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お肌の露出が増える季節、むだ毛対策は安全に!(2008年7月)

 

     
 
7月のテーマ:
お肌の露出が増える季節、むだ毛対策は安全に!
 梅雨明けも間近、Tシャツ1枚でも暑いくらいの季節になりました。お肌の露出が多くなると、気になるのが腕や脚、ワキなどの「むだ毛」です。特に女性にとっては気になるものですが、最近では男性でも「オシャレ」や「身だしなみ」のひとつとして、体毛の濃さを気にする人も増えているようです。剃る、抜くなど様々な処理方法がありますが、場合によっては深刻な肌トラブルを引き起こすことも…。今回は、安全で正しい処理方法とむだ毛のメカニズムについてお話しします。
 
     

 

むだ毛は本当に「無駄」な毛?
 
  まずは「むだ毛」の役割について。辞書で「むだ毛」をひくと、

むだげ 【無駄毛/徒毛】 美容や化粧のじゃまになる、顔・えり足・足などの毛。/「大辞林 第二版」より

と書いてあります。人間の体毛は全身で150万本前後も生えていると言われますが、その全てに役割があり、本来「無駄」な毛はありません。それぞれ肌や身体を保護する大切な役割を持ち、例えばワキげは摩擦で皮膚がこすれるのを防いでいますし、顔や腕、脚を覆う産毛や体毛は紫外線を吸収したり皮脂を分泌したりして、私たちの肌を守ってくれているのです。

とは言え、むだ毛はやはりオシャレの大敵。自己処理を行う場合は、衛生面やその方法に注意して、安全な処理を行いましょう。

   
むだ毛が生えるメカニズム
   毛には生えてから抜け落ちるまでの毛周期(ヘアサイクル)があり、成長期・退行期・休止期のサイクルを一定の期間で繰り返しています。

成長初期
 

毛乳頭で細胞分裂が行われ、活発に毛が伸びます。成長期の期間は体の部位によって違い、毛が伸びる長さにも差があります。

退行期
 

毛乳頭の細胞分裂が止まり、毛の成長も止まります。この期間になると毛が毛乳頭から離れて自然に抜け落ち、毛が抜けた後の毛穴も収縮します。

休止期
 

毛乳頭が活動を休止している期間です。この期間は毛が生まれたり成長したりすることはありません。

ヘアサイクルには個人差がありますが、大体1ヶ月半から2ヶ月のサイクルになります。また、ヘアサイクルは身体の部位によっても違い、同じ部位の毛でも成長期にある毛や休止期にある毛が混在しています。皮膚の表面に出ている毛は全体の1/3~1/4で、残りは休止期の毛か、これから成長期に入る毛として皮膚の中に眠っています。現在生えている毛を処理しても、皮膚の中には次の毛が待機しているため、処理してもすぐに生えてくるように感じるのです。ちなみに、このサイクルを考えると、約150万本も生えている体毛のうち100本近くの毛が毎日抜け落ちていることになります。

   
毛の量や濃さには個人差がある?
   体毛の濃さには男性ホルモンの分泌量が影響すると言われています。一般的に男性の体毛の方が濃く太いことが多いのはそのためで、ホルモンの分泌量には個人差があるため、体毛の量や濃さにも個人差が出てきます。ホルモンの分泌量が多いと、刺激を受けた毛穴が成長して、毛も濃く太くなります。逆に、男性ホルモンが少ないと毛穴が退化し、毛も薄く細くなっていきます。ホルモンの分泌量は遺伝によるものも大きく、その他ストレスや生活習慣によっても変化します。ちなみに、生まれたときは男性も女性も毛穴の数は同じで、14歳くらいになるまでの間に毛の量や濃さがだいたい決まると言われています。
   
 
自己処理の方法と注意点
 むだ毛の処理には様々な方法がありますが、代表的なものを以下に挙げます。どの方法も、どうしてもお肌にダメージを与えてしまうため、肌の弱い人は特に注意が必要です。
カミソリで剃る(剃毛)  
 

カミソリなどで肌から伸びている毛を断ち切る方法で、どの部位にも適します。ただし、表面に出ている毛を切るだけなのですぐに伸び、伸びてきた毛の断面が目立つのでこまめな処理が必要になります。また、剃る際に皮膚の一部を切り取ることにもなるので、肌を痛めてカミソリ負けを起こしてしまう可能性があります。

