
今年の夏は、冷夏になる、いや昨年と同じように猛暑になる等と予想が錯綜しています。今のところいきなり梅雨が明けたため、暑さが酷く身体にこたえるという人も多いことでしょう。そこでビール党ならビールが、それ以外の人には、酎ハイや冷たい清涼飲料がとても美味しく感じられる日々を送っていることでしょう。
しかし、冷たい飲み物が内臓脂肪を増やす原因の一つだということをご存知ですか。「コールドドリンク症候群」と名付けて注意を促す医師もいます。暑さも本番を迎える季節に誰もが陥る危険がある甘い罠ならぬ「冷たい罠」、さらにそれがもたらす内臓脂肪について今回は触れてみましょう。
誰もが陥りやすい「コールドドリンク症候群」
どこにいっても自動販売機のある風景。外国人が日本を訪れたときその多さに驚くと言います。その状況を治安の良さという側面で引き合いに出す人もいますが、これは「コールドドリンク症候群」に拍車をかけているのです。さらに、コンビニエンス・ストアに入れば、冷たく美味しい新製品の数々。家に帰っても、冷蔵庫を開ければ冷たい缶ビールや清涼飲料があなたを待ち受けています。暑さから逃れたい一心でそれらについ手が伸びてしまうのも仕方のないこと。確かに冷たいものを飲むと体温が下がり、一時的に暑さから逃れることができます。
しかし、飲料することによりお腹を冷やすと身体はその冷えから脂肪で内臓を包んで守ろうとするのです。最後の氷河期に順応した人類が、生き延びるために獲得したのが、こうした脂肪を蓄える能力だったといわれます。見方を変えれば、太りやすい人というのは、環境に順応する能力の高い人ということになるわけです。
貯蓄型の「中性脂肪」、やりくり上手の「脂肪酸」
脂肪とは一体何なのかを確認しておきましょう。体内には、脂肪酸、中性脂肪、コレステロール、リン脂質の4種類の脂肪があります。このうち中性脂肪と呼ばれるものが、肉の切り身で目にするあの白い脂身の部分です。皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積される脂肪は、全て中性脂肪で、体内の脂肪の約90%を占めるとされています。この中性脂肪は、万が一に備えて貯蓄される脂肪の貯金です。しかし、度を越すと、肥満や健康を害する一因となります。
生きていくため一番に使われるエネルギーとして活用されているのが脂肪酸。中性脂肪と比べるとその割合は、ずっと少ないわけですが、やりくり上手の奥様のように出費をおさえて働いてくれるのです。また、脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、不飽和脂肪酸には、オレイン酸、リノール酸、EPA(エイコサペンタエン酸)など身体に良い働きをするとされる脂肪酸などがあります。
コレステロールは、筋肉や血液の中にありリン脂質とともに細胞膜を構成したり性ホルモンを作る大切な役割があり、大人の体内には、100グラムから150グラム程あるとされています。結合するたんぱく質の比重によりLDLコレステロール(悪玉コレステロール)とHDLコレステロール(善玉コレステロール)に分けられます。コレステロール値というとこれらを合わせた総コレステロール値を指します。
リン脂質は、先ほど触れたように細胞膜の構成成分で、水に溶けない中性脂肪を水に馴染ませ血液中に存在できるようにする働きがあるとされています。
体内に存在する4種類の脂肪はいずれも人が生きていく上で大切な役割を担っています。問題はその量なのです。人類が飢餓の時代を生き延びるために獲得した資質が、飽食の時代を迎えて健康を阻害するシステムとなってしまっているのです。
脂肪の蓄積システム
それでは、そうした脂肪の蓄積が行われる時、体内でどのようなシステムが働いているのか紹介しましょう。ご存知のように食べ物が体内に入ると胃や腸で消化が行われ、さまざまな栄養が吸収されます。ごはんや麺類、パンなどの多く含まれる炭水化物は、体内でブドウ糖になり、肝臓から血液中に送り込まれます。これが身体のエネルギーとなるわけですが、このブドウ糖の量が多くなると膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、インスリンはブドウ糖をエネルギーとして活用するために働きます。また、余ったブドウ糖を中性脂肪に変えて脂肪細胞に取り込む働きもします。
