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寝苦しい熱帯夜を快適に過ごすためのエアコン活用術(2023年8月)

気温も湿度も高く、ムシムシとした暑さで寝苦しい熱帯夜。何も対策せずに寝ようとすると、なかなか寝つけなかったり、脱水症状を引き起こして熱中症になったりする危険性を伴うことがあります。寝苦しい熱帯夜は、エアコンを使って快適に眠るのがおすすめですが、エアコンをつけたまま寝ると体調を崩してしまう人も。そこで今回は、エアコンの上手な活用術や、熱帯夜でも快適な睡眠環境を作る方法をご紹介します。

◆熱帯夜とは?

熱帯夜とは、夏の夜間に気温が高いまま下がらず、熱さが持続する気象現象のことです。具体的には、日が落ちたにもかかわらず最低気温が25℃を超える夜を指します。

高温多湿の夜は睡眠の質に悪影響を与えるため、熱帯夜が続くと体力や集中力の低下、イライラなどの問題が生じる場合があります。また、汗をかくことで体内の水分が大量に失われ、脱水症状になる可能性もあるため注意が必要です。

◆快眠しやすい温度と湿度

快適な睡眠環境を作るためには、適した温度と湿度が重要です。一般的には、室温が28℃以下、湿度は50~60%程度が適しているといわれています。ただし、過ごしやすい温度には個人差があるため、自分に合った温度と湿度を見つけることが大切です。エアコンを上手に活用して、理想の睡眠環境を整えましょう。

◆熱帯夜におすすめのエアコン活用術

熱帯夜を快適に過ごすためには、エアコンの活用がおすすめです。ここでは、熱帯夜でも快眠を得るためのエアコン活用術をご紹介します。

・一晩中つけたままにする

熱帯夜でも快適な睡眠環境を整えるなら、エアコンは一晩中つけておくのがおすすめです。タイマーをかけると、エアコンが切れたタイミングで室温がぐっと高くなり、寝苦しくなったり目が覚めてしまったりする可能性があります。エアコンをつけたまま寝ると風邪を引いたり、寝起きの体がだるく感じたりする場合は、設定温度や風向きを見直しましょう。

寝ているときに体が冷えすぎると、体調不良を招くほか、眠りが浅くなってしまう可能性があります。また、血行不良が引き起こされることにより、寝起きの体が重くだるく感じることもあります。エアコンの風が体に直接当たらないように、風向きを床と平行にしておくのがおすすめです。

・理想の室温と湿度を保つ

一般的には、室温28℃以下、湿度50~60%の環境であれば快眠できるといわれています。ただし、体感温度や快眠できる温度は人によって異なります。エアコンの設定温度は26~28℃を目安に、自分に合った温度を探してみてください。

・タイマーを活用する方法

エアコンを一晩中つけたままにしておくことに抵抗がある方は、エアコンのタイマー機能を活用しましょう。ただし、寝室の壁や天井には熱が溜まっているため、エアコンが切れるとすぐに室温が上がってしまいます。そのため、タイマーを使用する場合は、寝る1時間前にはエアコンをつけ、寝室をしっかり冷やしておくことがポイントです。

また、人は睡眠時に、深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠を交互に繰り返しています。快適な睡眠のためには、眠り始めに深い眠りに入ることがとくに大切です。平均的な睡眠周期は一周90分とされているため、深いノンレム睡眠が2周確保するために、3時間はエアコンをつけておいた方が良いとされています。タイマーを活用するときは、就寝後3時間以上後に切れるように設定しておきましょう。

◆まとめ

暑い熱帯夜でも快適に眠るための、エアコンの上手な活用術をご紹介しました。睡眠時の脱水症状や熱中症を防ぎながら心地よい睡眠環境を作るためには、エアコンの活用が欠かせません。適切な温度や使い方を理解し、自身に合った方法で、熱帯夜でも快適に眠れる環境を整えてみてください。

夏野菜で夏バテ予防!優れた栄養成分を効率よく摂取するには?(2023年7月)

高温多湿となる日本の夏。暑さや湿気による疲労や、栄養不足から身を守るためには、夏野菜がおすすめです。夏野菜には、夏バテ予防に役立つ栄養成分が豊富に含まれており、旬である夏にはもっとも栄養価が高くなります。今回は、代表的な夏野菜とそれぞれの栄養成分、そして効率よく栄養を摂取する方法をご紹介します。

◆夏野菜の特徴と効果

夏野菜とは、夏に収穫時期を迎える野菜のことで、水分と栄養素を豊富に含んでいます。水分補給やビタミン摂取に効果的で、夏の脱水症状や夏バテ防止に役立ちます。

免疫力向上や肌の健康促進に効果が期待できるビタミンCやビタミンAなどの栄養が豊富です。また、抗酸化物質が多く含まれている傾向にあり、細胞の老化や疾病予防に効果的とされています。

◆代表的な夏野菜と栄養成分

夏野菜の中でも、とくに代表的な野菜とその栄養成分についてご紹介します。栄養成分と効果を理解することで、より効果的に夏バテ予防や栄養補給ができるでしょう。

・トマト

夏野菜の代表格トマトには、リコピンという抗酸化物質が多く含まれています。抗酸化作用によって体内の活性酸素が除去されるため、免疫力向上や細胞の健康維持などに効果的です。

