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水泳で体脂肪を燃焼させて健康的な体に(2012年5月)

 

     
 
5月のテーマ:
水泳で体脂肪を燃焼させて健康的な体に

オリンピック・イヤーの今年は、メダルの期待がかかる水泳選手の華麗な泳ぎを目にすることも多いはず。水泳で鍛えられた逆三角形の体型に憧れて、スイミングスクールに通い始める方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、露出の多くなる夏までに体型をスリムにしたいと、これからの時期プール人口は急激に増えるようです。そこで今回は、水泳で健康的に痩せるためのポイントをご紹介しましょう。

 
     

 

  水泳の健康効果
   

水中での運動は、陸上とは違った効果が期待できます。まず、水の浮力を利用することで、局所的な身体の負担を避けることができるということ。健康のためにと、いきなりランニングを始めて膝や足に故障を起こしてしまうことがありますが、水泳はこうした危険が少ないといえます。身体にかかる水圧もマッサージ効果をもたらし、全身の血行を良くしてくれますので、疲労回復や肩こりの改善を実感する人も多いことでしょう。何よりも水泳は脂肪を燃焼するために効果的な有酸素運動とされています。しかし期待に反し、水泳を始めてもちっとも痩せないと挫折してしまう人が多いのも事実です。

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  有酸素運動とは
    運動には、大きく分けて短距離をダッシュするような無酸素運動と、長距離をジョギングするような有酸素運動があります。無酸素運動ではグリコーゲンが主に使われ、有酸素運動ではまず血液中の脂肪が使われ、やがて内臓脂肪や皮下脂肪も消費します。脂肪を落として痩せるためには、この有酸素運動が効果的なのですが、水泳でこの有酸素運動を長く続けるというのが意外と難しいのです。向こう側に泳ぎついたところで息が上がって、心臓もドキドキ。数回往復するともう苦しくなってしばらくは泳ぎ出すこともできない。これは、もう立派な無酸素運動の領域です。これを繰り返すのは、インターバルトレーニングと同じ状態で、とても脂肪の効率的な燃焼は望めません。
     
  心拍数を上げないで泳ぐ
    無酸素運動にならないように泳ぐには、心拍数を上げないで泳ぐ必要があります。しかし、心拍数を上げないようにゆっくり泳ぐのにはかなりの練習が必要です。ゆっくり泳げるようになるまでは、25メートル泳いだら次は心拍数を元に戻すよう、25メートルを歩いて戻ってくるようにしましょう。大抵のプールでは泳ぐコースと歩くコースが隣接されていますから、コースロープをくぐりながら泳ぎと歩きを交互に続けます。これを20分以上続ければ、体脂肪の燃焼が期待できます。
     
  ウオーミングアップが大切
   
イラスト 体脂肪はリパーゼという脂肪分解酵素によって分解されて初めて燃焼されます。このリパーゼが働く適温は、体温が1~2度上がった状態だとされます。そこで脂肪を効率よく燃やすには、プールに入る前に、エアロバイクやマシントレーニングで身体を温めておくというのも良いでしょう。さらに長時間泳いでいると、次第に水が冷たく感じられてきます。そうしたときは一時休んで採暖室で暖まり、体温を汗ばむ程度に上げてから水中に戻るようにします。運動を一時休んでも脂肪は燃え続けますので、冷たい水を我慢して、運動強度を上げるより、脂肪燃焼には効果的です。
     
  力まない、足を使わない泳ぎが「痩せる」コツ
    同じ水泳でも、背泳のように身体の外側に向かって伸びやかに運動するような動きは痩せやすく、クロールで水をかくときに最後のプッシュで力むような泳ぎでは痩せにくいといわれます。また、キックをすると身体の中で最も大きな脚の筋肉を使うことになるので、心拍数が上がり、長く泳ぎ続けることが難しくなります。クロールで泳ぐときは、腕で一回水をかいたら一回キックする2ビートで泳ぐと良いでしょう。
     
  水分補給は忘れずに
   
温水プールでは、自分でも分からないうちに汗をかいています。水分補給をせずに、採暖室とプールを往復しながら泳いでいると、血液の濃度が上がって血管や心臓に負担をかけることになりますので、水分補給は必ず行ってください。 イラスト
     
  水泳を続けるコツ
    水泳は、一人でもできるスポーツなので、どうしても一人で泳いでしまいがち。なんとなくクロールと平泳ぎさえできれば満足していまいますが、続けたいのであれば、大人向けのスイミングスクールに入ることもひとつです。自分で泳いでいる姿を自分で見ることができない水泳は、誰かに客観的なアドバイスをしてもらうことがとても大切です。フォームを矯正して楽に泳げるようになるとその楽しさは倍増します。水泳仲間ができれば、情報を交換したり、刺激し合ったりして充実したスイミングライフを送ることができます。マスターズ水泳大会への参加など、きっと楽しい思い出になることでしょう。

 

お酒と楽しくつきあう 急性アルコール中毒やアルコール依存症にならないために(2012年4月)

 

     
 