このエネルギーの活用と、貯蔵のバランスがとれているうちは、もちろん人は肥満になることはありません。過食や摂取したエネルギーに見合うだけの運動がなされない状態が続くと、貯蔵庫に脂肪が貯められていきます。身体は、そのうちやってくるかもしれない飢餓に対して生き延びるためのシステムとして中性脂肪に変えたエネルギーを蓄える訳です。これも、人によりますが、体脂肪率で25%まではそれほど問題ではなく、むしろ正常な機能が働いていると考えて良いでしょう。しかし、それを超えて過食や運動不足が続くとインスリンの効き目が悪くなる「インスリン抵抗性」を招き、体脂肪の蓄積が加速される事態になります。
大人であれば250億から300億の脂肪細胞が全身に分布しています。昔は、脂肪細胞の数は増えず、一つひとつの脂肪細胞が肥大化して肥満すると言われていましたが、その後の研究で脂肪の蓄積が進むと脂肪細胞も分裂をして、その数が増えるということが明らかになっています。一方で一つの脂肪細胞が米粒や小豆の大きさにまで肥大した例が見つかっています。これは肥満が進んだ結果、脂肪細胞が老化して細胞分裂の力を失い以上に肥大化してしまったものと考えられています。こうなるとそれを元に戻すのは大変。簡単には脂肪が落ちなくなってしまいます。
また、脂肪細胞が持つもう一つの大切な働きも失われてしまいます。これは、脂肪細胞が満腹中枢を刺激して過食を制御するためのレプチンというホルモンを出しているというのが近年の研究で分かってきたのですが、細胞の老化はこうした機能を阻害してしまうと考えられます。
内臓脂肪を減らす生活習慣の改善
体内に蓄えられる脂肪は、皮下脂肪と内臓脂肪とに分かれますが、生活習慣病のリスクを高めるのが内臓脂肪です。動脈硬化を促進し、血圧を上げ、狭心症や心筋梗塞、脳出血や脳梗塞など命に関わる重大な病気を引き起こす原因にもなるのです。また、インスリンの働きを妨げ高血糖状態を招き易くし、糖尿病を発症させる要因にもなると考えられます。
この問題の内臓脂肪を減らすには、どうしたら良いでしょうか。まず、内臓脂肪を溜め込みやすいといわれる生活習慣を見てみましょう。
[問題のある悪生活習慣]
①食事は必ず満腹になるまで食べる
②早食いでよくかまないで食べる
③朝食抜きが多く、夕食が遅い
④寝る前に何か食べる習慣がある
⑤宴会が多く、お酒を飲むと食べ過ぎてしまう
⑥冷たい飲み物をよく飲む
⑦揚げ物などが好きだ
⑧テレビを見ながらだらだら食べるのが好きだ
⑨運動するのが苦手だ
まずは、問題のある生活習慣をあらためるところからスタートしてください。



筋肉痛は、その痛む筋肉をこれ以上酷使するなというサイン、身体の防衛機能という側面もあります。まず、睡眠によって回復を図ることが大切で、特に筋肉の修復をするために大切な働きをする成長ホルモンが多く分泌される夜10時から朝の2時までの睡眠のゴールデンタイムと言われる時間帯はしっかりと寝るようにします。
運動した後、痛みが起きる前にストレッチを行う習慣をつけると、痛みを軽減することができます。また、運動前にウォーミングアップを十分にして、ストレッチも行うようにすれば、なお効果的です。
筋肉痛は、運動不足の証明でもあります。毎週末に山に行っているような人は、登山での筋肉痛とは無縁です。同じ筋肉であれば日頃十分刺激を与えておけば筋肉痛になることはありません。しかし、そうした運動習慣があっても、新たなスポーツやフォームに挑戦して、それまであまり稼働させていなかった筋肉を動員するとやはり痛みは起こります。それでも運動習慣のある人は、比較的軽くて済むのです。これは、運動習慣によって血管や心臓の機能が正常に保たれ、全身の血流が良くなるという運動効果の現れです。

炎天下での長時間の活動は、避けてください。亜熱帯化が進んでいると言われる日本では、最近35度を超える気温になることもあります。ご存知のようにこの気温35度というのは、日差しを遮ったところで計る温度です。アスファルトなどの照り返しを受ける炎天下の道路などは、さらに高い温度になっているのです。
先ほど紹介した「熱けいれん」の場合は、けいれんしている箇所を軽く伸ばし、マッサージをします。また、「熱疲労」の場合は、心臓よりも足を高くして仰向けに涼しいところに寝かせます。スポーツ飲料を少しずつ飲ませましょう。
毎年5月17日は高血圧の日とされていることをご存知ですか?
