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ストレスに負けない心と身体作り~5月病を撃退しよう~(2005年5月)

 

     
 
5月のテーマ:
ストレスに負けない心と身体作り~5月病を撃退しよう~
 就職、転勤、入学など、大きな環境の変化がある季節。新入社員や新入生のみなさんは、難しい試験を乗り越えてようやく入った会社や学校での生活にもう慣れた頃でしょうか?さて、この時期になると緊張感が途切れて急に無気力になったりするのがいわゆる”5月病”。特にGW明けの頃からこの状態になることが多いようです。

この五月病という病名は医学用語ではなく、決まった概念や定義があるものではありませんが、今回は一般的な症状や傾向、憂鬱な気分を快復させるためのアドバイスについてご紹介します。

 
     

 

5月病とは
 
 よく言われるのは、新しい環境に適応できないことで心に焦りが生まれ、”何とかしなければ”という気持ちがストレスになって気分が落ち込んだり無気力になってしまう状態=5月病、ということです。入試を終えようやく入った大学で自分の新たな目標や居場所が見つけられず、GW明け頃からうつ気味になったり無気力な状態になることからこの名前がついたと言われています。ただし、これは五月に限ったことでも新入学生に限ったことでもなく、一般的に見られる症状なのです。
5月病の原因
 
 なんと言ってもストレスを貯めないのが一番。落ち込んだり無気力になっても焦らず、上手に気分をリフレッシュするようにしましょう。そして元気な自分に戻ったあと、新たな目標や関心事を見つけるのも大切。人生の目標など、大きなものでなくてもスポーツや趣味などでもいいのです。新しいものに目を向けたりチャレンジするということが刺激となり、生活の活性化につながります
ストレスの上手な解消法
 
 ストレスをためてしまうと、うつ気分や無気力状態だけでなく、睡眠障害や食欲不振、ひどくなるとそのままうつ病になってしまったりと良くないことばかり。解消法として米デトロイト医療センターが挙げているものを紹介します。

・自分ひとりだけでできることをする

他人と接したり、物を頼んだりすることがストレスになる場合も。自分だけで成し遂げられることを選ぶのも一案。

・友人や家族に自分の気持ちを相談する

悩みは自分の中に溜め込まず、話すことで楽になります。

・週に最低3回運動する

軽い運動はリフレッシュに最適です。

・食事・アルコールは控えめに

食べ過ぎ、飲み過ぎは体調を壊す原因にもなります。

・少なくとも1日に1回は温かい食事をとる

温かい食事は気分を和やかにしてくれます。夕食くらいはゆっくりととりましょう。

・カフェインを含有する飲料を減らす

覚醒作用のあるカフェイン。ぼんやりしてしまう時、気分をキリっとさせるためコーヒーなどを飲む程度なら良いのですが、摂りすぎや就寝前は避けましょう。

・瞑想やリラックス運動を覚えて実践する、ヨガや太極拳を始める

筋肉の緊張緩和や神経の鎮静に役立ちます。

・面白い映画を鑑賞しに行ったり、コメディビデオを借りたりする

笑いは心の活力剤。また、泣ける映画で泣いて心のモヤモヤを洗い流すのもひとつの手です。

・定期的に健康診断を受ける

自分の身体の状態を知っておくのも大切。定期的に診断を受ける、という行為自体が心に安定をもたらす効果も。

ストレスに効く食べ物
 
 過敏になった神経をリラックスさせたり鎮静させるのに効果的な食べ物にタマネギ、ニラ、しそ、レタス、ごま、ユリ根、くるみなどがあります。これらの野菜やカルシウムを多く含む小魚や牛乳の摂取を心掛けましょう。また、カルシウムの吸収に必要なのがビタミンDとマグネシウム。ビタミンDを多く含むきのこ類や魚類、マグネシウムを多く含む豆類も積極的に摂取を。

色々ご紹介しましたが、5月病の大半は放っておいても1,2ヶ月で治ると言われています。5月病はココロの病。特効薬はありませんが、イライラせずにのんびり構えることが予防策。そしていつも前向きな気持ちでいる人には、5月病は無縁なのです。せっかくの新生活、今の状態が不満でも先を見つめ、ポジティブに、元気に過ごしましょう

 

 

”お付き合い”の多い季節、 お酒と上手に付き合おう(2005年3月・4月)

 

     
 
3月・4月の

テーマ:

”お付き合い”の多い季節、

お酒と上手に付き合おう

歓送迎会やお花見など、お酒を飲む機会の多い季節になりました。適度なアルコールは楽しい気分を盛り上げ、会話も弾ませてくれます。しかし、飲み過ぎてしまうと話は別。酔いつぶれて仲間に迷惑をかけたり、次の日二日酔いでダウンしてしまってはせっかくの楽しいお酒が台無し。アルコールと上手に付き合って、楽しく飲みましょう!

 
     

 

お酒の上手な飲み方って?
 
