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まめ知識カテゴリ: 健康まめ知識

風邪、肌荒れ…“乾燥注意報”にご用心!(2011年2月)

 

     
 
2月のテーマ:
風邪、肌荒れ…“乾燥注意報”にご用心!

新しい年が始まって1ヶ月が経ちました。年始に立てた”一年の計”は実行できていますか?健康維持のためには正しい生活リズムや食生活、毎日の運動が大切と分かっていても続けるのはなかなか難しいものです。特に今年の冬は寒く、外へ出るのもためらってしまうほどですが、室内でのエクササイズなど、工夫して身体を動かすよう心がけていきましょう。さて、この”寒さ”に大きく関係するのが、空気の”乾燥”です。今回はこの”乾燥”についてお話します。

 
     

 

乾燥注意報とは
 

 テレビのニュースや天気予報などで、最近よく耳にする「乾燥注意報」。地域によっては、消防隊が火の用心のお知らせに回っている光景をよく目にするという方も多いのではないでしょうか。この乾燥注意報は、” 空気の乾燥による火災発生”の注意を促すものとして気象庁が発表するもので、首都・東京においては今年に入って連日この乾燥注意報が発表され続け、歴代の連続記録に迫る勢いだそうです。

乾燥注意報の基準となるものは「実効湿度」と「最小湿度」です。実効湿度とは、その日の空気の乾き具合を示すのではなく、数日前からの空気の状態を考慮して計算したもので、日本の家屋に多く使われている” 木材の乾燥具合”を示しています。 また、最小湿度は文字通り1日の中で最も低い湿度のことで、数字が低ければ低いほど空気が乾燥していることになります。どれくらいになると注意報が発表されるのかは地域によって多少の違いがありますが、平均的に” 実効湿度が50パーセントから60パーセント以下”になると火災の危険性が高まるので、各地とも50パーセントから65パーセントで、ほぼ一律に発表されます。

しかし、もう一つの基準である最小湿度は地域によってばらつきがあり、南の沖縄では50パーセント、札幌では30パーセントが基準となっています。東京ではさらに低く、最小湿度が25パーセントにならないと発表されません。これは空気中に含まれる水蒸気の量に関係しています。(ちなみに東北地方は実効湿度と最小湿度だけでなく、風速も考慮にいれて乾燥注意報が発表されます)

   
冬はなぜ空気が乾燥するのか
   ではなぜ冬場は空気が乾燥するのでしょうか。それは”飽和水蒸気量”に関係します。小学校の理科で習うものですが、改めて解説すると、飽和水蒸気量とは空気中に溶け込める最大の水蒸気量のことで、空気中にふくまれる水蒸気の量は「その空気1m3中に含まれている水蒸気の質量」で表されます。この飽和水蒸気量は気温が下がると低下するため、気温の低い冬場は空気が乾燥するのです。例えば、気温30℃では飽和水蒸気量は30g/m3ですが、気温0℃では、5g/m3までしか溶け込めません。そのため、気温が低いほど空気は乾燥していくのです。

また、太平洋側は冬になると季節風(北西の風)が吹きますが、この風は大陸性高気圧より噴出し、日本海を渡るとき大量に水蒸気を吸収し日本の山に当たり日本海側に雪を降らせます。雪を降らせた後の風は水分が少なく乾燥しているので、その風が太平洋側に吹きますのでその地域はさらに乾燥することになります。

ちなみに、冬に白い息が良く見られるのは、呼気に含まれる水蒸気が空気中に溶け込めずに空中で結露して見えるからです。

   
冬場に乾燥肌が多い理由
 

 このように、冬場は空気が乾燥するためどうしても肌の水分が失われてしまい、乾燥肌になる人が増えます。また、冬は運動量が低下しがちで、皮脂も汗も分泌量が少なくなるため、肌を保湿から守る“天然の保湿クリーム”が少なくなるのも乾燥肌を引き起こす原因のひとつです。

さらに、冬は気温が低くて血流が悪くなったり新陳代謝が低下するため、肌のターンオーバー(肌が生まれ変わる周期)も遅れがちになります。肌の表面に粉が吹いたようになったり、フケが増えたりするのは、古い角質が肌の表面にカラカラに乾いたまま残ってしまうためだと考えられます。

また、冬に使う暖房器具も肌を乾燥させてしまう大きな原因です。特にエアコンによる暖房や、燃焼をしない電気暖房器具を使っている場合の室内の湿度は驚くほど少なくなっているのです。乾燥した室内にいると肌表面の角質層から蒸発する水分量が増えるため、当然お肌も乾燥していきます。他にも、寒い日は熱いお風呂に入りたくなるものですが、熱いお湯につかると皮脂の油分が奪われてしまい、これもお肌の乾燥を招くのです。

   
手軽にできる乾燥対策
   空気が乾燥する冬は、お肌の乾燥だけでなく、ウイルスが繁殖しやすくなるため風邪やインフルエンザにも注意が必要です。乾燥を抑えるためには”加湿”が一番。家庭や職場などで気軽にできる乾燥対策をご紹介します。

加湿器を活用する
 

この季節は家電量販店などにも加湿器コーナーが設置され、様々なタイプの加湿器が並びます。パソコンにつないで使うUSB電源のものや、自動車のシガーソケットにつないで車内で使えるもの、ペットボトルに水を入れて使えるもの、アロマ機能のついたものなどもあるので、使う場所に合わせて選んでみましょう。

濡れタオルを干す
 

洗濯物の部屋干しも、室内の湿度をあげてくれる手軽な加湿方法です。職場で行う場合や、においや見た目が気になるという場合は、塗らしたフェイスタオルを下げておくだけでも十分加湿効果があります。その場合、たたんで干したり置いておくのではなく、広げた状態でハンガーなどに下げておきましょう。空気にあたる表面積が増えることで空気中に水分が含まれやすくなります。

