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「骨粗しょう症」とは |
骨は、カルシウムやコラーゲンなどの繊維によって構成されていますが、この構成比は変わらなくても絶対量が不足し、骨の微細構造が劣化した状態を「骨粗しょう症」といいます。初期の症状は、背骨や腰の痛みを感じる程度ですが、進行すると骨がつぶれてきて背中や腰が丸くなってきます。
骨密度の基準値は、骨密度がピークを迎える20歳から44歳までの間の平均値を取り、その基準値から80%以下を「骨減少域」、70%以下を「骨粗しょう症」と判断します。男女ともに生理現象として、自然に骨量は減少してきますが、女性は閉経を境に減少量が増加し、60歳代で約3割、80歳代では約6割の人が発症すると言われています。 一般的に「骨粗しょう症」の原因、または危険因子とされるものは、加齢、性別、早期の閉経、やせた体格、薬物による影響、運動不足、カルシウム摂取不足、ビタミンDの摂取不足、喫煙、アルコールの過剰摂取、偏食等があげられます。 しかし、Aさんの場合は、多少アルコール摂取量が多いという程度でこうした例にはあてはまりませんでした。もう少し、要因について掘り下げてみましょう。 |
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代謝による骨量の低下 |
様々な栄養素は、身体の中に取り込まれ、必要な箇所で利用された後、不要となったものは排泄されるという「代謝」が行われます。カルシウムも同様で、身体に取り込まれ硬い骨としての役割を果たし、また身体の外に排出されることを「カルシウム代謝」といいます。このカルシウム代謝が激しいスポーツやある種の薬物により過剰に促進されることがあります。良く知られる薬剤でステロイドというホルモン剤もこれにあたります。ステロイドは抗炎症剤として効果的な薬ですが、その利用には注意が必要で、常用すると1年程で骨量が著しく減少するとされています。どうしてもステロイドを使わなければならない場合、カルシウムとビタミンDを補給して副作用を押さえる必要があります。
また、骨折してギプスで固定すると1日に1~2%の筋力低下とともに骨量の低下も起こります。宇宙飛行士が無重力の環境で、1日あたり200mgのカルシウムが骨から失われるというのも骨に刺激を与えないという同様の要因からと考えられます。初期の宇宙飛行士は、このため地球に帰還すると筋力と骨量の低下でまず立って歩けないという状況になっていました。骨に刺激のない無重力の環境では、身体が骨のカルシウムを不要なものとして、代謝してしまったわけです。 逆に、骨に加重による力が加わるとその骨はストレスで変形します。変形の割合が一定の範囲を超えたとき、骨はそのストレスに負けまいとして骨量を増やします。骨の量が増えてそのストレスによる変形の割合が一定範囲内に収まるまで、骨は強くなり続けるという性質があるのです。 |
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転んで骨を折らないために |
高齢者の約3割が年間に1回以上転倒を経験するというデータがあります。その数%が骨折を起こしていると考えられ、その2割以上が、大腿骨頸部骨折だとされます。
Aさんは、幸い50歳という比較的若い年齢だったため、1ヶ月安静にし、食事と投薬で骨は元通りに回復しましたが、高齢者の場合、治療に時間がかかる場合もあり、そのまま寝たきりになってしまうケースも少なくありません。 「骨粗しょう症」の予防のためには、骨量を増やす目的ばかりでなく、できるだけ転倒しないような身体作りも大切になってきます。転倒は、バランスを崩したときに起こりますので、バランスを保つための反射神経に連動する筋力をつけましょう。 |
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正しいスクワット |
| どこでも簡単にできるスクワットで、身体の重量を十分に支えることができる筋力を養います。
肩幅より少し広く足を開き、足先を外側に開いて立ちます。手を腰か太ももに置いて、息を吸いながらお尻を突き出すようにして太ももが床と平行になるようにしゃがみます。大切なのはこのとき背筋を伸ばしておこなうこと。息を吐きながらゆっくりと立ち上がり、膝が伸びきらないところで止まって、またしゃがみます。 膝を伸ばしきると膝の負担が大きくなるのと筋肉に対するトレーニング効果が少なくなるので、必ず膝を伸ばしきらずに続けてゆっくりしゃがみます。これを無理のない回数行い、毎日継続するようにしましょう。 |