 お酒を飲んだら、アルコールを順調に代謝すること。そのためには丈夫な胃と肝臓が必要です。飲む前、飲んでいる最中、飲んだ後、それぞれに合わせて胃と肝臓をアルコールから守る成分を摂っておきましょう。
 
 

<飲む前には>

効果的な成分:クルクミン
  代表的な食物:ウコン
 

期待できる効果:胆汁の分泌を促進し、肝臓全体の解毒作用を高めるといわれている。サプリメントやお茶など様々な商品が出ているので、普段から摂取し、肝機能を高めておこう。

効果的な成分:セサミン
  代表的な食物:ゴマ
 

期待できる効果:活性酸素を取り除き、肝機能を高めてアルコールの代謝を促すといわれている。サプリメントも活用しよう。

効果的な成分:脂肪
  代表的な食物:ヨーグルト、牛乳など
  期待できる効果:乳製品に含まれる脂肪は胃に膜を張り、アルコールの吸収を穏やかにしてくれる。お酒を飲む 30 分~1時間前に摂取しておくと効果的。
 
 
   
   
 
<飲んでいる最中には>
「飲みながら食べる」のが、飲み過ぎ・二日酔い防止術の鉄則。アルコール代謝を助ける成分をおつまみで補給しましょう。
効果的な成分:たんぱく質
  代表的な食物:肉、魚、チーズ、豆腐、枝豆など
  期待できる効果:動物性・植物性たんぱく質は、肝臓がアルコールを代謝するのに必要な成分。枝豆や冷奴、焼き鳥や刺身などが肴の定番になっているのにも深~い理由があったのです。
効果的な成分:ビタミンB1
  代表的な食物:ネギ、ニラ、にんにくなど
  期待できる効果:こちらも肝臓のアルコール代謝を助ける成分。臭いが気になるという人も、肝臓のために積極的に食べましょう。
効果的な成分:ビタミンC
  代表的な食物:イモ類、小松菜、ブロッコリー、ピーマンなど
  期待できる効果:アルコールの代謝に不可欠なだけでなく、ビタミンCはアルコールによって腸管からの吸収が阻害されてしまいます。しっかり食べて、十分に補いましょう。
効果的な成分:ビタミンE
  代表的な食物:ナッツ類
  期待できる効果:アルコール代謝を促進する働きが。ただし、高カロリーなので食べすぎには注意!
 
<二日酔いになってしまった時は>
二日酔いの時はアルコールの代謝を促進することと、アルコール分解の途中で生じたアセトアルデヒドの分解を促すこと。まずは水分を補給し、食欲が出てきたら栄養を補給しましょう。
効果的な成分:水分
  代表的な食物:スポーツドリンク、ミネラルウォーターなど
  期待できる効果:アルコール代謝で消費された水分をたっぷり補いましょう。ビタミンやミネラルも同時に補給できるスポーツドリンクがおススメ。
効果的な成分:果糖
  代表的な食物:オレンジジュース
  期待できる効果:果糖がアルコールの分解を高め、ビタミンCがアセトアルデヒドの分解を促進してくれる。
効果的な成分:タンニン、カタラーゼ
  代表的な食物:柿
  期待できる効果:タンニンが胃の粘膜を収縮させてアルコールの吸収を穏やかにし、カタラーゼなどの酵素がアルコールの代謝を活発にしてくれる。更に柿はビタミンCも豊富。
効果的な成分:タウリン
  代表的な食物:シジミの味噌汁
  期待できる効果:肝臓の解毒作用を促し、アセトアルデヒドの分解も促進してくれる。
効果的な成分:クエン酸
  代表的な食物:梅干
  期待できる効果:飲んだ後は体の栄養素がアルコール分解に使われ、細胞がエネルギー不足に。クエン酸でエネルギーを生み出す回路(クエン酸回路)を活発にさせましょう。
効果的な成分:カフェイン
  代表的な食物:コーヒー
  期待できる効果:カフェインの覚醒作用で、二日酔いの頭をシャキッとさせましょう。アセトアルデヒドの代謝を促進させたり、利尿作用によって老廃物を体内から追い出す作用もあります。
 
 
二日酔いはなぜ起こる?
 
 
二日酔いの犯人といわれるのが「アセトアルデヒド」。体内に入ったアルコールが酸化され、炭酸ガスと水に分解される過程で生じる猛毒で、これが血液にのって身体中を駆け巡り、脳の血管を刺激して頭痛などの症状を引き起こすといわれています。また、アルコールのもつ脱水作用によって脳の細胞に含まれる水分が少なくなり、細胞や血管が縮むことでも激しい頭痛が起こったり、全身が脱水状態になることで疲労感や脱力感がうまれるといわれます。
二日酔いにならないためには「飲みすぎない」ことが第一ですが、二日酔いになってしまったときには、上に挙げた栄養素や成分を積極的に摂って、早めの回復を心掛けましょう。また、運動はアルコール血中濃度を下げてくれるので、二日酔いだからといっていつまでも寝ていないで体を動かすよう心掛けましょう。ただし、激しい運動や熱いお風呂に入るのは、心臓に負担がかかりすぎるので厳禁。軽いウォーキングや、シャワー程度に済ませましょう。
アルコールの上手な飲み方「 10 カ条」
 
 

社団法人アルコール健康医学協会の定める「適正飲酒10カ条」。

・ 笑いながら、共に楽しく飲もう

・ 自分のペースでゆっくりと

・ 食べながら飲む習慣を

・ (お酒は)自分の適量にとどめよう

・ 週に2日は休肝日を

・ 人に酒の無理強いをしない

・ 薬(睡眠薬、安定剤、糖尿病薬など)と一緒には飲まない

・ 強いアルコール飲料は薄めて

・ 遅くとも夜12時で切り上げよう

・ 肝臓などの定期検査を

盛り上げるためといっても、一気飲みをしたりさせたりも厳禁です。当然ですが、飲酒運転も絶対禁止。楽しく飲んだあとは、タクシーや代行で安全に帰りましょう。酒は別名「百薬の長」。上手に飲めば、心と体の健康に役立つ”薬”になるのです。

 

 

寒い季節、冷え症にご用心(2005年2月)

 

     
 
2月のテーマ:
寒い季節、冷え症にご用心

 朝晩の冷え込みが辛い季節。それでなくても冷え症の人は「手足が冷え切ってなかなか眠れない」という経験もあるのではないでしょうか?

