ころんだり体をぶつけたりしたときに、その部分が腫れたり青紫色になったりした経験はだれでも一度はあるのではないでしょうか。このように、皮膚の一部の色がまわりと異なって見える部分を、一般的には「痣(あざ)」と呼びます。あざにはいくつか種類がありますが、打ち身などで青紫色になったあざは「青あざ」と区別して呼ばれることもあります。青あざは、どうしても腕やひざ、顔など、ぶつけやすい場所にできてしまうため、目立ちやすいのが難点です。時間が経てば消えていきますが、少しでも早く治したいもの。
そこで今回は、青あざができてしまうメカニズムを解説したうえで、青あざをできるだけ早く治す方法をご紹介します。
◆青あざができる原因とメカニズム
青あざは、外部からの衝撃によって皮膚の内側で毛細血管に傷がつき、出血が起こることでできます。破れた血管から流れた血液がまわりの組織に広がり、その状態が皮膚の表面では青紫色に見える仕組みです。
皮膚の深部や皮膚の厚い場所で内出血が起きた場合は、表面に広がる前に消えてしまうこともあります。しかし、ぶつけやすい腕や足の皮膚は薄いため、あざが目立ちやすいのです。
青あざの主な原因は、打撲・打ち身・捻挫・骨折・肉離れなど外傷によるものです。直接的な原因ではありませんが、加齢により血管の壁が脆くなり皮膚が薄くなると、ちょっとした衝撃であざができやすくなります。ほかにも、服用中の薬の影響や、特定の栄養素の不足や偏りであざができやすくなることがあるため注意しましょう。
◆青あざを早く治すための応急処置方法【RICE処置】とは?
青あざを早く治すためには、スポーツの現場でも行われている処置方法が効果的です。怪我をした直後に必要な行動の頭文字をとって、「RICE処置」と呼ばれています。ここでは、できるだけ早く青あざを治すためのRICE処置についてご紹介します。
・Rest(安静)
まずは、怪我をした部分は動かさず安静にしておきましょう。無理に動かすと、あざや腫れがひどくなる可能性があります。
・Icing(冷却)
青あざができてすぐは炎症を起こしているため、腫れや熱感を伴っている可能性が高いといえます。あざは皮膚のなかで出血している状態のため、血行を良くすれば早く治ると考える方は多いようです。しかし、熱感のある状態で患部を温めたりお風呂に入って血行を良くしたりしようとすると、かえって直りを遅くしてしまう可能性があります。青あざができてすぐは、炎症を抑えるために、氷やアイスパックなどを使って患部をしっかり冷やすことが大切です。
・Compression(圧迫)
必要に応じて、テーピングや包帯などで患部を圧迫し固定します。怪我をしてしまったら、冷却と合わせてできるだけ早い段階で行うことが大切です。
・Elevation(拳上)
圧迫が済んだら、患部を心臓よりも高く挙げておきましょう。腫れやあざがひどくなるのを防いだり、痛みを緩和させたりすることができます。骨折や肉離れの疑いがある場合は、応急処置が済んだら速やかに病院を受診しましょう。
・RICE処置を行った数日後
数日経って炎症が治まると、青あざは黄色や緑色に変わってきます。熱感がなくなったら冷やすのはやめて、血行を良くするよう努めましょう。患部を温めたりマッサージをしたりして、血の吸収を促せば青あざを早く治すことができます。
青あざができてしまう原因や、早く治すための対処法をご紹介しました。基本的に青あざは、時間が経てば自然と治るために何も対処しないという方も多いでしょう。しかし、少し対処法を変えるだけで、目立つ青あざをより早く治すことができる可能性があります。目立つ場所に青あざができてしまった場合は、ぜひご紹介したRICE処置を行ってみてください。
たくさん歩いた日やスポーツを楽しんだ日など、1日の終わりに足が重く、だるく感じてしまうことがあります。お風呂に入ってもマッサージをしても疲れが取れず、翌朝までだるさや重さが残ってしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。また、足を使った日だけではなく、長時間座りっぱなしだった日にも疲れを感じることがあります。足の疲れとは、どんなことが原因で引き起こされるものなのでしょうか。今回は、足の疲れやだるさを感じる原因と、効果的な解消法をご紹介します。
◆足の疲れ・だるさの原因