血圧が高くなる原因は、遺伝的な要素、肥満によるもの、運動不足によるもの、塩分の高い食生活や喫煙、飲酒の習慣などがあげられますが、普段あまり意識していなくともストレスが要因となることもあります。また、糖尿病や腎臓病などの病気が原因で血圧が高いという場合もあります。
日本人は高血圧になりやすいといわれますが、その要因の一つが遺伝子にあったわけです。この高血圧が日本人に最も多かった時期が、1960年代前半で、この時期をピークに下がる傾向にあるとされています。これは、1955年に高血圧の治療を受けている人が人口10万人に対して61人しかいなかったのに、1975年には475人になり、降圧薬を飲む人が増えたということからです。
また同時に降圧効果のある運動もお勧めします。運動療法は薬物療法や食事療法とともに高血圧治療に有効だとされています。また、体を動かすことで、心肺機能を高め、血液もサラサラにしてくれるので、心筋梗塞や動脈硬化予防にも役立ちます。
4月は、進学や就職、転勤など、新生活に適応するために何かとストレスの多い時期。何事にでも意欲的に取り組むのは素晴らしいことです。しかし、頑張り過ぎてしまうという人もいるでしょう。新しい環境にすんなり適応できる人はよいのですが、物事はなかなか上手く行かない場合も多いものです。俗にいう五月病に取りつかれてしまい、何やら疲れを感じてやる気を失ったりする人もいるのではないでしょうか。
疲れた身体をコーヒーで無理に覚醒させる習慣のある人は要注意。また疲れた時にカフェイン含有量の多いチョコレートを食べると、このカフェインが副腎を刺激してコルチゾールの分泌を促すため、自分を鞭打つ習慣がついてしまいます。結果的にはそれが副腎を疲労させてしまうのです。
新しいチャレンジとして、少々増えすぎてしまった体脂肪を落とすことも兼ねてスポーツに取組む人もいると思います。適度な汗をかく運動は、様々な健康効果をもたらしてくれますが、実は副腎のストレスも軽減してくれるのです。副腎から分泌されるコルチゾールは体内に蓄積された重金属が酸化して体内で炎症を起こした場合、対処のために使われます。この水銀などの重金属は、皆さんの大好きなマグロなど大型魚を食べるとそこに多く含まれているのですが、副腎を疲労させる原因の一つになってしまうのです。
今年初めて花粉症になったという人もいることでしょう。この10年の花粉飛散量の平均は、それ以前の10年間の平均と比べて2倍以上になっているというデータがあります。初めて花粉症を発症する年齢も、子供から高齢者まであらゆる年代に見られ、もうこの歳だから花粉症にはならずに済んだと安心することもできないのです。そうした人のためにも、その発症メカニズムをあらためて紹介します。
花粉を身体に取り入れないように、マスクで鼻と口を覆い、髪の毛への付着も帽子などで極力防ぎ、最近デザイン性も向上した花粉症対策用の眼鏡などで目からの花粉の侵入を防ぎます。市販されているほとんどのマスクは吸気に際して95%以上花粉を除去するとされています。ただ、マスクは花粉が付くと目詰まりしますから、できるだけ頻繁に取り替えるようにします。安いマスクを毎日使い捨てにすると経済的で、衛生的だとされています。
髪の毛や、衣服には外出中にたくさんの花粉が付着しています。花粉症でない人は、無頓着になりがちですが、家族に花粉症で苦しんでいる人がいる場合、できるだけ玄関に入る前に埃を払うように全身から花粉を振り落として、家に持ち込む花粉の量を減らしましょう。
ランニングやテニス、ゴルフ等を趣味のスポーツとして楽しんでいらっしゃる方は多い事でしょう。でも、中高年の方でこうした趣味のスポーツに熱中すると、必ずといって起きるのが筋肉や関節などの故障です。よくあるのがランニングで起こす、脚や膝の故障。テニスでは、テニス肘。ゴルフではゴルフ肩というのが有名ですね。いずれも特定の箇所に負担のかかる動きを、関節や筋肉などが耐えられる限界を超えて繰り返した結果、故障を引き起こしてしまうことが多いとされています。