そこで、今回は指先まで暖かい生活がおくれるよう、身体を暖める方法などをご紹介します。

 
     

 

「冷え症」の原因は何?
 
人間の身体には本来体温を一定に保つ機能が備わっているもの。しかしこの体温調節機能にトラブルが起こると「冷え症」になってしまいます。その代表的なトラブルを以下に挙げます。
【皮膚神経の低下

周囲の気温が下がると、皮膚から脳に「寒い・冷たい」という情報が伝達され、体温を調節しようとする。しかし暖房のきいた室内と外との気温差が激しく、そこを出入りする生活が続くことで気温の変化を感じる神経が鈍くなってしまう。また、季節を問わず冷たい飲み物や食べ物をとることで、内臓内の温度調節機能も鈍くなってしまい、体全体で温度を感じる神経の機能が鈍くなる。
【自律神経の機能低下

体温調節は、脳内の自律神経から各器官に指令が送られることで行なわれる。この自律神経は喜怒哀楽などの感情をコントロールする神経中枢(交感神経、副交感神経)の影響を受けているため、強いストレスが続く生活を送っているとうまく機能しなくなってしまうことがある。
【血液の流れの低下

「寒い・冷たい」と感じると、皮膚の毛細血管は一時的に収縮し、皮膚からの放熱を防ぐように働く。しかし血液の流れが悪いと身体の末端まで温かい血液が流れなくなり、指先などが冷えてしまう。また、静脈の流れが悪いと動脈の血液が身体中に行き渡る前に冷えてしまうため、手足だけでなく下腹部も冷え、腰の冷えの原因となる。貧血や低血圧も、温かい血液が毛細血管まで届かないため「冷え」の原因のひとつ。
冷えたら温める
 
 

「冷え」を感じたら、とにかく温めるのが一番。冬場は靴下を2枚履く、重ね着をする、外出時は手袋を着ける、ひざ掛けを持ち歩くなど、身体を温める工夫をしましょう。また、お風呂はシャワーだけで済まさず、湯船につかって身体を温めてあげましょう。

【芯から身体を温める入浴法

 
少しぬるめのお湯にゆっくり入る
 

体温より少し高め、38~40℃くらいのお湯にゆっくりつかる。胸から下だけを湯につける半身浴で20~30分入浴すると効果的。

入浴剤を使う
 

入浴剤を入れると香りや色でリラックス効果もあがり、湯あたりもよくなりお風呂に入るのが楽しみになる。薬用成分が配合されている入浴剤は、湯上りの身体が冷えにくくなるという検証結果もある。

湯船の中でマッサージを
  ただのんびりお湯につかるのもいいが、足指のマッサージをすると血流がさらに良くなる。足の指の付け根には自律神経の通り道があるため、マッサージすることで活性化させることができる。
   
   入浴後すぐは身体中がポカポカと温かく、つい薄着で過ごしてしまいますが、これでは湯冷めのもと。温まった身体が急速に冷えるとかえって冷え症を悪化させてしまうこともあります。特に冷えやすい足元には注意して、お風呂上りにも靴下を履くようにしましょう。お風呂に入れないときは深いバケツなどにお湯をはって足湯をするだけでも温まります。このときは少し熱めの42~43℃くらいのお湯がよいでしょう。

ちなみに、身体を温める食べ物もあります。かぼちゃ、にら、ねぎ、にんじん、みょうが、にんにく、とうがらし、いわし、えびなどが身体を温める食べ物。ビタミン E には血液の流れを良くする働きがあるため、ビタミン E を多く含む食品やサプリメントをとるのも「冷え」対策のひとつに。身体の外と内、両方から温めて「冷え」のない生活を送りましょう!

 

 

1年の健康は一歩から! ウォーキングのススメ(2005年1月)

 

     
 
1月のテーマ:
1年の健康は一歩から!

ウォーキングのススメ

 2005年、新しい年の幕開けです。皆さん『一年の計』はたてましたか?毎日ジョギングする、ダイエットする、禁煙する…健康に過ごすための目標を掲げた人も多いのではないでしょうか?でも早速三日坊主、なんてことになっていませんか?そこで今回は手軽にできるウォーキングについて紹介します。ウォーキングは特別な道具もいらず、誰でも、いつでもどこでもできる手軽な運動。さあ、まずは一歩、健康な1年に向かって歩き出しましょう。

 
     

 

ウォーキングの効果
 
<ダイエットに>

運動には大量の酸素を取り入れながらある程度の時間運動を行なう有酸素運動と、ほとんど呼吸をせず短時間で激しい運動をし、運動後急激に心拍や血圧があがる無酸素運動の2種類があります。

身体が脂肪を燃焼するのは、運動を始めて10~20分後、身体が温まり血液の流れがさかんになってから。短距離走や激しいスポーツと比べ、苦しい思いをせずに長時間続けられるウォーキングは、脂肪の燃焼にも効果的な有酸素運動の代表です。