足の疲れやだるさを感じるケースは、多種多様です。たくさん足を使った日や長時間立ちっぱなしだった日はもちろん、座りっぱなしで足を使わなかった日も疲れを感じることがあるでしょう。つらい足のだるさに悩まされるケースは多くありますが、これらはすべて血流が原因で引き起こされるといいます。
足は体の中でも心臓から一番遠く、もっとも重力の影響を受けやすい場所にあります。そのため血行不良が起こりやすく、長時間同じ体勢のままでいると足先から血流が滞っていってしまうのです。
足の血流を滞りなく循環させるためには、心臓の力だけではなく、ふくらはぎの筋肉が活躍しています。ふくらはぎの筋肉がポンプ代わりとなり、静脈を圧迫することで心臓に血液を押し戻しています。そのため、立ちっぱなしや座りっぱなしの状態が続くと血流が滞り、足がむくんだり疲れやだるさを感じたりする原因になってしまうのです。
◆足が疲れやすい人の特徴
・足の筋肉が少ない人
ふくらはぎの筋肉は、足の血液を心臓に送り返すポンプのような役割があります。足の筋肉が少ない人は、ポンプ機能も弱くなってしまうため血流が滞りやすく、結果的に足が疲れやすいといえます。男性よりも女性の方が、足がむくみやすかったり疲れやすかったりするのは、筋肉量の違いが影響しているのです。
・足の筋肉が硬い人
ふくらはぎの筋肉が硬くなると、足の血液をポンプのように押し戻す力が弱くなってしまいます。血流やリンパの流れが滞ると、老廃物が足先に蓄積していくため足に疲れやだるさを感じてしまいます。長時間の立ち仕事や、悪い姿勢のまま座りっぱなしの状態が続いた場合、疲労がたまって筋肉が硬くなる恐れがあるため注意しましょう。
◆足の疲れやだるさを解消する方法
ふくらはぎは第二の心臓といわれるほど、血流に大きく関係する部位です。足の疲れやだるさを解消するためには、ふくらはぎのポンプ機能を回復させ、足の血流を正常に戻すことが大切です。ここでは、足の疲れ解消に効果的な方法をご紹介します。
・ストレッチやマッサージ
ふくらはぎのアキレス腱を伸ばすストレッチや指圧マッサージなどは、ふくらはぎの血流改善に効果的です。仕事で長時間立った状態や座った状態が続く人は、定期的にかかとの上げ下げや屈伸運動、リンパマッサージなどを取り入れてみてください。省スペースで簡単に行えるため、足に疲れを感じたときや1時間に1度程度、定期的に行いましょう。
・足を高くして寝る
足の血液のうっ滞を取り除くためには、足を心臓より高くしておくことが大切です。就寝するときには、足の下に枕などを置いて足を高くしておきましょう。就寝前に仰向けで寝転んだ状態で両足を上にあげ、ブラブラと足全体を揺らす運動もおすすめです。
・弾性ストッキングを着用する
圧迫力の強い弾性ストッキングを着用する方法です。弾性ストッキングは、足首から上にかけて徐々に締め付けが弱くなるよう設計されています。下から上に血管を圧迫することで、ふくらはぎのポンプ機能を助ける働きがあるのです。
足の疲れやだるさを感じる原因や、解消方法などをご紹介しました。体の中で心臓からもっとも遠い場所にある足は、血流が滞りやすい部位といえます。足の疲れを解消するためには、ふくらはぎのポンプ機能を回復させ、血流を改善させることが大切です。ぜひ、ご紹介した解消法を日々の生活に取り入れてみてください。
「なめまわし皮膚炎」とは、冬の乾燥する時期、幼児を中心に多くみられる皮膚病の一つです。「舌なめずり皮膚炎」「口なめ病」「なめかん」と呼ばれることも。口の周囲に赤みや腫れ、ただれなどの症状が現れ、ヒリヒリとした痛みがあります。唇が妙に赤かったり、口の周りの舌の届く範囲に赤い輪がみられたりする場合は、なめまわし皮膚炎の可能性があります。今回は、なめまわし皮膚炎の原因や予防法をご紹介します。
◆なめまわし皮膚炎の原因
なめまわし皮膚炎は、とりわけ空気が乾燥しがちな冬の子どもに多くみられる症状です。乾燥によってカサカサになった唇を、舌でなめてうるおそうとして何度も繰り返すことで起こります。唇の乾燥と、舌でなめるという物理的刺激が加えられることで口周辺の皮膚が荒れてしまうのです。皮膚の乾燥が大元の原因となるため、乾燥する時期やアトピー性皮膚炎をお持ちの方はとくに注意しましょう。
唇をなめた瞬間はうるおって感じるかもしれませんが、唇の水分が蒸発しやすくなり、かえって乾燥が進んでしまいます。乾燥して荒れた唇をなめる、という行為を繰り返すことで、唇とその周辺の肌が傷ついて炎症してしまうのです。
◆冬に唇が乾燥しやすいのはなぜ?