お風呂場のドアをあけておく
  入浴したあとのお風呂場は、湯気がたちこめて湿度がとても高くなっています。普段はカビ対策のためにドアを閉めて浴室乾燥機を回すというご家庭も、冬場はドアを全開にして、湿気を家中に逃がしてみてはいかがでしょうか。脱衣所などお風呂から近い場所で扇風機やサーキュレーターを回せば、一部にだけ湿気がこもりすぎる心配もなくなります。
観葉植物を置く
 

植物は” 蒸散効果”で葉から水蒸気を放出してくれるだけでなく、鉢の土からも水分が蒸発するので、室内の加湿にはもってこいです。これらは加湿器のようにただ水分を出すのではなく、乾燥しているときには多く、十分なときには少なく蒸発するので、うまく部屋の湿度を調節することができます。

 
 
冬場は空気が乾燥するということを体感的に分かっているという方も、乾燥の原因を改めて知ることで、“冬場は空気が乾燥する”ことをより実感していただけたのではないでしょうか?風邪を予防するためにも、美容のためにも、上手に加湿して乾燥を防ぎましょう。もちろん、火の用心もお忘れなく!

 

 

寒い冬には気をつけたいヒートショック現象(2012年2月)

 

     
 
2月のテーマ:
寒い冬には気をつけたいヒートショック現象

 昨年、東北地方の温泉で2人の男性の突然死が報じられました。原因は入浴中のヒートショック現象による溺死と言われています。一般家庭の浴槽内で起こる溺死者の数は年間約4000人で、うち高齢者は89%(厚生労働省調べ)。
 さらに、原因を浴室やトイレなど家庭内でのヒートショック現象による心臓・脳疾患発作まで広げると、死亡者は全国で年間1万4000人以上(東京救急協会の推計)という数字があります。例年になく寒波の襲来があり、寒さが厳しい上に震災後の無理な節電により風邪をひくなど体調を崩す方も増えてます。

 
     

 

ヒートショック現象とは
 

 「ヒートショック現象」とは、急激な温度変化によって身体が受ける影響のこと。温かい部屋から寒い部屋へ移動すると「ブルっ」と身震いすることがあるように、人は急激な温度の変化にさらされると体内の血管を急激に伸縮させて血圧や脈拍の変動を起こします。これは体温を一定に保つために、人間の身体が反応すること。しかしこの働きが脳卒中や心筋梗塞などに繋がってしまう可能性が高いといわれています。

特に入浴が好きな日本人はヒートショック現象に見舞われることが多いといわれており、お風呂で長時間温まった後、お風呂場から脱衣所に移動した途端、急激に冷たい空気にさらされることがあります。また、この逆も同じ様に 寒い脱衣所からお風呂場へ移動し、冷えた身体を一気に熱いお湯につけることで身体がヒートショック現象を引き起こしてしまい、入浴中に亡くなる、という前出のニュースのようなケースが増えているそうです。特に75歳以上の高齢者には注意が必要と警報を鳴らしています。

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ヒートショック現象を防ぐには
 
入浴時の注意  
 

 脱衣室をあらかじめ暖房で温めておいたり、浴室の浴槽のフタをとって湯気で室内を満たすなど工夫をしましょう。シャワー等で熱めのお湯を出して浴槽にかけても保温効果が上がります。

また一番最初の入浴は浴室内が寒いのと湯の温度が高めなため、からだに負担がかかりがちです。高齢者のいるご家庭は家族が入った後の二番湯を使っていただくようにすると、浴室も温まっているため安心して入浴が出来ます。お風呂の湯温は38~40度が適温であまり長湯をしないこと。半身浴をしたり、水分を摂るなど身体に負担のかからない入浴法を取り入れることも大切です。いきなり湯につかることを避け、リラックスして入浴できるような心掛けをしてください。

トイレでの突然死を防ぐには  
 

 浴室だけでなく、トイレでの脳卒中や心筋梗塞を起こす割合は、突然死の約5%を占めておりあなどれません。トイレでいきむ事や寒い室内でいきなり立ち上がった時など、血圧や心拍の急激な変化等が脳卒中や心筋梗塞を引き起こすと言われています。対策としてトイレや便座などを温かく保温すること、日頃から食生活などに気を配り、便通をよくしておくことも大切です。

   
 
日本家屋は木造住宅が多いため、浴室やトイレ以外にも廊下等温かい室内との温度差が大きな場所があることもヒートショック現象が多いことの一因と言われています。健康に問題がなく、今までまったく元気だった方にも起こる危険性のあるヒートショック現象。節電も求められる今年の冬ですが、命を守るためにも対策を取ることを忘れないようにしましょう。

 

風邪をひかない体を作る(2012年1月)

 

     
 
1月のテーマ:
風邪をひかない体を作る

寒さが厳しくなると風邪をひきやすくなります。風邪は万病のもと。新年を明るく健康に過ごすために、風邪やインフルエンザにかからないようにすることがポイントです。
イラスト風邪にかからないためには、日常生活の中でかぜの原因となるウイルスの感染から身を守ること、そして抵抗力・免疫力をつけておくことが大切になります。風邪をひきやすい人とひきにくい人の違いは何でしょうか?それには生活環境や規則正しい生活、そして食生活が大きく関わっています。

 
     

 

規則正しい生活を心掛ける
 

休みだからといってダラダラと遅くまで起きている生活は身体を疲れさせ、抵抗力を弱めます。睡眠をしっかりとり、規則正しい生活を心掛けましょう。日頃から適度な運動をし、汗をかくことで新陳代謝も良くなります。軽い体操やウォーキングを続けることは自身の抵抗力を高め、風邪をひきにくい健康な体を作ります。太陽の日差しを浴びることも有効ですので、天気の良い日はなるべく外に出て身体を動かしましょう。

イラスト

   
風邪を予防する環境づくり
 

寒い冬は締め切った部屋でストーブやエアコンをつけるために室内の換気が十分出来ず、空気も乾燥しがちです。空気が乾燥すると鼻やのどの粘膜も乾燥してウィルスに感染しやすくなります。加湿器を使用したり、濡れたタオルを室内にかけて保湿に務めるようにすること、室内では、温度20~25℃、湿度60~80%を保つように心がけましょう。