<糖尿病の予防に>

厚生労働省研究班によると、1日平均1時間以上2時間未満歩くと、糖尿病にかかる割合が男性で13.3%、女性で12.4%減少することが発表されています。

<心臓疾患の予防に>

健康・体力づくり事業財団の資料によると、1日平均10,000歩以上歩くと、高脂血症(中性脂肪)の割合が15.3%減少するとされており、コレステロールの低下によって心臓病の予防効果が期待できます。

正しいウォーキングとは
 
ウォーキングと言っても、ただ歩けばいいというものではありません。骨や筋肉に負担をかけないよう、正しい姿勢で歩くことが大切。そして何より、無理せず自分のペースで歩くことが長続きさせるコツです。
<正しいフォーム>

背筋を伸ばし、上体をまっすぐにして立つ。腹部は引き締めてあごを引き、目は前方を見つめるようにする。

腰の位置を高くするよう意識して、地面を蹴り出すときはひざや足首を十分伸ばすようにする。

足の着地はかかとから柔らかく、離すときは足の裏全体に体重をのせてつま先を蹴り出すようにする。

荷物はなるべく持たずに両手を空け、効果的な腕振りを心掛ける。大きく振る必要はないが、自然に伸ばして前後にテンポ良く振るようにする。

高い姿勢で歩けば歩幅も広がり、伸び伸びとスピードにのって歩くことができます。

<正しい靴選び>
 

きちんとサイズをはかり、自分に合ったものを選ぶ。

つま先をつけて踏み出したとき、親指の付け根と小指の付け根を結んだ線に違和感がないこと。

歩いたとき、かかとの部分がすっぽりと包まれていること。

指先がきつくなく、クッションが適度にきいていること。

 
<歩くための10のアドバイス>
アメリカの厚生省が指摘する「歩くための10のアドバイス」。これを参考に、無理せず怠けず、続けられるウォーキングを目指しましょう

車に乗るよりも、歩く。

靴は底部に弾力があり、ひもで結ぶタイプのランニングシューズを履く。

一度に長時間よりも、分割して歩いてもよい。

昼休みを有効に使う。20~30分歩いた後は、食事もおいしい。

一週間のうち3日は、せめて20分間の速歩をする。

満腹時は歩かない。食後、1時間半経過が目安。

歩数計を腰に、1日1万歩を目標に。

途中で、決めた時間ごとに脈拍を測る。1分間の計測が好ましいが、10秒間計ったものを6倍にしてもよい。

歩く習慣とともに、栄養のバランスを考慮することも習慣づける。

自分のペースを守って歩く。犬を連れての散歩は、自分のペースを乱されることが多いので注意。

 

本格的なウォーキングは面倒で…という人も、会社やデパートではエレベーターを避けて階段を使う、入り口から遠い駐車場に停める、バスや電車の一駅分歩いてみる…。ちょっと気をつけるだけで普段の生活の中でも歩くチャンスは増やせます。万歩計をつけて、現在の生活でどのくらい自分の足で歩いているかを知っておくのもいいでしょう。万里の道も一歩から、今日から早速始めてみませんか。

 

 

一年の締めくくりは 人間ドックで健康チェック(2004年11月)

 

     
 
11月12月のテーマ:
一年の締めくくりは

人間ドックで健康チェック

 2004 年も残すところあとわずか。色々あった 1 年を振り返るとともに、自分の身体の状態も今一度見直してみましょう。会社や学校などで定期的に健康診断を受けている人以外は、なかなか自分で受ける機会はないもの。

日ごろ自分では気付かない病気の予兆を発見したり、さまざまな器官の健康状態を確かめるためにも定期的な健康チェックは大切です。「元気だから大丈夫」「面倒くさい」なんて言わずに、この機会に自分の身体を総チェックしてみましょう。

 
     

 

健康診断と人間ドック
 
 

 病気の早期発見・早期治療、病気の予防や生活習慣の改善などに役立つメディカルチェック。代表的なものに「健康診断」と「人間ドック」があります。

 
 
健康診断
 

地方自治体や会社の健康保険組合などで行なわれるものが代表的。主なものに基本健康診査とがん検診があり、他にも骨粗しょう症検診、歯周疾患検診などが実施されることもある。

基本健康診査の主な項目は問診、診察、身体計測、尿検査、血液検査、血圧測定、心電図、眼底検査など。

人間ドック
 

健康診断より検査項目が多く、身体の状態をより総合的にチェックすることができる。数日間入院して内科をはじめ様々な専門医の検査を行う長期ドック、生活習慣病を主とした2~3日の短期ドック、検査から判定までの時間を短縮させた1日ドックや半日ドック
などがある。他にも、婦人病を主としたレディースドックや脳ドック、心臓ドックなど専門的なドックもある。

こんな病気を発見できる
 
 実際に健康診断で発見される病気の種類や発見率は検査の種類、担当医師などによって違いがあるものの、発見される疾患に多いものは糖代謝異常、高血圧、コレステロール高値、肝機能障害など、いずれも生活習慣病。他にも胃潰瘍の疑いや胆のうポリープ、子宮筋腫などさまざまな疾患が発見される。
生活習慣病の対策にも
 
 がん、心臓病、高血圧、糖尿病などの生活習慣病は、ほとんど自覚症状がなく、気が付かないうちに病気が始まってしまうのが怖いところ。自覚症状が出る頃には病気が進行していて、生活習慣の改善や治療で健康な状態に戻すことが難しくなってしまう場合も。

例えば健康診断で自覚症状がない程度の胃がんを早期発見した場合、手術5年後の生存率は83%なのに対し、異変を感じて外来にかかって発見された場合は55%と、かなりの違いが出ることが分かる。

実際、健康診断を行なうと約3人に1人は数値になんらかの異常が見つかるという報告もあり、このことからも生活習慣病の早期発見・生活習慣の改善のためにも定期的な健康診断は重要。

検査値の見方は?
 
