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まめ知識カテゴリ: 食事

冬野菜を食べよう!(2008年12月)

 

冬野菜を食べよう!
 
 
  「冬野菜」といっても、お店に行けばたくさんの種類の野菜が一年中並んでるので、どれが冬野菜…?という人も多いかもしれません。旬を迎えたほとんどの野菜は、収穫量が増えるため価格もお手頃になります。しかも旬の野菜は、味わい・栄養価ともに高く安くて体にもおいしいと嬉しい事ずくめです。旬の野菜は、その季節に合わせてそれぞれに働きが異なるのも特長です。冬野菜には、ごぼう、れんこんなどの根菜類や春菊、ほうれん草、ブロッコリー、小松菜などの緑黄色野菜、ネギやカリフラワー、白菜、大根、かぶなどの淡色野菜があります。これらは、体を温めてくれる成分や風邪予防に効果的な作用があります。
   
  【冬野菜の上手な食べ方】
  ★鍋料理に最適
 
 野菜に含まれる栄養素には水溶性のものがあります。ビタミンCやビタミンB、カリウムなどはその代表です。溶け出してしまった成分もしっかり取り入れるなら、煮汁まで一緒にいただける味噌汁や鍋料理が最高です。また、不足しがちな野菜の摂取量も煮込むことによって食物繊維が柔らかくなり、生よりも多く食べれる様になります。その他にも野菜に含まれるペクチンは、胃の調子を整える効果もあります。蛋白質源の魚や肉と合わせると、栄養バランスもより良くなります。
   
  ★薬味に使う
 
ねぎ、にんにく、しょうがは、血行促進や新陳代謝を高める成分があり、身体を温めてくれます。基本的に香味野菜は殺菌力や解熱効果があるものが多いよう。風邪気味の時には特に摂取を!
   
  ★皮や葉っぱもお料理に
 
 大根やかぶは、白い所の皮の部分や、葉っぱの方にビタミンCが豊富に含まれています。普段は捨ててしまう部分も、実は栄養がいっぱい含まれています。細かく刻んでおひたしにしたり、皮の厚いものは皮ごとふかす・じっくり熱を通す、などの工夫でいつもと違う料理に大変身。生ゴミ減量にもつながって一石二鳥です。
   
  野菜の効用…、といっても野菜は薬ではないし、これを食べれば病気が治るというものではありません。しかし、薬やサプリメント、高価な健康食品に頼らずに、毎日の食事から体調を整えたいですね。もちろん、同じ野菜ばかりを食べるのではなく「バランスよく食べる事」が基本になります。
   
   
茨城県栄養士会 鈴木 宏美

 

 

バランスの良い食事について(2008年11月)

 

バランスの良い食事について
 
 
  秋も深まり、朝晩の気温が下がる日も多くなってきました。風邪をひきやすくなるので、日ごろから食事をきちんと摂って、からだに抵抗力をつけておきましょう。
生活習慣予防のために、日本型の食生活が見直されています。
日本型食生活は、米や魚介、大豆製品、野菜を主材料に、肉や乳製品など欧米型の材料がバランスよく使われた食事内容のことです。
    今から20年ぐらい前までは、栄養バランスがよく健康的な食事であると世界的にも高く評価されていました。ところが、最近そのバランスが少し崩れてきました。手遅れになる前に、私たちの食事を見直しましょう。

バランスのよい食事のキーワードのひとつに、ひとつずつ体によい食べ物の頭文字になっている「まごはやさしい」があります。

   
 
「まごはやさしい」
 ご存知の方が多いと思いますが、医学博士吉村裕之先生が、提唱されているバランスの良い食事の覚え方です。
   
 
・・豆類  
 
  大切なたんぱく質の供給源です。ビタミンB群や食物繊維を多く含んでいます。
 
・・ごま  
 
  脂質、鉄、カルシウム、ビタミンB1などを豊富に含んでいます。
 
・・わかめ・海藻  
 
  無機質(カリウム・カルシウム・鉄等)や食物繊維を豊富に含んでいます。
 
・・野菜  
 
  ビタミン・無機質や食物繊維の供給源として重要な食品です。
 
・・魚類  
 
  たんぱく質のアミノ酸組成では、必須アミノ酸に富み、特に穀類に不足しているリジンを多く含んでいます。脂質は、イコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸をおおく含んでいます。
 
