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まめ知識カテゴリ: 健康まめ知識

偏頭痛、この痛みを何とかしたい!(2006年3月)

 

     
 
3月のテーマ:
偏頭痛、この痛みを何とかしたい!
 徐々に暖かくなり、春めいた気分を感じる 3 月。そんな季節の訪れとは裏腹に、季節の変わり目は体調に異常をきたしやすい時期でもあります。ホルモンバランスの変化や、新しい生活への不安などからくるストレスが、偏頭痛のきっかけとなることも…。今回は、辛い痛みを防ぎ、軽やかな気分で新しい季節を迎えるためのお話です。 
 
     

 

偏頭痛とは?
 
 

経験された方は良く分かる、というより、経験しなくては分からないのが偏頭痛の痛み。自分の脈や血液の流れに呼応するように、頭がズキズキと激しく痛むのが偏頭痛の痛みです。主に頭の片側だけに起こるといわれ、ときにはめまいがしたり嘔吐してしまうほど、ひどい痛みを伴うこともあるようです。 偏頭痛で悩む人には女性が多く、それも 20~50 歳代の年齢層に多いという特徴があります。月に数回頭痛が起こり、一度始まると数時間からひどいときは 3 日間に渡って頭痛が続くことも。また、頭痛が始まると音や光に敏感になり、喧騒やテレビの音などが神経に障ってさらに頭痛が増したり、症状が悪化するなどの悪循環に陥る場合もあります。

 
偏頭痛の原因
 
  偏頭痛は血管性の慢性頭痛で、脳の中に張り巡らされた血管が拡張するときに、周囲の神経が引っ張られて痛みを引き起こします。その血管が拡張する原因はさまざまで、女性ホルモンの急激な変化や、血管収縮物質であるセロトニンの過剰放出によるセロトニンの減少であるなど、いろいろな説が出されています。偏頭痛の原因は、実はまだはっきりとは分かっていないのです。
 
卒中の種類

偏頭痛の起こる誘因

 
過労・ストレス・睡眠不足
 

睡眠不足が続いたり、疲れがたまる過労状態、仕事・人間関係などのさまざまな精神的ストレスは脳に影響を与えます。過労やストレスなどで脳が緊張状態になると、脳内の血管が収縮し、その後反動で血管が拡張するため、偏頭痛が起きやすくなります。

気候の変化
 

低気圧が近づいたり、気温が下がるなどの変化があると、脳内の血管が収縮し、偏頭痛が起きやすくなります。

女性ホルモンのバランス
 

月経や妊娠などで、女性ホルモンの分泌は変化し続けています。このホルモンバランスの変化も、偏頭痛の誘因のひとつと言われています。

   
偏頭痛は遺伝する性質もあり、人によってはアルコールなど特定の食品が偏頭痛の誘因となることもあるようです。
偏頭痛の対策・予防策
 

ひどい痛みを感じたらまずは医師にかかることですが、偏頭痛については先ほどもお話したとおり、はっきりとした原因が分かっていません。そのため、頭痛の原因が特定できなかったり、処方してもらった薬で改善しないケースもみられます。

そこで大切になってくるのが「体質および生活習慣の改善」です。まずは、脳の活動に影響をおよぼす自律神経の働きを整えるため、早寝・早起きといった規則正しい生活を普段から心がけましょう。痛みが始まったときは、音や光を避けるようにし、暗い静かな部屋で安静にします。そして、患部を冷やしたり、こめかみのあたりを少し強めにゆっくりと押さえてみましょう。また、コーヒーやお茶などに含まれるカフェインは血管を収縮させる作用があるので、気分を落ち着けるためにも、暖かいコーヒーやお茶を飲むのもいいでしょう。

ちなみに、偏頭痛にはミネラルの一種であるマグネシウムの不足が関係するとも言われています。 400mg のマグネシウムを毎日摂取すると、 1 ヶ月後には偏頭痛の起こる頻度が減少したという例も報告されています。マグネシウムはサプリメントで摂ることもできますが、食品なら黒豆やひじきなどに多く含まれています。

 

<代表的な食品におけるマグネシウムの含有量( 100g あたり)>

 

干しひじき  540mg

ごま      350mg

黒豆      220mg

納豆      100mg

カルシウム不足も脳血管を緊張させる原因となるので、カルシウムもあわせて摂取を。カルシウムとマグネシウムを「 2 :1」の割合で摂取し、規則正しい生活をこころがけ、偏頭痛になりにくいカラダつくりをめざしましょう。

 

 

最後の寒気、 冬場は脳卒中の危険度大!(2006年2月)

 

     
 
2月のテーマ:
最後の寒気、

冬場は脳卒中の危険度大!

 暦の上では春、徐々に暖かい日も増えてきました。しかし年間で一番気温が低いとも言われる季節です。晴れた日中などは春の陽気ですが、それでも夜間は冷え込むことも多いのがこの時期。そこで注意したいのが、暖かい室内から急に寒い室外へ出たときや、お風呂場・お手洗いなど暖房のきいてない場所へ移動したときなどに起こりやすい脳卒中。寒い時期の脳卒中発症率は、暖かい時期の1.5倍になると言われています。今回は、その脳卒中についてご紹介します。日常生活から気を配り、危険を減らしましょう。
 
     

 

脳卒中ってどんな病気?
 
 

脳卒中とは、脳の血管がつまったり破れるなどしたために、その先に酸素が届かなくなり脳細胞が死んでしまう病気のこと。脳が急に(卒然と)悪い風に当たる(中る)ために起こる病気と解釈され、このような名前がつけられたと言われています。

大きな発作が起こると、半身麻痺になったり急に倒れて意識がなくなったりします。一方、脳の血管が一時的につまるために起こる「前触れ」の発作が出ていることもあります。この前触れには、一時的に半身が麻痺したり言葉が出てこなくなったりするほか、手足のしびれ、物が二重に見えるなどの現象があり、前触れに気づいて早めに治療をすることが大切です。脳はきわめてデリケートな器官のため、血管の病変によってうけた障害は、迅速に処置しないと大きなダメージが残ってしまうので、脳卒中の治療は時間との戦いと言われています。

 
脳卒中の種類
 
脳梗塞
 

脳を養う血管がつまるタイプで、次の3種類に分けられる。脳卒中死亡の60%以上を占めています。

「アテローム血栓性梗塞」

脳の太い血管の内側に、ドロドロしたコレステロールのかたまりができ、そこに血小板が集まって動脈をふさいでしまう。

「ラクナ梗塞」

脳の細い血管に動脈硬化が起こり、血管がつまってしまう。

「心原性脳塞栓症」

心臓にできた血栓が流れてきて、血管をふさいでしまう。

脳出血
 

脳の中の細い血管が破れて出血し、神経細胞が死んでしまうタイプ。高血圧や、加齢によって脳血管が弱くなることで、血管が破れてしまうことが主な原因となる。日中活動しているときに頭痛やめまい、半身の麻痺、意識障害などが起こる症状で、脳卒中死亡の約25%を占めます。