・キュウリ

キュウリは水分補給に優れており、デトックス効果が期待できます。ビタミンCや、汗とともに失われがちなカリウムも多く含まれています。

・ナス

ナスにはポリフェノールが多く含まれており、抗酸化作用や血圧の調整に役立ちます。また、食物繊維も豊富に含まれているため、腸の健康促進にも効果的です。

・パプリカ

パプリカにはビタミンCやカプサイシンが含まれており、免疫力向上や代謝促進に寄与します。さらに、ビタミンEやβ-カロテンも豊富で、肌の健康維持に効果的です。

・ゴーヤ

ゴーヤには血糖値の調整や、ダイエットなどに効果的なビタミンやミネラルがバランス良く含まれます。カリウムも多く含まれるため、むくみの解消や代謝の促進に役立ちます。

・ピーマン

ピーマンにはビタミンCが多く含まれ、免疫力の向上や疲労回復効果が期待できます。また、新陳代謝を促進する効果があるカプサイシンも含まれています。

◆夏野菜の栄養を効率よく摂取する方法

夏野菜を積極的に食卓に取り入れ、夏バテ予防をしましょう。ここでは、夏野菜の栄養を効率よく摂取する方法をご紹介します。

・油を使って調理する

夏野菜の多くは、脂溶性のビタミンやカロテノイドを含んでいます。これらの成分は油との相性が良いため、油を使って調理することで栄養素の吸収が高まります。たとえば、トマトを使ったトマトソースやパプリカを使った炒め物など、オリーブオイルやアボカドオイルを加えた料理がおすすめです。

・皮をむかずに調理する

夏野菜の多くは、皮に栄養が集中しています。とくにキュウリやゴーヤの皮にはビタミンが多く含まれているため、効率よく栄養を摂取するためには皮をむかずに調理することが大切です。キュウリは薄切りにしてサラダやスムージーに、ゴーヤはスライスして炒め物やスープに入れるのがおすすめです。

・加熱調理は短めに

夏野菜の多くは生でも食べられますが、一部の野菜は加熱することで栄養素の吸収を助けます。ただし、熱に弱い栄養素もあるため、蒸す・炒めるなど、加熱時間が短い方法を選びましょう。食材ごとに調理方法を変えるなど、工夫することでさらに効率よく栄養を摂取できます。

◆まとめ

夏野菜の栄養素や、効果的な摂取方法についてご紹介しました。夏に旬を迎える夏野菜は、夏バテや脱水予防、栄養補給に効果的な食材といえます。油を加えて短時間で加熱調理したり、皮をむかずに食べたり、食べ方を工夫することで、さらに夏野菜の栄養を効率的に摂取できます。積極的に食事に取り入れ、夏の暑さを乗り切りましょう。

梅雨の時期の体調不良は「梅雨だる」のせい?原因と解消法を紹介(2023年6月)

梅雨

日本では、毎年5月から6月にかけて梅雨入りします。じめじめと蒸し暑く、雨が降り続く梅雨どきは、体のだるさや食欲不振、頭痛などに悩まされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。この時期の体調不良は、「梅雨だる」や「6月病」などと呼ばれています。今回は、梅雨どきに起こりやすい体調不良とその原因について解説しながら、体調管理のポイントをご紹介します。

◆「梅雨だる」とは?

長雨が続き、気温も湿度も高い状態となる梅雨。この時期になると、なんとなく頭が重い、体がだるいなどの不調を感じる方が多いといいます。梅雨どきに生じるこのような症状は、総じて「梅雨だる」と呼ばれます。主な症状は、体のだるさや頭痛、頭重感、めまい、肩のコリ、関節痛などです。また、気分が落ち込んで鬱っぽくなったり、イライラしやすくなったり、精神面での不調も起こりやすくなるといいます。

仕事や勉強に集中できなかったり、やる気が起きなかったりする場合は注意が必要です。生活のさまざまな場面で悪影響が及んでしまう前に、梅雨だるの原因について理解を深め、解消に努めましょう。

◆梅雨だるの原因

・低気圧による自律神経の乱れ

脳の中枢にある自律神経は、興奮状態のときに働く交感神経と鎮静時に働く副交感神経があります。通常は、この2つの神経がバランスを取り合いながら気圧の変化に作用しますが、気圧が低いと副交感神経が優位になりやすくなります。梅雨どきは低気圧の状態が続くため、体が休息状態となり、だるさを感じたりやる気が起きなかったりしやすくなるのです。

・気温の急激な変化

梅雨入りすると長雨の影響で気温が下がったり、晴れて真夏日になったり、気温の変化が激しくなります。このような気温差や天気の変化は、知らず知らずのうちに心身へのストレスになってしまうもの。体が疲れやすくなり、自律神経の乱れにもつながるおそれがあります。

・湿度の高さによる水分代謝の低下

雨が降り続く梅雨は、湿度が高くなるため体に残った余分な水分が排出しにくくなります。体のさまざまな場所に必要以上に水分がたまると、むくみや頭痛、食欲不振、下痢などの不調を引き起こすといわれているのです。