・・椎茸・きのこ類  
 
  食物繊維が豊富で、低カロリーなのが特徴です。
 
・・いも類  
 
  主成分はでん粉です。ビタミンCや食物繊維を豊富に含んでいます。
   
  ごはんを主食(ごはんは和食・洋食のおかずどちらにもあいます)に、バランスの良い食事を心がけ、生活習慣病を予防しましょう!
   
茨城県栄養士会 住友 かほる

 

 

病気を防ぐ「あぶら」のとり方(2008年10月)

 

病気を防ぐ「あぶら」のとり方
茨城県栄養士会 佐藤 光恵
 
「あぶら」の種類は様々で、とり方によって、体にプラスにもマイナスにもなります。

健康によい「あぶら」を選んでとることは、メタボリック症候群を防ぐことにつながります。

   
 
「あぶら」の主成分「脂肪酸」にはさまざまな種類があります。
   
 
  サラダ油、ごま油、オリーブ油、肉、魚、乳製品、ナッツなどの食品から、私たちはさまざまな「あぶら」をとり入れています。「あぶら」は正式には脂質あるいは脂肪といい、たんぱく質、糖質とともに3大栄養素の一つです。

脂質は主に脂肪酸によって構成されています。脂肪酸は炭素、水素、酸素が結びついてできており、結びつき方で飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。また、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸は体内での生理作用が異なります。

   
 
脂肪酸の種類と特徴
 
一つの食材や油脂には、複数の脂肪酸が含まれています。多く含まれる主な脂肪酸と食品の種類、その特徴は下表のようになります。
 
脂肪酸の分類と主な種類 不飽和脂肪酸

n-3系多価不飽和脂肪酸

 α-リノレン酸。

 EPA。DHA

不飽和脂肪酸

n-6系多価不飽和脂肪酸

(リノール酸)

不飽和脂肪酸

一価不飽和脂肪酸

(オレイン酸)

飽和脂肪酸

 パルミチン酸

ミリスチン酸

ラウリル酸

ステアリン酸

主な食品 しそ油、えごま油、青背の魚 サフラワー油、

ごま油、大豆油

ひまわり油、

くるみ、とうもろこし油

オリーブ油、大豆油、菜種油、アーモンド、へーゼルナッツ ラード、ヘット

バター、肉の脂身

ショートニング

ヤシ油、ココナツ油

特徴
悪玉のLDLコレステロールをある程度下げる。
中性脂肪を下げる。血栓防止をする。
酸化しやすい
悪玉のLDLコレステロールを下げる。
善玉のHDLコレステロールも下げる。
酸化しやすい
悪玉のLDLコレステロールを下げる。
多くとると悪玉のLDLコレステロールを上げる。
不足すると血管がもろくなる。
   
 
積極的にとりたい脂肪酸、減らしたい脂肪酸
  食事でとった脂肪は脂肪酸に分解後、吸収され、エネルギーとして使われます。エネルギーとして利用されなかった残りは空腹時に備えて脂肪組織に蓄えられます。余れば脂肪になる点では炭水化物もたんぱく質も同じです。コレステロールは脂質の一種で、細胞膜や各種のホルモンの材料としてある程度の量は体に必要です。

健康によいと言われる脂肪酸を含む「あぶら」でも1gで9キロカロリーと、高エネルギーですから、とり過ぎると肥満を招きます。

国民栄養調査では多くの人が「あぶら」をとり過ぎているという調査結果になっています。

一般に肉などに多い飽和脂肪酸の摂取が多く、魚に多いn-3系多価不飽和脂肪酸や、一価不飽和脂肪酸は不足傾向がみられます。

「あぶら」の総量が過剰にならないようにし、様々な不飽和脂肪酸を含む「あぶら」をバランスよくとることが大切です。

   
  油のヘルシーなとり方
  肉に多く含まれる飽和脂肪酸は少なくし、魚に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸や、オリーブ油に多く含まれる一価不飽和脂肪酸を多くするように心がけることが健康的な「あぶら」のとり方です。