ホコリやカビも抵抗力を弱めます。適度に換気をして空気を入れ替え、掃除をまめにしてホコリをためないようにしましょう。また、外から帰ったらうがいや手洗いを忘れずにすること。石鹸を使って指の間や腕もしっかり洗うようにしてください。なるべく人ごみに近寄らないようにする、やむをえない時はマスクを携帯するなど予防に努める心掛けも大切です。

   
風邪を予防する食事
 

バランスの取れた栄養価の高い食生活は風邪の予防の基本です。ビタミンA,Cを多く含む食品を摂りましょう。ビタミンAは風邪のウィルスが侵入してくる粘膜を強くする働きがあり、免疫力を強化します。ビタミンCはコラーゲンを生成、不足すると身体の抵抗力が弱まるため風邪をひきやすくなります。また、寒い冬は鍋やシチューなどの食品を取って身体を内側から温めるよう努めましょう。食べる時間を一定に保ち、規則正しい食生活をすることで太りにくい身体を作り、抵抗力を高めます。忙しい人はサプリメントや健康食品で足りない栄養を補いましょう。サプリメントには免疫力をアップしたり、体内環境を整える働きがあります。

 

冬本番を前に!お肌の乾燥対策(2011年11月)

 

     
 
11月のテーマ:
冬本番を前に!お肌の乾燥対策

秋は春から夏にかけて浴び続けた紫外線のダメージが肌にダイレクトに現れる季節です。秋の肌は紫外線に加え、乾燥した空気にさらされ、肌の再生もしにくくなります。

冬本番を前にお肌の乾燥対策を取りましょう。「洗顔後、肌がつっぱるような感じがする」「うるおいやしっとり感が無くなってきた、毛穴が目立ってきた」「口元や頬、目の下など、カサカサする所が増えたかも?」そんな変化に気づいたらもう乾燥は始まっています。

 
     

 

まずは日頃の洗顔から
 
まずは日頃の洗顔から

秋は今までの季節とは違い、皮脂の分泌が低下して肌が乾燥してきます。

洗顔料を使用する場合は肌に合ったものを選んで、しっかりと汚れを落とすように洗い上げます。洗うときは、36~38度位のぬるま湯がいいでしょう。熱いお湯だと皮脂が流れ落ちますし、逆に冷たい水だと毛穴が開かないので、汚れが肌に残ってしまいます。

乾燥や紫外線のダメージにより保湿機能が失われやすくなっているので、洗顔後は化粧水や乳液、美容液を使ってうるおいを回復させましょう。また、洗顔後に蒸しタオルを30秒ほど顔に乗せることで血行やリンパの流れがよくなり肌の再生を促します。

   
身体の内側からも対策を
 

外側からだけでなく、ビタミン、コラーゲン、CoQ10、ヒアルロン酸、セラミドなどを含んだサプリメントなどを取り入れることで、内側からも夏のダメージ回復に効果てきめんです。

ビタミンをたっぷりふくんだ野菜や果物のジュースを飲んでもいいでしょう。食事をきちんと取ること、肌は眠っている間に生まれ変わりますので、十分な睡眠も乾燥肌を改善するには欠かせません。

また水をたっぷり飲むようにすることも体内にきれいな水が循環し、肌の水分量が増えてみずみずしい肌になるための大切なポイントです。

身体の内側からも対策を
   
適度な運動で美肌をキープ
 

ウォーキングや体操、ストレッチなどで適度に身体を動かし、汗をたっぷりかくことも肌の健康のために大変よい効果を生み出します。

運動して基礎代謝量を上げ、新陳代謝を活発にすることで体内の老廃物を吐き出し、皮膚のターンオーバーをスムーズに行い、綺麗で清潔な肌を保つことができるのです。

運動の後はゆっくりと入浴して心身ともにリラックスしましょう。ストレスの無い状態が美肌を生み出す源、心と肌は繋がっています!

適度な運動で美肌をキープ
   
暖房器具の使いすぎに注意
 

エアコンは部屋の湿度を低下させ、肌の乾燥を確実に招きますので、季節に関係なく、エアコンの使用を最低限に抑えましょう。

風が直接あたる場所にいると、余計に肌が乾燥してしまいますので注意してください。また、ただでさえ乾燥してしまう冬にエアコンや電気の暖房器具を使うと湿度が低下し肌の保湿に大敵です。ストーブなど燃焼系の暖房器具を使用した方がいいでしょう。

加湿器を使用して部屋の湿度を上げたり、濡れたタオルや洗濯物を部屋にかけておく、洗面器に水を入れて部屋に置くなどして手軽に加湿することもできます。

 

上手に使おうサプリメント(2011年10月)

 

     
 
10月のテーマ:
上手に使おうサプリメント

毎日の食事で不足しがちなビタミンやミネラル、アミノ酸などの栄養補給やダイエットに気軽にドラッグストアやコンビニエンスストア、通信販売で購入できるようになったサプリメント。

栄養補助食品(えいようほじょしょくひん)、健康補助食品(けんこうほじょしょくひん)とも呼ばれており、近年、私達の暮らしに身近になってきました。

 
     

 

サプリメントの歴史
 

サプリメントは、「食事だけでは、必要な栄養素を摂れないときに、それを補うもの」という目的で近代になってアメリカで誕生しました。

アメリカでは日本のような国の保険制度がないため、病気になると高額な医療費もかかるため、人々の健康管理に対する意識も世界トップレベルといわれています。

予防医学への関心から「サプリメント大国」とも言われているくらい、サプリメントが一般的に広く利用さており、米国成人の6割以上が何らかの形で日常的にサプリメントを利用していると言われています。