◆梅雨だるの予防・解消法

規則正しい生活
・規則正しい生活で自律神経を整える

気分の落ち込みや体の不調を解消するなら、規則正しい生活を送って自律神経の乱れを整えることが大切です。早寝早起きを心がけ、栄養バランスを考えた食事を1日3食しっかり摂りましょう。

・光を取り入れて気分も明るく

朝目覚めたらカーテンを開けて日光を浴び、体を目覚めさせるのも効果的です。雨が降っている日でも、カーテンを開けたり電気をつけたりして部屋を明るく保ちましょう。部屋が暗いと、気分も落ち込みがちになってしまいます。

・適度な運動と入浴で水分代謝をあげる

梅雨どきは、雨で外出も億劫になってしまいがちになってしまいますが、意識的に体を動かすようにしましょう。外出できないときは、室内でもできるスクワットや踏み台昇降などの運動がおすすめです。ぬるめのお風呂にゆっくり浸かり、体を温めるのも効果的です。できるだけ汗をかいて、体にたまった余分な水分の排出を促しましょう。

また、体が冷えると、さらに水分代謝の悪化を招くおそれがあります。冷房対策としてカーディガンやストールを持ち歩き、冷えを感じたらすぐに羽織れるようにしておきましょう。体を冷やす食べ物や生ものの摂りすぎに注意し、できるだけ温かい食べ物を食べることもおすすめです。

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梅雨時期の体調不良「梅雨だる」の原因や解消法についてご紹介しました。私たちの体調は天気や気圧の変化によって左右されやすく、体にさまざまな不調として現れます。梅雨の時期はとくに、意識的に自律神経を整え、水分代謝をあげる生活を意識しましょう。万一梅雨だるの症状が出てしまった場合は、ご紹介した予防・解消法を試してみてください。

唐辛子の辛み成分・カプサイシンの効果と摂取時の注意点(2023年5月)

唐辛子と聞くと、真っ赤な細長い果実と、刺激的な強い辛みをイメージする方も多いでしょう。辛みが苦手で、唐辛子を敬遠されている方もいるかもしれません。しかし、唐辛子の辛みの主成分である「カプサイシン」は、体内に入るとさまざまな効果を発揮し、健康をサポートしてくれるといわれています。今回は、カプサイシンの主な効果と、唐辛子を摂取するときの注意点などをご紹介します。

◆唐辛子とは?

唐辛子とは、南アメリカ原産のナス科の野菜です。強い辛みを感じる辛味種と、辛みが少ない甘味種の2種類に大別されます。唐辛子は世界に100種類以上あるといわれており、品種や栽培地域によって形状や味、カプサイシン量なども多種多様です。

◆カプサイシンの特徴

唐辛子の辛みの主成分であるカプサイシンは、主に唐辛子の胎座(実のなかのわたの部分)や種に多く含まれています。舌の痛覚神経を刺激し、摂取すると油や酢には溶けやすく水に溶けにくいという性質があります。カプサイシンを効率よく摂取するなら、生で食べるよりも調理して食べるのがおすすめです。

また、熱によって構造が変化しないため、加熱調理しても辛みは損なわれません。

◆カプサイシンの効果

・冷え性やむくみの改善

カプサイシンを食べると、体がポカポカと温まります。これは、カプサイシンが脳神経に作用し、血行が促進されているためです。全身の血流が良くなり体が温まれば、冷え性の改善にもつながるでしょう。それと同時に、冷えが大元の原因であるむくみの改善も期待できます。

・食欲増進や便通改善

カプサイシンは適量を摂取すれば、胃腸の適度な刺激になります。胃液や唾液の分泌を活発にしたり、蠕動運動を促したりするため、食欲増進や便通の改善にも役立つでしょう。

・疲労回復やアンチエイジング

カプサイシンを摂取すると体が温まるため、新陳代謝が上がったり発汗したりします。老廃物が排出されやすくなれば、疲労回復効果やストレス解消にもつながるでしょう。また、唐辛子にはビタミンCやビタミンA、ビタミンEなども豊富に含まれています。これらの成分には抗酸化作用があるため、疲れにくい体や美肌づくりに効果が期待できるでしょう。ただし乾燥唐辛子になると、ビタミンCがほとんど含まれません。

◆唐辛子を食べるときの注意点

・食べすぎに注意する

唐辛子は、食べすぎると胃腸の粘膜が傷つき、炎症を起こしてしまう可能性があります。吐き気や嘔吐、下痢、高血圧につながることもあるため注意しましょう。カプサイシンの摂取目安量は、体重1kgに対して5mgとされています。体重50kgの方であれば250mgが目安です。日本でポピュラーな鷹の爪であれば、1本あたりのカプサイシン量は1mg程度のため、通常の摂取においては心配無用です。

・唐辛子に触れた手で目や肌をこすらない

唐辛子を触った手で目や肌をこすると、触れた部分に痛みや灼熱感が生じます。唐辛子を採取・調理をする場合は、ビニール手袋を着用するようにしましょう。素手で触れてしまったときは、水道水と石鹸でよく洗い流してください。