くも膜下出血
 

脳を覆っている軟膜、くも膜、硬膜という3つの層の膜のうち、くも膜と軟膜の間にある動脈瘤が破れて、あふれた血液が脳全体を圧迫することで起こる。動静脈奇形が出血の原因となる場合もあり、突然激しい頭痛が起きたり、嘔吐、ケイレンなどが起こる。意識不明になり急死することもある。脳卒中死亡の10%強を占める。

常生活の注意点
 
 脳卒中を防ぐには、高血圧予防が第一。そのため、高血圧の原因となる生活習慣を見直し、改めることが大切です。
日頃から自分の血圧を把握し、基礎疾患の管理をしておく
 

健康診断や測定器具などを利用して、自分の血圧がどのくらいなのか把握しておきましょう。血圧が高めな人は、食事のバランスなどにも気をつけて。特に塩分のとり過ぎは血圧を上げる原因になるので、血圧の高い人は一日7gを目安に。

急激な温度変化を避ける
 

暖かい場所から、急に寒い場所へ移動すると血圧が急激に上がるため危険です。特に冬場のお風呂や夜間のお手洗いなどは要注意。お風呂は熱いシャワーを出しておくなどして浴室内を温めておくとよいでしょう。

過労・睡眠不足に注意する
 

過労や睡眠不足は血圧を高めます。夜更かししないよう、気をつけて生活リズムを整えましょう。また、ストレスも身体の大敵。睡眠と併せてリラックス法などを見つけ、上手にストレスを解消しましょう。

喫煙・飲酒はほどほどに
 

毎日お酒を飲む人(日本酒なら1合以上の量)は、脳卒中で死亡する人が多くなるという統計が出ています。また、1日平均40本以上のたばこを吸う人は、吸わない人に比べて死亡率が約4倍にもなります。

肥満に注意する
 

肥満は脳卒中の危険因子である高血圧や糖尿病の原因になるため、間接的に脳卒中の危険因子となります。肥満を防ぐためにも、日ごろから運動する習慣を。また、運動不足は肥満につながるだけでなく糖尿病や高脂血症、高血圧も引き起こすので要注意!

便秘にも注意する
 

あまり意識しないことですが、排便時にりきむと、血圧が上昇します。なんとクモ膜下出血の20%は用便中に起きているという報告もあるのです。便秘がちな人は特に、便通にいいとされる食物繊維を多く含む食品や水分を多く摂るなど、食生活にも気をつけましょう。

 

 脳卒中は、発症してからの迅速な対応が大切ですが、それよりもまずは脳卒中にかかる危険を減らす身体と生活習慣づくりが最優先の課題。血圧管理をはじめ、食事に気をつけて塩分やコレステロールの摂取を減らすよう気をつけて生活しましょう。

 

 

ウォームビズで 低温やけどを予防しよう!(2006年1月)

 

     
 
1月のテーマ:
ウォームビズで

低温やけどを予防しよう!

 新年明けましておめでとうございます。今年も一年、家族揃って健康で元気な生活を送れるよう、日ごろから体に気をつけていきましょう。さて、今回は寒い季節に大活躍のカイロやコタツについてのお話を。この時期手放せないあったかアイテムも、使い方を誤ると重症な低温やけどの原因となることもあるのでご注意を!
 
     

 

低温やけどとは?
 
 

人間が快適で暖かいと感じる温度を放出する熱源でも、それが同じ部位に長時間接触することによっておこるやけどのこと。 60 ℃前後で約 1 分、 50 ℃前後で約 3 分、 45 ℃前後でも約 6 時間同じ部位に接触していると起きるといわれています。熱湯などによる高温やけどの場合は、「熱い」と感じてすぐに熱源から離れることができ、対処もできますが、低温やけどの場合は低い温度でゆっくりとやけどが進行するため、自覚することが遅れ、症状も重くなってしまいます。熱源に長時間触れていなければ何の問題もありませんが、「熱い」と感じる温度ではないため、普段何気なく使っている温熱器具が低温やけどの原因となることも。温熱器具を日常的に使用する冬場こそ、日ごろの注意が必要なのです。

 
低温やけどの原因と症状
 
■ 低温やけどの原因となる温熱器具のベスト 5

1.使い捨てカイロ

2.湯たんぽ

3.あんか

4.電気コタツ

5.ホットカーペット

使い捨てカイロやホットカーペット、湯たんぽなど直接体に触れる物の他、あんかや電気コタツなど体に直接触れない器具でも低温やけどの原因になるのです。

また、低温やけどは、表面上それほどひどくないように見えても症状が重いケースが多い、恐いやけどです。通常やけどの程度は症状によって3段階に分けられ、表皮のみのごく軽いやけどを指す「1度熱傷」、表皮の下にある真皮まで達してしまい水疱ができてかなりの痛みを伴う「2度熱傷」、そして。真皮の下の皮下脂肪までに及ぶ相当重い「3度熱傷」となります。

なんと、低温やけどは内部では2度熱傷や3度熱傷にまで達してしまう場合が非常に多いのです。ちなみに3度熱傷まで達すると再生可能な細胞組織がすべて壊死してしまい、痛みは感じず皮膚も再生してきません。そのため、やけどの面積が広いと皮膚移植が必要になります。また、皮膚組織が壊死してしまった場合、感染症にかかりやすくなるので注意が必要なのです。

低温やけどの治療と予防
 
 温熱器具を使っているときに、皮膚が赤くなっていたら低温やけどを起こしている可能性があります。低温やけどになってしまった場合は、水で冷やしても効果はありません。そのため、たとえ患部が狭くても速やかに病院へ行き診察を受けましょう。先に書いたとおり、感染症の予防のためにも必ず医師の処置が必要なのです。また、低温やけどが広い範囲に及ぶようなら、皮膚移植が必要になってしまうこともあるので、自分で判断せず、必ず病院へ行くこと!
低温やけどを防ぐには
 

・使い捨てカイロは肌に直接貼らない。

・湯たんぽはタオルなど布にきちんとくるんで使う。

・暖房器具の温度は低めに設定する。

・コタツや、ホットカーペットの上で眠らない。起きているときもクッション等を使って、熱源が肌に直接触れないように気をつける。

   
 

以上、日ごろから注意できることばかりです。疲れているときやお酒を飲んだ後などは、熱さに気付かない場合が多いので特に注意しましょう。また、乳幼児やお年寄り、思うように動けない病人へは周りの家族が注意して配慮してあげる必要があります。

ちなみに、かかとやくるぶし、すねなどは皮膚のすぐ下に骨があるため、毛細血管が圧迫され、やけどをしやすい部位といわれています。

 

 最近では、ノートパソコンで低温やけどをしたという事例も出ています。熱を持ちやすいノートパソコンは、キーボードの上も熱くなりやすく、長時間手を置いて作業していたために手のひらが低温やけどになってしまったそうです。また、靴(靴下)用カイロの使用にも注意が必要。これは酸素の少ない靴の中での使用を目的として製造されているので、腰やお腹などに使用した場合酸化反応が過剰に起こり、高温になることがあります。これは靴を脱いだあとに貼り続けていても同じ状態になります。これらの事例も踏まえ、使用法にはくれぐれも注意しましょう。

近頃叫ばれている「ウォームビズ」。低温やけど防止のためにも、温熱器具の使用を控え、重ね着やブランケットなどを活用して体に優しい温かさを得る工夫をしましょう。

 

 

身近なアレルゲン 「ハウスダスト」を大掃除!(2005年12月)

 

     
 
12月のテーマ:
身近なアレルゲン

「ハウスダスト」を大掃除!