 診断結果の数値を見るとき、よく耳にするのが「正常値」「異常値」という言葉。臨床検査ではたくさんの健康人を調べた場合にそのうちの95%の人が示す一定範囲内の値に基づくのが正常値(基準値)。つまり、正常値も異常値もあくまで統計的な数値であり、目安としてとらえる数値。それぞれの数値は気温・運動・食事などの環境因子の影響によって変動することもあり、正常範囲を超えていても健康な場合もある。そのため健康状態を正確に判断する物差しとまではいかないが、自分の検査データは保存しておき、健康時の値を知っておくことは大切。
いざ、人間ドックへ!
 
 健康診断の大切さが分かったら、早速受診を。かかりつけの病院に問い合わせてみましょう。また、茨城県メディカルセンターでも1日人間ドックを実施。80項目以上にわたる精度の高い総合検診で、専門施設ならではの効率的な流れで行なうため、検査にかかるのは3~5時間程度。検査結果は医師から直接説明し、生活面のアドバイスもしています。個人情報をコンピューターで累積管理することで長期的な健康管理のサポートも。
   1年の総決算に、自分の身体を中から総合チェック。生活習慣の改善など、新しい年の目標づくりにも役立てましょう。それでは来年も健康で元気な生活を!

 

 

目を大切に!(2004年10月)

 

     
 
10月のテーマ:
目を大切に!

10月10日は『目の愛護デー』。「10 10」を横に倒すと眉と目の形になることから制定されたそうですが、昭和38年のこの日にアイバンクが開設されるなど、目には縁のある日です。 

近年日本人に急増している近視。文部科学省の視力調査(平成 10年度)によると、裸眼視力が1.0未満の子供は小学生で4分の1、高校生では 3分の1にものぼり、テレビゲームなどの影響が大きいと言われています。また、パソコンの普及に伴い、大人になってから視力が低下する人も増えており、今までよりも一層目に対して気を使う必要があるのが現代の社会環境。目の愛護デーにちなみ、今月は「目の健康」について考えてみましょう。

 
     

 

目が悪くなるのはなぜ?
 
 そもそも目はなぜ悪くなるのでしょうか。まずは目の仕組みを知り、目が悪くなる原因を理解しましょう。
【目の仕組み】
目はよくカメラの構造にたとえられますが、目で物を見るときまずは光として認識し、瞳を通して入ってきた光は網膜に像を結びます。このときレンズの役割をしてピントを合わせるのが角膜や水晶体で、弾力性のある水晶体が厚みを増して光の屈折率を強くして、近くのものにピントを合わせます。このピント合わせがうまくできない原因のひとつには、疲れなどが関係しているとも言われています。
【近視、遠視、乱視の仕組み】
 
近視
 

網膜よりも前にピントが合ってしまう状態を言います。

「屈折性近視」は、水晶体が厚く膨らんだままピントの調節がうまくいかなくなった状態で、近視の多くはこのタイプが多いようです。

「軸性近視」は、眼球の長さが伸びすぎてしまい角膜から網膜までの距離が長すぎるために起こります。

遠視
 

近視とは逆に、網膜よりも後ろにピントが合ってしまう状態を言います。

「屈折性遠視」は、水晶体が薄く伸びきったままになってしまい、近くを見ようとしても厚く膨らまない状態です。

「軸性遠視」は、眼球の長さが短すぎるために起こります。

乱視
 

光の焦点が1点に合わず、ぼやけて見える状態を言います。

多くは角膜や水晶体の表面が一定の球面でなく歪んでいるために起こり、その歪み方により、倒乱視、斜乱視、直乱視または不正乱視に分かれます。

【その他の病気】
 
白内障
  水晶体が濁る病気で、視界がぼやけたりかすんだりして見えます。多くは老人性によるもので、老化現象のひとつでもあり、最近は手術など治療法も進んできたため、怖い病気ではなくなってきました。
緑内障
  目に栄養を運ぶ水の循環が悪くなる病気で、放っておくと眼圧(目の中の圧力)が高くなってしまい、目の機能に悪い影響を与えます。視野(見える範囲)が狭くなったり、視力が低下するなど、ついには失明にいたることもある怖い病気です。なかには、眼圧が正常なのにこのような症状になる正常眼圧緑内障と呼ばれるものもあります。
ドライアイ
 

パソコンやテレビなどに囲まれ、目が酷使される環境にいて疲れ目の原因となる目の乾きのことです。目が疲れやすい、目が痛い、光がまぶしく感じる、涙が出るなどの症状が起こり、放っておくと眼病のもとにもなります。

目をいたわる環境作りを
 
 視力低下につながる「疲れ目」。疲れ目を防ぐために、次のような対策をオススメします。
 
パソコンのモニタ・ディスプレイの位置を下げる
 

モニタは目よりも下に置くようにし、できれば机と同じくらいの高さにする。伏目がちにすることで眼球が露出する割合が減り、目が乾くのを防ぐことができます。

パソコンのモニタを見やすい環境にする
 

モニタの位置は直射日光を避けた明るい場所にし、照明も明るくする。角度を工夫したり、フィルターをつけるなどして画面に光が写りこまないようにして下さい。

また、モニタと周りの明るさが違うと目が疲れるので、画面も周囲に合わせて明るくして下さい。

部屋の湿度を保つ
  エアコンの効いた部屋は乾燥しがちです。風が直接眼に当たる場合は、特に眼が乾き疲れるため、加湿器などで部屋の湿度を調節して下さい。目安は最低でも 40%、好ましいのは60~80 %です。
遠くを見て目の緊張を解く
 