4月のテーマ:
お酒と楽しくつきあう

急性アルコール中毒やアルコール依存症にならないために

歓迎会やお花見など、なにかと飲酒の機会の多いシーズンになりました。適度な量の飲酒はストレス解消には効果的ですが、短時間に多量のアルコールを摂取すると、周囲に迷惑をかけるだけでなく、急性アルコール中毒を引き起こすことにもなります。ご存知のように急性アルコール中毒は、酔った状態を超えて意識障害や昏睡、重症の場合は死にいたることさえあります。また、飲酒が習慣化すると、あらゆる疾患の原因にもなるアルコール依存症に陥る可能性も高まります。そこで今回は、急性アルコール中毒や、アルコール依存症にならないために、お酒との付き合い方を考えてみましょう。

 
     

 

  急性アルコール中毒とは
   

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短時間に多量のアルコールを取ることで起きる中毒症状です。血液中のアルコール濃度が、0.4%を超えた場合は1~2時間で約半数が死に至ります。酔ってきたと自覚する(飲酒開始から血中アルコール濃度の上昇)までには時間がかかり、自覚することで飲酒の量を抑制できますが、短時間で大量の酒を飲むと酔っているという自覚なしに危険な量のアルコールを摂取してしまうことになり、急性アルコール中毒が起こります。

     
   
予防方法
飲酒する際には、アルコールの吸収を遅らせる蛋白質や脂肪分を含むつまみを食べる。
一気飲みは控えて、自分のペースで飲むこと。他人にも強要はしない。
飲み始めはできるだけゆっくりと飲む。
 
対処法
迷わずに救急車を呼びましょう。解毒剤の様な物があるわけではありませんので、対外にアルコールを排出する以外に治療方法はありません。救急車が到着するまでは、呼吸の確保と体温の維持には注意してください。また、吐瀉物で窒息する危険があるので応急処置として吐かせることはしないようにしましょう。嘔吐物がのどに詰まって窒息する危険があるので、必ず体と頭を横向きにして寝かせて目を離さないでください。

もし、心肺機能が停止したら心肺蘇生法(人工呼吸、心臓マッサージ)を施してください。状況によってはAEDを使うなど、生命の維持に努めてください。また、体温が低下しないよう毛布を掛けるなど保温に気を配りましょう。

     
  アルコール依存症とは
   
飲酒すると、周囲にからむようになった。
飲まないと眠れなくなった。
休日は、朝から飲まないといられない。
断酒すると手がふるえるようになった。
γ-GTPの数値が上がった。
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このようなことに心当たりがありませんか? ある方は要注意です。アルコール依存症は慢性アルコール中毒とも言われ、日本国内には300万人近くもいると言われています。急性アルコール中毒とは逆に、体質的にアルコールを受け入れやすい人がなりやすいようです。アルコールに含まれる有害物質であるアセトアルデシドの分解が早い人と遅い人がおり、飲酒癖のある人は分解のスピードが比較的早く、これは遺伝的とも言われます。こうした体質を持つ人は連日飲んでも社会生活に支障がないと思い込み、いつの間にかアルコール依存症に陥りがちです。また、仕事や家族関係でストレスをかかえている人や、中高年の男性も依存症に陥りやすいと言われています。女性は体格や女性ホルモンなどの要因から、習慣的飲酒が短期間でも依存症になることがあると言われています。それだけに誰もが陥りやすい疾患なのです。
     
   
予防方法
ほどほどの飲酒を心がける
休肝日は、週に連続して2日以上確保すること
不幸な気持ち等を変えるために、積極的にお酒の酔いを利用しない
断酒
 
治療方法
アルコール依存症は病気です。個人の性格や嗜好の問題ではなく、自らの意思で飲酒行動をコントロールできなくなり、強迫的に飲酒行為を繰り返す精神疾患、と自覚してください。現在のところ治療方法は『断酒のみ』です。一時的な禁酒や減量ではすぐに元の状態に戻ってしまいます。

一方で依存症は「家族病」とも言われています。本人はもとより、家族全体がこの病理現象を理解し、認めることが、この病気から回復する上で必要とされます。

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その第一歩は病気に対する本人の自覚と治療の意志をもたせ、専門医への受診をすることです。その際、もっとも困るのは「自分は依存症なんかじゃない」と否定する気持ちです。プライドが高い人ほどそうした気持ちを抱きやすく、「自分はちがう」と反発しがちです。アルコール依存症はあらゆる疾患に直結する病気であることに気づいて、謙虚な気持ちで病気と向かい合ってください。

依存性薬物であるアルコールを断つことは並大抵の努力ではなく、一生涯これを続けることは想像以上の困難を伴います。このため、断酒をサポートする様々な試みがなされており、アルコール依存症患者とその家族によって作られた自助グループ『断酒会』などが組織化されています。断酒を続けることを互いにサポートし合い、酒害をはじめ、アルコール依存に対する正しい理解・知識を広く啓蒙する活動なども行っています。

吉田兼好も「酒は百薬の長とはいへど、よろずの病は酒よりこそ起これ」と鎌倉時代から適量飲酒の大切さと大量飲酒の危険を詠んでいます。危険な飲酒を避け、適正な飲酒量を心がけることで、多くの人がいつまでも健康にアルコールを楽しむことができることのでしょう。

     

 

春はスタートの季節 健康診断でセルフチェックを!(2012年3月)

 

     
 
3月のテーマ:
春はスタートの季節 健康診断でセルフチェックを!