人間の皮膚は、水分の蒸発を防ぐために皮脂膜で覆われて保護されています。皮脂膜は汗腺と皮脂腺からそれぞれ分泌される、汗と皮脂が混ざり合ってできたものです。気温が低いと血行が悪くなり、皮脂や汗の分泌も減少します。皮脂膜が減少する冬は、肌のバリア機能も低下してしまう時期なのです。
ただでさえ肌トラブルに注意が必要な時期なのに加え、唇には皮脂腺がありません。暖房器具などの使用でさらに空気が乾燥しやすいため、唇は荒れやすくなってしまいます。
◆なめまわし皮膚炎の予防法と対処法
子どものなめまわし皮膚炎の予防法は、大元の原因である「唇の乾燥」を避けることが大切です。ここでは、なめまわし皮膚炎の予防法と対処法をご紹介します。
・なめまわし皮膚炎の予防法
空気が乾燥しがちな冬は、水分を意識的に多めに摂るように心がけましょう。冬場は汗をあまりかかないため、水分を失っている自覚が少ないことから、水分摂取量が減ってしまいがちです。子どもには、体を冷やさないように、少し冷ました白湯をこまめに飲ませるようにしましょう。
また、なめる行為自体を予防するために、口の周りに食べ物や飲み物、歯磨き粉などがついたままにしておかないことも大切です。清潔を保ち、ワセリンやリップクリームでしっかり保湿し、肌を保護しましょう。
・なめまわし皮膚炎の対処法
なめまわし皮膚炎は、一般的には保湿剤の塗布を繰り返して治療します。ただれがひどい場合は、弱めのステロイド外用薬を使用するケースもあります。さらに日中は、紙マスクを着用することで口周りの湿度が高くなるため、なめまわし行為の軽減に効果的です。子どもはリップクリームなどを塗ってもすぐになめてしまうことも多いため、入眠後や覚醒前に塗るのがおすすめです。
口の周りに炎症などの症状がみられても、必ずしもなめまわし皮膚炎であるとは限りません。激しい痛みを訴える場合やただれがひどい場合などは、皮膚科の受診をおすすめします。
冬の子どもに多くみられる「なめまわし皮膚炎」の原因や予防法などをご紹介しました。子どものなめまわし皮膚炎は、指しゃぶりや爪噛みのように子どもの習慣が原因の疾患です。やめさせようと叱ったり注意したりしても、ほとんど効果がなく、かえって悪化させてしまうこともあるといいます。なかなか改善しないときは皮膚科を受診しましょう。
朝、起き抜けに飲んだり、甘いお菓子とのペアリングを楽しんだり、毎日コーヒーを飲む習慣があるという方は多いのではないでしょうか。アフリカ大陸で発見されてから、栽培方法やコーヒー文化が世界中に広まり、現在では多くの人に愛飲されています。しかし、コーヒーはカフェインを多く含むため、「飲みすぎは体に悪い」と考える方も多いでしょう。そこで今回は、コーヒーの過剰摂取が体に悪いといわれる理由や、コーヒーを飲むことで得られるメリット、1日の目安量などをご紹介します。
◆コーヒーの飲みすぎは危険って本当?
コーヒーはカフェインが含まれているため、体に悪いというイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。まずは、カフェインの摂りすぎが原因で引き起こされるおそれのある症状をご紹介します。
・不眠
カフェインには眠気覚ましの効果があることで知られていますが、これはカフェインに覚醒効果があるためです。人は、脳内で「アデノシン」という物質が「アデノシン受容体」と結合することで眠気を感じます。コーヒーを飲むと、カフェインがアデノシンの働きを邪魔するため、眠気を感じにくいといわれています。
しかし、カフェインを過剰に摂取すると心拍数の増加やめまい、不安、震えなどの症状が出ることもあるため摂りすぎには注意が必要です。興奮状態が続いて眠れなくなるなど、眠りに悪影響を及ぼすおそれがあります。
・消化器系への悪影響
コーヒーを飲むと、胃のむかつきや吐き気などの症状が出る場合もあります。カフェインの摂りすぎで興奮状態になると、消化器官に悪影響が及ぶことがあるためです。下痢や嘔吐などの症状が出る場合もあるため、胃腸の調子が悪いときなどは、コーヒーは避けるのが無難です。
・胎児への悪影響
カフェインの胎児への影響はまだ確定していませんが、自然流産や胎児発育遅延などが懸念されることから、過剰摂取は控えたほうが好ましいと考えられています。妊娠中や授乳中などはコーヒーの摂取を控えることが推奨されています。肝機能などが未熟な赤ちゃんは、成人よりもカフェインの影響を受けやすいとされているのです。
◆コーヒーを飲むことで得られるメリット
コーヒーには、「クロロゲン酸」というポリフェノールが赤ワインに匹敵する量で含まれています。ポリフェノールは抗酸化作用があるため、体内の活性酸素を追い出し、若々しい体を保つのに効果的です。活性酸素が原因で引き起こされる生活習慣病の予防にも効果があるとされ、研究が進められています。
また、コーヒーのいい香りにはリラックス効果があります。コーヒーの香りで気分が落ち着いたり、幸せな気持ちになったりする人も多いのではないでしょうか。忙しいときや疲れているときなど、コーヒーを淹れて一息ついてみるのもおすすめです。
◆1日あたりの適切なコーヒーの摂取量
カフェインの適切な摂取量に関しては個人差があるとされているため、国や地域によって異なります。日本をはじめ、海外でも具体的な数値などは定められていません。
胎児への影響が懸念されている妊娠中・授乳中の方に対しては、各国で摂取量の目安が定められています。WHOを例に挙げると、「妊婦はコーヒーの摂取量を1日に3~4杯までにすべき」としています。