(1)   揚げ物にサラダ油。炒め物にごま油。パスタにオリーブ油とバランスよく料理に使い分け、1日の使用量を大さじ1~2杯までに抑える。
(2)   バラ肉、ベーコン、鶏肉の皮などはできるだけ控える。
(3)   魚の干物は酸化し易いので、新鮮なものを購入し、早く食べきる。
   
 
特定保健用食品に指定されている油
  「体に脂肪が付きにくい」「脂肪の吸収を抑える」などの表示がある食用油が市場に出回っています。あくまで、一般の食用油を使ったときと比べた場合に、表示されているような効果が得られると理解して使うことが必要です。特定保健用の油も1gは9キロカロリーなので、1日の使用量は普通の油と同程度にすることが勧められます。食べるほど効果が上がるものではないです。

 

 

朝食を食べる習慣をつけましょう!(2008年9月)

 

朝食を食べる習慣をつけましょう!
朝食の役割~朝食はからだの目覚まし時計~
 

寝起きの直後は血糖値が低く、内臓や神経、脳の働きも低下した状態になっています。

こうした機能を正常に戻し、体をすっきり目覚めさせるのが朝食の大きな役割です。

 
[お通じがよくなる]
人間の体は食事を摂ると消化器系が刺激され、それに伴い肛門の筋肉が緩みやすくなるように できています。

朝食を食べた後にトイレに行く習慣をつけると、毎朝の便通も良くなって快便生活が期待できます。

[仕事も勉強もはかどる]
シャキッと起きられずに、ぼんやりダラダラ過ごしていませんか?

朝食には寝ている間に低下した体温を上げる作用があり、活動をするためのウォーミングアップの役割があります。また朝食を摂らないと、脳のエネルギー源であるブドウ糖が不足して昼食を摂るまでやる気や集中力が出にくくなってしまいます。また昼食を朝食抜きの反動でまとめ食いをしやすく、満腹感で午後も頭がボーっとしがちです。

朝食をしっかり食べることで、一日の元気なリズムを作りハツラツと過ごせます。

[ダイエットにも効果的]
朝食を抜いてダイエットをしよう!なんて思っていませんか?

食事回数が減り、食事と食事の間隔があく事で体がエネルギーを蓄えておこうと働きます。

基礎代謝も悪くなる事で、貯めた脂肪を分解する力が落ちていき、「太りやすい体質」に・・・

朝食で摂ったエネルギーは夕食よりも消費されやすくなっているので、同じ一日の食事でも朝食をしっかりめに食べ、その分夕食を軽めにする習慣をつけるだけでもシェイプアップ効果が期待できると思います。

 
 
 
どんな朝食がいいのか?
朝食こそバランスが大切です。
[体温を上昇させるたんぱく質(主菜)]
炭水化物の3倍、脂肪の5倍もの体熱生産力があるといわれます。

血のめぐりがよくなり、寝起きの体が十分にウォーミングアップされます。

 
[即効性のエネルギー源(主食)]
糖質が分解されて出来るブドウ糖は脳を働かせる唯一のエネルギー源になります。
 
 
[野菜をたっぷり(副菜)]
野菜に含まれるビタミンが糖質を燃えやすくします。

効率よくエネルギーが生まれ生活習慣予防の効果も期待できます。

 
[乳製品や果物]
ヨーグルトや果物を加えるとビタミンやミネラル、カルシウムが摂れます。

 

おすすめ朝食パターン
[洋食セット]
パンとコーヒーだけでなく卵料理やサラダも一緒に食べることがおすすめです。
[和食セット]
日本の伝統的朝食としてご飯・野菜たっぷり味噌汁・魚・お浸しなどの組み合わせがおすすめです。ただし塩分の摂り過ぎに注意が必要です。
 

食生活の結果は、すぐに表面に表れるものではありません。

忙しい朝でも食べ物を口にするという「習慣」が大切です。

将来も健康に過ごせるように、明日からの朝食を大切にしましょう。

 

 

 

 

食事で脳梗塞を防ごう!!~若い頃からの食事が大切~(2008年8月)

 

食事で脳梗塞を防ごう!!