骨は、カルシウムやコラーゲンなどの繊維によって構成されていますが、この構成比は変わらなくても絶対量が不足し、骨の微細構造が劣化した状態を「骨粗しょう症」といいます。初期の症状は、背骨や腰の痛みを感じる程度ですが、進行すると骨がつぶれてきて背中や腰が丸くなってきます。
様々な栄養素は、身体の中に取り込まれ、必要な箇所で利用された後、不要となったものは排泄されるという「代謝」が行われます。カルシウムも同様で、身体に取り込まれ硬い骨としての役割を果たし、また身体の外に排出されることを「カルシウム代謝」といいます。このカルシウム代謝が激しいスポーツやある種の薬物により過剰に促進されることがあります。良く知られる薬剤でステロイドというホルモン剤もこれにあたります。ステロイドは抗炎症剤として効果的な薬ですが、その利用には注意が必要で、常用すると1年程で骨量が著しく減少するとされています。どうしてもステロイドを使わなければならない場合、カルシウムとビタミンDを補給して副作用を押さえる必要があります。
これにあてはめると、Aさんは、あまり骨に体重や重力での刺激のない水泳を、それも激しいトレーニングメニューで何年も続けた結果、代謝により骨量を減らしてしまったということも考えられます。日常、歩く距離より泳ぐ距離の方が長いというオリンピック選手のような生活は、一方で骨量の低下に気をつけなければならないかもしれません。骨量を保つためには、水泳だけでなくウォーキングや軽いジョギングで骨に刺激を与える運動の併用が必要だということになります。同時にカルシウムだけでなく、タンパク質やビタミンDなどを含んだ食べ物を積極的に摂るようにすることが大切です。
高齢者の約3割が年間に1回以上転倒を経験するというデータがあります。その数%が骨折を起こしていると考えられ、その2割以上が、大腿骨頸部骨折だとされます。
ニコチンの身体的依存の人は、喫煙が途絶えてニコチンの血中濃度が下がってくると、集中力が低下し、イライラするようになります。さらに頭痛、倦怠感、肩こりや歯が浮くという症状を起こす人もいます。一般的に禁煙後2~3日目が最もつらい症状となり、1週間程で軽くなってきます。この時期に、我慢できなくなって禁煙に失敗するという経験を繰り返す人も多いことでしょう。タバコがやめられないということが、意志が弱い証拠だと思い込んでしまったりする人もいますが、実はタバコには麻薬にも劣らない強い依存性があるのです。麻薬依存への対処は、治療の対象になることはよく知られています。しかし、タバコも同様だと考えた方が、禁煙の近道になるのです。
ニコチンガムはガムのように噛むとニコチンが口の粘膜から吸収されるもので、タバコを20本以上吸っていた人は、一日にこのガムを6~9個用います。一つを15分程度かけてゆっくり噛むとニコチンが体内にゆっくりと吸収されます。ガムの個数を徐々に減らしていって最終的にニコチンの摂取がなくても、禁断症状があらわれないように身体をコントロールして、禁煙を行います。ガムにはタバコをやめた口寂しさを紛らわせてくれるという利点もあります。
ニコチンパッチは、一日一枚ニコチンの入ったパッチを皮膚に貼ってニコチンを皮膚から吸収させるというものです。気をつけなければいけないのは、この治療を行っているときに、タバコを吸うと大量のニコチンを接種する事になり、中毒症状を起こす危険があります。そのため現在薬局では、処方箋がないと買えないようになっています。
肌が弱いためにニコチンパッチが使用できない場合は、禁煙によるイライラを軽減するとともに、タバコを美味しく感じさせない効果のあるニコチンを含まない飲み薬を飲むという方法もあります。1日2回食後に服用します。飲み始めの一週間はタバコを吸いながら服用し、8日目から禁煙を開始するというもので、タバコが心底嫌いになる効果が期待できます。服用期間は12週間となっています。
禁煙すると人は太ります。タバコは大人のオシャブリと言った人がいますが、確かに口寂しくてついつい間食をしてしまったりして、カロリーオーバーになりがちです。人によっては、まるで舌の薄皮が何枚も剥がれるようにそれまで感じなかった味が分かるようになり、食べ物がとても美味しく感じられるようになったりするようです。でもそれは、幸せなことではないでしょうか。一時的に体重が増えたとしても、今度は運動で息切れがしないようになります。適度な運動を楽しむことで、健康な身体を手に入れるチャンスが増えるわけですから、禁煙の向こうには今まで感じた事のなかった幸せが待っているかもしれません。






