粉末10g熱湯150mlで抽出した場合、コーヒー100mlあたりのカフェイン量は60mg。インスタントコーヒー2gを熱湯140mlで溶かした場合は、57mgが目安です。
【出典】食品安全委員会 ファクトシート「食品中のカフェイン」
近年、カフェインを多く含むエナジードリンクの過剰摂取が原因の急性中毒が相次いでいます。なかには心肺停止や死亡に至る例もあり、カフェインの大量摂取による健康被害について注意が呼びかけられています。心停止に至ったケースでは、いずれもカフェインを6g以上摂取していたというデータもあるため、摂取量の目安にしてみてください。
コーヒーは過剰摂取による危険性も懸念されていますが、さまざまなメリットも期待できます。適量を守りながら、健康的に毎日のコーヒータイムを楽しみましょう。
朝起きたときに、首に強い痛みを感じて動かせなかったり回せなかったりした経験がある方も多いのではないでしょうか。このような症状は、一般的に「寝違え」と呼ばれています。寝違えは、本格的な体調不良とはいい切れないまでも、肩や首の痛みで動きが著しく制限されてしまいます。通常、時間の経過とともに改善していきますが、一日中不快で気になってしまうためできるだけ早く改善したいもの。今回は、多くの人を悩ませている小さな不調の一つ、「寝違え」の正しい対処法と予防法をご紹介します。
◆寝違えの症状と原因について
「寝違え」は、医学用語でいうと「急性疼痛性頚部拘縮(きゅうせいとうつうせいけいぶこうしゅく)」と呼ばれます。肩や首周りのじん帯や筋肉に、急性の炎症が起きることで首や肩に痛みが生じる状態です。まずは、寝違えの症状と、原因についてご紹介します。
・寝違えの症状
寝違えは、検査などで判断できるほどの変化が現れないのが一般的です。そのため、寝違えかどうかは自己判断になります。主な症状は、首の後ろや肩にかけての筋肉痛のような痛みです。じん帯や筋肉が炎症を起こしているため、首を曲げることや回すことが困難になったり、起き上がれなくなったりすることがあります。まれに、手の痺れや肩こりを伴う場合もあります。
・寝違えの原因
寝違えは、検査しても骨に異常がみられるわけではないため、明確な原因を特定することはできません。しかし、寝違えの主な原因は、睡眠中の不自然な姿勢とされています。睡眠中は筋肉が緩んだ状態になるため、不自然な姿勢が長時間続くと筋肉や腱が伸びたり頸椎や背骨に負担がかかったりします。その結果、神経の傷みや血行不良が起こり、寝違えを発症してしまうのです。枕やベッドなど、体に合わない寝具を使用していると寝違えを起こしやすいため注意しましょう。
ほかにも、普段しない運動をしたときや重いものを持ちすぎたときなど、一部の筋肉が痙攣していると寝違えが起こりやすくなります。
◆寝違えてしまったときの対処法
寝違えてしまったときは、無理に痛い方向に動かそうとせず安静にしましょう。炎症が悪化し、かえって痛みが増してしまう可能性があります。強い痛みや熱感のある腫れを伴う炎症を起こしている場合は、冷やすことで痛みを和らげることが可能です。冷湿布や氷嚢を患部にあて、痛みや腫れが治まるまで冷やしましょう。
腫れや痛みが落ち着いたら冷やすのをやめて、首や肩の筋肉の緊張をほぐすために温めるのがおすすめです。痛みを感じない程度のストレッチが有効な場合もありますが、痛みを我慢して行うストレッチは、かえって症状を悪化させてしまう可能性があるため注意しましょう。
寝違えは、基本的に安静にしていれば数時間から数日で治りますが、あまりにも痛みが強い場合や早く治したい場合などは、整形外科を受診してください。
◆寝違えを予防しよう!
寝違えの主な原因は寝ているときの不自然な姿勢であるため、正しい姿勢で寝ることを心がけたり、就寝環境を整えたりすることで寝違えを予防できます。
腰が沈みすぎるベッドや寝返りしにくい高さの枕などは、使用を見直しましょう。自然な寝返りができる寝具を使用することで、筋肉や背骨への負担が軽減されるため、不自然な姿勢の予防に効果的です。
また、筋肉が緊張やコリで硬くなっていると寝違えやすくなります。しっかり湯船に浸かって体を温めたり、寝る前に軽いストレッチをしたりして筋肉をほぐしておきましょう。
寝違えてしまったときの対処法や予防法についてご紹介しました。寝違えの主な原因は、寝ているときの姿勢にあります。不自然な姿勢になってしまわないよう、寝具や就寝環境を見直しましょう。寝違えは、基本的には安静にしていれば改善する症状ですが、強い痛みや腫れなどの症状がある場合は、ご紹介した対処法を試してみてください。
三大栄養素の一つである炭水化物に含まれる糖質は、血糖値をあげる要因になっています。食後に血糖値が急上昇すると、インスリンが大量に分泌され、習慣化すると肥満や生活習慣病を引き起こすおそれがあります。「ロカボ」とは、緩やかな糖質制限食のことです。テレビや広告で目にする機会も増えてきていますが、具体的にどのような食事を指すのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。今回は、肥満や生活習慣病予防に効果的な「ロカボ」の基本的な基準と考え方、正しい実践方法などをご紹介します。
◆ロカボに関する基礎知識
「ロカボ」とは、一般社団法人食・楽・健康協会の登録商標です。食後の血糖値の上昇は、肥満をはじめとした生活習慣病につながるおそれがあります。まずは、ロカボの基本的な基準や考え方など、基礎知識からご紹介します。
・ロカボとは?