※石鹸やシェービングジェルを塗って肌を保護しながら剃り、処理後はしっかりと石鹸やジェルを洗い流し、保湿ケアをしましょう。また、カミソリなどの器具は必ず清潔なものを使いましょう。

除毛クリームなどで毛を溶かす(除毛)
 

化学作用によって表面の毛を溶かす方法で、痛みをともなわない手軽な脱毛方法として知られています。一般的な除毛剤は、「チオグリコール酸カルシウム」という成分の働きで、むだ毛を構成するたんぱく質を分解し根こそぎ除毛します。毛穴の中に隠れているむだ毛も一部溶かすのでカミソリで剃るより少しだけ長持ちしますが、皮膚に対しても刺激が強く、使用方法に書いている時間以上放置したり、使用後の洗い残しがあると肌荒れをおこす可能性があります。

※薬剤を使用するため、体質や体調によってはかぶれたり炎症を起こすこともあります。使用前に少量を指定時間塗ってパッチテストを行い、かぶれや赤みが発生した場合は使用しないこと!また、目元や口元への使用は危険なのでやめましょう。

毛抜きやテープで毛を抜く(脱毛)
 

毛根を含めて毛を引き抜くので、うまく抜くことができれば再生までに3~4週間は次の毛が生えず、処理後の肌も比較的きれいに仕上がります。毛抜きの場合は1本ずつ抜くので根気がいる作業になり、部位によっては痛みを伴ないます。また、途中で切れた毛は皮膚内に残って黒ずみになり、カミソリよりも毛穴の化膿を引き起こす原因にもなります。

※皮膚と器具を清潔にし、脱毛する部位を蒸しタオルで温めて柔らかくし、毛穴を広げておきましょう。処理後に赤みのある場合は、冷たいタオルなどで冷やします。

毛を脱色し、目立たなくする(脱色)
 

表面に出ているむだ毛を、薬品で色を抜いて目立たなくする方法です。毛がなくなるわけではありませんが、痛みもなく、腕や脚、背中など広範囲のむだ毛を目立たなくするには適しています。

※除毛と同じく、薬品を使うので肌への刺激は強くなります。使用方法を守り、顔や目・口の周りには使用しないこと。パッチテストを行い、傷がある場合なども使用は避けましょう。

   
 

いずれの場合も、肌や皮膚を清潔に保って処理することが大切です。また、処理後は皮膚が弱っているので刺激を与えないよう注意も必要です。海水や強い日差しなどは刺激が強いため、水着を着るためにむだ毛を処理するなら数日前に済ませておくことが大切です。日焼け止めなども、処理直後には使用しないこと! 正しく安全なお手入れでむだ毛と上手に付き合い、夏のオシャレを楽しみましょう。

 

 

<1歳~2歳児の食事>(2008年7月)

 

<1歳~2歳児の食事>

 
 
 
 
 1歳半で与えてはいけない食品はほとんどありません。栄養素のバランスを考えて食べさせるためには、量をふやすより、品数をふやすことがコツです。

小さい頃から、多くの食品の味を覚えさせておくと、食事への興味が深まり、偏食の少ない食習慣がつくと考えられています。

 
     