~若い頃からの食事が大切~

社団法人 茨城県栄養士会

管理栄養士 石津 和男

脳梗塞を防ぐ食事は、脳梗塞を引き起こす因子となる、高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満等を予防する食事と共通しています。その基本となるのがいわゆる日本型の食事をすることです。青魚や適量の肉、大豆・大豆製品、ビタミン類や食物繊維が豊富な野菜や芋類、きのこ、海藻類を積極的に食べること、そして低塩の食事を心がけることです。

    ◆脳梗塞予防にはこんな食事 

(1)
青魚を積極的に食べる
 
魚は良質なたんぱく質供給源であり、青魚に多く含まれている不飽和脂肪酸には、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。青魚は脂肪が多いからエネルギーが高い、と避けてしまいがちですが、脳梗塞の予防には積極的にとりたい素材です。

(イワシ、サンマ、アジ、サバなど)

(2)
適量の肉を食べる
 
動物性脂肪を含む肉は血管壁などを構成する重要な成分である良質なたんぱく質供給源なので、毎日摂取する必要があります。だだし、部位によっては脂肪を多く含むので、脂肪の少ない部位を選ぶこと、適量を守り食べ過ぎないようにしましょう。個人差はありますが、1日100g以内におさえ、もの足りないと思う人は、低エネルギーの野菜やきのこなどと合わせて調理しましょう。野菜に含まれる抗酸化物質や食物繊維もいっしょにとれるので栄養的にも優れたコンビといえます。
(3)
大豆・大豆製品を毎日食べる
 
大豆は良質のたんぱく源で、抗酸化ビタミンであるビタミンEを多く含み、食物繊維も豊富な食品なので毎日欠かさずとりましょう。特におから、凍り豆腐、納豆は食物繊維の多い食品です。また、納豆のねばねばに含まれる酵素には血栓を溶解する作用があるといわれています。(豆腐、おから、納豆、凍り豆腐など)
(4)
野菜を毎食100g以上食べる
 
野菜はビタミン類やミネラル、食物繊維を豊富に含んでいます。緑黄色野菜には動脈硬化の原因となる活性酸素の働きをおさえる抗酸化ビタミン(βカロテン、ビタミンC,ビタミンE)が多く、淡色野菜にはビタミンCが豊富です。野菜は毎日しっかり食べたい食材です。1食100g以上、1日350g以上食べることを心がけましょう。
(5)
を一日1品食べる
 
芋には食物繊維とビタミンCが豊富です。芋のビタミンCは加熱してもこわれにくいのが利点です。また、さつま芋の皮の赤は抗酸化物質アントシアニンの色素です。皮つきのまま調理しましょう。(さつま芋、里芋など)
(6)
きのこ、海藻類、こんにゃくなどを食べる
 
きのこ、海藻類、こんにゃくなどには食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維にはコレステロールが腸から吸収されるのを抑制し、体外に排出して血中コレステロールを減らす働きがあります。また、低エネルギーなのでたっぷり食べられます。ただし調理に油は使いすぎないこと。

 

  

◆脳梗塞予防にはこんな運動(目安)
(1)
種類
有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水中歩行などが適しています)
(2)
目安
ウォーキングの場合、1回15~30分を1日2回が目安です。

1日1万歩を目標にしましょう。

(3)
頻度
出来れば毎日続けることが大切。ただし無理は禁物です。
 

 

これらは若い頃からの運動、毎日の食事で実践することが肝要になります。しっかり食べて、がっちり健康!!