ロカボとは、緩やかな糖質制限を意味する言葉で、語源は「Low Carbohydrate(ロー カーボハイドレート)」です。Carbohydrateは、ご飯やパン、麺類などに含まれる炭水化物のことを指します。ロカボは完全に糖質の摂取を禁止するのではなく、適正な糖質を心がけることを推奨しています。
血糖値が上昇すると分泌されるインスリンは、肥満と大きく関わりのあるホルモンです。ロカボは、血糖値の急上昇を抑えることでインスリンの分泌量を減少させ、脂肪の生成を抑えることを目標としています。「健康を目的とした食事法は、おいしく楽しく続けられるものでなくてはならない」という考えを基に、無理なく日常生活に取り入れられる工夫がされています。食事制限の経験がない方や、食事制限に抵抗のある方でも始めやすい体質改善方法といえるでしょう。
・ロカボの基準
ロカボは、糖質制限と違って糖質を極限まで減らすのではなく、工夫して糖質を抑える方法です。具体的には、糖質の量を1食あたり20~40g、間食を10g以下にして、1日の糖質量を70~130g以内に抑えることを目指します。
ロカボを意識した食事では、ご飯やパン、麺類などの炭水化物の摂取量を減らし、その分肉や魚、野菜、豆類などのタンパク質を多く摂取します。これまで、ダイエット目的のカロリー制限といえば、食事の量を極端に減らしたり、間食を禁止したりする方法が一般的でした。しかし、この方法では継続するのは難しいといえます。ロカボは、おいしく楽しく続けられることを基準に、無理なく日常生活に取り入れられる方法です。糖質の量にさえ気をつければ、カロリー・脂質・タンパク質に制限はないため、お腹いっぱい食べても問題ありません。
◆ロカボの正しい実践方法
ロカボを生活に取り入れるなら、食品に含まれる糖質量をある程度知っておく必要があります。1食あたり40gまでなら糖質を摂っても問題ないため、炭水化物がまったく食べられないわけではありません。過激な糖質制限は低血糖症を引き起こすおそれもあるため、1日の糖質量70~130gは必ず摂取するよう心がけてください。
また、糖質以外は制限がないとはいえ、過度のカロリー摂取は禁物です。茹でる・蒸すなどの調理法を中心に、栄養のバランスを考えながら1日3食は必ず食べるようにしましょう。糖質制限に体が慣れず、まれに下痢や吐き気などの症状が出てしまう場合があります。急に糖質摂取量を減らすのではなく、1~2週間かけて徐々に減らしていく方法がおすすめです。
ロカボ食を続けることによって体質改善の効果が感じられるのは、2週間後以降といわれています。体重や体脂肪率が目標に達しても、すぐに普通食に戻すのではなく、続けることがポイントです。これまで制限していた分、歯止めがきかなくなって暴飲暴食につながるおそれもあるため注意しましょう。普通食に戻すときは、徐々に戻して体を糖質に慣れさせていくことが大切です。
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おいしく楽しく続けられる体質改善法、ロカボについてご紹介しました。肥満をはじめとする生活習慣病の要因は、糖質の過剰摂取ともいわれています。ロカボを意識した食生活にすることで、体質改善や生活習慣病の予防効果が期待できます。中長期的に継続できるよう、無理のない範囲で取り入れてみてください。
日本では、約4人に1人が血管の病気で亡くなっているといいます。日本人の死因で上位を占める脳卒中や心筋梗塞は、実は脳や心臓の病気ではなく、血管の病気であることはご存知でしょうか。血管年齢とは、その名の通り血管の老化具合を表したものですが、近年は実年齢以上に血管の老化が進んでいる人が増えているといいます。今回は、血管の老化が進んでしまう原因や、血管年齢を健やかに保つポイントなどをご紹介します。
◆血管年齢についての基礎知識
「人は血管とともに年を取る」といわれているように、血管は加齢とともに老化します。しかし、血管年齢と実年齢が同じとは限りません。ここでは、血管年齢の基礎知識をご紹介します。
・血管年齢とは?
