■スズメバチ スズメバチは8月から10月が活動期であり、被害が最も多くなる時期です。まずは巣に近付かないこと、スズメバチが近くに来ても、追いかけたり腕を振り回したりしないこと。またスズメバチは黒いものを襲撃する習性があるので、黒系の服や帽子を避けることもポイントです。
もし刺されてしまったら、すぐに毒を体外に出してください。針のついていない注射器や専用の器具で吸い出し、刺された場所を冷やして心臓より高く上げ、病院へ。口で毒を吸い出すのは、口内の傷や虫歯から体内へ毒が入る場合があるので避けてください。「スズメバチに刺されたら尿をかける」ということもよく言われますが効果はありません。
最も怖いのは、「アナフィラキシーショック」と呼ばれるアレルギー症状で、蜂の毒に過敏に反応してしまうアレルギーを持った人の場合、呼吸困難や血圧低下などを起こし、最悪の場合、死にいたることもあります。アナフィラキシーショックは短時間で起こるので、少しでも様子がおかしいと感じたら、救急車を呼ぶなど速やかに対処するようにしてください。
■ブヨ ブヨ(ブユ)はハエより若干小さく、体長3~5mm程度の吸血性の虫です。幼虫は小川や渓流で育ち、綺麗な水辺を好むため、夏場のキャンプ場や渓流、ゴルフ場や田んぼなどに生息しています。ブヨは刺される(蚊のように皮膚に針を刺すのではなく、皮膚を噛み切ります)と猛烈に痒いだけでなく、人によっては激しい痛みを生じたり、赤黒く腫れが残ったります。リンパ管炎やリンパ節炎を併発し、時に発熱を伴い、歩行困難になるというような症状が出ることもありますので、アレルギー症の人は特に注意する必要があります。
まずブヨを避けるためには肌をむき出しにしないこと。足(膝より下)を良く刺されますので、長ズボンをはいて予防してください。またまめに虫よけスプレーを使って虫よけを行ってください。もし刺されてしまったらまず患部が熱を持っているときは冷やすこと。そして早めにかゆみ止めの軟膏(ステロイド軟膏など)を塗り、掻きむしかないように注意してください。そこから雑菌が入り、化膿してしまいます。かゆみや腫ればひどい場合は皮膚科を受診してください。
■マダニ マダニは吸血性のダニの中でも大型のダニの総称で、5月から8月にかけて活発に活動し、野山の木や公園の草むらなどの葉、枝、草の先端に生息します。人間のまぶたや耳、首、脇の下、内股など柔らかい部位に寄生します。マダニに刺されても最初は軽い痒みと痛みを伴うだけですが、ある程度マダニが血を吸って大きくなると血豆のように皮膚が腫れます。マダニに食いつかれた場所を中心に、徐々に大きくなる赤い発疹が現れ、慢性化すると神経、筋肉、関節、心臓などが冒されていくことがあります。マダニの持つボレリアに感染すると、ライム病(遊走性紅斑)と呼ばれる皮膚病やツツガムシ病になる恐れがあります。
野山で野外活動する際には、首周りや手首、足首から侵入するのを防ぐこと、明るい色合いの服装がダニの付着防止と発見に役立ちます。また野外から帰宅後は入浴し、からだをよく洗うとよいでしょう。マダニが食いついているのを発見したら、無理やり手で取らず、ピンセットや毛抜きで跡が残らないように丁寧に取り除き、化膿を防ぐ薬を塗ってください。
■毛虫 毛虫は蚊やダニなどと違って吸血するのではなく、毛虫の持つ毒針によって人を刺します。毛虫による虫刺されの症状は強い痒みと腫れです。小さな赤い発疹ができて、ピリピリとした痛みが生じた後、強いかゆみが出るのが特徴です。
毛虫に刺されたらまずは水でしっかりと毒毛を洗い流すようにしましょう。ケムシの毛が残っていたらガムテープなどで取り除き、患部を強くこすらずに、石鹸で何度も洗い流します。市販のかゆみ止めをつけ、腫れや痛みがある場合は病院で診察を受けましょう。
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