サプリメント

アメリカのサプリメントは「ダイエタリー・サプリメント」と呼ばれ、DSHEA という法律で「薬と食品の中間のもの」 と定義されており、厳しく規制されています。

日本ではアメリカのような規制はなく 「サプリメント」 とは、医薬品ではなく「食品」 と同じ扱いとなっており、サプリメントに関する薬効は認められていません。

しかし栄養機能の表示については一定の取り決めがあり、栄養素ごとに、成分の規格基準が定められています。

   
特定保健用食品(トクホ)との違い
 

最近、「トクホ」という言葉をコマーシャルなどでよく聞くようになりました。特定保健用食品(トクホ)は、科学的根拠の分析、有効性や安全性の審査を踏まえた上で、一定の有効性が確認され、厚生労働省が認可した食品のことを言います。

これらの食品には、国が認めた印として“トクホマーク”がついています。サプリメントや栄養ドリンクは栄養機能食品と呼ばれ、特定保健用食品の基準は満たしていません。

   
サプリメントの種類
 
サプリメントには成分と効果によっていくつかの種類があります。大切なのはまずビタミン・ミネラルを充分摂り体を正常な状態に機能させた上でより健康を増進させるものや特定の部位に働きかけるものを摂取することです。

サプリメントの種類
   
[1] 人間が生きていく上で必ず必要になる栄養
 

ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸(DHA、EPA)など。これらの本来食事から摂取する身体の基本になる栄養素は生きていくために必要不可欠なもので、不足した場合に様々な不調が起こる原因となります。

[2] 摂取することでより体の機能が良くなる栄養
 

アロエやイソフラボン、クロレラ、霊芝、ビール酵母、黒酢などです。[1]にプラスして摂取することでより健康を増進できる栄養素です。

[3] 特定の部分に働きかける栄養
  主にハーブや薬草類が原料で古来より疾病の治療や予防に使われてきた物が多くあります。イチョウ葉やセントジョーンズワートなどが代表格です。
 
サプリメントの摂り方
 
サプリメントは栄養補助の役割り サプリメントの摂り方
 

サプリメントはあくまでも足りない栄養を補うものですので、サプリメントを摂ってさえいれば、食事はどうでもいいというわけではありません。

基本的には、毎日の食事で必要な栄養素を摂るのが理想です。

一日の摂取量を守って服用
 

サプリメントの表示ラベルには1日の摂取(目安)量が書かれています。成分によっては摂りすぎによる過剰症を起こす場合がありますので、必ず1日の摂取量を守るようにしましょう。

また成分によっては単独ではなく、何種類か組み合わせて服用することで効果を発揮する場合がありますので、よく調べてみましょう。

薬ではありませんが、基本は食事の後に摂取するのが理想的といわれています。

保存に気をつけましょう
  品質の劣化を防ぐためにも、高温多湿な場所に長時間置いかないなど、保存方法にも気を付けましょう。

製品によっては保存方法がラベルに表示されていますので、必ず守るようにしましょう。

 

今年は大流行! 大人も気をつけたい手足口病(2011年9月)

 

     
 
9月のテーマ:
今年は大流行!

大人も気をつけたい手足口病

主に夏場に流行し、乳幼児や子供の手足や口内などに発疹ができる夏風邪の一種「手足口病(てあしくちびょう)」が西日本を中心に全国で大流行しており、1医療機関あたりの患者数は、1982年の調査開始以降、過去最多を記録しております。今年の手足口病は例年の症状とは異なり、高熱や大きな発疹が広範囲に現れるため、水痘などと誤診され、深刻な状態に陥る場合もあり注意が必要です。子供から大人に移ることもある手足口病。この秋から冬にかけて東日本でも発生が予想されていますので注意が必要です。

 
     

 

手足口病の原因と症状
 

子供や乳幼児を中心に発症する「手足口病」はウィルスが原因によって起こる感染症で、主にコクサッキーウイルスA16、エンテロウイルス71(EV71)です。原因となるウイルスが数種類あるので、何度もかかることがあります。(今年は「コクサッキーA6」が多く検出されています)せきやくしゃみなどの飛沫や便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することで知られています。

潜伏期間は3~4日程度で、口の中や手のひら、手の甲、足底、足の甲、臀部などに2~3ミリ大の水疱性の発疹が出たり、38~40度程度の高熱が出ることもあります。口の中の発疹は潰瘍になるため、激しく痛むことがあります。水疱は3~5日ぐらいで消えてしまい、あとが残ったりすることはありません。ほとんどは、1週間から10日程度で完治しますが、まれに髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症のほか、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など、さまざまな症状が出ることもあります。

今年の手足口病の特徴はひとつひとつの水疱が大きく、全身に広がる傾向があり、高熱をともなう症状も見られます。抗体がなければ子供から大人へと移るため、お子さんから発症し、両親へ感染するケースもあるそうです。



   
有効な治療はない?
 

手足口病には根本的な治療薬は現代医学ではありません。発熱、頭痛、口腔内の潰瘍の痛み等のそれぞれの症状に対する対処療法が中心です。発疹や発熱だけですと、家で安静にしていればほとんどが自然に治りますが、高熱や頭痛、おう吐がある場合は小児科か大人なら皮膚科を早めに受診してください。

口の中にも水疱ができた場合、物を食べる時に痛がることがあるので、熱い食べ物や刺激のあるものは控えたほうがよいでしょう。食欲が無い時は脱水症状を防ぐために、ジュース、アイスクリーム、ヨーグルトなどののどごしのよいものがおすすめです。

   
清潔にすることで予防
 

手足口病のウイルスは、手を介して口に入りますので、外遊びや外出先から帰宅した後や食事の前、トイレの後などはきちんと手洗いやうがいをすることが大切です。便による感染力は長く2~4週間にわたってウイルスが排出されるため、排便後はしっかり手洗いする必要があります。かかってしまったら人との接触を少なくし、飛沫感染を防ぐためにマスクをするのも効果的です。プールや入浴施設へ行くのも避けたほうがいいでしょう。

 

 

怖い虫さされ(2011年8月)

 

     
 