血管は、老化が進むと血管の壁が硬くなったり狭くなったりします。いわゆる「動脈硬化」と呼ばれる老化現象のことで、進行すると血流が悪くなり、さまざまな病気を引き起こす原因になります。血管年齢とは、動脈硬化の進み具合を表す言葉です。
動脈硬化は、加齢以外にも食生活や生活習慣などが原因で進行してしまいます。実年齢以上に血管年齢が高い人は、血管の病気のリスクも高い状態といえるでしょう。しかし血管年齢は、生活習慣を改善すれば健やかに保つことができるといわれています。
・血管年齢があがることで生じるおそれのあるリスク
血管年齢が高くなると血流が悪くなるため、冷えや腰痛、肩こり、肌荒れなどの不調が現れます。進行が進めば、脳・心筋梗塞や深部静脈血栓症など、血管の病気のリスクも高くなってしまうため注意が必要です。
動脈硬化は、症状の悪化に気づきにくいことから、「サイレント・キラー(静かな殺し屋)」と呼ばれることもあります。知らず知らずのうちに動脈硬化が進み、ある日突然重大な病気を引き起こすことも珍しくありません。
◆血管年齢があがる要因
血管年齢は加齢にともない高まりますが、血管年齢は生活習慣と密接に関係しています。高脂血症(脂質異常症)や高血圧、不整脈などの生活習慣病は、動脈硬化を加速させてしまいます。そのため、生活習慣病の要因となる、食生活の乱れや運動不足、睡眠不足、ストレス、喫煙などの習慣は、血管年齢があがる要因であるといえるでしょう。
◆血管年齢を健やかに保つ生活習慣
動脈硬化の進行を防ぐために、血管年齢を健やかに保つ生活習慣を取り入れましょう。もっとも効果的な方法は、食生活の改善です。
・バランスの良い食事と減塩を心がける
偏りの少ない野菜中心の食事を心がけましょう。脂質や糖質の摂りすぎは、血管の細胞を傷つけたり血液の流れを妨げたりするおそれがあります。肉だけでなく、動脈硬化の予防に効果的なEPAやDHAが豊富な青魚も積極的に摂りましょう。
高血圧を予防するために、減塩に気を遣うことも大切です。体内の塩分を排出させる働きをもつ、カリウムを多く含む大豆や海藻は、意識的に食事に取り入れましょう。
・血管を強くするために運動習慣を作る
有酸素運動には、血行促進効果があります。有酸素運動やストレッチで血管に適度な刺激を与えることで、血管が強くしなやかになります。過度な運動でなく、無理なく続けることが大切です。駅まで歩いてみたり、エスカレーターでなく階段を使用したり、生活のなかにできる範囲で運動を取り入れてみましょう。
・生活習慣を見直す
睡眠不足や喫煙などの生活習慣も、血管年齢をあがる原因になります。日ごろからできるだけ早寝早起きを心がけ、自律神経のバランスを整えましょう。喫煙の習慣がある人は、自身の健康のためにも周囲の人への悪影響を避けるためにも、禁煙を検討してみてください。
血管年齢は年齢とともに高くなりますが、食生活の乱れや運動不足などで老化が進むといわれます。一方で、生活習慣の改善で血管を健やかに保つことができます。さまざまな病気の原因となる動脈硬化の進行を防ぐためにも、血管年齢を意識しながら生活習慣を見直してみましょう。
腹痛や肌荒れ、食欲不振など、体にさまざまな悪影響を及ぼす「便秘」。便秘とは、3日以上排便がない状態、または毎日排便はあるものの残便感がある状態を指します。便秘体質が解消されず、慢性的に便秘に悩まされている方も少なくないといいます。では、毎日同じ食事を摂っている家族でも、便秘になりやすい人と便秘になりにくい人がいるのはなぜでしょうか。便秘になりやすい人は、知らず知らずのうちに便秘になりやすい生活習慣を送っているかもしれません。今回は、便秘になりやすい人の特徴を解説したうえで、便秘解消のための対策をご紹介します。
◆便秘になりやすい人の特徴
便秘になりやすい人は、便秘になりやすい生活習慣を送っている可能性があります。ここでは、便秘になりやすい人の特徴をご紹介します。便秘にお悩みの方は、当てはまる項目がないか確認してみましょう。
・水分が不足している人
便は、水が主成分です。水分摂取量が少なければ生成されにくくなるため、便秘の原因になってしまいます。発汗により体内水分量が減る場合も同様です。普段からあまり水分を摂らない人や、汗をかいても水分を摂らない人は便秘になりやすいといえるでしょう。
・食物繊維が不足しがちな人
食物繊維は、小腸で消化吸収されず大腸まで達するため、整腸効果や便通を整える効果が期待できる食品成分です。食物繊維の摂取量が少ないと便の量が少なくなるため、便秘につながるおそれがあります。食事の栄養バランスが偏っていたり食事の量が少なかったりする人は、食物繊維不足が原因で便秘になりやすくなっている可能性があります。
・運動不足の人
普段何気なく排便しているつもりでも、実は排便にもそれ相応の筋力を使っています。運動不足で腸から便を排出する力が弱まり、便秘につながるケースもあるのです。普段運動したり歩いたりする機会が少なく、腸腰筋や腹筋が弱まっている人は、便秘になりやすいといえるでしょう。また、加齢によって筋力が衰えたことにより便秘になってしまうこともあります。
・ストレスを抱えている人
ストレスによって自律神経が乱れると、腸の働きが低下してしまうため便秘になりやすくなります。仕事などで忙しく、日常的にストレスを抱えている人は、便秘になりやすいといえます。また、不規則な生活や寝不足など、自律神経のバランスが崩れてしまう生活習慣を送っている人も同様に注意が必要です。
◆便秘解消のための対策
便秘の原因は人それぞれですが、生活習慣の見直しが便秘解消の近道です。ここでは、便秘解消のためにすぐに始められる対策をご紹介します。
・生活リズムを一定に保つ
便秘解消のために、まずは自分の排便リズムを作りましょう。睡眠時間をしっかり確保し、できるだけ1日3食決まった時間に食事を摂ることが大切です。生活リズムを一定に保つことで腸が正常に機能し、毎日決まった時間に便意を感じられるようになるでしょう。