 

 

 

 

<1歳~2歳児の食事>(2008年7月)

 

<1歳~2歳児の食事>

 
 
 
 
 1歳半で与えてはいけない食品はほとんどありません。栄養素のバランスを考えて食べさせるためには、量をふやすより、品数をふやすことがコツです。

小さい頃から、多くの食品の味を覚えさせておくと、食事への興味が深まり、偏食の少ない食習慣がつくと考えられています。

 
     
 
1回の食事量の目安
 
   
  ◇ごはん
    子ども茶わん1杯前後、パンなら8枚切り食パン1枚。
   
  ◇肉・魚・卵
    これらのどれかを中心にしたおかずを毎回一皿。
   
  ◇野菜
    色の濃い野菜(ほうれん草や人参など)と色の薄い野菜(きゅうりやキャベツなど)を合わせて一皿。
   
  ◇果物
    1日1個。朝・昼・夕飯またはおやつのどこかで食べます。
   
  ◇油脂類
    バター・マーガリン・サラダ油・マヨネーズのどれかを1日のうちどこかで食べます。
   
  ◇おやつ
    牛乳やヨーグルト・イモ類など。
   
   
●料理のポイント
   
   子どもは色や型、舌ざわり、におい、味などの変化にとても興味をもちます。

同じ食品でも、目先を変えた料理にすると喜びますし印象にも残ります。

また、1歳半くらいでもおいしいものはよくわかります。まず、お料理づくりを楽しむことからスタートしましょう。そして、次のポイントをとり入れてみてください。

   
  ◇しゅんの材料を使う
    その季節の出盛りのものは、おいしく、安く、栄養価も高い。
     
  ◇糖分・塩分は控えめに
    小さいうちから生活習慣病予防。薄味でもおいしく食べます。
     
  ◇にがてな食品の工夫
    好きな料理と一緒に添え、少量でもよいから食べさせます。
     
  ◇好きな料理ばかり続けない
    栄養素の配分が偏る心配もあるし、飽きもきます。
     
  ◇まぜご飯も好評ですよ!
    肉・魚・野菜など同時に食べられ、嫌いなものも気がつきません。
     
  ◇カルシウム料理も忘れずに
    牛乳や小魚を使った料理は、子どもも大人も欠かせません。
     
  ◇舌ざわりのよい料理を
    シチュー・グラタン・ロールキャベツ・あんかけ料理は食べやすいです。
     
  ◇切り方やまとめ方は大人の半分くらいに
    子どもは口も胃も小さいのです!
     
  ◇肉は食べやすく調理
    ひと口大に切ったり、ひき肉料理にして大人もつきあいましょう。同じおかずで子どもも満足。
     
  ◇1杯の分量は少なめに
    おかわりをさせるつもりで少なく盛り付け。この方が食欲も増します。
     
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
<3歳~4歳児の食事>

 
 
 
 
 からだは小さくても、栄養素のバランスのとれたものを、たっぷりとらなければならない3歳児。といっても、胃の大きさには限界があります。子どもがほうっておいても食べそうな菓子類の取りすぎに気をつけ、魚・肉・牛乳・卵・大豆製品などは、心がけて食べさせるようにします
   
 
1回の食事量の目安
 
   
  ◇ごはん
    子ども茶わん1杯。パンなら8枚切り食パン1枚。
   
  ◇肉・魚・卵
    朝・昼・夕食でこれらの食品を中心とした料理を一皿ずつ。
   
  ◇野菜
    色の濃い野菜は煮炊きして、色の薄い野菜は炒めたりサラダで、どちらか一皿。
   
  ◇果物
    りんごやみかんなどを1日1個。
   
  ◇油脂類
    1日1回どこかで食べる。
   
  ◇豆類
    みそ汁なら1杯、煮豆なら大さじ1杯、豆腐なら1/5丁。
   
  ◇おやつ
    牛乳やヨーグルト・イモ類など。
   
   
●料理のポイント
   
   3歳になると、自我が目覚め、食べ物の好き嫌いがはっきりしてきます。

少し歯ごたえのわるいもの、匂いのつよいもの、食べるのが面倒なものを嫌がります。子どもの好きなものばかり与えていると、嫌いなものはますます食べなくなります。苦手なものも調理を工夫して乗り越えさせたいもの。また、味は薄味を守りましょう。