 
1回の食事量の目安
 
   
  ◇ごはん
    子ども茶わん1杯前後、パンなら8枚切り食パン1枚。
   
  ◇肉・魚・卵
    これらのどれかを中心にしたおかずを毎回一皿。
   
  ◇野菜
    色の濃い野菜(ほうれん草や人参など)と色の薄い野菜(きゅうりやキャベツなど)を合わせて一皿。
   
  ◇果物
    1日1個。朝・昼・夕飯またはおやつのどこかで食べます。
   
  ◇油脂類
    バター・マーガリン・サラダ油・マヨネーズのどれかを1日のうちどこかで食べます。
   
  ◇おやつ
    牛乳やヨーグルト・イモ類など。
   
   
●料理のポイント
   
   子どもは色や型、舌ざわり、におい、味などの変化にとても興味をもちます。

同じ食品でも、目先を変えた料理にすると喜びますし印象にも残ります。

また、1歳半くらいでもおいしいものはよくわかります。まず、お料理づくりを楽しむことからスタートしましょう。そして、次のポイントをとり入れてみてください。

   
  ◇しゅんの材料を使う
    その季節の出盛りのものは、おいしく、安く、栄養価も高い。
     
  ◇糖分・塩分は控えめに
    小さいうちから生活習慣病予防。薄味でもおいしく食べます。
     
  ◇にがてな食品の工夫
    好きな料理と一緒に添え、少量でもよいから食べさせます。
     
  ◇好きな料理ばかり続けない
    栄養素の配分が偏る心配もあるし、飽きもきます。
     
  ◇まぜご飯も好評ですよ!
    肉・魚・野菜など同時に食べられ、嫌いなものも気がつきません。
     
  ◇カルシウム料理も忘れずに
    牛乳や小魚を使った料理は、子どもも大人も欠かせません。
     
  ◇舌ざわりのよい料理を
    シチュー・グラタン・ロールキャベツ・あんかけ料理は食べやすいです。
     
  ◇切り方やまとめ方は大人の半分くらいに
    子どもは口も胃も小さいのです!
     
  ◇肉は食べやすく調理
    ひと口大に切ったり、ひき肉料理にして大人もつきあいましょう。同じおかずで子どもも満足。
     
  ◇1杯の分量は少なめに
    おかわりをさせるつもりで少なく盛り付け。この方が食欲も増します。
     
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
<3歳~4歳児の食事>

 
 
 
 
 からだは小さくても、栄養素のバランスのとれたものを、たっぷりとらなければならない3歳児。といっても、胃の大きさには限界があります。子どもがほうっておいても食べそうな菓子類の取りすぎに気をつけ、魚・肉・牛乳・卵・大豆製品などは、心がけて食べさせるようにします
   
 
1回の食事量の目安
 
   
  ◇ごはん
    子ども茶わん1杯。パンなら8枚切り食パン1枚。
   
  ◇肉・魚・卵
    朝・昼・夕食でこれらの食品を中心とした料理を一皿ずつ。
   
  ◇野菜
    色の濃い野菜は煮炊きして、色の薄い野菜は炒めたりサラダで、どちらか一皿。
   
  ◇果物
    りんごやみかんなどを1日1個。
   
  ◇油脂類
    1日1回どこかで食べる。
   
  ◇豆類
    みそ汁なら1杯、煮豆なら大さじ1杯、豆腐なら1/5丁。
   
  ◇おやつ
    牛乳やヨーグルト・イモ類など。
   
   
●料理のポイント
   
   3歳になると、自我が目覚め、食べ物の好き嫌いがはっきりしてきます。

少し歯ごたえのわるいもの、匂いのつよいもの、食べるのが面倒なものを嫌がります。子どもの好きなものばかり与えていると、嫌いなものはますます食べなくなります。苦手なものも調理を工夫して乗り越えさせたいもの。また、味は薄味を守りましょう。

   
  ◇肉・魚・卵料理を交互に出しましょう。
     
  ◇野菜はまぜご飯やピラフ、みそ汁に入れるとよく食べます。
     
  ◇卵料理や焼き魚などは塩なしでOK。みそ汁は、大人がうすいと感じる位に。
     
  ◇魚は、バター焼きにしたり、あんでからめると、くさみが気になりません。
     
  ◇めん類は、肉・野菜を必ずつけあわせに。
     
  ◇ハム・ソーセージ・かまぼこ・ラーメンなど塩分の多い加工食品は控えめに。
     
  ◇牛乳・チーズ・ヨーグルトなどカルシウム分を料理でもとりましょう。
     
  ◇肉はひと口大に切ったり、よくたたいてやわらかく。
     
  ◇納豆・豆腐・油揚げなど大豆製品は、1日1回食卓へ。
     
  ◇わかめ・のりなど海藻類もみそ汁やあたたかいご飯と一緒に心がけて食べさせましょう。
   
 
茨城県栄養士会 栄養士 染谷悦子
   

 

 

ジメジメ季節は裸足で過ごそう!(2008年6月)

 

     
 