8月のテーマ:
怖い虫さされ

夏休みになり、海や山など野外に出かける機会が多くなります。そこで遭遇するのが「虫」。虫刺されにもいくつか種類があり、刺した虫によって症状にも違いがあります。共通する症状としては赤味を伴う発疹、かゆみといったものですが、中にはスズメバチのように強い毒性やアレルギー症状を引き起こすものもあり、注意が必要です。

 
     

 

人を刺す夏の虫
  ■スズメバチ
スズメバチスズメバチは8月から10月が活動期であり、被害が最も多くなる時期です。まずは巣に近付かないこと、スズメバチが近くに来ても、追いかけたり腕を振り回したりしないこと。またスズメバチは黒いものを襲撃する習性があるので、黒系の服や帽子を避けることもポイントです。

もし刺されてしまったら、すぐに毒を体外に出してください。針のついていない注射器や専用の器具で吸い出し、刺された場所を冷やして心臓より高く上げ、病院へ。口で毒を吸い出すのは、口内の傷や虫歯から体内へ毒が入る場合があるので避けてください。「スズメバチに刺されたら尿をかける」ということもよく言われますが効果はありません。

最も怖いのは、「アナフィラキシーショック」と呼ばれるアレルギー症状で、蜂の毒に過敏に反応してしまうアレルギーを持った人の場合、呼吸困難や血圧低下などを起こし、最悪の場合、死にいたることもあります。アナフィラキシーショックは短時間で起こるので、少しでも様子がおかしいと感じたら、救急車を呼ぶなど速やかに対処するようにしてください。

■ブヨ
虫除けブヨ(ブユ)はハエより若干小さく、体長3~5mm程度の吸血性の虫です。幼虫は小川や渓流で育ち、綺麗な水辺を好むため、夏場のキャンプ場や渓流、ゴルフ場や田んぼなどに生息しています。ブヨは刺される(蚊のように皮膚に針を刺すのではなく、皮膚を噛み切ります)と猛烈に痒いだけでなく、人によっては激しい痛みを生じたり、赤黒く腫れが残ったります。リンパ管炎やリンパ節炎を併発し、時に発熱を伴い、歩行困難になるというような症状が出ることもありますので、アレルギー症の人は特に注意する必要があります。

まずブヨを避けるためには肌をむき出しにしないこと。足(膝より下)を良く刺されますので、長ズボンをはいて予防してください。またまめに虫よけスプレーを使って虫よけを行ってください。もし刺されてしまったらまず患部が熱を持っているときは冷やすこと。そして早めにかゆみ止めの軟膏(ステロイド軟膏など)を塗り、掻きむしかないように注意してください。そこから雑菌が入り、化膿してしまいます。かゆみや腫ればひどい場合は皮膚科を受診してください。

■マダニ
腫れるマダニは吸血性のダニの中でも大型のダニの総称で、5月から8月にかけて活発に活動し、野山の木や公園の草むらなどの葉、枝、草の先端に生息します。人間のまぶたや耳、首、脇の下、内股など柔らかい部位に寄生します。マダニに刺されても最初は軽い痒みと痛みを伴うだけですが、ある程度マダニが血を吸って大きくなると血豆のように皮膚が腫れます。マダニに食いつかれた場所を中心に、徐々に大きくなる赤い発疹が現れ、慢性化すると神経、筋肉、関節、心臓などが冒されていくことがあります。マダニの持つボレリアに感染すると、ライム病(遊走性紅斑)と呼ばれる皮膚病やツツガムシ病になる恐れがあります。

野山で野外活動する際には、首周りや手首、足首から侵入するのを防ぐこと、明るい色合いの服装がダニの付着防止と発見に役立ちます。また野外から帰宅後は入浴し、からだをよく洗うとよいでしょう。マダニが食いついているのを発見したら、無理やり手で取らず、ピンセットや毛抜きで跡が残らないように丁寧に取り除き、化膿を防ぐ薬を塗ってください。

■毛虫
毛虫毛虫は蚊やダニなどと違って吸血するのではなく、毛虫の持つ毒針によって人を刺します。毛虫による虫刺されの症状は強い痒みと腫れです。小さな赤い発疹ができて、ピリピリとした痛みが生じた後、強いかゆみが出るのが特徴です。

毛虫に刺されたらまずは水でしっかりと毒毛を洗い流すようにしましょう。ケムシの毛が残っていたらガムテープなどで取り除き、患部を強くこすらずに、石鹸で何度も洗い流します。市販のかゆみ止めをつけ、腫れや痛みがある場合は病院で診察を受けましょう。

   
虫を予防する
  夏はついつい半袖半ズボンなど薄着になりがちですが、野外で遊んだり作業をする時はできるだけ長袖・長ズボンを着用しましょう。首まわりにタオルを巻くなども有効です。帽子や手袋も虫よけに効果的です。顔の前に虫よけネットのついた帽子も販売されています。また、外出する前は虫よけのスプレーや防虫剤を肌の露出部分にかけておくとブヨや蚊を避けられます。顔の前に虫よけネットのついた帽子や虫よけシールやリングなど子供達が楽しんで使える便利なグッズも最近は数多く販売されているようです。
   

 

省エネもいいけれど…気をつけたいのは熱中症~熱中症の予防と対策~(2011年7月)

 

     
 
7月のテーマ:
省エネもいいけれど…気をつけたいのは熱中症~熱中症の予防と対策~

全国で30度以上の真夏日を記録した6月29日、各地で熱中症による救急搬送が相次いだ。千葉、長野、愛知、奈良で計4人が死亡。18都県で少なくとも309人が搬送され、14人が重症と診断された。(6/29・毎日新聞ニュースより) 東京電力福島第1原発事故の影響で省エネが叫ばれ、クールビズなど冷房を控える動きもありますが、35度以上の極度の猛暑では「熱中症」にかかってしまう方も増えているようです。最悪の場合、命が奪われることもある怖い「熱中症」とは一体どんな症状なのでしょうか?