年を通して健康について考えてきた「健康豆知識」ですが、読者のみなさまも春を迎え、入学や就職など家族が新たなスタートを迎える方も多いことでしょう。昨年は東日本大震災や福島第一原発の事故もあり、生活や食の安心や安全について深く考えることの多い年でした。平穏で健やかな生活は健康な心身からもたらされます。日頃から食生活に気をつけたり、運動を欠かさないことに加えて、専門の機関で健康診断を受けることは現代社会に生きる私達には大切なことといえます。

 
     

 

定期健診の大切さ
 

定期的な健康診断は病気の早期発見や生活習慣病の予防にはかかせません。働いている人ならば会社で受ける場合がほとんどですが、アルバイト等のフリーターや主婦、無職の方も定期的な健診が必要です。健診の種類は非常に多くあり、病院や施設ごとに料金も違います。もっとも一般的なのが「労働安全衛生法」に基づく検査項目です。(会社で受ける健診がこれにあたります)

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(1)既往歴及び業務歴の調査(2)自覚症状及び他覚症状の有無の検査(3)身長、体重、腹囲、視力、聴力の検査(4)胸部エックス線検査(5)血圧の測定(6)尿中の糖及び蛋白の有無の検査(7)貧血検査(8)肝機能検査(GOT,GPT,γ-GTP)(9)血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)(10)血糖検査(11)心電図検査・・・を通常行います。健康診断は広い意味での健康をチェックするもので、個別のがんや生活習慣病を対象にしたものではありませんが、定期的に受けておくことで病気を早期発見することが出来るため、健康に生活していく上ではかかせないものです。

   
検診や人間ドックの薦め
 

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検診とは健康診断とは違い、「がん」やメタボリックシンドロームなど個別の病気をチェックするために行われる検査です。特に「がん」は日本人の死因の第1位であり、全国で年間30万人の方が「がん」で亡くなっています。「がん」を経験した方の体験記には「もっと早く検診を受けておくべきだった」「早期発見していれば大病にならなかった」ということが書かれています。乳がんや子宮がんなどはある一定(35歳以上など)の年齢以上の対象者には自治体が補助金を出している場合もあります。最寄りの自治体に確認をしてみてください。

また全身やがん、生活習慣病などをトータルに検診することを「人間ドック」といいます。最近は一般の検査に加え、脳も含めた全身のがんをチェックすることを目的としたPET検診や脳梗塞やくも膜下出血など重篤な脳疾患を検査する脳ドックなど早期発見に重点を置いた設備を備えて検診を行う病院も最近は数多く登場しています。

   
ホームドクターのすすめ
 

ホームドクター(かかりつけ医)とは病気になったり怪我をしたときにまず最初に相談する医師や医院のことです。ホームドクターへの定期的な受診や健康診断などにより、家族全員の健康状態や生活習慣、病歴を把握することができ、日常生活における健康管理上のアドバイスを得ることが可能です。また早期発見、早期治療が可能で、重い病気になったとき、どこの医療機関にかかったらいいかわからない時も、適切な医療機関や専門医を紹介してもらうことができます。日頃から家庭の近所に信頼できるホームドクターを探しておくことも、もしもの時に安心して満足のいく治療を受けることができる秘訣です。

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風邪、肌荒れ…“乾燥注意報”にご用心!(2011年2月)

 

     
 
2月のテーマ:
風邪、肌荒れ…“乾燥注意報”にご用心!

新しい年が始まって1ヶ月が経ちました。年始に立てた”一年の計”は実行できていますか?健康維持のためには正しい生活リズムや食生活、毎日の運動が大切と分かっていても続けるのはなかなか難しいものです。特に今年の冬は寒く、外へ出るのもためらってしまうほどですが、室内でのエクササイズなど、工夫して身体を動かすよう心がけていきましょう。さて、この”寒さ”に大きく関係するのが、空気の”乾燥”です。今回はこの”乾燥”についてお話します。

 
     

 

乾燥注意報とは
 

 テレビのニュースや天気予報などで、最近よく耳にする「乾燥注意報」。地域によっては、消防隊が火の用心のお知らせに回っている光景をよく目にするという方も多いのではないでしょうか。この乾燥注意報は、” 空気の乾燥による火災発生”の注意を促すものとして気象庁が発表するもので、首都・東京においては今年に入って連日この乾燥注意報が発表され続け、歴代の連続記録に迫る勢いだそうです。

乾燥注意報の基準となるものは「実効湿度」と「最小湿度」です。実効湿度とは、その日の空気の乾き具合を示すのではなく、数日前からの空気の状態を考慮して計算したもので、日本の家屋に多く使われている” 木材の乾燥具合”を示しています。 また、最小湿度は文字通り1日の中で最も低い湿度のことで、数字が低ければ低いほど空気が乾燥していることになります。どれくらいになると注意報が発表されるのかは地域によって多少の違いがありますが、平均的に” 実効湿度が50パーセントから60パーセント以下”になると火災の危険性が高まるので、各地とも50パーセントから65パーセントで、ほぼ一律に発表されます。

しかし、もう一つの基準である最小湿度は地域によってばらつきがあり、南の沖縄では50パーセント、札幌では30パーセントが基準となっています。東京ではさらに低く、最小湿度が25パーセントにならないと発表されません。これは空気中に含まれる水蒸気の量に関係しています。(ちなみに東北地方は実効湿度と最小湿度だけでなく、風速も考慮にいれて乾燥注意報が発表されます)