例えばゴルフをした後に、プールで泳ぐ。そうすると疲労した脹脛の筋肉が、水泳のキックによる筋肉への刺激でほぐされ固くなった筋肉が柔らかくなります。これは、歩くという行為は足首を曲げた状態で脹脛の筋肉を使いますが、バタ足のキックは足首を伸ばしたまま主に太ももの筋肉を使って行なわれますから、隣接する脹脛にも豊富な血流がめぐり疲労物質を代謝させてくれるのです。
クロストレーニングは、普段行っている好きな運動に、水泳やウォーキング、自転車などを組み合わることで、特定個所に負担をかけずに、筋肉や関節の故障を防ぎながら、長い年月のアクティブな生活を可能にする大切なトレーニング方法です。ぜひお試しください。
有名な元格闘家に、サクセスストーリーと健康で強い精神や身体の作り方について話を聞いたところ、朝、晩と毎日二回瞑想しているということでした。前向きな発想を得たり、創造的な仕事をするときに、瞑想をしていると良い発想が生まれ、仕事も巧くいくと言います。瞑想の何が良いかというと、考えない状態を作り出す事ができる点です。脳の中では一日に何万回も様々なことを考えていますが、その大半がネガティブな内容なのです。特に座ってじっと考え事をした場合、何事にも否定的なシミュレーションが頭を過ります。過去の経験や悪い噂をベースにしたネガティブな予想や分析が、人間の脳は得意なのです。
座ります。別に固い床に座禅を組む必要はありません。自然にリラックスして楽に座れる状態であれば、椅子に座っても胡座をかいてもかまいません。できれば静かな部屋で、照明も少し落とします。背筋は伸ばしますが、緊張しない程度に。
瞑想をサポートする小物類もあります。アロマオイルで、心のリラックスを手助けしてくれるものがあり、アロマに抵抗が無い人にはお勧めです。座る姿勢を楽にする瞑想用のクッションもありますし、瞑想用のCDとして制作されたものも沢山あります。チベットの高僧が奏でる浄化音を聞く事ができるCDなどです。こうした小物で楽しく演出して、生活の中に瞑想を巧く取り入れることで、ストレスを軽減してはいかがでしょう。
2002年の第12回国際ウイルス学会で、それまで「ノーウォークウイルス」または「小型球形ウイルス」と呼ばれていたものが「ノロウイルス」と定められました。それまで、電子顕微鏡による観察ではその形態が認められていたウイルスの遺伝子解析が進んだ結果、正式な分類学上の名前がついたわけです。
脱水症状を進行させないためには、スポーツ飲料を薄めたものや経口補水液をこまめに飲ませるようにすると良いでしょう。水分補給の目安は体重1kgあたり50mlを4時間で与えます。10kgの体重の子供であれば500mlを4時間で給水というのが目安になります。病院で点滴による水分補給という方法もあるので、とにかく医療機関にまず診断を仰ぐことで、大事に至らないように注意しましょう。
まず、家族の一人が感染した場合、他の家族と隔離して看護する人間は一人にします。前記のようにアルコール消毒は効き目がありませんから、家族全員が流水と石鹸でこまめに手洗いするという衛生管理を徹底します。
高齢者になれば、誰もが運動機能の低下を実感することになります。しかし、低下のレベルは年齢に応じて一律というわけではありません。壮年のベテラン登山者でも難しいエベレスト登頂を、独自のウォーキングで肥満と糖尿病を克服し80歳で成し遂げた三浦雄一郎氏。60歳で剣道を始めて80歳で六段を取得したという人もいます。
11月30日、12月1日に行われる水泳のジャパンマスターズには、今年も99歳まである5歳刻みの年齢区分に3000人の参加が予定されています。
アンチエイジングを目指す食事法でも、「健康のために肉を食べなさい」というものと「長生きしたいなら肉は食べるな」という本が、書店に並べてあったりします。「40代からの節制は寿命を縮める」と「粗食のすすめ」というタイトルの本もあります。また、バナナや納豆やトマトジュースやサバの缶詰が話題になり、食料品店の棚から消えてしまうということもありました。ブームに乗って試した人も多いことでしょう。しかし、こうしたことを試してみるということも、あながち無駄だったということばかりではないのです。そのときに自分の身体にどんな変化が起きたかということを観察することで、自分の体質や適応状況を知ることができるのです。