 
     

 

熱中症の原因と症状
 

 熱中症とは、外気の高温多湿等が原因となって起こる身体の症状の総称のことをいい、軽い症状から重い症状へと症状が進行します。特に怖いのは熱射病(日射病)で高齢者や乳幼児ほど重症化の傾向があります。10代は運動中、20~50代は仕事中、60代以上は日常生活の中で発症するケースが目立ち、特徴的なのは「高温化した室内や車の中」での発症が目立ちます。

[上から軽度→重度の順]
●熱痙攣・・・・・・・体力のある人が汗を多量にかき、水分を補充するが塩分を摂らず、低ナトリウム血症を起こしている場合に生じる。突然のけいれん、激しい痛みと手足痙縮が起こる。

●熱失神・・・・・皮膚の血管が拡がることにより血流量の減少、血圧の低下、脳へ送られる血液量が減少するために起こる。いきなりバタンと倒れる一過性の意識消失がみられることが多い。

●熱疲労・・・・・・・暑さによって塩分(電解質)と水分が過剰に失われる状態で、血液量が減少する。頭痛やめまい、吐き気や脱力感、失神や虚脱がみられることもある。脱水症状ともいう。

●熱射病(日射病)・・・夏の暑い日差しを浴びて歩き回ったときに体温調節機能が失われ、身体がオーバーヒートして起こる。顔が赤くなって息遣いが荒くなる。発汗もみられなくなり、目まいや頭痛、吐き気などの重い症状があり、ひどいときは意識不明になり死亡することもある。

●意識不明、死亡も?

   
熱中症の予防
    熱中症は乳幼児や高齢者などがかかりやすいとされています。また下痢等をしやすいなどの脱水傾向にある方、発熱のある方、また肥満気味や睡眠不足の場合にかかりやすくなります。体調だけでなく、気温や湿度、日差しの強さなどさまざまな気象条件が重なって影響するので注意が必要です。一人で運動や作業をしている場合には熱中症の症状発見が遅くなり危険です。

  1. 発汗によって失った水分と塩分の補給をこまめに行う。スポーツドリンクなど塩分と糖分を飲みやすく配合した飲み物がよい。
  2. 睡眠を十分に取り、運動や作業前には内臓の負担にならない程度に出来るだけ多くの水分を摂取する。十分に休憩を取りながら作業・運動を行うようこころがける。
  3. 直接の日射を防ぎ、風通しの良い場所にいるようにする。風を身体にあてたり、また水をかぶったり、濡れタオルなどで熱を気化させて体温を下げるなどの工夫も必要。
  4. 外出時は日傘・帽子を持参する。吸湿性の良いゆったりした服装をし、太陽光線を吸収する黒や紺など濃い色や長袖は避ける。
  5. 日中は高温になる室内や車中にいるのを避け、室内は窓を開けて風を入れる。(特に体力的に弱い高齢者や乳幼児は注意が必要)気温30度以上、湿度70-80%、風の弱い時等は、特に熱中症が起こりやすいので、時々室温を測ったり、気温に常に気を配る。携帯型の熱中症計などを持ちあるくのも有効。
   
熱中症の治療
 

 おかしいな?と思ったら、まずは体温を下げる事が必要です。木陰や庇、冷房の効いた室内など、涼しい場所で休み、安静にします。そのような場所がない場合には、うちわなどで扇いでなるべく早く体を冷やすようにします。特に氷やアイスノンなどで対処する場合は、脇の下、首、足の付け根など太い血管のある部分を冷やすようにすると効果的です。

 その他の応急処置としてはスポーツドリンクや塩分(塩、塩飴、梅干し、昆布等)を含んだ水分などを飲ませます。その際、冷えすぎた飲料を大量に摂取すると胃痙攣を起こす場合がありますので注意が必要です。また水だけを大量に摂取すると、血中食塩濃度が薄くなり、さらに水分を欲するようになり、余分な水分を尿として排泄する作用が起こって結果として体液の量を回復出来なくなります。

 目まいや筋肉痛など熱中症の軽い症状があれば、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

意識がなく、心停止状態にある場合は、[1]救急車を呼ぶ、[2]心臓マッサージを行う、[3]救急車到着前にもAED(自動対外式除細動器)を探して応急処置を取ります。

熱中症は症状によっては死に至る怖い病気であるを十分に認識し、予防する観点からも、暑い日には気温をチェックし、適切な水分補給と体調管理に努めていきたいものですね。

 

 

「食中毒」に気をつけよう!~食中毒の予防と対策~(2011年6月)

 

     
 
6月のテーマ:
「食中毒」に気をつけよう!

~食中毒の予防と対策~

梅雨時期ということもあり、蒸し暑い日やジメジメと湿気の多い日が続いています。スコールのような雨が急に降ったり、日が落ちると冷え込んだり、お天気が不安定な時期でもあるので、お出かけのときには雨具や上着を忘れないようにしたいものです。今回は、前回に引き続き、高温多湿の季節に増える「食中毒」について、普段から気を付けておきたいポイントをご紹介します。

 
     

 

食中毒の原因と症状
 

 食中毒とは、食中毒の原因物質である細菌やウイルスが付着した食品や、有害・有毒な物質が含まれた食品を食べることによって起こる健康被害のことです。

食中毒にかかると、多くの場合嘔吐や腹痛・下痢など、急性の胃腸障害が起こりますが、ほとんどは軽い症状で済むことが多いと言われています。しかし、中にはO-157やフグ毒のように死に至る食中毒もあります。また、体の抵抗力の弱い子どもや高齢者が食中毒にかかると重症化する傾向があるため、特に注意が必要です。

   
「食中毒三原則」
    食中毒を予防するためには、普段から「つけない、増やさない、やっつける」の食中毒三原則を守ることが大切です。

■ポイント1.細菌を「つけない」
●調理をする際の注意

手洗いの敢行はもちろん、健康管理にも注意し、調理に関係ない人や物、ペットなどを調理場に入れない(置かない)こと。
●調理場を清潔にする

まな板や包丁、食器やふきんは常に清潔なものをつかい、調理台やシンク、天井や床なども衛生的な管理を心がけること。
■ポイント2.細菌を「増やさない」
●食材管理の注意