・好みに応じて辛みを調節する

人によって辛みの感受性の強さは異なるため、自分の適量や好みの辛さを把握しておくことが大切です。また、体調を崩している場合は、普段よりも辛みの感受性が強くなっている場合もあります。体調を考慮して辛いものを食べるのを控えたり、辛みを調節したり工夫しましょう。

唐辛子の辛み成分であるカプサイシンの効果や、摂取時の注意点をご紹介しました。カプサイシンは、適量を摂取すると食欲増進や血行促進など、健康に嬉しい効果が期待できます。しかし、食べすぎてしまうと、かえって体に負担をかけてしまう恐れがあります。適量を心がけながら、おいしくカプサイシンの効果を取り入れてみてください。

実は猫背になっているかも?長時間のデスクワークの方は要注意!(2023年4月)

自分は大丈夫と思っていても、長時間のデスクワークやスマホ操作で、いつの間にか猫背になってしまっている可能性があります。猫背は見た目が良くないことはもちろん、体にさまざまな悪影響を及ぼすおそれがあります。「たかが猫背くらいで」と軽視せず、早めの改善が大切です。そこで今回は、簡単な猫背のセルフチェックの方法や、猫背改善をサポートする体操などをご紹介します。デスクワークなどで長時間同じ体勢をとる機会が多い方は、ぜひ取り入れてみてください。

 

◆猫背の原因と体への悪影響

猫背にはさまざまなタイプがありますが、近年は首に引っ張られるように背中が前傾してしまうタイプの猫背が増えているといいます。このタイプの猫背は、デスクワークやスマホ操作などで、長時間座りっぱなしになる生活習慣が主な原因とされています。

楽な姿勢をとるために前かがみに座ったり、背もたれにもたれかかったまま作業を続けたりする方はとくに注意が必要です。このような姿勢を長時間続けると、骨盤のゆがみや筋肉の固まりにつながり、猫背になりやすくなります。

 

猫背の姿勢は肺を圧迫して深い呼吸の妨げになり、体に十分に空気を取り込めなくなります。呼吸が浅くなると、臓器の働きが鈍くなったり代謝の低下を招いたりするため、さまざまな体の不調につながってしまうのです。肩こりや腰痛などの身体的な不調はもちろん、自律神経の乱れや気分の落ち込みなど、メンタルの不調にもつながるため注意しましょう。

◆猫背のセルフチェックの方法

自宅で簡単にできる、猫背のセルフチェックの方法をご紹介します。道具などはとくに必要ないため、ぜひ一度試してみてください。

 

Step1. 壁を背にして立つ

Step2. 頭・背中・お尻・かかとを壁につける

 

この姿勢をとったときに壁から頭やお尻が離れてしまった場合、すでに猫背である可能性が高いです。また、頭やお尻が壁から離れずに立てるものの、どちらかが離れていた方が楽に立てる場合は、猫背予備軍といえるでしょう。猫背由来の体の不調につながる前に、猫背を改善することをおすすめします。

◆猫背の改善方法

猫背の改善をサポートする、簡単な体操をご紹介します。寝る前やデスクワークの合間などに手軽に試せるため、ぜひ日々の生活に取り入れてみてください。

・猫背改善ストレッチ
  1. バスタオルを2~3枚重ねて筒状に丸めたもの、またはストレッチポールなどを用意します。
  2. 仰向けになり、「1」を肩甲骨の下あたりにセットしましょう。
  3. 両手をあげて頭の後ろにもっていき、バンザイのような体勢をとります。このとき、無理のない程度に顎を引くとより効果的です。
  4. この状態のまま、1~2分間キープしましょう。痛みを感じる場合は無理をせず、すぐに中止してください。慣れてきたらキープする時間を延ばしていきましょう。ストレッチは1日1回を目安に、お風呂上りなどに行ってみてください。

・猫背改善筋トレ
  1. 顎を引いて背筋を正し、椅子に座ります。
  2. 頭を下に向け、手のひらを下に向けた状態で両手を肩と同じ高さで前に伸ばしていきましょう。肩甲骨周りの筋肉を伸ばすイメージで、10秒間キープします。
  3. 頭をあげて、肘を体の後ろに向けて引いていきます。肘の高さが肩より下がらないように注意しながら10秒間キープしましょう。
  4. 次に、肘の高さを保ったまま、手のひらを上にあげて正面に向けて10秒間キープします。椅子に座ったままできるため、デスクワークの合間に1日3回程度を目安に行ってみてください。

心身ともに不調を招いたり老けてみられたり、猫背でいることはデメリットばかりといえます。毎日を健康的に過ごすためにも、正しい姿勢を心がけて猫背を予防しましょう。すでに猫背にお悩みの方や猫背予備軍の方は、ご紹介した体操を普段の生活に取り入れてみてください。なかなか改善されなかったり、猫背由来の腰痛や頭痛があったりする場合は、骨盤や背骨がゆがみ、筋肉が凝り固まってしまっている可能性があります。整骨院などに相談し、体の状態をチェックしてみてください。