 いよいよ師走。一年の締めくくりとして、そして新年を迎える準備として、大掃除の季節になりました。普段なかなか掃除をしない場所まで徹底的にキレイにするそのついでに、今年は「ハウスダスト」もお掃除しましょう。ということで、今回は近年騒がれているハウスダストの正体と対策についてご紹介します。
 
     

 

ハウスダストとは?
 
 ハウスダストとは、ご存知の方も多いと思いますが、空気中の目には見えないほど小さなホコリのことです。その正体は、チリやホコリの他、ダニの死骸やフン、花粉や胞子、タバコの煙粒子など様々。これら空気中に浮遊する微粒子を総じてハウスダストと呼びます。
このハウスダストが鼻炎や皮膚炎などのアレルギー症状や、花粉症、ぜんそくなどの症状を引き起こす原因になるとも言われ、専用の対策製品も多く目にします。また、最近では高気密の構造で建てられた住宅が増え、その気密性が却ってハウスダストの問題を深刻なものにしているとも言われます。
 
ハウスダストを防ぐには?
 
 基本はやはりこまめなお掃除。床にはあまり物を置かないように、整理整頓して普段から掃除のしやすい部屋にしましょう。細かいホコリはダニのエサになるため、普段のお掃除がダニの発生防止にもつながります。一番のポイントは、家具や床などにホコリが溜まらないように注意すること。これは毎日のお掃除が大切ですが、掃除の際もホコリをたてないように、掃除機で吸い取るか雑巾でふき取るようにしましょう。ただし、掃除機もハウスダスト対策のしてあるものを。吸い込んだホコリが排気と一緒に出てしまうタイプのものでは、ホコリをまた撒き散らしてしまうことになるので、一度ご家庭の掃除機をチェックしてみましょう。

また、お部屋の換気も重要なポイント。カビの発生を防ぐことにもなるので、換気はこまめに行いましょう。その際、空気のこもりがちな押入れやタンスも開け放しておきます。さらに扇風機などで強制的に空気を循環させると効果的。空気清浄機を利用するのもおススメです。

普段からできる対策
 
 それでは、家庭で行える乾燥肌対策をご紹介します。乾燥を防ぐ=保湿。今日から実践して、潤いのあるお肌を手に入れましょう。
ファブリックの場合
  ・ホコリの溜まりやすいじゅうたんや、毛足の長いカーペットなどはなるべく避けること。使う場合は、ホコリが気にならなくてもこまめに掃除機で吸い取る習慣をつけましょう。ぬいぐるみなどもダニがつきやすいので、同様に。

・肌に直接触れる寝具も、干しただけでは取れないホコリやダニの巣。カバーをこまめに洗濯するのはもちろん、布団なども掃除機で吸い取るようにします。そして布団を干すときは、よく晴れた日の10時~午後2時の間に干すのがベスト。干している時に叩くのではなく、取り込んだときに掃除機をかけるほうが効果的です。

・意外と忘れがちなカーテンもお掃除を。叩いてホコリを落とすのではなく掃除機で表面のホコリを吸い取り、定期的に洗濯するかクリーニングに出しましょう。

   
キッチンや浴室の場合
  ・ダニやカビは湿度を好むため、流しを使った後や入浴後は水滴をふき取り、換気扇を回しましょう。加えて、家や部屋が換気の悪い造りの場合、換気扇はなるべく回しっぱなしにしておきます。
大掃除の時のポイント
  ・マスクを着ける

ホコリを吸い込まないよう、マスクなどを着けて掃除にとりかかりましょう。
・エアコンのフィルターを掃除する

やらなくては、と思いつつなかなか手が出ないエアコンの掃除。フィルターにたまったホコリをとり、キレイに掃除しましょう。ハウスダストの軽減だけでなく、電気代の節約にもなるので、月に一度は掃除するよう心がけましょう。
・押入れを掃除する

目だったカビなどがなくても、押入れの中のものを出してふき掃除と換気を。掃除する間、しまってあった本などは日干しをしておくとカビ防止になります。また、サイズも豊富で手軽なダンボール製の収納を活用している家庭も多いと思いますが、紙の素材は吸湿性が高いのでカビの発生を助長する可能性が。他の素材に変えるか、収納箱自体もときどき日干しするなどの工夫をしましょう。

   
   たかがホコリ、されどホコリ。なんとなくホコリっぽいなと感じると、キレイな空気が吸いたくなるのは当然の身体の反応です。放っておくと咳がでたり、鼻がぐずついたり、様々なアレルギー反応を引き起こす原因ともなりかねません。普段からのお掃除、換気などに加え普段手の届かない場所も掃除して、家中のホコリと汚れた空気を徹底除去!すがすがしい空気の中で新年を迎えましょう。

 

 

空気の乾燥する季節。 乾燥肌対策を万全に!(2005年11月)

 

     
 
11月のテーマ:
空気の乾燥する季節。

乾燥肌対策を万全に!

 今年も残すところあと2ヶ月、そろそろ冬めいて空気が冷たくなるとともに乾燥してまいります。寒い季節になると、腕や足、背中がカサカサ乾燥してかゆくなってしまう人も多いのではないでしょうか?そこで、今回は乾燥肌を防ぐ対策法をご紹介します。乾燥は美容の大敵でもあるので、女性のみなさんもしっかり乾燥対策&保湿をして潤いのあるお肌を手に入れてください。
 
     

 

乾燥肌とかゆみのメカニズム
 
 乾燥肌には生まれつきの肌質も関係していますが、日ごろの生活や肌のお手入れによって乾燥しやすくなってしまうケースも多く見られます。人間の肌は何層にも分かれていて、一番上の層、外気と接する層が「角質層」です。角質層には外界の刺激物質や細菌から皮膚を守る役目と、肌の潤いを保つという役目がありますが、その厚さはわずか2,000分の1mmしかありません。その薄さの中に、15~40%の水分を含んでいます。角質層の水分が少ない状態が乾燥肌ということになります。