新鮮な材料を使って衛生的な調理を心がけ、生鮮食品はなるべく5℃以下で保存し、早めに使うこと。
●調理後の注意

加熱調理した食事でも、室温で放置せず、調理したらすぐに食べるよう心がけること。
■ポイント3.細菌を「やっつける」
●加熱調理の際の注意

加熱が必要な食材は、75℃以上で1分間以上加熱し、必ず中心部まで火が通るようにすること。
●保存の際の注意

細菌の繁殖を防ぐため、室温での食品保存は避け、冷蔵庫で保存する際は0℃以下の状態で行うこと。

   
普段から気をつけたい「食中毒予防」のポイント
  ■キッチン編
調理を始める前、食事の前には必ず手を洗いましょう。(※手の洗い方については次項で詳しく解説します) また、調理の前にキッチンや調理器具をチェックし、清潔な状態であることを毎回確認する習慣をつけましょう。まな板や包丁などは違う食材を調理するごとに洗浄するようにし、特に生ものを調理した後は熱湯消毒を心がけてください。
■買い物編
食材は新鮮なものを選び、買い置きの際は特に、消費期限に十分注意しましょう。 生ものや冷凍食品など、冷蔵・冷凍が必要な食品は買い物の最後にカゴへ入れ、持ち歩きの時間をなるべく少なくしましょう。また、購入後の車内放置には特に注意し、速やかに帰宅して冷蔵(冷凍)庫へ入れるようにしてください。
■お弁当編

常温に中~長時間置いてから食べることの多いお弁当は、特に注意が必要です。職場・学校などで冷蔵庫が使えれば活用し、無い場合も直射日光の当たる場所などには絶対に置かないようにしましょう。
<お弁当づくりのポイント>
・弁当箱は常に清潔なものを使い、水滴が残ったまま食材を詰めないこと。

・弁当箱はできるだけ通気性のよいものを使用するか、保冷材などを活用して細菌が繁殖しづらい状態を保つ工夫をすること。

・レタスやキュウリなど生野菜は避けること。

・熱い食品(ご飯を含む)を詰めるときは、できるだけ急速に冷ましてから詰めること。

   
食中毒を予防する、手洗い方法
 

  1. 時計や指輪を外し、両手を流水でよくぬらす
  2. 液体石けんを手のひらにとり、手の平をよく洗う

    (※固形石けんは細菌の繁殖場所となっている場合があるため、液体石けんのほうが好ましいとされています)

  3. 両手の甲をよく洗う
  4. 指をからませるようにして、指の間をよく洗う
  5. 片方をじゃんけんのグーの形にし、その手の指の背や爪の部分を洗う

    (反対も同様に)

  6. 親指をもう片方の手のひらで包み、親指をくるくると回すように洗う

    (反対も同様に)

  7. 指先、爪の部分をよく洗う

    (爪はなるべく短くしておき、爪の間も洗う習慣をつける)

  8. 手首をもう片方の手の平で包み、手首をくるくると回すように洗う

    (反対も同様に)

  9. 流水でよく洗い流し、ペーパータオルや乾燥した清潔なタオルで拭く

    (※エプロンや共用のタオルなどでは絶対に手を拭かないこと。また、消毒用アルコールなども併用すると更に効果的ですが、必ず清潔に洗い乾燥させた手に使用するようにしましょう)

   
食中毒にかかったときの対処法
  ■早めの受診が第一!
食中毒は、場合によっては死に至ることもあるということを忘れず、決して軽視はせずに早めに医療機関へ行くようにしてください。

また、受診する際、原因と思われる食品やおう吐物、便などをビニール袋などに入れて持参すると、診断の際の重要な手がかりになります。(※二次感染を防ぐため、取り扱いには十分に注意してください!)
■家庭での対処法

食中毒で下痢やおう吐を繰り返すと、水分が不足し、脱水症状を起こす場合があります。

水分補給と適当な塩分、糖分などの補給に気を配りましょう。

(スポーツドリンクなどは手軽に水分・ミネラルが取れるので便利です)

市販の下痢止め薬などは安易に使用せず、まずは医療機関を受診して医師に相談してください。

くどいようですが、「たかが食中毒」と軽視は禁物です。「いつも食べているから大丈夫」「加熱したから大丈夫」と油断せずに、清潔・安全を確認してから食事をするようにするだけで、食中毒のリスクは減らせます。清潔な手、清潔な食器で、安心して食事を楽しめるよう普段から気をつけていきましょう。

 

 

「食中毒」に気をつけよう!~食中毒の主な原因と症状~(2011年5月)

 

     
 
5月のテーマ:
「食中毒」に気をつけよう!

~食中毒の主な原因と症状~

天気の良い日は半袖一枚でも過ごせるほど暖かい日も増え、初夏を感じる季節になりました。今年は冬から春にかけて寒さが長引いたため、気温の上昇が余計に急激に感じられるようです。気温や湿度が上がるにつれて、心配になるのが「食中毒」です。焼肉店で起こった食中毒事件も記憶に新しいですが、外食時はもちろん、普段の食事にも潜む「食中毒」の危険についてお話します。

 
     

 

食中毒とは
 

 食中毒とは、食中毒の原因となる細菌やウイルスが付着した食品や、有害・有毒な物質が含まれた食品を食べることによって起こる健康被害のことです。

主な症状は嘔吐や腹痛・下痢などの胃腸障害ですが、なかにはO-157やフグ毒のように死に至る食中毒もあります。特に、体の抵抗力の弱い子どもや高齢者が食中毒にかかると重症化する傾向があります。また、食中毒は通常、人から人へ感染することはありませんが、腸管出血性大腸菌(O-157など)、ノロウイルス、赤痢菌などは感染力が強く、人から人へ感染することがあります。

