1日の使用量は普通の油と同程度にすることが勧められます。食べるほど効果が上がるものではないです。

 

 

緑に囲まれリフレッシュ、グリーンセラピーを採り入れよう(2008年9月)

 

     
 
9月のテーマ:
緑に囲まれリフレッシュ、グリーンセラピーを採り入れよう
 暦の上ではすっかり秋。夏の暑さが残ってはいるものの、朝夕は冷え込む日も多く、普段以上に体調管理に気をつけて欲しい季節です。さて、秋といえば実りの季節。果物をはじめ、雨期と夏の日差しを受けて豊かに実った秋の味覚が食卓を賑わせてくれます。実をつける草木だけでなく、一般的に植物にとって秋は春と並ぶ最盛期。ガーデニングや山歩きにも最適の時期です。そこで今回は、緑の癒し効果を生活に採り入れる、グリーンセラピーについてお話します。
 
     

 

グリーンセラピーとは?
 
 「グリーンセラピー」とは、その名のとおり植物の「緑」によって心身を癒す方法のこと。植物の緑にはリラックス効果や心を落ち着ける効果があることは良く知られていますが、視覚を通して緑を吸収するだけでなく、例えば森林、特に針葉樹から放出される「フィトンチッド」という物質にはさまざまな効果があるそうです。
 
「フィトンチッド」はいわゆる森の香りのもとで、植物が光合成でブドウ糖をつくる際に分泌されると言われています。フィトンチッドの発生している環境の中で過ごすことで、副交感神経のはたらきが活発になり、イライラした気分や不安感を鎮静させたり、アルファ波を増加させてくれるなどの効果が現れます。この香りの中で睡眠をとると疲労回復が早いという研究報告もあり、心を癒すばかりか身体へのメリットも期待できるのがグリーンセラピーなのです。
   
身近な場所で森林浴をしよう
   さて、植物の緑に満たされた環境というと、どうしても公園や森林などをイメージしてしまいます。「わざわざ出かけるのは面倒」「市街地で周りに緑が無い」など、今の環境ではグリーンセラピーの恩恵を受けるのは難しいと感じる方も多いかもしれません。
しかし、何も公園や森林へ出かけなくても“森林浴”は可能です。室内の観葉植物やベランダガーデンの花、庭木もれっきとした植物。大きな森林でなくても、身近にある植物の緑は言わば小さな森林。どんな小さな植物も、私たちの心を癒し、光合成によって新鮮な酸素とマイナスイオンを供給してくれるのです。
   
室内緑化を進めよう
   失われ行く地球の緑を守るため、社会規模での大規模な緑化運動が進められている現代。自宅やオフィスにおいても「室内緑化」の大切さが改めて注目されています。先に紹介したとおり、室内の緑も心を落ち着けてくれるのはもちろん、他にもさまざまな効用をもたらしてくれます。
テクノストレスや目の疲れの解消・緩和
   情報化が進み、パソコン等を使用する作業が増えたことで「テクノストレス」という弊害が生まれました。主な症例は視覚疲労やドライアイなど目に関するもので、その他、機器が発生する電磁波が身体に及ぼす悪影響などが挙げられます。室内緑化植物が視覚疲労を緩和させる効果については科学的検証がなされている途中ですが、昔から「緑は目にいい」と言われていることからも、その効果が期待されます。
シックビルディング・シックハウスシンドロームの解消
   建物の気密性が高まるにつれ、問題視されるようになったのが建材や塗料から発生する、ベンゼン、ホルムアルデヒド、トリクロロエチレンなどの揮発性有機化学物質です。これらは人体に悪影響を及ぼすとされ、室内の空気の汚染源となっています。植物にはこれらの有害物質を吸着・分解する作用があり、煙草の伏流煙などに対する有効性も注目されています。
室内のイオンバランスの調整
   パソコンやテレビなどから発生するプラスイオンが空間のイオンバランスを崩し、疲労感や肩こり・腰痛、冷え性などの原因になっていると考えられています。植物が光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素を排出するのはご存知のとおりですが、植物は酸素の他にマイナスイオンも発生し、室内のイオンバランスを整えてくれます。
   