6月のテーマ:
ジメジメ季節は裸足で過ごそう!
 天気がすっきりせず、湿気の多い梅雨の時期。外出するのも億劫になってしまい、運動不足になりがちな季節です。こんなときこそ「裸足」で過ごしてはいかがでしょうか?足が蒸れないのはもちろん、健康効果も期待できる「裸足生活」。今回は、その効用やアドバイスについてお話します。
 
     

 

足裏は「第2の心臓」
 
  青竹踏みや健康サンダル、足裏マッサージなど、足裏を刺激すると身体の諸器官を活性化させる効果があるのはご存知のとおり。しかし、生活環境の変化とともに足裏への刺激は意識的に行わなくては与えられなくなっています。原因は裸足で過ごす時間が減ったことで、現代と昭和初期の日本人の足裏を比較すると、筋肉の発達にずいぶんと差が出ているそうです。脳をはじめ、身体中の器官に刺激を与えるツボが集まっている「足裏」。裸足で生活することで、常に足裏を刺激して各器官を活性化させ続けることができるのです。
   
裸足生活のススメ
   裸足で生活することは、足裏へ適度な刺激を与え続ける以外にも利点があります。履物による圧迫から開放されることで心が元気になり、皮膚呼吸も活発になって足の発達、ひいては怪我や疲れに強い身体づくりへとつながっていきます。また、普段陽を浴びない足裏の日光浴をすると血液の流れがよくなり、疲れやだるさがとれるという体験談も多く聞きます。子供たちに裸足で過ごすことを奨励している小学校や保育園などが増えているのも、これらの健康と心理効果を期待してのことでしょう。もちろん、ガラスの破片や小石など怪我をする恐れのある場所では注意が必要ですし、熱いアスファルトやコンクリの上、寒い冬場に無理をして裸足で過ごすことはありません。普段の生活の中で、裸足で過ごす機会を増やすのが「裸足生活」の第一歩。公園などに出かけた際には、履物を脱いで裸足で歩くのも気持ちがいいですよ。
   
土踏まずをチェックしてみよう
   ここで、みなさんやお子様の足の裏をちょっと見てみてください。内側の中央部、いわゆる「土踏まず」はしっかり形成されていますか?2足歩行をするヒトは、4本の足で歩く動物に比べて上半身(特に頭)が重く、非常にアンバランスです。そのバランスをとるのに重要な役割を果たしているのがこの土踏まずなのです。立って歩く前の赤ちゃんの足がぺたんとしたいわゆる扁平足なのは、足裏が未発達なしるし。立って歩くようになるにつれ、徐々に骨がアーチ型になって土踏まずが形成されていくのです。

しかし、最近では大きくなっても扁平足のままの子供が増えています。土踏まずが未発達なためにバランスがとりづらく、転んで怪我をしたり足の骨を折る子供も以前より増加しています。高校生の多くが腰痛をかかえているのも、足裏の発達に関係があると見られています。土踏まずはバランスをとるだけでなく、足の裏への刺激をうまく吸収して疲れにくい歩き方ができたり、高い場所から飛び降りたときなどの衝撃を和らげる役目も果たしているのです。土踏まずをしっかり形成するためにも、裸足で過ごして足裏を鍛えることが大切です。

   
裸足で行うエクササイズ
   心臓から一番遠い場所にある足は、全身の血液循環をよくするポンプの役目も果たしています。足裏への刺激が少ないと下半身の血行が悪くなって老廃物がたまり、むくみや冷え、腰痛や生理痛、便秘などの原因となることも。意識的に足裏を刺激し、足と全身に「刺激」を与えましょう。

まずは1日数時間、裸足で過ごす習慣を
 

 室内はもちろん、土の上や芝生の上などを裸足で歩いてみましょう。また、砂利道やでこぼこの多い道を歩くのもお勧めです。

足指じゃんけん
 

 お子様や家族と一緒に、足の指を使ってじゃんけんをしてみましょう。普段あまり使わない足指のエクササイズになります。

タオルで綱引き
 

 足の指でタオルをつかみ、綱引きのようにひっぱりっこをします。じゃんけんと同じく、足指のエクササイズになります。

足指で物をつかむ・拾う
 

 足の指で物を拾い上げるのもちょうど良い運動になります。ちょっとお行儀は悪いですが、消しゴムやリモコンなど、つかみやすい形と重さのもので試してみましょう。読書やテレビを観ながらできるのでお勧めです。