 

青あざができる原因とは?できるだけ早く治したいときの対処法(2023年3月)

ころんだり体をぶつけたりしたときに、その部分が腫れたり青紫色になったりした経験はだれでも一度はあるのではないでしょうか。このように、皮膚の一部の色がまわりと異なって見える部分を、一般的には「痣(あざ)」と呼びます。あざにはいくつか種類がありますが、打ち身などで青紫色になったあざは「青あざ」と区別して呼ばれることもあります。青あざは、どうしても腕やひざ、顔など、ぶつけやすい場所にできてしまうため、目立ちやすいのが難点です。時間が経てば消えていきますが、少しでも早く治したいもの。
そこで今回は、青あざができてしまうメカニズムを解説したうえで、青あざをできるだけ早く治す方法をご紹介します。

 

◆青あざができる原因とメカニズム

青あざは、外部からの衝撃によって皮膚の内側で毛細血管に傷がつき、出血が起こることでできます。破れた血管から流れた血液がまわりの組織に広がり、その状態が皮膚の表面では青紫色に見える仕組みです。

皮膚の深部や皮膚の厚い場所で内出血が起きた場合は、表面に広がる前に消えてしまうこともあります。しかし、ぶつけやすい腕や足の皮膚は薄いため、あざが目立ちやすいのです。

 

青あざの主な原因は、打撲・打ち身・捻挫・骨折・肉離れなど外傷によるものです。直接的な原因ではありませんが、加齢により血管の壁が脆くなり皮膚が薄くなると、ちょっとした衝撃であざができやすくなります。ほかにも、服用中の薬の影響や、特定の栄養素の不足や偏りであざができやすくなることがあるため注意しましょう。

 

◆青あざを早く治すための応急処置方法【RICE処置】とは?

青あざを早く治すためには、スポーツの現場でも行われている処置方法が効果的です。怪我をした直後に必要な行動の頭文字をとって、「RICE処置」と呼ばれています。ここでは、できるだけ早く青あざを治すためのRICE処置についてご紹介します。

 

・Rest(安静)

まずは、怪我をした部分は動かさず安静にしておきましょう。無理に動かすと、あざや腫れがひどくなる可能性があります。

 

・Icing(冷却)

青あざができてすぐは炎症を起こしているため、腫れや熱感を伴っている可能性が高いといえます。あざは皮膚のなかで出血している状態のため、血行を良くすれば早く治ると考える方は多いようです。しかし、熱感のある状態で患部を温めたりお風呂に入って血行を良くしたりしようとすると、かえって直りを遅くしてしまう可能性があります。青あざができてすぐは、炎症を抑えるために、氷やアイスパックなどを使って患部をしっかり冷やすことが大切です。

 

・Compression(圧迫)

必要に応じて、テーピングや包帯などで患部を圧迫し固定します。怪我をしてしまったら、冷却と合わせてできるだけ早い段階で行うことが大切です。

 

・Elevation(拳上)

圧迫が済んだら、患部を心臓よりも高く挙げておきましょう。腫れやあざがひどくなるのを防いだり、痛みを緩和させたりすることができます。骨折や肉離れの疑いがある場合は、応急処置が済んだら速やかに病院を受診しましょう。

 

・RICE処置を行った数日後

数日経って炎症が治まると、青あざは黄色や緑色に変わってきます。熱感がなくなったら冷やすのはやめて、血行を良くするよう努めましょう。患部を温めたりマッサージをしたりして、血の吸収を促せば青あざを早く治すことができます。

 

青あざができてしまう原因や、早く治すための対処法をご紹介しました。基本的に青あざは、時間が経てば自然と治るために何も対処しないという方も多いでしょう。しかし、少し対処法を変えるだけで、目立つ青あざをより早く治すことができる可能性があります。目立つ場所に青あざができてしまった場合は、ぜひご紹介したRICE処置を行ってみてください。

 

 

一刻も早く楽にしたい!足の疲れやだるさの原因と解消法(2023年2月)

 

たくさん歩いた日やスポーツを楽しんだ日など、1日の終わりに足が重く、だるく感じてしまうことがあります。お風呂に入ってもマッサージをしても疲れが取れず、翌朝までだるさや重さが残ってしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。また、足を使った日だけではなく、長時間座りっぱなしだった日にも疲れを感じることがあります。足の疲れとは、どんなことが原因で引き起こされるものなのでしょうか。今回は、足の疲れやだるさを感じる原因と、効果的な解消法をご紹介します。

 

◆足の疲れ・だるさの原因

足の疲れやだるさを感じるケースは、多種多様です。たくさん足を使った日や長時間立ちっぱなしだった日はもちろん、座りっぱなしで足を使わなかった日も疲れを感じることがあるでしょう。つらい足のだるさに悩まされるケースは多くありますが、これらはすべて血流が原因で引き起こされるといいます。

 

足は体の中でも心臓から一番遠く、もっとも重力の影響を受けやすい場所にあります。そのため血行不良が起こりやすく、長時間同じ体勢のままでいると足先から血流が滞っていってしまうのです。

 