かゆみを感じる神経線維は、肌の奥にある真皮から表皮に向かって伸びています。皮膚が乾燥してくると、皮膚の基底層の細胞から神経を伸ばす作用のある神経成長因子(NGF)という物質が放出され、角質層のすぐ真下までかゆみ線維を成長させてしまいます。つまり、皮膚の一番表面に近いところまでかゆみを感じる神経線維が伸びてくるため敏感に反応しやすくなってしまうのです。また、身体を洗うときにナイロンタオルでこすったり、かみそりでむだ毛を処理したりすることで角質層が必要以上にはがれてしまうと、角質層を保護するセラミド(角質細胞間脂質)や天然保湿因子(NMF)が失われ、敏感肌の原因にもなります。さらに冬は皮脂の分泌量が減るため、皮膚を保護する油分が不足してますます乾燥しやすくなってしまいます

乾燥肌対策いろいろ
 
 それでは、家庭で行える乾燥肌対策をご紹介します。乾燥を防ぐ=保湿。今日から実践して、潤いのあるお肌を手に入れましょう。
お風呂編
 

・摩擦の多いナイロンタオルは使わない。

身体を洗うときは石鹸をよく泡立て、手で洗うようにしてみましょう。もしくは、敏感肌用のボディタオルなどを利用し、石鹸など洗浄料をつけないで軽くこすり洗いするのもおススメです。お湯につかって体温が上がると毛穴が開き、皮脂や汗と一緒に老廃物などが浮き上がってくるため、洗浄料なしでも汚れは落ちます。

・入浴剤を利用する。

市販されている入浴剤のほとんどは乾燥肌に効果がありますが、保湿効果と水分揮発防止効果(素肌に膜をはり、集めた水分を逃さない作用)の2つの効果を併せ持った入浴剤がベストです。

・湯船の湯気を有効活用する。

まず、熱すぎない湯船に浅めにつかり、頭からタオルをかぶります。次に顔をお湯に近づけて1分間くらい湯気を顔にあてます。身体を起こして少し休憩し、再びタオルをかぶってまた1分。これを5回ほど繰り返すと、スチーム効果でお肌がしっとりすべすべになります。

・かみそりでのむだ毛処理は、入浴中にしない。

入浴中にかみそりを使うと、角質層が必要以上にはがれてしまいます。むだ毛をかみそりで処理する場合は、お風呂上りの清潔な状態で、かみそりとの摩擦を防ぐために保湿剤を塗った状態で行うようにしましょう。

・熱いシャワーは避ける。

必要以上に熱いシャワーは、直接肌を傷める原因となり、乾燥を悪化させます。冬場は冷えますが、ぬるめのお湯にゆっくりつかる入浴が一番。洗顔のときも、シャワーを直接顔にかけるのは刺激が強すぎるのでやめましょう。

・お風呂あがりにはたっぷり保湿する。

お風呂上りの身体は、内側からも乾いています。たっぷり水分をとり、体内から真皮へ、そして表皮へと潤いをあたえましょう。また、入浴で失われたお肌の水分や皮脂分は、乳液やクリーム、ボディローションでしっかり補うこと。ひじやかかとなどがガサガサしている場合は、ホホバオイルなどを塗るといいでしょう。

生活編
 

・部屋の湿度に気を配る

エアコンの使用は、部屋の湿度を低下させて肌の乾燥を招きます。エアコンの使用は最低限にし、加湿器を使用するなどして部屋の湿度を保ちましょう。加湿器がない場合は、濡れたタオルを室内にかけておくだけでも加湿効果が得られます。

・身体を動かして、血行をよくする

肌をつくる栄養素を運んでいるのは、身体中を巡る血液です。血行が悪くなると栄養が行き届かなくなるため、皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)が遅れ、肌の乾燥につながります。肌へとつながる血管の末端部分には、心臓のポンプの圧力が届かないため、身体の筋肉を動かすことでしか血液を行き届かせることができないのです。毎日少しでも身体を動かし、血行をよくすることを心がけましょう。

・規則正しい生活と食事を心がける

健康な肌を作るには、規則正しい生活と十分な睡眠時間が欠かせません。また、肌を作る栄養素は、食べ物から摂取するので、バランスよい食事をとることも忘れずに。規則正しい生活と食事が、肌の細胞分裂を活発にし、健康で瑞々しい肌を保ってくれます。

 

・化粧品にも気を配る

毎日のお化粧も、肌の乾燥を招きます。特にパウダリーファンデーションや粉おしろいは肌の潤いを取ってしまうので注意が必要。お化粧前には「つけすぎかな」と思うくらいたっぷりの美容液(セラミドなどの保湿成分を含んだものがベター)や乳液をつけ、少し時間をおいてからメイクします。保湿効果のある化粧下地を使うのもよいでしょう。

・日焼け止めの使用にも注意する

日焼け止め用の化粧品などに含まれている紫外線散乱剤は、紫外線対策には欠かせない成分ですが、同時に肌の乾燥を招いてしまいます。冬場はあまり使用する機会はないかもしれませんが、使うときは量や時間に気をつけ、乾燥しやすい目元・口元への使用は最低限にしましょう。

   私たちの肌に含まれる水分量は、赤ちゃんのときがピークで、20歳を過ぎた頃から急激に減少します。さらに40代にさしかかる頃には、肌表面の油分も失われてくるため肌の乾燥はより加速してしまします。化粧品のCMなどで、よく「アンチエイジング」という言葉を耳にします。しかしどんなに気をつけても肌の老化は進み、乾燥しやすくなっていきます。ハンドクリームやボディクリーム、そして保湿化粧品などを積極的に使うとともに、普段の生活でも乾燥対策を万全にして乾燥する季節をのり越えましょう。

 

 

食欲の秋。 正しい知識で健康的にダイエット!(2005年10月)

 

     
 
10月のテーマ:
食欲の秋。

正しい知識で健康的にダイエット!

 徐々に肌寒くなり、道行く人々の服装にも重ね着が目立ってきました。真夏のように露出度の高い格好をすることは減りましたが、食欲の秋と考えるとやはり気になるのが「太る」という言葉。特に世の多くの女性や、中年太りの気になるお父さん達にとって「ダイエット」は常に気になる話題ではないでしょうか。今回は肥満とダイエットについて取り上げ、ただ痩せるのではなく健康的に、効果的に、身体を「引き締める」方法についてご紹介します。
 
     

 

「肥満」のメカニズム
 
肥満とは、その人の標準体重より重いということではなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態のことをいいます。下に肥満のタイプをいくつかの分類に分けて挙げますので、自分のタイプと問題点、適したダイエット法をチェックしてみましょう。
体型による分類
 

見た目で判断する、一番分かりやすい分類。脂肪の多くついている部分で判断します。
1.内臓脂肪型(リンゴ型)

多くが「上半身肥満」で、腹部の内臓に脂肪がたまり、弾力のあるタイプ。「ビール腹」ともいわれるいわゆる中年太りの体型で、男性に多く見られるタイプです。肥満による合併症を起こしやすいタイプでもあり、運動による減量が効果的です。