パソコンのモニタやテレビ画面など一定の距離にあるものばかり見つめていると、ピントの調節機能が固まり、いわゆる「ピントフリーズ」現象になります。

近い物を見つづけるほど目の筋肉は緊張して凝るため、時々遠くをぼーっと眺め、緊張を解すようにして下さい。

1時間行ったら 10分~15分の休憩をとりながら長時間続けて行わないようにしましょう。また、度の合った中間距離用のメガネが必要な場合もあります。

目の疲れをとる
 

目の周りを軽く押さえたり、ギュッと目を閉じてパッと開く、というような無意識のうちに行っている動作などは目の疲れをとるための行為です。

他にも、冷たいタオルと温かいタオルを交互にあてて緊張を解すなど、目の筋肉のケアもからだの他の部分の筋肉と同じです。目をなるべく疲れさせないように、疲れた時は緊張を解して休ませて下さい。

普段から気をつけて、目をいたわってあげましょう。

   

 

 

秋の夜長、リラックスしてよい睡眠を(2004年9月)

 

     
 
9月のテーマ:
秋の夜長、リラックスしてよい睡眠を

4年に一度のスポーツの祭典アテネオリンピックが閉幕しました。日本代表選手の活躍に目が離せず、連日にわたる深夜の観戦で寝不足続き…なんて方も多かったのではないでしょうか。それでなくても寝苦しい熱帯夜の続いた今年の夏。生活のリズムが狂ったり、体調を崩したりしていませんか?徐々に秋めいて、過ごしやすくなってくる季節。カラダもココロもほぐしてリラックス、心地よい睡眠をとり、正常な生活リズムを取り戻しましょう。

 
     

 

安眠の大敵・不快ストレス
 
 睡眠不足は脳機能の低下を引き起こし、ストレスへの耐性も弱めてしまいます。そして自律神経やホルモンバランスをも乱し、結果として心身に不調を生じさせる原因となってしまうのです。 

ストレスを受けると分泌される副腎皮質刺激ホルモン( ACTH )には外敵から身を守るため睡眠を抑制させるはたらきがあり、このホルモンのためにストレスを感じるとなかなか寝付けなかったり、浅い眠りしか得られない、といった状態になります。

 しかもこのホルモンの ” 分解 ” は睡眠中に行なわれるため、ストレスを感じる→ ACTH が分泌される→分解するために身体が睡眠を要求する(眠気がおこる)→しかし ACTH のはたらきでよく眠れない…という悪循環に陥ってしまうのです。つまり十分な睡眠と正しい生活リズムを取り戻すには、ストレスを解消することが必要なのです。
上手にストレスを解消しよう
 
 ストレスとは医学的に言うと「なんらかの刺激が身体に加えられた結果、身体が示したゆがみや変調」のこと。窮屈な姿勢を続けていると身体が痛くなってしまうように、ストレスを受けつづけていると心が傷み、身体にまで影響を与えてしまいます。一般的に内気な人や真面目で几帳面な人などはストレスを受けやすく、溜め込みやすいと言われます。ストレスの解消法は人それぞれですが、趣味や好きなことをしたりのんびりすごしたり、自分なりのストレス解消法をみつけておきましょう。
 
ストレッチでストレス解消
 

頭や神経を使うとストレスが起こり、筋肉が緊張状態になります。筋肉をストレッチ( stretch :伸ばす、引っ張る)すると筋肉がほぐれて身体の疲れが和らぐように、ストレスでこってしまった筋肉をほぐすことはストレス解消にも役立ちます。また、軽い運動は眠りを誘う効果も期待できます。

お風呂でストレス解消
 

40 度くらいの少しぬるめのお湯にゆっくりつかると血行がよくなり、首や肩のこりがほぐれて身体が心地よく温まります。入浴後、徐々に身体が冷えていくにつれ眠気が訪れるため、寝る前の入浴は快眠にも効果的。お風呂に入れないときには、 40 度くらいのお湯をはった洗面器などに足を 15 分ほど浸す「足浴」がオススメ。

アロマでストレス解消
  アロマセラピー(芳香療法)で利用されるアロマオイルには、鎮静効果をもつものもあり、ストレスを和らげたり誘眠や睡眠の質を高める効果が期待できます。キャンドルやオイルマッサージ、入浴などに上手く取り入れてみましょう。
  <ストレス解消や安眠に効果のある香り>

ラベンダー:心地よい眠りを誘う

ネロリ:心を穏やかにして安眠を促す

スィートオレンジ:不安や緊張をほぐす

カモミールローマン:ストレスを和らげる

サンダルウッド:緊張を和らげる

フランキンセンス:心を落ち着かせる

クラリーセージ:緊張をほぐす

ゼラニウム:精神を安定させる

ローズ:不安や緊張を和らげる

マージョラム:神経を鎮静する

呼吸法でストレス解消
  ストレスによる緊張状態が続くと呼吸が浅くなり、全身に酸素が行き渡らないため、リラックスしたくてもできなくなってしまいます。そこで、ストレスや緊張を感じたら「腹式呼吸」を。椅子にゆったり腰掛け、お腹を膨らませながら鼻からたっぷり息を吸いこみ、吐く時はお腹をへこませながら口からゆっくり息を吐き出す。これを何度か繰り返すと緊張がほぐれ、心身ともにリラックスできます。
   