   
冬はなぜ空気が乾燥するのか
   ではなぜ冬場は空気が乾燥するのでしょうか。それは”飽和水蒸気量”に関係します。小学校の理科で習うものですが、改めて解説すると、飽和水蒸気量とは空気中に溶け込める最大の水蒸気量のことで、空気中にふくまれる水蒸気の量は「その空気1m3中に含まれている水蒸気の質量」で表されます。この飽和水蒸気量は気温が下がると低下するため、気温の低い冬場は空気が乾燥するのです。例えば、気温30℃では飽和水蒸気量は30g/m3ですが、気温0℃では、5g/m3までしか溶け込めません。そのため、気温が低いほど空気は乾燥していくのです。

また、太平洋側は冬になると季節風(北西の風)が吹きますが、この風は大陸性高気圧より噴出し、日本海を渡るとき大量に水蒸気を吸収し日本の山に当たり日本海側に雪を降らせます。雪を降らせた後の風は水分が少なく乾燥しているので、その風が太平洋側に吹きますのでその地域はさらに乾燥することになります。

ちなみに、冬に白い息が良く見られるのは、呼気に含まれる水蒸気が空気中に溶け込めずに空中で結露して見えるからです。

   
冬場に乾燥肌が多い理由
 

 このように、冬場は空気が乾燥するためどうしても肌の水分が失われてしまい、乾燥肌になる人が増えます。また、冬は運動量が低下しがちで、皮脂も汗も分泌量が少なくなるため、肌を保湿から守る“天然の保湿クリーム”が少なくなるのも乾燥肌を引き起こす原因のひとつです。

さらに、冬は気温が低くて血流が悪くなったり新陳代謝が低下するため、肌のターンオーバー(肌が生まれ変わる周期)も遅れがちになります。肌の表面に粉が吹いたようになったり、フケが増えたりするのは、古い角質が肌の表面にカラカラに乾いたまま残ってしまうためだと考えられます。

また、冬に使う暖房器具も肌を乾燥させてしまう大きな原因です。特にエアコンによる暖房や、燃焼をしない電気暖房器具を使っている場合の室内の湿度は驚くほど少なくなっているのです。乾燥した室内にいると肌表面の角質層から蒸発する水分量が増えるため、当然お肌も乾燥していきます。他にも、寒い日は熱いお風呂に入りたくなるものですが、熱いお湯につかると皮脂の油分が奪われてしまい、これもお肌の乾燥を招くのです。

   
手軽にできる乾燥対策
   空気が乾燥する冬は、お肌の乾燥だけでなく、ウイルスが繁殖しやすくなるため風邪やインフルエンザにも注意が必要です。乾燥を抑えるためには”加湿”が一番。家庭や職場などで気軽にできる乾燥対策をご紹介します。

加湿器を活用する
 

この季節は家電量販店などにも加湿器コーナーが設置され、様々なタイプの加湿器が並びます。パソコンにつないで使うUSB電源のものや、自動車のシガーソケットにつないで車内で使えるもの、ペットボトルに水を入れて使えるもの、アロマ機能のついたものなどもあるので、使う場所に合わせて選んでみましょう。

濡れタオルを干す
 

洗濯物の部屋干しも、室内の湿度をあげてくれる手軽な加湿方法です。職場で行う場合や、においや見た目が気になるという場合は、塗らしたフェイスタオルを下げておくだけでも十分加湿効果があります。その場合、たたんで干したり置いておくのではなく、広げた状態でハンガーなどに下げておきましょう。空気にあたる表面積が増えることで空気中に水分が含まれやすくなります。

お風呂場のドアをあけておく
  入浴したあとのお風呂場は、湯気がたちこめて湿度がとても高くなっています。普段はカビ対策のためにドアを閉めて浴室乾燥機を回すというご家庭も、冬場はドアを全開にして、湿気を家中に逃がしてみてはいかがでしょうか。脱衣所などお風呂から近い場所で扇風機やサーキュレーターを回せば、一部にだけ湿気がこもりすぎる心配もなくなります。
観葉植物を置く
 

植物は” 蒸散効果”で葉から水蒸気を放出してくれるだけでなく、鉢の土からも水分が蒸発するので、室内の加湿にはもってこいです。これらは加湿器のようにただ水分を出すのではなく、乾燥しているときには多く、十分なときには少なく蒸発するので、うまく部屋の湿度を調節することができます。

 
 
冬場は空気が乾燥するということを体感的に分かっているという方も、乾燥の原因を改めて知ることで、“冬場は空気が乾燥する”ことをより実感していただけたのではないでしょうか?風邪を予防するためにも、美容のためにも、上手に加湿して乾燥を防ぎましょう。もちろん、火の用心もお忘れなく!