足の血流を滞りなく循環させるためには、心臓の力だけではなく、ふくらはぎの筋肉が活躍しています。ふくらはぎの筋肉がポンプ代わりとなり、静脈を圧迫することで心臓に血液を押し戻しています。そのため、立ちっぱなしや座りっぱなしの状態が続くと血流が滞り、足がむくんだり疲れやだるさを感じたりする原因になってしまうのです。

 

◆足が疲れやすい人の特徴

・足の筋肉が少ない人

ふくらはぎの筋肉は、足の血液を心臓に送り返すポンプのような役割があります。足の筋肉が少ない人は、ポンプ機能も弱くなってしまうため血流が滞りやすく、結果的に足が疲れやすいといえます。男性よりも女性の方が、足がむくみやすかったり疲れやすかったりするのは、筋肉量の違いが影響しているのです。

・足の筋肉が硬い人

ふくらはぎの筋肉が硬くなると、足の血液をポンプのように押し戻す力が弱くなってしまいます。血流やリンパの流れが滞ると、老廃物が足先に蓄積していくため足に疲れやだるさを感じてしまいます。長時間の立ち仕事や、悪い姿勢のまま座りっぱなしの状態が続いた場合、疲労がたまって筋肉が硬くなる恐れがあるため注意しましょう。

 

◆足の疲れやだるさを解消する方法

ふくらはぎは第二の心臓といわれるほど、血流に大きく関係する部位です。足の疲れやだるさを解消するためには、ふくらはぎのポンプ機能を回復させ、足の血流を正常に戻すことが大切です。ここでは、足の疲れ解消に効果的な方法をご紹介します。

・ストレッチやマッサージ

ふくらはぎのアキレス腱を伸ばすストレッチや指圧マッサージなどは、ふくらはぎの血流改善に効果的です。仕事で長時間立った状態や座った状態が続く人は、定期的にかかとの上げ下げや屈伸運動、リンパマッサージなどを取り入れてみてください。省スペースで簡単に行えるため、足に疲れを感じたときや1時間に1度程度、定期的に行いましょう。

・足を高くして寝る

足の血液のうっ滞を取り除くためには、足を心臓より高くしておくことが大切です。就寝するときには、足の下に枕などを置いて足を高くしておきましょう。就寝前に仰向けで寝転んだ状態で両足を上にあげ、ブラブラと足全体を揺らす運動もおすすめです。

・弾性ストッキングを着用する

圧迫力の強い弾性ストッキングを着用する方法です。弾性ストッキングは、足首から上にかけて徐々に締め付けが弱くなるよう設計されています。下から上に血管を圧迫することで、ふくらはぎのポンプ機能を助ける働きがあるのです。

 

足の疲れやだるさを感じる原因や、解消方法などをご紹介しました。体の中で心臓からもっとも遠い場所にある足は、血流が滞りやすい部位といえます。足の疲れを解消するためには、ふくらはぎのポンプ機能を回復させ、血流を改善させることが大切です。ぜひ、ご紹介した解消法を日々の生活に取り入れてみてください。

 

 

冬の子どもの肌トラブルに要注意!なめまわし皮膚炎とは?(2023年1月)

「なめまわし皮膚炎」とは、冬の乾燥する時期、幼児を中心に多くみられる皮膚病の一つです。「舌なめずり皮膚炎」「口なめ病」「なめかん」と呼ばれることも。口の周囲に赤みや腫れ、ただれなどの症状が現れ、ヒリヒリとした痛みがあります。唇が妙に赤かったり、口の周りの舌の届く範囲に赤い輪がみられたりする場合は、なめまわし皮膚炎の可能性があります。今回は、なめまわし皮膚炎の原因や予防法をご紹介します。

 

◆なめまわし皮膚炎の原因

なめまわし皮膚炎は、とりわけ空気が乾燥しがちな冬の子どもに多くみられる症状です。乾燥によってカサカサになった唇を、舌でなめてうるおそうとして何度も繰り返すことで起こります。唇の乾燥と、舌でなめるという物理的刺激が加えられることで口周辺の皮膚が荒れてしまうのです。皮膚の乾燥が大元の原因となるため、乾燥する時期やアトピー性皮膚炎をお持ちの方はとくに注意しましょう。

 

唇をなめた瞬間はうるおって感じるかもしれませんが、唇の水分が蒸発しやすくなり、かえって乾燥が進んでしまいます。乾燥して荒れた唇をなめる、という行為を繰り返すことで、唇とその周辺の肌が傷ついて炎症してしまうのです。

 

◆冬に唇が乾燥しやすいのはなぜ?