 「早寝早起き」ではなく「早起き」が「早寝」につながる、という言葉があります。眠りの浅いときはむしろ「遅寝早起き」と割り切り、同じ時刻に起床して生活リズムを作りましょう。すっきりとした寝覚めは快眠の証拠。気持ちよく起きて、元気な一日を過ごしたいものですね。

 

 

気をつけよう、食中毒(2004年8月)

 

     
 
8月のテーマ:
気をつけよう、食中毒

近年最高の猛暑とも言われる今年の夏。気温が高いと食べ物も傷みやすく、食中毒の危険も当然高まります。食中毒自体は年間を通して発生するものですが、気温が高い上に食欲・体力が落ちて体の抵抗力が弱くなってしまいがちな夏場は特に注意が必要。

 
     

 

食中毒を引き起こす菌
 
 食中毒の原因の 90 %以上は、細菌やウイルスによるものだと言われています。ぶどう球菌やボツリヌス菌など、食中毒を起こす原因菌には様々なものがありますが、最も発生率が高いのが下の3つ。「3大食中毒」とも呼ばれ、数年前より世間を騒がせている O - 157 など、重症化すると死に至るケースもあるので、ただの腹痛などと油断は禁物。
 
病原大腸菌
 

牛・豚・鶏などの食肉や水を含むその他多種に及ぶ食品が原因となる。腸炎を起こす大腸菌。中でも O - 157 (腸管出血性大腸菌 O - 157 )は二次感染もあり、重症化すると死に至る危険もある。

サルモネラ菌
 

牛・豚・鶏などの食肉、玉子などの食品が主な原因。また、ネズミやハエ、ゴキブリなどの害虫やペットから感染することもある。腹痛や吐き気、下痢、発熱などの症状が出る。

腸炎ビブリオ菌
  好塩性で、魚や貝などの海産物が主な原因食品。増殖スピードが速く、海水の温度が上がる季節は特に注意が必要。生魚を調理した後のまな板からの二次感染も。激しい腹痛や下痢、吐き気・嘔吐、発熱、血便などの症状が出る。重症化すると意識障害やチアノーゼなどを引き起こし、ごくまれに死亡するケースもある。
 
 
とにかく清潔に!徹底して予防しよう。
 
 
買い物編
 

必ず製造年月日や消費期限をチェックし、新鮮なものを選ぶこと。生ものを買ったあとは他の店などに寄り道せず、まっすぐ帰りましょう。

保存編
 

冷蔵庫を過信せず、食品は早めに使い切ること。また、食品を詰め込みすぎると冷えにくくなり庫内の温度が上がる原因になるので、常に整理を心掛けましょう。残り物を保存する場合は手早く粗熱を取り、すぐに冷蔵庫へ。色、臭い、ねばりなど少しでも気になった物はくれぐれも食べないように!

調理編
  とにかく清潔第一で。調理前、生ものを扱う前後は必ず石鹸で手洗いを。まな板や包丁、ふきんなどの調理器具も清潔に保ち、熱湯や漂白剤などでこまめに消毒をしましょう。キッチン用のアルコールスプレーなどの使用も効果的です。

 

 

日焼け後のアフターケア(2004年7月)

 

     
 
7月のテーマ:
日焼け後のアフターケア

いよいよ夏本番。海へ、山へとレジャーに出かけたり、太陽の下で過ごす機会も増える季節です。日に焼けた小麦色の肌は健康の象徴、というのも一昔前の話。紫外線が体に与える害が解明されるにつれ、また美白ブームなども手伝って、日焼けを嫌う傾向が強くなってきました。しかしやっぱり夏は日に焼けるもの。普段からの紫外線対策はもちろんですが、日に焼けてしまった場合の対処法を知り、上手に日焼けと付き合っていきましょう。

 
     

 

日焼けのメカニズム
 

 前回もお話しましたが、日焼けという現象は、紫外線に対する自己防衛システム。メラノサイトという細胞が紫外線を防ぐために作り出したメラニンという色素が、紫外線で酸化することによって、皮膚の細胞にダメージが及ぶのを防ぐという仕組みです。このときメラニンが酸化して黒くなるため、日に焼けて肌が黒くなったり、その色素がシミとなって残ってしまうのです。

 この紫外線によるダメージは、皮膚が老化するにつれて大きくなってきます。皮膚の表面は、少量の汗と皮膚の内部から出る皮脂で作られた「皮脂膜」によって守られ、わずかながら紫外線を反射させる働きもしています。皮脂の分泌量が十分で新陳代謝も活発な子供の肌は、紫外線によるダメージも回復が早く、夏休みに真っ黒に焼けても秋には元の肌に戻ることができます。しかし皮脂の分泌量は肌の老化とともに減り、皮脂組織に含まれる水分が蒸発してカサついたり、外部刺激への抵抗力が弱まって肌トラブルが起こりやすくなります。女性の場合なら 20 代後半から皮脂量の分泌量が下がり始め、 35 歳を境に衰えが目立つようになってきます。いわゆる「お肌の曲がり角」ですね。

 
 
日に焼けてしまったときの対処法
  日焼けは「軽いやけど」と同じもの。放っておかず、アフターケアを心がけましょう。
 
 
皮膚科編
 

 短時間で急激に日焼けした場合、肌が真っ赤になってヒリヒリ痛むときがありますね。ひどいときは炎症を起こしているため、皮膚科での処置を受けた方がいいでしょう。皮膚科ではメラニン色素の生成を抑えるビタミン C の外用薬や塗り薬などを処方してくれます。