 

 

寒い冬には気をつけたいヒートショック現象(2012年2月)

 

     
 
2月のテーマ:
寒い冬には気をつけたいヒートショック現象

 昨年、東北地方の温泉で2人の男性の突然死が報じられました。原因は入浴中のヒートショック現象による溺死と言われています。一般家庭の浴槽内で起こる溺死者の数は年間約4000人で、うち高齢者は89%(厚生労働省調べ)。
 さらに、原因を浴室やトイレなど家庭内でのヒートショック現象による心臓・脳疾患発作まで広げると、死亡者は全国で年間1万4000人以上(東京救急協会の推計)という数字があります。例年になく寒波の襲来があり、寒さが厳しい上に震災後の無理な節電により風邪をひくなど体調を崩す方も増えてます。

 
     

 

ヒートショック現象とは
 

 「ヒートショック現象」とは、急激な温度変化によって身体が受ける影響のこと。温かい部屋から寒い部屋へ移動すると「ブルっ」と身震いすることがあるように、人は急激な温度の変化にさらされると体内の血管を急激に伸縮させて血圧や脈拍の変動を起こします。これは体温を一定に保つために、人間の身体が反応すること。しかしこの働きが脳卒中や心筋梗塞などに繋がってしまう可能性が高いといわれています。

特に入浴が好きな日本人はヒートショック現象に見舞われることが多いといわれており、お風呂で長時間温まった後、お風呂場から脱衣所に移動した途端、急激に冷たい空気にさらされることがあります。また、この逆も同じ様に 寒い脱衣所からお風呂場へ移動し、冷えた身体を一気に熱いお湯につけることで身体がヒートショック現象を引き起こしてしまい、入浴中に亡くなる、という前出のニュースのようなケースが増えているそうです。特に75歳以上の高齢者には注意が必要と警報を鳴らしています。

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ヒートショック現象を防ぐには
 
入浴時の注意  
 

 脱衣室をあらかじめ暖房で温めておいたり、浴室の浴槽のフタをとって湯気で室内を満たすなど工夫をしましょう。シャワー等で熱めのお湯を出して浴槽にかけても保温効果が上がります。

また一番最初の入浴は浴室内が寒いのと湯の温度が高めなため、からだに負担がかかりがちです。高齢者のいるご家庭は家族が入った後の二番湯を使っていただくようにすると、浴室も温まっているため安心して入浴が出来ます。お風呂の湯温は38~40度が適温であまり長湯をしないこと。半身浴をしたり、水分を摂るなど身体に負担のかからない入浴法を取り入れることも大切です。いきなり湯につかることを避け、リラックスして入浴できるような心掛けをしてください。

トイレでの突然死を防ぐには  
 

 浴室だけでなく、トイレでの脳卒中や心筋梗塞を起こす割合は、突然死の約5%を占めておりあなどれません。トイレでいきむ事や寒い室内でいきなり立ち上がった時など、血圧や心拍の急激な変化等が脳卒中や心筋梗塞を引き起こすと言われています。対策としてトイレや便座などを温かく保温すること、日頃から食生活などに気を配り、便通をよくしておくことも大切です。

   
 
日本家屋は木造住宅が多いため、浴室やトイレ以外にも廊下等温かい室内との温度差が大きな場所があることもヒートショック現象が多いことの一因と言われています。健康に問題がなく、今までまったく元気だった方にも起こる危険性のあるヒートショック現象。節電も求められる今年の冬ですが、命を守るためにも対策を取ることを忘れないようにしましょう。

 

風邪をひかない体を作る(2012年1月)

 

     
 
1月のテーマ:
風邪をひかない体を作る

寒さが厳しくなると風邪をひきやすくなります。風邪は万病のもと。新年を明るく健康に過ごすために、風邪やインフルエンザにかからないようにすることがポイントです。
イラスト風邪にかからないためには、日常生活の中でかぜの原因となるウイルスの感染から身を守ること、そして抵抗力・免疫力をつけておくことが大切になります。風邪をひきやすい人とひきにくい人の違いは何でしょうか?それには生活環境や規則正しい生活、そして食生活が大きく関わっています。

 
     

 

規則正しい生活を心掛ける
 

休みだからといってダラダラと遅くまで起きている生活は身体を疲れさせ、抵抗力を弱めます。睡眠をしっかりとり、規則正しい生活を心掛けましょう。日頃から適度な運動をし、汗をかくことで新陳代謝も良くなります。軽い体操やウォーキングを続けることは自身の抵抗力を高め、風邪をひきにくい健康な体を作ります。太陽の日差しを浴びることも有効ですので、天気の良い日はなるべく外に出て身体を動かしましょう。

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風邪を予防する環境づくり
 

寒い冬は締め切った部屋でストーブやエアコンをつけるために室内の換気が十分出来ず、空気も乾燥しがちです。空気が乾燥すると鼻やのどの粘膜も乾燥してウィルスに感染しやすくなります。加湿器を使用したり、濡れたタオルを室内にかけて保湿に務めるようにすること、室内では、温度20~25℃、湿度60~80%を保つように心がけましょう。

ホコリやカビも抵抗力を弱めます。適度に換気をして空気を入れ替え、掃除をまめにしてホコリをためないようにしましょう。また、外から帰ったらうがいや手洗いを忘れずにすること。石鹸を使って指の間や腕もしっかり洗うようにしてください。なるべく人ごみに近寄らないようにする、やむをえない時はマスクを携帯するなど予防に努める心掛けも大切です。

   
風邪を予防する食事
 

バランスの取れた栄養価の高い食生活は風邪の予防の基本です。ビタミンA,Cを多く含む食品を摂りましょう。ビタミンAは風邪のウィルスが侵入してくる粘膜を強くする働きがあり、免疫力を強化します。ビタミンCはコラーゲンを生成、不足すると身体の抵抗力が弱まるため風邪をひきやすくなります。また、寒い冬は鍋やシチューなどの食品を取って身体を内側から温めるよう努めましょう。食べる時間を一定に保ち、規則正しい食生活をすることで太りにくい身体を作り、抵抗力を高めます。忙しい人はサプリメントや健康食品で足りない栄養を補いましょう。サプリメントには免疫力をアップしたり、体内環境を整える働きがあります。