人間の皮膚は、水分の蒸発を防ぐために皮脂膜で覆われて保護されています。皮脂膜は汗腺と皮脂腺からそれぞれ分泌される、汗と皮脂が混ざり合ってできたものです。気温が低いと血行が悪くなり、皮脂や汗の分泌も減少します。皮脂膜が減少する冬は、肌のバリア機能も低下してしまう時期なのです。

 

ただでさえ肌トラブルに注意が必要な時期なのに加え、唇には皮脂腺がありません。暖房器具などの使用でさらに空気が乾燥しやすいため、唇は荒れやすくなってしまいます。

 

◆なめまわし皮膚炎の予防法と対処法

子どものなめまわし皮膚炎の予防法は、大元の原因である「唇の乾燥」を避けることが大切です。ここでは、なめまわし皮膚炎の予防法と対処法をご紹介します。

 

・なめまわし皮膚炎の予防法

空気が乾燥しがちな冬は、水分を意識的に多めに摂るように心がけましょう。冬場は汗をあまりかかないため、水分を失っている自覚が少ないことから、水分摂取量が減ってしまいがちです。子どもには、体を冷やさないように、少し冷ました白湯をこまめに飲ませるようにしましょう。

 

また、なめる行為自体を予防するために、口の周りに食べ物や飲み物、歯磨き粉などがついたままにしておかないことも大切です。清潔を保ち、ワセリンやリップクリームでしっかり保湿し、肌を保護しましょう。

 

・なめまわし皮膚炎の対処法

なめまわし皮膚炎は、一般的には保湿剤の塗布を繰り返して治療します。ただれがひどい場合は、弱めのステロイド外用薬を使用するケースもあります。さらに日中は、紙マスクを着用することで口周りの湿度が高くなるため、なめまわし行為の軽減に効果的です。子どもはリップクリームなどを塗ってもすぐになめてしまうことも多いため、入眠後や覚醒前に塗るのがおすすめです。

 

口の周りに炎症などの症状がみられても、必ずしもなめまわし皮膚炎であるとは限りません。激しい痛みを訴える場合やただれがひどい場合などは、皮膚科の受診をおすすめします。

 

冬の子どもに多くみられる「なめまわし皮膚炎」の原因や予防法などをご紹介しました。子どものなめまわし皮膚炎は、指しゃぶりや爪噛みのように子どもの習慣が原因の疾患です。やめさせようと叱ったり注意したりしても、ほとんど効果がなく、かえって悪化させてしまうこともあるといいます。なかなか改善しないときは皮膚科を受診しましょう。

 

コーヒーの飲みすぎは危険?健康的にコーヒーを楽しむための目安量(2022年12月)

朝、起き抜けに飲んだり、甘いお菓子とのペアリングを楽しんだり、毎日コーヒーを飲む習慣があるという方は多いのではないでしょうか。アフリカ大陸で発見されてから、栽培方法やコーヒー文化が世界中に広まり、現在では多くの人に愛飲されています。しかし、コーヒーはカフェインを多く含むため、「飲みすぎは体に悪い」と考える方も多いでしょう。そこで今回は、コーヒーの過剰摂取が体に悪いといわれる理由や、コーヒーを飲むことで得られるメリット、1日の目安量などをご紹介します。

 

◆コーヒーの飲みすぎは危険って本当?

コーヒーはカフェインが含まれているため、体に悪いというイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。まずは、カフェインの摂りすぎが原因で引き起こされるおそれのある症状をご紹介します。

 

・不眠

カフェインには眠気覚ましの効果があることで知られていますが、これはカフェインに覚醒効果があるためです。人は、脳内で「アデノシン」という物質が「アデノシン受容体」と結合することで眠気を感じます。コーヒーを飲むと、カフェインがアデノシンの働きを邪魔するため、眠気を感じにくいといわれています。

 

しかし、カフェインを過剰に摂取すると心拍数の増加やめまい、不安、震えなどの症状が出ることもあるため摂りすぎには注意が必要です。興奮状態が続いて眠れなくなるなど、眠りに悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

・消化器系への悪影響

コーヒーを飲むと、胃のむかつきや吐き気などの症状が出る場合もあります。カフェインの摂りすぎで興奮状態になると、消化器官に悪影響が及ぶことがあるためです。下痢や嘔吐などの症状が出る場合もあるため、胃腸の調子が悪いときなどは、コーヒーは避けるのが無難です。

 

・胎児への悪影響

カフェインの胎児への影響はまだ確定していませんが、自然流産や胎児発育遅延などが懸念されることから、過剰摂取は控えたほうが好ましいと考えられています。妊娠中や授乳中などはコーヒーの摂取を控えることが推奨されています。肝機能などが未熟な赤ちゃんは、成人よりもカフェインの影響を受けやすいとされているのです。

 

◆コーヒーを飲むことで得られるメリット

コーヒーには、「クロロゲン酸」というポリフェノールが赤ワインに匹敵する量で含まれています。ポリフェノールは抗酸化作用があるため、体内の活性酸素を追い出し、若々しい体を保つのに効果的です。活性酸素が原因で引き起こされる生活習慣病の予防にも効果があるとされ、研究が進められています。

 

また、コーヒーのいい香りにはリラックス効果があります。コーヒーの香りで気分が落ち着いたり、幸せな気持ちになったりする人も多いのではないでしょうか。忙しいときや疲れているときなど、コーヒーを淹れて一息ついてみるのもおすすめです。

 

◆1日あたりの適切なコーヒーの摂取量

カフェインの適切な摂取量に関しては個人差があるとされているため、国や地域によって異なります。日本をはじめ、海外でも具体的な数値などは定められていません。

 