自宅ケア編
 

 皮膚科に行くほどでない場合も、日焼けは一種のやけどですから、それなりの手当てをしましょう。まず炎症を抑えるために冷たい水に浸したタオルや、氷をビニール袋に入れたものなどで、ヒリヒリ感がなくなるまで冷やし続けます。その後、例刺激性の基礎化粧品を使い、水分補給と保湿をします。化粧水をたっぷりつけて水分補給と整肌をした後、乳液や美容液でうるおいを与えます。美容液などをたっぷり含ませたコットンでパックをするとより効果的。数日して皮がむけ始めても、無理にはがさないようにしましょう。赤くムラになる原因となるので、自然にはがれるのを待ってください。

食べ物編
   紫外線による皮膚へのダメージを回復させるには、バランスのとれた食生活が必須。新陳代謝を活発にする働きをもつ、ビタミン A 、 C 、 E を多く含む食品を中心にしたメニューをとりましょう。

 
<ビタミン A を多く含む食品>
・うなぎ、卵黄、バター、かぼちゃなど
<ビタミン C を多く含む食品>
・柑橘類、芋類、大根、海苔、緑茶など
<ビタミン E を多く含む食品>
・胚芽米、玄米、植物油、豆類、サンマなど
 

ちなみに、アルコールを飲んだときや体内にアルコールが残っているときは日焼けをしやすくなるので、バーベキューなど、野外でビールなどを飲む時は日焼けに気を付けてください。ビタミンを破壊する、タバコの吸いすぎにも気をつけましょう!

肌を焼きすぎる状態を度々繰り返すと皮膚の修正リズムが崩れ、細胞の異常繁殖、つまり皮膚ガンが発生する危険が出てきます。健康のためにも美容のためにも、過度の日焼けは絶対に避けるようにしてください。

 

 

紫外線(2004年6月)

 

     
 
6月のテーマ:
紫外線

本格的に日差しが強くなってくる初夏・ 6 月。 7 月 8 月の真夏よりも、実は紫外線量が最も多い季節です。しかも UVA という種類の紫外線は、曇りで日差しの弱い日でも晴れの日とその量は変わりません。そして室内にいたとしてもガラスを通過して肌まで届いてしまいます。

シミやシワの原因となるだけでなく、皮膚がんや白内障といった病気のリスクファクターともなり、美容にも健康にも悪影響を及ぼす紫外線。今のうちからしっかり防いでおきましょう。

 
     

 

紫外線と日焼け
 
 紫外線には3種類あり、最も強力な UVC という紫外線はオゾン層にさえぎられ地上まではほとんど届きませんが、 UVA と UVB という紫外線は私たちの肌まで届き、体に影響を与えています。 UVA はパワーは弱いものの皮膚の奥まで入り込み、シワなどの原因となります。
 細胞の DNA を傷つけ、活性酸素を発生させる紫外線。日焼けという現象は、紫外線に対する自己防衛システムなのです。メラノサイトという細胞が紫外線を防ぐためにメラニンという色素を作り出し、メラニンは紫外線で酸化することによって、皮膚の細胞にダメージが及ぶのを防いでくれます。このメラニンが酸化するとき黒くなるため、日に焼けて黒くなったり、その色素がシミとなって残ってしまうのです。

ちなみに紫外線は DNA を破壊するため、殺菌作用があるという利点も。洗濯物やまな板などを直射日光にあてて乾かすことで衛生管理の面では上手に活用しましょう。

 
コレで完璧・紫外線対策
 
 
ファッション編
 

 紫外線を防ぐには、まず肌の露出を極力抑えること。そして日の高い正午をはさんだ前後2時間はできるだけ外出を避けること。外出する際は、薄手の生地でもいいので長袖のシャツやカーディガンをはおるだけで紫外線を直接浴びなくて済みます。また、生地の色は黒いほうがより紫外線をさえぎる効果が高いということも参考に。そして見落としがちな首元も忘れないよう、外出時のファッションは襟付きのシャツやハイネックのシャツがお勧めです。

また、帽子やサングラス、日傘などのアイテムも活用し、それらは UV カット効果のある素材のものを選ぶなどして工夫を。ちなみに帽子のつばは、 7 cm以上あれば顔が浴びる紫外線の約6割をカットできるといいます。

   
日焼け止め編
 

 服装だけで防ぎきれない紫外線の対策に、日焼け止めも有効に活用しましょう。日焼け止めには子供用、敏感肌用など様々な種類のものが出ています。人によって肌荒れなどを起こす場合もあるため、自分の肌に合ったものを探して使いましょう。

ちなみに日焼け止めや日焼け止め効果のある化粧品に表示されている SPF ( Sun Protection Factor )と PA ( Proteciton Grade of UVA )という数値はそれぞれ UVB と UVA を防御するレベルを表す指標。

SPF20 と表示のあるものは日焼けするのに素肌の状態より 20 倍時間がかかるという意味。ただし汗などで落ちていくため、なるべくこまめに塗りなおすとより効果的です。そして PA は+の数が多いほど UVA を防止する効果が高く、 PA +なら UVA 防止効果がある、++ならかなり効果がある、最高ランクの+++なら非常に効果がある、ということになります。

SPF 値と PA 値、そして肌に合うかどうか。日焼け止めはこれらを参考に選びましょう。