   一言に「グリーンセラピー」といっても、その方法はさまざま。庭がある家ならガーデニングや家庭菜園を楽しむのもお勧めです。ベランダガーデンや屋上ガーデンも人気が高まっていて、植物が直射日光や外気と建物の緩衝材となってくれるため、省エネ効果も期待できます。また、室内の観葉植物が元気になる秋は植え替えにも最適な季節。根が張ってきた鉢物があれば、この機会に植え替えてみてはいかがでしょうか。土に触れ、水をやり、植物の手入れをする。緑を眺めるだけでなく、身近なものとして積極的に触れて「癒し」を感じてください。

 

 

朝食を食べる習慣をつけましょう!(2008年9月)

 

朝食を食べる習慣をつけましょう!
朝食の役割~朝食はからだの目覚まし時計~
 

寝起きの直後は血糖値が低く、内臓や神経、脳の働きも低下した状態になっています。

こうした機能を正常に戻し、体をすっきり目覚めさせるのが朝食の大きな役割です。

 
[お通じがよくなる]
人間の体は食事を摂ると消化器系が刺激され、それに伴い肛門の筋肉が緩みやすくなるように できています。

朝食を食べた後にトイレに行く習慣をつけると、毎朝の便通も良くなって快便生活が期待できます。

[仕事も勉強もはかどる]
シャキッと起きられずに、ぼんやりダラダラ過ごしていませんか?

朝食には寝ている間に低下した体温を上げる作用があり、活動をするためのウォーミングアップの役割があります。また朝食を摂らないと、脳のエネルギー源であるブドウ糖が不足して昼食を摂るまでやる気や集中力が出にくくなってしまいます。また昼食を朝食抜きの反動でまとめ食いをしやすく、満腹感で午後も頭がボーっとしがちです。

朝食をしっかり食べることで、一日の元気なリズムを作りハツラツと過ごせます。

[ダイエットにも効果的]
朝食を抜いてダイエットをしよう!なんて思っていませんか?

食事回数が減り、食事と食事の間隔があく事で体がエネルギーを蓄えておこうと働きます。

基礎代謝も悪くなる事で、貯めた脂肪を分解する力が落ちていき、「太りやすい体質」に・・・

朝食で摂ったエネルギーは夕食よりも消費されやすくなっているので、同じ一日の食事でも朝食をしっかりめに食べ、その分夕食を軽めにする習慣をつけるだけでもシェイプアップ効果が期待できると思います。

 
 
 
どんな朝食がいいのか?
朝食こそバランスが大切です。
[体温を上昇させるたんぱく質(主菜)]
炭水化物の3倍、脂肪の5倍もの体熱生産力があるといわれます。

血のめぐりがよくなり、寝起きの体が十分にウォーミングアップされます。

 
[即効性のエネルギー源(主食)]
糖質が分解されて出来るブドウ糖は脳を働かせる唯一のエネルギー源になります。
 
 
[野菜をたっぷり(副菜)]
野菜に含まれるビタミンが糖質を燃えやすくします。

効率よくエネルギーが生まれ生活習慣予防の効果も期待できます。

 
[乳製品や果物]
ヨーグルトや果物を加えるとビタミンやミネラル、カルシウムが摂れます。

 

おすすめ朝食パターン
[洋食セット]
パンとコーヒーだけでなく卵料理やサラダも一緒に食べることがおすすめです。
[和食セット]
日本の伝統的朝食としてご飯・野菜たっぷり味噌汁・魚・お浸しなどの組み合わせがおすすめです。ただし塩分の摂り過ぎに注意が必要です。
 

食生活の結果は、すぐに表面に表れるものではありません。

忙しい朝でも食べ物を口にするという「習慣」が大切です。

将来も健康に過ごせるように、明日からの朝食を大切にしましょう。