内臓脂肪型は生活習慣病と関わりが深く、高血圧、脳卒中、糖尿病、虚血性心疾患などのリスクファクターとなりますが、運動による減量で効果が出やすいので、日ごろから積極的に身体を動かすように心がけると良いでしょう。

2.皮下脂肪型(洋梨型)

多くが「下半身肥満」で、腕や足、お尻などの皮下に脂肪がたまり、ぶよぶよしたタイプ。日本女性の典型的な体型とも言われ、女性に多く見られる体型です。

女性は年齢と共に脂肪のつく場所に変化が見られることが多く、20代後半ころまではお尻や太ももについていた脂肪が、30歳を過ぎたあたりからウエストやお腹まわりにつきやすくなり、更に皮膚のハリがなくなることや筋力の減退、重力の関係でお尻が垂れ下がってきます。肥満による合併症を起こす心配はあまりありませんが、美容の面からも余分な脂肪をためないこと、適度な筋肉を維持することは大切です。

脂肪細胞からみた分類
 

1.脂肪細胞肥大型

脂肪細胞のサイズが大きくなる肥満で、痩せると脂肪細胞のサイズが小さくなります。成人期以降に多く見られ、内臓脂肪型に多い肥満のタイプです。

2.脂肪細胞増殖型

脂肪細胞の数が増え、痩せても脂肪細胞の数は減りません。乳児期や思春期に多く見られ、皮下脂肪型に多い肥満のタイプです。

脂肪細胞は見た目には分かりにくいため、肥満になった時期で判断しましょう。注意すべきなのは、一度増えた脂肪細胞は小さくはなってもなくなることはないということ。思春期頃までにすでに肥満で、それ以降に太るという、脂肪細胞肥大型と増殖型のふたつのタイプを併せ持った肥満は、重度の肥満症に陥りやすくなるので注意が必要です。
肥満の弊害
 
「肥満は万病のもと」とも言われ、肥満になると多くの器官に異常を起こし、合併症にかかる危険性が高くなります。
循環器系では
 

循環血液量、心拍数が増加して「高血圧」「心疾患」を引き起こします

呼吸器系では
 

脂肪が呼吸の妨げとなって、一時期話題となった「睡眠時間無呼吸症候群」の原因となります

骨格系では
  重い体重が負担となって「腰痛」などを引き起こします。
内分泌、代謝系では
  インスリンの感受性が低下して「糖尿病」に、血中脂肪が増加して「高脂血症」に、尿酸が増加して「痛風」に、卵巣機能障害により「無月経」「過少月経」になるなどの弊害が心配されます。
このほか「脂肪肝」や「胆石症」などの誘引因子にもなり得、健康な生活を送るためにも過度の肥満は大敵ということが分かります。
目的をもったダイエットを
  さて、肥満のメカニズムと弊害について紹介したところで、いよいよダイエットについてお話ししましょう。

まず、最初にはっきりさせておきたいのがなぜ「痩せたい」のか、ということです。ひとことでダイエットといってもその動機はさまざま。「きれいになりたい」「健康を維持したい」「昔の服が着られるようになりたい」などなど。しかし、いつの間にか体重を減らすことだけに集中してしまうケースが多く見られるのです。

 
きれいになるためには「シェイプアップ」
 

たとえばきれいになりたくてダイエットを始めたとしましょう。しかし努力の甲斐あって体重は減ったのに、お腹や足のお肉は残ったままで、なんだかしまりがないという人。それは本来の「きれいになりたい」=「体重を落としてシェイプアップしたい」という目的のうち「シェイプアップ」に失敗してしまったのだということになります。

体重が減ったのは食事制限などのダイエットによるもので、落ちた体重の内わけは筋肉や骨の減少に過ぎない場合が多いのです。

体重だけにとらわれたダイエットは間違い!
 

ダイエット=体重を減らすという考えになってしまい、毎日体重計にのって体重を測ることに集中すると、筋肉の重量が見えなくなってしまいます。筋肉は脂肪より密度が高く、重いものだということを常に覚えておいてください。美しく痩せる、シェイプアップするためには筋肉は不可欠のもの。筋力トレーニングや運動をしながらダイエットすると、筋肉がつくため体重が減らなかったり、逆に増えることもありますが、それを「リバウンドだ」「ダイエットに失敗した」と判断しないでください。

体重以外にダイエットの進み具合を目で確かめるには、毎日鏡を見たり、気になる部分のサイズをはかってメモしておいたり、定期的に全身の写真を撮るなどして体型の変化を視覚的にとらえる方法が良いでしょう。

ダイエットの成功は筋肉にあり
  体重が減っても、お肉が残っているように見えるのは、脂肪を支える筋肉が衰えたせいです。筋肉がないと骨の少ない、お腹などの柔らかい部分の脂肪が重力でたるんだ状態になってしまうのです。たるんでしまった部分の脂肪は、食事制限などで摂取カロリーを減らしても減ることはありません。そこを引き締めるためには、筋肉を鍛えて脂肪を持ち上げるしか方法はないのです。筋肉を増強することは基礎代謝の向上にも役立つので、いずれにしてもダイエットには大切なことなのです。

ちなみに、筋肉をつくる栄養素は肉類、魚類、豆類、乳製品、卵に多く含まれるたんぱく質。これらの食品を意識的に摂り、筋肉量を効果的に増やしましょう。また、脂質が気になるときは低脂肪の食品(赤身の肉、ささみ、白身魚、低脂肪乳、豆腐などの豆製品)を選ぶとよいでしょう。

自己分析で、正しいダイエットを
 
肥満度を測定しよう
 

ダイエットを始める前に、まずは自己分析。自分の肥満度や体脂肪を計り、自分に必要なダイエットを知ることからはじめましょう。

肥満度チェックの目安となるBMI(Body Mass Index)指数の測定

BMI=体重(kg)÷身長(m)2

BMIの標準値は、18.5~25で、理想数値は22です。つまり身長(m)2×22が理想体重(kg)となります。数値が25以上だと生活習慣病のリスクが高いといえるので、BMI値が25を超える人は注意しましょう。また、18.5を下回る場合は標準体重より少ないということになるので、体重を減らすダイエットが本当に必要なのかどうか、もう一度考えてみてください。体重は軽いのにたるみが気になる場合は、先にも述べたとおり、筋肉を鍛えてシェイプアップすることをお勧めします。

体脂肪を測定しよう
 

ヒトの身体は水、骨、筋肉、脂肪で構成されています。体脂肪率とは全体重に占める脂肪の割合で、この数値からも自分の肥満度を知ることができます。測定機は手軽に使えるものが出回っているので、ダイエットを始めるのならば一台用意してみましょう。

  男性 女性
適正 10.0~24.9% 15.0~29.9%
少し太り気味 25.0~29.9% 30.0~34.9%
肥満 30.0%以上 35.0%以上
(IMC基準)

体脂肪率は、一日のうちでも変動します。正しく測るために、朝・夕食前、入浴後など、なるべく同じ条件、同じ時間帯で測定する習慣をつけましょう。

BMI値と体脂肪率を測定し、自分の理想の体重を知ることでダイエットの目安としてください。

健康的なダイエット目標の目安は、1ヶ月で3kg程度、肥満の方で5kgまでといわれています。食事を抜いたり、同じ食品だけを食べ続ける単品ダイエットは、身体に必要な栄養素が足りなくなり、身体に負担をかけるので危険です。ダイエット中こそ3食を規則正しくとり、貧血、骨粗しょう症、便秘など無理な食事制限で起こりやすい弊害に気をつけましょう。ドカ食いをやめて摂取カロリーを減らすこと、運動でカロリーを消費し、筋力をつけること、これを頭に置いて、健康的に美しくダイエットしましょう!