胎児への影響が懸念されている妊娠中・授乳中の方に対しては、各国で摂取量の目安が定められています。WHOを例に挙げると、「妊婦はコーヒーの摂取量を1日に3~4杯までにすべき」としています。

 

粉末10g熱湯150mlで抽出した場合、コーヒー100mlあたりのカフェイン量は60mg。インスタントコーヒー2gを熱湯140mlで溶かした場合は、57mgが目安です。

 

【出典】食品安全委員会 ファクトシート「食品中のカフェイン」

 

近年、カフェインを多く含むエナジードリンクの過剰摂取が原因の急性中毒が相次いでいます。なかには心肺停止や死亡に至る例もあり、カフェインの大量摂取による健康被害について注意が呼びかけられています。心停止に至ったケースでは、いずれもカフェインを6g以上摂取していたというデータもあるため、摂取量の目安にしてみてください。

 

コーヒーは過剰摂取による危険性も懸念されていますが、さまざまなメリットも期待できます。適量を守りながら、健康的に毎日のコーヒータイムを楽しみましょう。

 

 

寝違えの原因って何?正しい対処法と予防法で悪化を防ごう!(2022年11月)

朝起きたときに、首に強い痛みを感じて動かせなかったり回せなかったりした経験がある方も多いのではないでしょうか。このような症状は、一般的に「寝違え」と呼ばれています。寝違えは、本格的な体調不良とはいい切れないまでも、肩や首の痛みで動きが著しく制限されてしまいます。通常、時間の経過とともに改善していきますが、一日中不快で気になってしまうためできるだけ早く改善したいもの。今回は、多くの人を悩ませている小さな不調の一つ、「寝違え」の正しい対処法と予防法をご紹介します。

◆寝違えの症状と原因について

「寝違え」は、医学用語でいうと「急性疼痛性頚部拘縮(きゅうせいとうつうせいけいぶこうしゅく)」と呼ばれます。肩や首周りのじん帯や筋肉に、急性の炎症が起きることで首や肩に痛みが生じる状態です。まずは、寝違えの症状と、原因についてご紹介します。

・寝違えの症状

寝違えは、検査などで判断できるほどの変化が現れないのが一般的です。そのため、寝違えかどうかは自己判断になります。主な症状は、首の後ろや肩にかけての筋肉痛のような痛みです。じん帯や筋肉が炎症を起こしているため、首を曲げることや回すことが困難になったり、起き上がれなくなったりすることがあります。まれに、手の痺れや肩こりを伴う場合もあります。

・寝違えの原因

寝違えは、検査しても骨に異常がみられるわけではないため、明確な原因を特定することはできません。しかし、寝違えの主な原因は、睡眠中の不自然な姿勢とされています。睡眠中は筋肉が緩んだ状態になるため、不自然な姿勢が長時間続くと筋肉や腱が伸びたり頸椎や背骨に負担がかかったりします。その結果、神経の傷みや血行不良が起こり、寝違えを発症してしまうのです。枕やベッドなど、体に合わない寝具を使用していると寝違えを起こしやすいため注意しましょう。

ほかにも、普段しない運動をしたときや重いものを持ちすぎたときなど、一部の筋肉が痙攣していると寝違えが起こりやすくなります。

◆寝違えてしまったときの対処法

寝違えてしまったときは、無理に痛い方向に動かそうとせず安静にしましょう。炎症が悪化し、かえって痛みが増してしまう可能性があります。強い痛みや熱感のある腫れを伴う炎症を起こしている場合は、冷やすことで痛みを和らげることが可能です。冷湿布や氷嚢を患部にあて、痛みや腫れが治まるまで冷やしましょう。

腫れや痛みが落ち着いたら冷やすのをやめて、首や肩の筋肉の緊張をほぐすために温めるのがおすすめです。痛みを感じない程度のストレッチが有効な場合もありますが、痛みを我慢して行うストレッチは、かえって症状を悪化させてしまう可能性があるため注意しましょう。

寝違えは、基本的に安静にしていれば数時間から数日で治りますが、あまりにも痛みが強い場合や早く治したい場合などは、整形外科を受診してください。

◆寝違えを予防しよう!

寝違えの主な原因は寝ているときの不自然な姿勢であるため、正しい姿勢で寝ることを心がけたり、就寝環境を整えたりすることで寝違えを予防できます。

腰が沈みすぎるベッドや寝返りしにくい高さの枕などは、使用を見直しましょう。自然な寝返りができる寝具を使用することで、筋肉や背骨への負担が軽減されるため、不自然な姿勢の予防に効果的です。

また、筋肉が緊張やコリで硬くなっていると寝違えやすくなります。しっかり湯船に浸かって体を温めたり、寝る前に軽いストレッチをしたりして筋肉をほぐしておきましょう。

寝違えてしまったときの対処法や予防法についてご紹介しました。寝違えの主な原因は、寝ているときの姿勢にあります。不自然な姿勢になってしまわないよう、寝具や就寝環境を見直しましょう。寝違えは、基本的には安静にしていれば改善する症状ですが、強い痛みや腫れなどの症状がある場合は、ご紹介した対処法を試してみてください。