 

冬本番を前に!お肌の乾燥対策(2011年11月)

 

     
 
11月のテーマ:
冬本番を前に!お肌の乾燥対策

秋は春から夏にかけて浴び続けた紫外線のダメージが肌にダイレクトに現れる季節です。秋の肌は紫外線に加え、乾燥した空気にさらされ、肌の再生もしにくくなります。

冬本番を前にお肌の乾燥対策を取りましょう。「洗顔後、肌がつっぱるような感じがする」「うるおいやしっとり感が無くなってきた、毛穴が目立ってきた」「口元や頬、目の下など、カサカサする所が増えたかも?」そんな変化に気づいたらもう乾燥は始まっています。

 
     

 

まずは日頃の洗顔から
 
まずは日頃の洗顔から

秋は今までの季節とは違い、皮脂の分泌が低下して肌が乾燥してきます。

洗顔料を使用する場合は肌に合ったものを選んで、しっかりと汚れを落とすように洗い上げます。洗うときは、36~38度位のぬるま湯がいいでしょう。熱いお湯だと皮脂が流れ落ちますし、逆に冷たい水だと毛穴が開かないので、汚れが肌に残ってしまいます。

乾燥や紫外線のダメージにより保湿機能が失われやすくなっているので、洗顔後は化粧水や乳液、美容液を使ってうるおいを回復させましょう。また、洗顔後に蒸しタオルを30秒ほど顔に乗せることで血行やリンパの流れがよくなり肌の再生を促します。

   
身体の内側からも対策を
 

外側からだけでなく、ビタミン、コラーゲン、CoQ10、ヒアルロン酸、セラミドなどを含んだサプリメントなどを取り入れることで、内側からも夏のダメージ回復に効果てきめんです。

ビタミンをたっぷりふくんだ野菜や果物のジュースを飲んでもいいでしょう。食事をきちんと取ること、肌は眠っている間に生まれ変わりますので、十分な睡眠も乾燥肌を改善するには欠かせません。

また水をたっぷり飲むようにすることも体内にきれいな水が循環し、肌の水分量が増えてみずみずしい肌になるための大切なポイントです。

身体の内側からも対策を
   
適度な運動で美肌をキープ
 

ウォーキングや体操、ストレッチなどで適度に身体を動かし、汗をたっぷりかくことも肌の健康のために大変よい効果を生み出します。

運動して基礎代謝量を上げ、新陳代謝を活発にすることで体内の老廃物を吐き出し、皮膚のターンオーバーをスムーズに行い、綺麗で清潔な肌を保つことができるのです。

運動の後はゆっくりと入浴して心身ともにリラックスしましょう。ストレスの無い状態が美肌を生み出す源、心と肌は繋がっています!

適度な運動で美肌をキープ
   
暖房器具の使いすぎに注意
 

エアコンは部屋の湿度を低下させ、肌の乾燥を確実に招きますので、季節に関係なく、エアコンの使用を最低限に抑えましょう。

風が直接あたる場所にいると、余計に肌が乾燥してしまいますので注意してください。また、ただでさえ乾燥してしまう冬にエアコンや電気の暖房器具を使うと湿度が低下し肌の保湿に大敵です。ストーブなど燃焼系の暖房器具を使用した方がいいでしょう。

加湿器を使用して部屋の湿度を上げたり、濡れたタオルや洗濯物を部屋にかけておく、洗面器に水を入れて部屋に置くなどして手軽に加湿することもできます。

 

上手に使おうサプリメント(2011年10月)

 

     
 
10月のテーマ:
上手に使おうサプリメント

毎日の食事で不足しがちなビタミンやミネラル、アミノ酸などの栄養補給やダイエットに気軽にドラッグストアやコンビニエンスストア、通信販売で購入できるようになったサプリメント。

栄養補助食品(えいようほじょしょくひん)、健康補助食品(けんこうほじょしょくひん)とも呼ばれており、近年、私達の暮らしに身近になってきました。

 
     

 

サプリメントの歴史
 

サプリメントは、「食事だけでは、必要な栄養素を摂れないときに、それを補うもの」という目的で近代になってアメリカで誕生しました。

アメリカでは日本のような国の保険制度がないため、病気になると高額な医療費もかかるため、人々の健康管理に対する意識も世界トップレベルといわれています。

予防医学への関心から「サプリメント大国」とも言われているくらい、サプリメントが一般的に広く利用さており、米国成人の6割以上が何らかの形で日常的にサプリメントを利用していると言われています。

サプリメント

アメリカのサプリメントは「ダイエタリー・サプリメント」と呼ばれ、DSHEA という法律で「薬と食品の中間のもの」 と定義されており、厳しく規制されています。

日本ではアメリカのような規制はなく 「サプリメント」 とは、医薬品ではなく「食品」 と同じ扱いとなっており、サプリメントに関する薬効は認められていません。

しかし栄養機能の表示については一定の取り決めがあり、栄養素ごとに、成分の規格基準が定められています。

   
特定保健用食品(トクホ)との違い
 

最近、「トクホ」という言葉をコマーシャルなどでよく聞くようになりました。特定保健用食品(トクホ)は、科学的根拠の分析、有効性や安全性の審査を踏まえた上で、一定の有効性が確認され、厚生労働省が認可した食品のことを言います。