 

 

スポーツの秋到来! 筋肉痛の予防とアフターケア(2005年9月)

 

     
 
9月のテーマ:
スポーツの秋到来!

筋肉痛の予防とアフターケア

 暦の上ではすっかり秋となり、子どもの運動会や会社のスポーツ大会などに参加する機会もあることでしょう。普段から身体を動かしてる人ならまだしも、日頃は運動しないのにここぞとばかりに張り切って参加する、となると心配なのが筋肉痛。今回は筋肉痛の仕組みと予防、対処法についてご紹介します。
 
     

 

筋肉痛のおこる仕組み
 
【筋肉痛になる原因は、主として下の2つ】

筋疲労によるもの
 

 激しい筋収縮により、筋肉への酸素供給が間に合わなくなる。するとエネルギー源となるブドウ糖が不完全燃焼を起こし、代謝産物(乳酸)が残ってしまう。この乳酸が筋肉中に蓄積することにより痛みを生じる。

筋損傷によるもの
 

 普段使わない筋肉を急に使うなどすると、筋繊維が損傷し、炎症を起こしてしまう。この炎症が痛みを生じる。ちなみに、運動によって起こる筋肉痛は前者の場合がほとんど。また、大きな力を出すほど、長時間運動するほど筋肉痛になりやすく、「筋肉に力を入れた状態で、その筋肉が引き伸ばされる」運動が最も筋肉痛になりやすいと言われます。

これは、筋肉は本来「縮んで力を出す」つくりになっているため、階段を下るときのように「力をだしながら筋肉をゆるめる」運動をすると筋肉が傷つきやすくなるから。階段を上るときより下るときのほうが筋肉痛になりやすいという実験結果も出ています。

2日後の筋肉痛は老化のシルシ?
 
 歳をとると筋肉痛が遅れて出てくるといいますが、これは筋肉の衰えによるもの。筋肉痛は運動直後に起こるものと1~2日後に起こるものがあり、それぞれ以下のような特徴があります。
運動直後
 

 筋原繊維(筋繊維のもと)の損傷による。早期解消し、痛みがあるうちも軽い運動は問題なし。

1~2日後
 

 運動の際、極度の筋緊張が起こったため。ひどいものだと痛みと腫れを伴い、治りにくい。内出血していたりへこんでいる場合は肉離れを起こしていると考えられるため、動かさないように。

そもそも痛みというのは体の防御反応で、生きるために必要な感覚。筋肉痛も例外ではなく、遅れて起こる遅発性筋肉痛は、筋肉に何らかの異常が起こっている危険信号とも考えられます。1週間以上も筋肉痛が取れないような場合は、動脈硬化が原因となっている疑いもあるので病院で循環器系の検査を受けることを勧めます。

筋肉痛のアフターケア
 
基本は「温-冷-温」
 

 痛み=冷やすと考えがちですが、筋肉痛の場合は温めるケアが適しています。「冷やす」のは主に炎症を抑え、痛みを(一時的に)軽くする等の効果があると考えられているので、痛みのひどいときは冷やし、あとは温めるのがいいでしょう。

1.運動後、痛みが出ない間は温めておく。

2.痛みが発生したら、痛みが峠を越すか横ばいになるまでは冷やす。

3.痛みが良くなりはじめたら(まだ痛みがあっても)温める。

「温める」のは筋肉組織の血液の循環を促進し、筋肉痛を直すリサイクル全般を早める働きをします。ただし、炎症の進行中は、温めると炎症を促進してしまうので、一時的に痛みが激しくなることもあります。

お風呂やサウナ、マッサージ、軽い運動をする、などは血液の循環を促進するので主に「温」の効果があります。入浴する際は38~40度のぬるめのお湯にゆっくり入るのが効果的です。

運動後にはクール・ダウン
 

 激しい運動後は急に寝たり休んだりせず、軽いランニングでクール・ダウンし、血液の循環を急激に落とさないようにしましょう。そのあと力を入れた腕や足などの筋肉を重点的にストレッチングし、この2段階を踏んでから休息します。この時先に紹介したように入浴などで身体を温めて血液の循環をよくするとさらに効果的です。(※最初から痛みのある場合は除く)

筋肉痛の予防策
 
 筋肉痛の予防には日ごろからジョギングなどで筋肉を鍛えておくのが理想的な方法、とは言ってもなかなかできないもの。普段運動不足だったり筋力に自信のない人は、運動前にストレッチングすることで運動後の筋肉痛の軽減をめざしましょう。

ストレッチのやり方は、運動前に日ごろ使っていない筋肉を十分に伸ばすこと。筋肉を温め、血流を良くする効果があります。呼吸しながら20秒ほどゆっくりと筋肉を伸ばと良いでしょう。

運動前後の十分なストレッチングと、運動後のクール・ダウンでだいぶ軽減できる筋肉痛。しかし日頃から運動して身体をならしておくのがやっぱり一番。季節はスポーツの秋、涼しくなりジョギングやウォーキングにも最適な季節です。今度の休みは少し時間を取って、街路樹の紅葉を眺めながらウォーキングなんていかがですか?

 

 

楽しい夏の邪魔者「夏風邪」(2005年8月)

 

     
 
8月のテーマ:
楽しい夏の邪魔者「夏風邪」
 夏から秋にかけての季節の変わり目に起こる”夏ばて”。暑さによる食欲不振や、冷房の効いた室内から屋外へ出入りするなど急激な温度差による自律神経の乱れなどが原因で起こります。そんな弱った身体を狙っているのが夏風邪のウイルス。夏風邪でダウンして、楽しいはずの夏休みが台無し…なんてことにならないよう、しっかり予防しましょう。
 
     

 

夏風邪と冬風邪の違い
 
 

 夏風邪も冬風邪も、原因となるのはウイルス。高い気温や湿度を好むウイルスによるものが夏風邪で、症状が徐々に進行して冬風邪よりも長引く傾向があります。一方、冬風邪は主にインフルエンザウイルス(夏場には生きていけない)が原因で、低温と乾燥を好むウイルスによるものです。飛沫感染で流行するのが特徴で、咳や鼻水・鼻づまりなどの症状があらわれるのが夏風邪と違います。

 
 