   
  ◇肉・魚・卵料理を交互に出しましょう。
     
  ◇野菜はまぜご飯やピラフ、みそ汁に入れるとよく食べます。
     
  ◇卵料理や焼き魚などは塩なしでOK。みそ汁は、大人がうすいと感じる位に。
     
  ◇魚は、バター焼きにしたり、あんでからめると、くさみが気になりません。
     
  ◇めん類は、肉・野菜を必ずつけあわせに。
     
  ◇ハム・ソーセージ・かまぼこ・ラーメンなど塩分の多い加工食品は控えめに。
     
  ◇牛乳・チーズ・ヨーグルトなどカルシウム分を料理でもとりましょう。
     
  ◇肉はひと口大に切ったり、よくたたいてやわらかく。
     
  ◇納豆・豆腐・油揚げなど大豆製品は、1日1回食卓へ。
     
  ◇わかめ・のりなど海藻類もみそ汁やあたたかいご飯と一緒に心がけて食べさせましょう。
   
 
茨城県栄養士会 栄養士 染谷悦子
   

 

 

長寿と食を思う (高齢者施設の食事に関って)(2008年6月)

 

長寿と食を思う

(高齢者施設の食事に関って)

社団法人 茨城県栄養士会

宮田 恵美子

 日本人の平均寿命が80歳を超えて暫し、100歳以上の方も珍しくないという昨今ですが、だれしも健康で長生きしたいと思っておられるのではないでしょうか。

 

 
 私は特別養護老人ホームで働いていますが、毎日の3度の食事が楽しみになっているご利用者にとって、それは単に命を永らえるためだけのものではないと、その重さを感じさせられます。

 

 
 
 ご利用者の方と接する時、しばしば昔食べたものの話をお聞きすることがあります。
 先日、みんなで草もちを作りましょうということになり、利用者様と蓬を摘みに出かけました。施設の周りの草むらに程よく蓬が生えていて、たくさん摘むことができたのですが、そのときに「子供のころにお腹が空くと、道端に生えているすかんぽを食べたものだよ。」とすかんぽを手にとり、懐かしそうに噛んでいました。たらの芽の天ぷら、せりのお浸し、わらびやぜんまいも山に採りに行って煮て食べたこと。
豪華な食材では無いけれど、心が豊かになるような食べ物を若い者達がこのような思いで味わえるでしょうか。

 

 
 
 10数年前のまだ介護食が出回っていない頃のことですが、食欲も無く、飲み込みも悪くなっている80代の利用者様に、郷土料理をお聞きして勧めてみようと思い、ベットサイドに伺いました。
その方は仙台の近くで生まれ、水戸に嫁がれたとのことでした。お正月はどんなものを食べましたか、ずんだもちが有名ですよね、食べてみたいですかとお聞きしてみたら、コクリとうなずかれました。2~3日して、枝豆をすりつぶし、ずんだを作って、お持ちしました。普段の食事の時になかなか口を開けてくださらないこの方が、懐かしいものを持って来ましたよ、と言って唇にそっと着けてみたら、すこしだけ口を開けてくださいました。何口か召し上がっていただけた時には、介護スタッフに歓声があがりました。

食事は無理だから、経官栄養にしたほうが良いのではといわれた方が少しずつ食べられる ようになった、、、、、

 

 このような経験を通じて、高齢者の食事は単に生命維持のためだけでは無いこと。

食の一つひとつが心の潤い、楽しみ、QOLにつながることを肝に銘じて、これからも食事の提供をして行きたいと思います。

 

 

 

 

毎月19日は食育(しょくいく)の日《合い言葉は「お・い・し・い・な」》(2008年5月)

 

毎月19日は食育(しょくいく)の日《合い言葉は「お・い・し・い・な」》

 茨城県食育推進計画の中の食育スローガン「お・い・し・い・な」を実践することによって、あなたも今日から食育をはじめましょう。

 
 
 
 おはよう、ごはんを食べましょう。
 朝食を食べるには、早寝早起きが必要になるなど、生活習慣改善の大きなカギとなります。朝食を食べることや、1日3食規則正しく食べることで、生活リズムを整えましょう。
→朝食を欠食する県民の割合の減少