これらの食品には、国が認めた印として“トクホマーク”がついています。サプリメントや栄養ドリンクは栄養機能食品と呼ばれ、特定保健用食品の基準は満たしていません。

   
サプリメントの種類
 
サプリメントには成分と効果によっていくつかの種類があります。大切なのはまずビタミン・ミネラルを充分摂り体を正常な状態に機能させた上でより健康を増進させるものや特定の部位に働きかけるものを摂取することです。

サプリメントの種類
   
[1] 人間が生きていく上で必ず必要になる栄養
 

ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸(DHA、EPA)など。これらの本来食事から摂取する身体の基本になる栄養素は生きていくために必要不可欠なもので、不足した場合に様々な不調が起こる原因となります。

[2] 摂取することでより体の機能が良くなる栄養
 

アロエやイソフラボン、クロレラ、霊芝、ビール酵母、黒酢などです。[1]にプラスして摂取することでより健康を増進できる栄養素です。

[3] 特定の部分に働きかける栄養
  主にハーブや薬草類が原料で古来より疾病の治療や予防に使われてきた物が多くあります。イチョウ葉やセントジョーンズワートなどが代表格です。
 
サプリメントの摂り方
 
サプリメントは栄養補助の役割り サプリメントの摂り方
 

サプリメントはあくまでも足りない栄養を補うものですので、サプリメントを摂ってさえいれば、食事はどうでもいいというわけではありません。

基本的には、毎日の食事で必要な栄養素を摂るのが理想です。

一日の摂取量を守って服用
 

サプリメントの表示ラベルには1日の摂取(目安)量が書かれています。成分によっては摂りすぎによる過剰症を起こす場合がありますので、必ず1日の摂取量を守るようにしましょう。

また成分によっては単独ではなく、何種類か組み合わせて服用することで効果を発揮する場合がありますので、よく調べてみましょう。

薬ではありませんが、基本は食事の後に摂取するのが理想的といわれています。

保存に気をつけましょう
  品質の劣化を防ぐためにも、高温多湿な場所に長時間置いかないなど、保存方法にも気を付けましょう。

製品によっては保存方法がラベルに表示されていますので、必ず守るようにしましょう。

 

今年は大流行! 大人も気をつけたい手足口病(2011年9月)

 

     
 
9月のテーマ:
今年は大流行!

大人も気をつけたい手足口病

主に夏場に流行し、乳幼児や子供の手足や口内などに発疹ができる夏風邪の一種「手足口病(てあしくちびょう)」が西日本を中心に全国で大流行しており、1医療機関あたりの患者数は、1982年の調査開始以降、過去最多を記録しております。今年の手足口病は例年の症状とは異なり、高熱や大きな発疹が広範囲に現れるため、水痘などと誤診され、深刻な状態に陥る場合もあり注意が必要です。子供から大人に移ることもある手足口病。この秋から冬にかけて東日本でも発生が予想されていますので注意が必要です。

 
     

 

手足口病の原因と症状
 

子供や乳幼児を中心に発症する「手足口病」はウィルスが原因によって起こる感染症で、主にコクサッキーウイルスA16、エンテロウイルス71(EV71)です。原因となるウイルスが数種類あるので、何度もかかることがあります。(今年は「コクサッキーA6」が多く検出されています)せきやくしゃみなどの飛沫や便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することで知られています。

潜伏期間は3~4日程度で、口の中や手のひら、手の甲、足底、足の甲、臀部などに2~3ミリ大の水疱性の発疹が出たり、38~40度程度の高熱が出ることもあります。口の中の発疹は潰瘍になるため、激しく痛むことがあります。水疱は3~5日ぐらいで消えてしまい、あとが残ったりすることはありません。ほとんどは、1週間から10日程度で完治しますが、まれに髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症のほか、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺など、さまざまな症状が出ることもあります。

今年の手足口病の特徴はひとつひとつの水疱が大きく、全身に広がる傾向があり、高熱をともなう症状も見られます。抗体がなければ子供から大人へと移るため、お子さんから発症し、両親へ感染するケースもあるそうです。



   
有効な治療はない?
 

手足口病には根本的な治療薬は現代医学ではありません。発熱、頭痛、口腔内の潰瘍の痛み等のそれぞれの症状に対する対処療法が中心です。発疹や発熱だけですと、家で安静にしていればほとんどが自然に治りますが、高熱や頭痛、おう吐がある場合は小児科か大人なら皮膚科を早めに受診してください。

口の中にも水疱ができた場合、物を食べる時に痛がることがあるので、熱い食べ物や刺激のあるものは控えたほうがよいでしょう。食欲が無い時は脱水症状を防ぐために、ジュース、アイスクリーム、ヨーグルトなどののどごしのよいものがおすすめです。

   
清潔にすることで予防
 

手足口病のウイルスは、手を介して口に入りますので、外遊びや外出先から帰宅した後や食事の前、トイレの後などはきちんと手洗いやうがいをすることが大切です。便による感染力は長く2~4週間にわたってウイルスが排出されるため、排便後はしっかり手洗いする必要があります。かかってしまったら人との接触を少なくし、飛沫感染を防ぐためにマスクをするのも効果的です。プールや入浴施設へ行くのも避けたほうがいいでしょう。