・食事を見直す
毎日の食事を見直し、乳酸菌や食物繊維など、整腸作用のある食材を取り入れましょう。乳酸菌や食物繊維は、適度な水分を含み、腸の通過もスムーズな理想的な便を作ってくれます。また、便の主成分である水分をしっかり摂取することも大切です。
・運動不足を解消する
腸に集まった便をしっかり排出できるよう、適度に運動を取り入れましょう。激しい運動ではなく、毎日のウォーキングや軽い腹筋運動などでも十分効果が期待できます。通勤時に1駅分を歩いてみたり、お風呂上りにストレッチやマッサージをしたり、意識的に運動を取り入れてみてください。
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便秘になりやすい人の特徴や、便秘解消のための対策法をご紹介しました。便秘になりやすい人は、便秘の原因となる生活習慣がある可能性が高いといえます。便秘に悩まされている人は、ご紹介した便秘解消のための対策を、意識的に日常に取り入れてみてください。
思い通りにいかないことがあったときや身勝手な人に振り回されたときなど、イライラして怒鳴ったり周りに当たったりしてしまうこともあるでしょう。怒ることに対してネガティブなイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、怒りの感情そのものは決して悪いものではありません。しかし、怒りやイライラなどのストレスは、健康に悪影響を及ぼすとされています。怒りやストレスはなくすことはできませんが、だからこそうまく付き合っていくことが大切です。そこで今回は、怒りが健康に与える影響や、怒りを管理する「アンガーマネジメント」を身につける方法などをご紹介します。
◆怒りが健康に与える影響
「怒ると血圧が上がる」と耳にしたことがあるのではないでしょうか。血圧とは、心臓から送り出された血液が血管内部にかける圧力のことです。心臓は脳の命令ではなく自律神経の働きで動いており、怒りを感じると自律神経が乱れるといわれています。
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類がありますが、怒りやイライラなどの心的ストレスは交感神経の活動を活発にさせます。交感神経は、心臓の鼓動を早めたり血管を収縮させたりする働きがあるため、怒ると血圧が上がるといわれているのです。ストレスや高血圧は、健康にさまざまな悪影響を及ぼします。
◆アンガーマネジメントとは?
アンガーマネジメントとは、怒りの感情とうまく付き合いコントロールするための手法です。誤解されることもありますが、アンガーマネジメントは怒らないことを目標とするものではありません。怒りの感情とうまく付き合い、発生した怒りをうまく扱いながら適切な対応をすることを目標とするものです。身につけることでさまざまな効果が期待できるとして、家庭や職場はもちろん、スポーツ界などでも注目されています。
◆アンガーマネジメントを身につける方法
アンガーマネジメントを身につけるためには、自分の意識から変えていく必要があります。ここでは、すぐに実践できる怒りをコントロールするテクニックをご紹介します。
・ストップシンキング(思考停止)
怒りを感じたときに、まず思考を停止させる方法です。怒りの感情を態度・行動に移す前に、思考を強制的に断ち切りましょう。怒りが継続する時間は6秒間といわれているため、何も考えずにピークが過ぎるのを待つことで怒りが増幅してしまうのを防げます。
・スケールテクニック(怒りの数値化)
怒りの度合いを客観的に見て、10段階評価やパーセンテージなどで数値化する方法です。数値化を癖づければ、「今日は○%だから先日ほどではない」と気づけることもあるでしょう。
・グラウンディング(意識をそらす)
怒りを感じたら、怒りの対象となるものから意識をそらし、まったく関係のないものに注意を向ける方法です。たとえば空を見上げてみたり、時計の秒針を目で追ってみたり、別のものに集中してみましょう。怒りの感情から意識をそらすことで、距離を置いて冷静に考えることができます。
・コーピングマントラ(心が落ち着く言葉を唱える)
心が落ち着く言葉を心の中で唱え、怒りが収まるのを待つ方法です。「大丈夫」「問題ない」など、気持ちを落ち着かせる言葉を自分自身に投げかけることで、冷静に対処できることがあります。好きな人やペットの名前など、心が落ち着く言葉であればなんでも構いません。
・タイムアウト(仕切り直す)
上記のテクニックを試しても怒りが抑えられない場合は、一旦その場から離れ、仕切り直しましょう。休憩を挟んだり後日改めて話し合いの場を設けたりすることで、冷静に怒りの原因と向き合うことができます。どうしても怒りが収まらないときは、無理に抑え込まず、時間をしっかり置いてみてください。
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怒りの感情が健康に与える影響や、怒りを管理するアンガーマネジメントのテクニックなどをご紹介しました。怒りの感情は、避けることができない自然な感情の一つです。怒りに振り回され、心や体に悪影響が及ぶのを防ぐためには、怒りの感情とうまく付き合っていくことが大切です。体のためにも、心穏やかに過ごせるようアンガーマネジメントを身につけてみてください。
気温が高くなる夏場は、熱中症の予防として冷房(エアコン)の使用が推奨されています。暑い時期でも涼しく快適に過ごすことができる冷房は、夏には欠かせない存在といえるでしょう。一方で、設定温度が自由に変えられないオフィスや学校などでは、「冷房病」と呼ばれる弊害も起きています。今回は、冷房病の基礎知識や、予防・対策法についてご紹介します。
◆冷房病とは?