 

 
 
 いただきます、ごちそうさまをいいましょう。
 命をもらった動植物、食に関わる方々や料理をしてくれる方々の活動があって、私たちは食べ物をいただいています。食べ物を大事にする気持ちや、作ってくれてありがとうの気持ちを表しましょう。
→食事のあいさつをする子ども(指導している保護者)の割合の増加

 

 
 
 しっかり野菜を食べましょう。
 不足しがちな野菜をしっかり食べましょう。毎日の食事にあと一品野菜のおかずを加えると栄養バランスが整います。
→野菜の摂取量の増加

 

 
 
 いばらきの食べ物を味わいましょう。
 地域の日常生活や伝統行事等と結びついた食材や料理、食文化は私たちの誇りです。いばらきの豊かな食を味わう機会を大切にし、食に関する技術や文化を学びましょう。
→学校給食における地場産品を使用する割合の増加

 

 
 
 なかよくみんなで食事を楽しみましょう。
 家族や友人と一緒に食卓を囲み、コミュニケーションをとりながら食事を楽しみましょう。
→家族と共に夕食を食べる子どもの割合の増加

 

 

 

 

ゆっくり離乳をすすめましょう(2008年4月)

 

ゆっくり離乳をすすめましょう

 
 
 
○赤ちゃんは一人一人個性を持っています。
  その子にあった離乳食のすすめかたをしましょう。
○成長曲線のグラフに体重・身長を記入して
  その子のカーブに沿っているかをみます
○嫌がる時は、無理強いせずに、ようすをみましょう
○調理に手間をかけられない時や外出時など
  ベビーフードも上手に利用しましょう
○うすあじが基本です
○少しずつ慣らしていきます
○楽しい食事を!
 
     
 
離乳食を始める目安
  ○首のすわりがしっかりしている
  ○支えてあげると座れる
  ○食べ物に興味を示す
  ○スプーンを口に入れても押し出すことが少なくなる
   
  離乳の準備?
    うすめた果汁や野菜スープは必要ないと考えられます

果汁の摂取によって、乳汁の摂取量が減少する可能性があります

(タンパク質、脂質、ビタミン類、鉄分、カルシウム、亜鉛などの摂取量が低下)

乳児期以降における果汁の過剰摂取傾向や低栄養の危惧があります

   
  ◇「スプーンに慣れさせる」観点から
    舌でおしだす反射があるうちはむずかしいので、離乳食が始まってからでもスプーンになれることはできます
   
  ◇「ビタミンC補給」観点から
    育児用ミルクには、ビタミンCが強化されています。また、母乳の場合は母親がきちんと果物や野菜をとることでビタミンCが不足することはありません
   
  ◇「乳汁以外の味になれさせる」観点から
    離乳食は基本的に食品の種類は1種類ずつ増やしていくので味の体験を積み重ねていくことができます
   
  ★果汁については、便秘がひどい時などは有効でしょう
 
便秘の乳児には、希釈した果汁を排便の状態を見ながら与えることがあります
便秘の程度によっては、希釈しないであたえることもあります
みかんなどの柑橘系は便を軟らかくし、りんごは便の固さを程よくする効果があります
100%果汁の浸透圧は母乳より2~3倍高いので浸透圧性の下痢を起こす可能性があります。2~3カ月のころは2~3倍にうすめてあたえましょう
   
●離乳食の目安(個人差があります)
     
  ◇生後5,6カ月頃
    子どもの様子を見ながら、1さじずつ始める

母乳やミルクは飲みたいだけ

なめらかにすりつぶした状態

     
  ◇7,8カ月頃
    1日2回食で、食事のリズムをつけていく

いろいろな味や舌触りを楽しめるように、食品の種類もふやしていく

舌でつぶせる固さ

     
  ◇9~11カ月頃
    食事のリズムを大切に、1日3回食

家族一緒に楽しい食卓体験

歯ぐきでつぶせる固さ

鉄分不足に注意し、赤身魚や肉、レバーなど使って工夫

     
  ◇12~18カ月頃
    1日3回の食事リズム、生活リズムを整える

自分で食べる楽しみを、手づかみ食べから始める

歯ぐきでかめる固さ

     
 