 

 

怖い虫さされ(2011年8月)

 

     
 
8月のテーマ:
怖い虫さされ

夏休みになり、海や山など野外に出かける機会が多くなります。そこで遭遇するのが「虫」。虫刺されにもいくつか種類があり、刺した虫によって症状にも違いがあります。共通する症状としては赤味を伴う発疹、かゆみといったものですが、中にはスズメバチのように強い毒性やアレルギー症状を引き起こすものもあり、注意が必要です。

 
     

 

人を刺す夏の虫
  ■スズメバチ
スズメバチスズメバチは8月から10月が活動期であり、被害が最も多くなる時期です。まずは巣に近付かないこと、スズメバチが近くに来ても、追いかけたり腕を振り回したりしないこと。またスズメバチは黒いものを襲撃する習性があるので、黒系の服や帽子を避けることもポイントです。

もし刺されてしまったら、すぐに毒を体外に出してください。針のついていない注射器や専用の器具で吸い出し、刺された場所を冷やして心臓より高く上げ、病院へ。口で毒を吸い出すのは、口内の傷や虫歯から体内へ毒が入る場合があるので避けてください。「スズメバチに刺されたら尿をかける」ということもよく言われますが効果はありません。

最も怖いのは、「アナフィラキシーショック」と呼ばれるアレルギー症状で、蜂の毒に過敏に反応してしまうアレルギーを持った人の場合、呼吸困難や血圧低下などを起こし、最悪の場合、死にいたることもあります。アナフィラキシーショックは短時間で起こるので、少しでも様子がおかしいと感じたら、救急車を呼ぶなど速やかに対処するようにしてください。

■ブヨ
虫除けブヨ(ブユ)はハエより若干小さく、体長3~5mm程度の吸血性の虫です。幼虫は小川や渓流で育ち、綺麗な水辺を好むため、夏場のキャンプ場や渓流、ゴルフ場や田んぼなどに生息しています。ブヨは刺される(蚊のように皮膚に針を刺すのではなく、皮膚を噛み切ります)と猛烈に痒いだけでなく、人によっては激しい痛みを生じたり、赤黒く腫れが残ったります。リンパ管炎やリンパ節炎を併発し、時に発熱を伴い、歩行困難になるというような症状が出ることもありますので、アレルギー症の人は特に注意する必要があります。

まずブヨを避けるためには肌をむき出しにしないこと。足(膝より下)を良く刺されますので、長ズボンをはいて予防してください。またまめに虫よけスプレーを使って虫よけを行ってください。もし刺されてしまったらまず患部が熱を持っているときは冷やすこと。そして早めにかゆみ止めの軟膏(ステロイド軟膏など)を塗り、掻きむしかないように注意してください。そこから雑菌が入り、化膿してしまいます。かゆみや腫ればひどい場合は皮膚科を受診してください。

■マダニ
腫れるマダニは吸血性のダニの中でも大型のダニの総称で、5月から8月にかけて活発に活動し、野山の木や公園の草むらなどの葉、枝、草の先端に生息します。人間のまぶたや耳、首、脇の下、内股など柔らかい部位に寄生します。マダニに刺されても最初は軽い痒みと痛みを伴うだけですが、ある程度マダニが血を吸って大きくなると血豆のように皮膚が腫れます。マダニに食いつかれた場所を中心に、徐々に大きくなる赤い発疹が現れ、慢性化すると神経、筋肉、関節、心臓などが冒されていくことがあります。マダニの持つボレリアに感染すると、ライム病(遊走性紅斑)と呼ばれる皮膚病やツツガムシ病になる恐れがあります。

野山で野外活動する際には、首周りや手首、足首から侵入するのを防ぐこと、明るい色合いの服装がダニの付着防止と発見に役立ちます。また野外から帰宅後は入浴し、からだをよく洗うとよいでしょう。マダニが食いついているのを発見したら、無理やり手で取らず、ピンセットや毛抜きで跡が残らないように丁寧に取り除き、化膿を防ぐ薬を塗ってください。

■毛虫
毛虫毛虫は蚊やダニなどと違って吸血するのではなく、毛虫の持つ毒針によって人を刺します。毛虫による虫刺されの症状は強い痒みと腫れです。小さな赤い発疹ができて、ピリピリとした痛みが生じた後、強いかゆみが出るのが特徴です。

毛虫に刺されたらまずは水でしっかりと毒毛を洗い流すようにしましょう。ケムシの毛が残っていたらガムテープなどで取り除き、患部を強くこすらずに、石鹸で何度も洗い流します。市販のかゆみ止めをつけ、腫れや痛みがある場合は病院で診察を受けましょう。

   
虫を予防する
  夏はついつい半袖半ズボンなど薄着になりがちですが、野外で遊んだり作業をする時はできるだけ長袖・長ズボンを着用しましょう。首まわりにタオルを巻くなども有効です。帽子や手袋も虫よけに効果的です。顔の前に虫よけネットのついた帽子も販売されています。また、外出する前は虫よけのスプレーや防虫剤を肌の露出部分にかけておくとブヨや蚊を避けられます。顔の前に虫よけネットのついた帽子や虫よけシールやリングなど子供達が楽しんで使える便利なグッズも最近は数多く販売されているようです。