   
 

蒸し暑くなるこれからの季節、裸足で過ごすのは気持ちがいいものです。また、外出時はソールのやわらかい靴やサンダルを選んで、裸足に近い環境で歩くだけでも効果が望めます。ウォーキングシューズには、裸足に近い感触で歩けるものも販売されているので、こちらも活用を。裸足生活を、代謝のいい身体作りに役立ててくださいね。

 

 

長寿と食を思う (高齢者施設の食事に関って)(2008年6月)

 

長寿と食を思う

(高齢者施設の食事に関って)

社団法人 茨城県栄養士会

宮田 恵美子

 日本人の平均寿命が80歳を超えて暫し、100歳以上の方も珍しくないという昨今ですが、だれしも健康で長生きしたいと思っておられるのではないでしょうか。

 

 
 私は特別養護老人ホームで働いていますが、毎日の3度の食事が楽しみになっているご利用者にとって、それは単に命を永らえるためだけのものではないと、その重さを感じさせられます。

 

 
 
 ご利用者の方と接する時、しばしば昔食べたものの話をお聞きすることがあります。
 先日、みんなで草もちを作りましょうということになり、利用者様と蓬を摘みに出かけました。施設の周りの草むらに程よく蓬が生えていて、たくさん摘むことができたのですが、そのときに「子供のころにお腹が空くと、道端に生えているすかんぽを食べたものだよ。」とすかんぽを手にとり、懐かしそうに噛んでいました。たらの芽の天ぷら、せりのお浸し、わらびやぜんまいも山に採りに行って煮て食べたこと。
豪華な食材では無いけれど、心が豊かになるような食べ物を若い者達がこのような思いで味わえるでしょうか。

 

 
 
 10数年前のまだ介護食が出回っていない頃のことですが、食欲も無く、飲み込みも悪くなっている80代の利用者様に、郷土料理をお聞きして勧めてみようと思い、ベットサイドに伺いました。
その方は仙台の近くで生まれ、水戸に嫁がれたとのことでした。お正月はどんなものを食べましたか、ずんだもちが有名ですよね、食べてみたいですかとお聞きしてみたら、コクリとうなずかれました。2~3日して、枝豆をすりつぶし、ずんだを作って、お持ちしました。普段の食事の時になかなか口を開けてくださらないこの方が、懐かしいものを持って来ましたよ、と言って唇にそっと着けてみたら、すこしだけ口を開けてくださいました。何口か召し上がっていただけた時には、介護スタッフに歓声があがりました。

食事は無理だから、経官栄養にしたほうが良いのではといわれた方が少しずつ食べられる ようになった、、、、、

 

 このような経験を通じて、高齢者の食事は単に生命維持のためだけでは無いこと。

食の一つひとつが心の潤い、楽しみ、QOLにつながることを肝に銘じて、これからも食事の提供をして行きたいと思います。

 

 

 

 

乗り物酔いを撃退して、 快適な行楽シーズンを(2008年5月)

 

     
 
5月のテーマ:
乗り物酔いを撃退して、

快適な行楽シーズンを

 不安定な気候が続きましたが、木々の芽もまぶしい新緑の季節になりました。大型連休・ゴールデンウィークには各地へお出かけの計画を立てている方も多いかと思います。せっかくの旅行の楽しみも、乗り物に酔ってしまうと半減してしまいます。今回は、乗り物酔いのメカニズムと予防策についてお話します。
 
     

 

乗り物に「酔う」原因とは
 
  揺れの激しい乗り物に乗っても平気な人もいれば、バスに乗っただけで気分の悪くなってしまう人もいるほど個人差の激しい乗り物酔い。その大きな原因は「身体のバランス」にあると言われています。身体のバランス、つまり平衡感覚を保つために重要なのが耳の奥(内耳)にある三半規管という器官で、ここから身体の位置の変化や運動による重力の変化が脳に送られます。この情報と目などから入った情報を統合して、脳は身体のバランスを保とうとしますが、乗り物の揺れや急発進などの動き・加速が加わると感覚に誤差が生じ、吐き気などを引き起こしてしまいます。
   