代表的な夏風邪の種類と症状
 
 
咽頭結膜熱
 

ウイルス:アデノウイルス

症状:39℃前後の高熱が3~5日間続き、喉の強い痛みや、結膜炎(目の充血・目やに)などの症状を伴うことがある。別名「プール熱」と呼ばれ、プールで感染することが多い。

ヘルバンギーナ
 

ウイルス:コクサッキー

症状:38~40℃の急な高熱。喉の痛みを伴い、口の中に水疱や口内炎のような腫瘍ができる。

   
   
夏風邪対策
 
 夏風邪の原因となるウイルスは飛沫感染するインフルエンザとは異なり、主に経口感染が多い。経口感染は手から手、手から口へと感染するので、手洗いが重要な予防策。そして冬風邪と同じく身体の冷えが喉の綿毛の働きを鈍らせ、ウイルスが侵入しやすくなることで感染しやすくなるため、身体を冷やさないことも大切。温度差のある場所を出入りすると自律神経の働き鈍り、温度変化についていけなくなり、皮膚の表面温度低下の原因に。クールビズを実施している会社も多いようですが、自宅の冷房も冷やしすぎないよう気をつけましょう。

その他、カーテンを閉める、エアコンを除湿運転のみにする(湿度が下がれば体感温度も下がります)、扇風機を利用する、照り返しを防ぐため、ベランダに人工芝やプランター・鉢植えなどを並べる、熱を外に逃がすためすだれやよしずなどの日よけを窓の外につける、など、冷房をかけ過ぎることなく涼しい部屋をつくる工夫をしましょう。

夏風邪の対処法
 
 夏風邪かな?と思ったり、だるさを感じたときは無理せず身体を休めましょう。そして

  • 炭水化物や良質たんぱく質を中心とした消化のよい食べ物で栄養をとる
  • 発汗や下痢による脱水症状を防ぐため、こまめに水分を補給する(食塩・電解質を含むスポーツドリンクが最適)
  • 新陳代謝が高まりリラックス効果の期待できる入浴をする。※ただし、症状がかるく熱のない場合のみ
  • クーラーなどを利用し、身体を温めすぎないようにする。※冬風邪治療は身体を温めるものですが、夏風邪の場合保温は体力の消耗につながり逆効果。ただし、温度は適温を心掛け、くれぐれも冷やしすぎないように

などの対処を。治ったように見えても、体内にウイルスが残りやすいので、1ヶ月くらいは注意をしてください。

 
 プール熱など、子供が感染することも多い「夏風邪」。お子さんがプールに行く時は、プールのあとは身体をキレイに洗うこと、タオルは必ず自分専用のものを使うことなどを指導してあげましょう。夏ばてを防ぐためにも食事はきちんと、生活のリズムを崩さないよう気をつけて、夏を元気に過ごしましょう!

 

 

夏の日差しにご用心。 熱中症に気をつけよう!(2005年7月)

 

     
 
7月のテーマ:
夏の日差しにご用心。

熱中症に気をつけよう!

すっかり日が長くなり、日差しも日々強くなってきました。子供たちにとっては待ちに待った夏休みの季節。海や山、プールやキャンプに出かけたりと、野外で遊ぶ機会も自然と多くなってきます。そこで心配なのが、強い日差しによる日射病などの熱中症。症状が重い場合は意識障害を起こしたり、さらには命にも関わる危険性も。防止策をしっかりと、かかってしまった場合の処置についても知っておきましょう。

 
     

 

熱中症とは
 
 

 読んで字のごとく、「熱に中(あた)る」という状態を表し、体の中と外の「暑さ」によって引き起こされる、様々な体の不調を熱中症といいます。高い気温に長時間さらされたり、激しい運動などで体内でたくさんの熱が発生することが原因でおこり、発汗による放熱機能が追いつかず、体温を調節する生理機能が失調して体温が40℃を超える異常高熱となる状態をいいます。

ここでは熱中症のひとつ日射病と、熱射病についてご紹介します。

 
日射病
 
日射病の原因
 

夏、気温の高い中で長時間活動したときや、炎天下でスポーツをした時などに起こる。

主な症状
 

体温は正常かやや低く、皮膚は冷たく汗ばんでいます。血圧は低下し脈は速く、めまい・頭痛・吐気などを伴い、ひどい場合には痙攣・失神などの意識障害をおこしてきます。

対処法
 

風通しのよい木陰に横たわらせ安静にします。スポーツドリンクなど水・塩分・糖を含んだ飲み物を少しずつ飲ませ、吐気がある場合は顔を横に向かせておく。
<注意!>

熱い飲み物や、アルコール類は飲ませないこと!

防止策
 

頭、特に後頭部と首に直射日光が当たらないようにすること。帽子をかぶるのが一番効果的な防止策です。

熱射病
 
原因
 

高温多湿の環境下で長時間過ごしたときに起こる。体内の塩分や水分がいちじるしく不足し、体温の調節が効かなったために体内に熱がこもってしまった状態のこと。

主な症状
 

症状は日射病と類似し、呼吸は速く頻脈で、口渇・頭痛・吐気を訴え痙攣・視力障害なども生じてきます。日射病と異なるのは体温が上昇し、皮膚が熱いことです。進行すると呼吸抑制・ショック状態となり、死亡する危険性の高い病態です。

対処法
 

一刻も早く体温を下げることが肝要。涼しい木陰に寝かせ、ボタンをはずし衣服をゆるめ、湿ったタオルで首筋や脇の下などを冷やし、あおいだりして風を送ってください。41度以上の高体温になると全身の臓器が障害されてきますので、できるだけ早く救急医療施設に移送する必要があります。

防止策
 

高温多湿の環境下に、長時間いないようにする。真夏、炎天下の車中はまさにこの状態。また、子供と出かけるときも、アスファルトや地面から近い子供のほうが照り返しで熱を受けやすいため注意が必要。ベビーカーに乗せている場合も同様。服の着せすぎにも注意しましょう。

子供や老人は身体の予備力が少なく熱負荷に敏感、症状も進行しやすいので、予防と早めの対応が大切です。激しい肉体労働や、急性・慢性の病気にかかっている人も熱中症にかかりやすいので注意してください。

熱中症はこんなときになりやすい
 
気温が高く日差しの強い真夏以外にも、熱中症を起こりやすくする状況はいくつかあります。

梅雨明けをしたばかりの頃

前日までに比べ、気温が急にあがった時

気温はそれほど高くなくても、湿度が高い時

アスファルトやコンクリート、砂地など草の生えていない場所

身体に疲れがたまっていたり、急に激しい運動をしたとき

 

これらの状態にあてはまる時は、熱中症にならないよう炎天下と同様注意が必要です

とにかくこまめに水分補給を!
 