   
食中毒のおもな原因物質と症状
    食中毒には様々な原因物質がありますが、微生物(細菌、ウイルスなど)によるもの、化学物質によるもの、自然毒によるもの及びその他に大別されます。

■細菌によるもの
<感染型>
・サルモネラ菌

生肉、生レバー、食肉加工品、生野菜、生ケーキ、うなぎ、スッポンなどに含まれます。 潜伏時間は約5時間から72時間(平均12時間)で、主な症状は、下痢・腹痛・発熱(38℃~40℃) の他、嘔吐・頭痛・脱力感・倦怠感を起こすこともあります。
・腸炎ビブリオ

近海の魚介類(赤貝、アオヤギなど)、魚介類調理後の包丁、まな板などに含まれます。

潜伏時間は約10時間~24時間(短い場合で2~3時間)で、主な症状は、激しい腹痛、下痢などの他、発熱・はき気・おう吐を起こす場合もあります。
・カンビロバクター

生肉(鳥肉など)、サラダ(二次汚染)などに含まれます。

潜伏期間は1~7日(平均2~3日)と長いことが特徴で、主な症状は、下痢、腹痛及び発熱の他、倦怠感、頭痛、めまい、筋肉痛等が起こることがあります。

初期症状は、風邪と間違われることもあります。
・エルシニア菌

牛乳、乳製品、食肉などの冷蔵品に含まれます。

潜伏期間は2~5日と長く、摂取した菌の量や感染者の年齢によって、症状は異なりますが、発熱、下痢、おう吐などの症状の他、虫垂炎のような猛烈な腹痛におそわれることもあります。
<毒素型>
・黄色ブドウ球菌

おにぎり、弁当、菓子、煮豆などに含まれます。

潜伏時間は1~5時間(平均3時間)と他の食中毒菌に比べて短いのが特徴で、激しい嘔吐・腹痛の他、下痢を伴うこともあります。発熱は少ないようです。
・ボツリヌス菌

缶詰・びん詰め食品、いずし(魚肉発酵食品)などに含まれます。

潜伏時間は8時間~36時間で、主な症状は吐き気、嘔吐など。症状が進むと視力障害、言語障害、えん下困難(食品を飲み込みづらくなる)などの神経症状が現れ、重症例では呼吸困難により死亡することもあります。
<その他>
・病原性大腸菌(O-157、O-111など)

生レバー、生肉、生サラダ、水などに含まれます

潜伏期間は3~5日で、激しい腹痛と大量の新鮮血を伴う下痢が特徴ですが、健康な成人では軽症または無症状に終わる場合もあります。また、まれに下痢が始まってから数日から2週間以内に貧血や急性腎不全などの症状を呈する溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症することがあります。

ベロ毒素という毒素をつくるので若年齢層の子供などは重症化しやすい傾向があります。

■ウイルスによるもの
<感染型>
・ノロウイルス

生かきなどの食品、水などに含まれます。

潜伏時間は24~48時間で、吐き気やおう吐・腹痛・下痢・発熱(38℃以下)があります。通常はこれらの症状が1~2日続いた後に治癒し、後遺症もありませんが、体力の弱い乳幼児、高齢者で脱水症状がひどい場合には、水分と栄養補給を行い、体力が消耗しないように注意が必要です。

また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状で済む場合もあります。
・A型肝炎ウイルス

水、野菜、魚介類などに含まれる。

感染力が強く集団発生することがある食中毒で、急性肝炎、全身倦怠感、発熱、筋肉痛、黄疸、肝腫大、食欲不振などが起こります。

■自然毒によるもの
<植物性自然毒>
・毒キノコ

ツキヨタケ、カキシメジ、クサウラベニタケ、ニガクリタケなど。 摂取後30分~3時間程度で徴候があらわれ、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が起こります。 ドクツルタケ・シロタマゴテングタケは猛毒で、徴候は6時間以上(通常10時間程度)であらわれ、嘔吐、腹痛、下痢、肝臓腎臓の機能障害を起こして死亡する例もあるので特に注意が必要です。
・ジャガイモの芽

ジャガイモはソラニンやチャコニン(カコニン)などの有毒なアルカロイド配糖体を含みます。特に皮層や芽に多く含まれ、嘔吐、下痢、呼吸困難などの症状が起こることがあります。
・青梅、アンズなどの種子

体内呼吸を止め、死に至らせる猛毒・青酸(シアン)配糖体を含んでいます。
<動物性自然毒>
・フグ毒

フグの種類や季節によってテトロドトキシンを含む部位や毒の強さは異なりますが、フグ毒はテトロドトキシンと呼ばれ、青酸カリの1,000倍の毒力を持っています。 潜伏期間は1時間以内と短く、くちびるや手の感覚麻痺、運動神経麻痺、呼吸麻痺などが起こり、発症後死に至るまでは8時間以内と言われています。

■化学毒によるもの
・農薬など

洗剤や農薬等が混入した食品を摂取したことによって起こる食中毒です。 嘔吐や腹痛、下痢が起き、ときにはめまいやショック症状を伴うこともあり、死亡する危険性もあります。
・ヒ素・銅・鉛・錫など

金属の器具や容器から溶出したスズや銅を摂取したことによって起こる食中毒や、ヒスタミンを多く蓄積した食品を摂取したことによるアレルギー様の食中毒があります。 嘔吐や腹痛、下痢が起こる他、めまいやショック症状を伴うことがあり、死亡する危険性もあります。

このように、食中毒は場合によっては死に至ることもあるため、軽視は絶対に禁物です。食中毒かな?と思ったら、すぐに医療機関で受診をしてください。その際、原因と思われる食品やおう吐物、便などをビニール袋などに入れて持参すると、診断の際の重要な手がかりになります。(※二次感染を防ぐため、取り扱いには注意してください)

食中毒を防ぐには、細菌(原因物質)を体内に入れないことが大原則です。次回は食中毒の予防と対策についてお話します。