授乳期・離乳期は「食べることの基礎」を育てる大切な時期です。

小さな時の食体験は 豊かな心を育てる力も持っているともいえるでしょう。

この時期は家族の食事を見直す好機かもしれません。

 
     

 

 

あなたの骨は健康ですか? 《骨粗鬆症を予防しましょう》(2008年3月)

 

あなたの骨は健康ですか?

《骨粗鬆症を予防しましょう》

 
 
 

骨粗鬆症とは骨の量が減り、スカスカにもろくなった状態です。骨粗鬆症になると、転倒など些細なことが原因で骨折してしまいます。

 
     
 
1 カルシウムとは?  
 

  カルシウムは骨や歯などをつくっている栄養素です。体重の1~2%の重さで体内に存在しています。

 
     

2 カルシウムの働きは?

 
 

  体内のカルシウムの99%は骨と歯に、残りの1%は血液や細胞などに存在し、体の機能を正常に保つために重要な働きをしています。

 
     

3 カルシウムが不足すると?

 
 

  食事からのカルシウムの摂取が不十分で、血液中のカルシウムが不足すると、骨に蓄えられたカルシウムから補給されます。このような状態が続くと、骨の形成がスムーズに行かず、骨がもろくなってしまします。骨は、体の他の部分と同じように、少しずつ形成と破壊を繰り返し、絶えずつくり替えらています。食べたカルシウムは、小腸から吸収されて血中に入り、すぐに使う分だけ残して残りは骨に蓄えられます(骨の形成)。一方、血中には常に同じだけのカルシウムが必要なので、血中のカルシウムが不足するとき、骨は自らを壊して補います(骨の破壊)。骨は不足に備えて銀行のようにカルシウムを貯金しています。

 
     

4 なぜ骨量は低下するのか?

 

 
体内の成長が終わる20歳頃まで増加し続け、40歳を過ぎると低下していきます。若いうちから骨量を保つ生活習慣を身につけておくことが大切です。

   

5 多く含まれている食品は?

 

 ・ 乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)

・ 大豆製品(豆腐、納豆など)

・ 魚介類(桜エビ、ししゃも、わかさぎなど)

・ 野菜類(小松菜、水菜、モロヘイヤなど)

・ 海草類(昆布、ひじきなど)

・ 種実類(ごまなど)

   

以下のようなことに心がけましょう。

   
1 食事を減らすダイエットは避ける
 

 
骨粗鬆症予防で最も大事なことは、成長期に出来るだけ骨量を増やして、最大骨量を上げておくことです。最大骨量が高ければ高いほど、加齢ととも骨量の減少が続いても、骨粗鬆症へ至る危険は少なくなります。特に若い時期から栄養バランスの良い食事と適度な運動を身につけておきましょう。

   
2 カルシウムをしっかり摂る
 

 
カルシウムが含まれる食品の中でも、牛乳は比較的吸収率が高く、たんぱく質やビタミンA、B2といった、カルシウムの効果を高める栄養素と同時にとることが出来ます。また、小魚や海草、緑の野菜や大豆製品にも多く含まれていますので、色々な食品からとるようにしましょう。

   
3 適度な運動を毎日続ける
 

 体を動かして、骨に圧力をかけることでカルシウムは骨に沈着します。高齢者でも、運動習慣のある人は、ない人に比べて骨量が多いことがわかっています。また、運動で筋力やバランス感覚を養うことは、骨折の原因となる転倒を防ぐことにもつながります。年齢に応じた、適度な運動を毎日続けようにしましょう。

   
4 たばこはやめる!アルコールは控えめに!
 

 ニコチンや過度のアルコールは、カルシウムの吸収に悪影響を与えます。

   
規則正しい生活習慣と食習慣でカルシウムをコツコツ貯めて、健康な骨を保ちましょう!!