一般的に、体重の3%以上の水分が失われると体温調節に影響がでると言われています。喉が渇いていると感じた時には既に脱水症状が起きている場合が多いので、喉が渇いたと感じる前に水分補給を心掛けましょう。炎天下でスポーツするときなどは、時間を決めて定期的に給水すると良いでしょう。また、より効果的に水分補給をするには、身体の給水スピードを考えたスポーツドリンクが最適。汗をかくと水分と一緒に塩分も失われ、運動によってカロリーも消費しています。これを補給することを目的に作られたスポーツドリンクは、水に適度の塩分と糖分を含んでいるのです。
  このように、気をつけていれば日射病・熱射病は防げます。出かけるときは、帽子と飲み物を忘れずに。夏を楽しく過ごしましょう!

 

 

”ぽっこり”お腹にサヨナラする、便秘すっきり解消法(2005年6月)

 

     
 
6月のテーマ:
”ぽっこり”お腹にサヨナラする、便秘すっきり解消法
 日差しが強くなり、日中はTシャツ1枚で充分過ごせる季節になりました。薄着になるにつれ、女性には特に気になってくるのが余分なお肉。下腹部のぽっこりの原因のひとつに便秘が挙げられます。それだけでなく、便秘を放っておくと様々な病気を引き起こす原因となることもあり、いずれにしても解消しておきたいもの。今回はそんな便秘でお悩みの方へ、便秘のメカニズムとすっきり解消法をご紹介します。
 
     

 

便秘はなぜ起こる?
   便秘には大きく分けて、毎日のお通じがない便秘(腸管移送時間遅延型)と便がうまく出せない便秘(便排出障害型)の2種類があります。

<毎日のお通じがない便秘>

食べ物を摂取すると、便として排出されるまでに通常24~48時間かかりますが、3日以上排便のない状態が続く場合がこのタイプ。食べ物は胃や小腸で消化・吸収され、約6時間で大腸の入り口である盲腸に達します。この大腸の働きが弱いと便として排出されるまでに時間がかかるようになり、便が大腸に貯まるため、お腹が張ってきます。大腸の終わりの直腸に便が貯まると便意が起こりますが、この場合大腸に貯まってしまうため便意をあまり感じません。

<便がうまく出せない便秘>

直腸に便が貯まると便意が起こり、トイレで肛門の筋肉を緩めると便が出るのが排便の仕組みです。しかし、このタイプでは排便のときに直腸のポケットのような所に便が貯まってしまったり、肛門の筋肉がうまく緩まなかったりして、便意はあるのに便が出ないという状態になります。力んでも便が出なかったり、便が残っている不快感も長く続きます。

これらの”便秘”が起こる要因はいくつか考えられますが、大きく分けて物理的障害がある場合(器質制便秘)と排便機能がうまく働かないメカニズムそのものに障害がある場合(機能性便秘)とがあります。

<物理的な障害>
便の通り道である腸などの消化器官に物理的な障害があるもので、腸の腫瘍や炎症、閉塞などにより腸の通りが悪くなるために起こります。嘔気、腹痛、下血などの症状を同時に引き起こすことも多く、このような場合は病院での検査と治療が必要。

<排便のメカニズムの障害>

●急性

偏食などで食物繊維の摂取が少ない場合や、体内の水分が少ない場合、便の成分・水分が足りなくなり便が出なくなります。また、運動不足や寝たきりの状態が続くと、腸の運動も低下するため便が排出されず、腸内に長時間貯まることになります。

●慢性

高齢者やお産の回数が多い女性に多いのが「弛緩性便秘」で、便を押し出す腸の力や、りきむ力の低下によるもの。他にも下剤の乱用や過敏性大腸炎が原因で腸が引きつったようになり便の通りが悪くなる「ケイレン性便秘」、便意を我慢したり浣腸を常用するために起こる「直腸性便秘」などがあります。

便秘の弊害
 
 便秘になる=便が腸の中に長時間貯留する、ということになるので、便が腐敗し多くの有害物質を生み出します。腸には本来善玉菌と悪玉菌がバランス良く保たれているものですが、便秘によって生まれた有害物質は毒素が腸内の悪玉菌の増加を助け、様々な病気を引き起こす原因となります。

<便秘が引き起こす症状>

●腹部膨満

腐敗した便が発酵し、ガスが発生するため起こる。

●腹痛

便秘によって出口を塞がれた腸管が、便を出そうと動く時に痛みが生じるもの。腸のたるみが多い部分に起きやすい。

●食欲不振

腸全体の働きが悪くなると食欲がわかなくなる。

●吐気

腸の働きが悪くなると消化液が消化管に貯留しやすくなり、嘔気が起こる。

●肌荒れ・ニキビ

腸内で発生した毒素が肌に影響を与え、荒れたり吹き出物やニキビ、シミなどの原因となる。新陳代謝も低下するため血行が悪くなり、ハリやツヤも失われてくる。

●頭痛・肩こり・めまいなど

腸内の毒素が自律神経の乱れをよび、頭痛、肩こり、めまいが起こりやすくなる。

●腰痛

腹部が便によって圧迫され血流の流れが滞ることで腰痛が起こる。

●動脈硬化

胆汁として分泌されたコレステロールを大腸が吸収してしまい、体内のコレステロールが増加。血液中に溶けたコレステロールが血管内に蓄積されやすくなり、動脈硬化の原因になる。

●痔

固くなった便が無理に肛門を通過する際、肛門の出口付近が切れて裂肛(切れ痔)になる。軽度なら軟膏で改善するが、繰り返し起こると肛門粘膜が繊維化して肛門が狭くなる(肛門狭窄)ため、手術が必要になることもある。

便秘改善のために
 
 大腸の働きを良くするために、生活習慣の改善、食生活の改善を心掛けましょう。

<生活習慣の改善>

起きたらまず水や牛乳などをコップ2杯ほど飲み、腸に刺激を与えましょう。そして朝食は必ず取ること。食後20~30分後に(便意がなくても)トイレに行き排便動作をする習慣を。毎日の規則的な排便のリズムをつくることで便意が起こるようになり、便秘解消に効果的。また、運動も便秘解消に役立ちます。血液循環が良くなることで大腸の動きも活発になるのです。

<食生活の改善>

朝、昼、晩の食事を規則正しく取ることで排便もスムーズになります。偏った食事は避け、栄養バランスにも気をつけましょう。食物繊維を多く含む野菜(豆類、芋類など)やきのこ類、果物(バナナや栗など)、海藻類をたっぷりとり、水分も充分に摂取するよう心掛けましょう。ちなみに1日に必要な食物繊維は20~25gと言われています。

それでも解消されない場合は、軽めの下剤を使用して排便習慣をつける手助けとしてみましょう。また、お腹のマッサージも効果的。おへその周りを右下腹部から時計回りにゆっくりと圧迫し、大腸に沿って押していくようなイメージで。お腹が張っているときや就寝前、便座に腰掛けたときなどにやってみましょう。蒸したタオルやカイロをお腹や腰に当てて腸を温める温罨法も効果的といわれています。

便秘は健康と美容の敵。便秘気味な方はこの機会に生活習慣、食習慣を見直し、すっきり解消させましょう。