冷房病(クーラー病)とは、冷房が効いた寒い部屋で過ごしたり、気温差の激しい屋内外を行き来したりすることで起こってしまう、さまざまな体調不良のことです。人それぞれ体感温度や適温は違いますが、オフィスや学校では冷房の設定温度が自由に変えられない場合も多いでしょう。そのため、冷房に合わせて羽織ものを準備しておくなど、対策が必要とされます。冷房が効きすぎて寒いと感じても、対策を取らずに我慢していると冷房病になってしまうおそれがあるため注意しましょう。
◆冷房病の原因と症状
人間の体は、自律神経の働きによって体温を一定に保つよう調節し、気温の変化に順応できるようになっています。暑さを感じると血管を広げて血流を良くし、汗をかきやすくすることで熱を逃がそうとします。一方、寒さを感じると血管や筋肉を収縮させ、熱の放出を防ごうとするのです。
体が気温の変化に慣れるには、2週間ほどかかるといわれています。その間、しっかり体調管理を行えば、自律神経に負担をかけることなく慣れていくことが可能です。しかし、冷房の効きすぎているオフィスで長時間仕事をしたり、温度差の激しい屋内外を行き来したりすると、自律神経のバランスが崩れてしまいます。自律神経が正常に働かなくなると、気温差に体がついていけなくなり、さまざまな不調が起きてしまうのです。
冷房病の症状として、体のだるさや倦怠感、頭痛、腹痛、肩こり、風邪症状、食欲不振、消化不良、不眠などが挙げられます。自律神経が乱れると体温調節がうまくできなくなるため、「冷え」に対する抵抗力が弱くなってしまうのです。この「冷え」によって引き起こされるさまざまな体調不良は、総称して冷房病と呼ばれています。また、自律神経はホルモンにも大きく関わっているため、女性は生理不順や生理痛の悪化などがみられる場合もあります。
◆冷房病予防と対策法
冷房病を予防するためには、できるだけ自律神経への負担を減らすことが大切です。オフィスや学校で、すぐに取り入れられる対策法をご紹介します。
◎体を冷やさない服装
冷房の設定温度が自由に変えられない環境にある場合は、できるだけ体を冷やさないようにする必要があります。カーディガンやひざ掛けを持参したり、腹巻を着用したりと自衛しましょう。また、体を温めるためには、首・手首・足首を温めると効率がいいといわれています。スカーフやレッグウォーマーなどを活用し、冷えを予防しましょう。
◎体を冷やさない食事・飲み物
暑い夏は、冷たい食事や飲み物を摂ってしまいがちですが、冷たいものを摂取すると、体を内外から冷やすことになります。冷房病を予防するなら、意識的に温かい食べ物・飲み物を摂るようにしましょう。また、体を温める効果があるとされる、ショウガやネギ、玉ねぎ、にんにく、唐辛子などを積極的に食事に取り入れるのもおすすめです。
◎適度な運動と入浴
日ごろから適度な運動を取り入れると、血流が良くなり体が冷えにくくなります。デスクワークの場合は、定期的に席を立ち、歩いたり、屈伸運動をしたりして足先まで血液が流れるよう工夫しましょう。また、暑い時期のお風呂はシャワーのみで済ますという方も多いようですが、湯船に浸かることも冷房病を予防に効果的です。入浴後の湯冷めを避けるために、ぬるめのお湯にゆっくり浸かりましょう。
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冷房病の基礎知識や、予防・対策法をご紹介しました。夏の暑い時期を涼しく快適に過ごせる冷房は、熱中症対策としても不可欠です。冷房病対策をとりながら冷房と上手に付き合い、健康に夏を乗り切りましょう。