子供に多い乗り物酔い
   一般的に、成長期の子供(3歳~思春期)には乗り物酔いが発生しやすいと言われています。その原因ははっきりしていませんが、乗り物に慣れていないこと、大人より感覚が敏感で頭が不安定なこと、そして心理的な要因が大きいのではないかと言われています。心理的な要因とは、いわゆる「思い込み」や「苦手意識」などの自己暗示であることが多く、例えば一度バスに酔ってしまったせいで「自分は乗り物に酔いやすい」、あるいは周りが「この子は乗り物に弱い」と意識してしまい、その不安が悪影響になってしまうというものです。この場合は、酔い止めの薬を飲む、揺れの少ない中央部に座る、など「こうすれば大丈夫」という攻略法で(実際の効果に関らず)暗示をかけてみるのもひとつの手です。
   
乗り物酔いを防ぐには
   先にお話ししたように個人差の大きい乗り物酔いですが、同じ人・同じ環境でも、体調によってさらに差が出ます。そして、大人の場合も子供と同じく「心理的要因」が意外と大きく関係するものです。以下に挙げる対処法を参考に、自分なりの攻略法を見つけてください。

睡眠・朝食をしっかりとる
 

 旅行の前日やお出かけ前の朝は、準備などで何かと時間がなくなりがちですが、睡眠不足や空腹は体調不良のもと。体調管理が万全なら、乗り物酔いへの抵抗力も高まると意識しましょう。ちなみに、満腹状態もよくないので出発直前の食事は控えましょう。

車内の「匂い」に気をつける
 

 匂いは感覚を刺激し、酔いの原因のひとつとなります。自家用車で出かける場合は、香りのつよい芳香剤は避け、事前に掃除をしてタバコやカビの匂いを抑えておきましょう。ガソリンの匂いも刺激となるので、給油はあらかじめ済ませておくといいでしょう。

スムーズな運転で揺れを軽減させる
 

 こちらも自家用車で出かける場合、急発進や急ブレーキなど、急激な力の加わる運転に気をつけて。安全運転は心の余裕にもつながり、リラックスすることで酔いの発生も軽減します。また、可能であれば自分が運転すると動きが予測できるので酔いにくくなります。

こまめに休憩をとる
 

 長時間の乗車になる場合は、意識的に乗り物から降りる機会を増やすこと。外の空気を吸い、遠くの景色を眺めたりストレッチをしてリフレッシュしましょう。また、安全かつ安定した楽な姿勢がとれるのであれば、移動中は眠ってしまうのもアリです。

車内の環境を快適に
 

 蒸し暑い車内や空気のよどんだ空間は、誰でも気分が悪くなるもの。換気に気をつけ、爽やかな環境をつくりましょう。雑誌をみたり、ゲームをしたり、テレビやDVDを観賞するのも酔いの原因のひとつ。近くのものを凝視すると酔いやすく、カーブやブレーキなどの動きも予測できなくなります。目からの刺激は極力抑え、目を閉じたり色の濃いサングラスをかけるのも効果があると言われています。

酔い止めのツボを刺激する
 

 手のひらを上に向け、手首の中心から約3cmひじ側にある内関(ナイカン)というツボを刺激すると、自律神経の働きを整える効果があります。ここを指で押したり、カーショップなどで購入できる「酔い止めバンド」を利用する方法もあります。

窮屈な服装、体勢をしない
 

 なるべくゆったりとした服装で出かけ、車内では頭をヘッドレストにもたれさせた楽な姿勢を。ベルトや靴、帽子などはなるべく脱ぐかゆるめに着用しましょう。

   
 

これらの方法は、効果にも個人差があるので確実ではありませんが、少しでも快適に楽しむためには気をつけて欲しいポイントです。それでも酔ってしまった場合は、乗り物を降りて炭酸飲料などのさっぱりとした飲み物を飲んでリフレッシュ!ちなみに、人間だけでなくペットも乗り物酔いをします。一緒に連れて行く場合はペットにも気を配ってあげましょう。体調良好で、楽しいお出かけを楽しんでくださいね。

 

 

毎月19日は食育(しょくいく)の日《合い言葉は「お・い・し・い・な」》(2008年5月)

 

毎月19日は食育(しょくいく)の日《合い言葉は「お・い・し・い・な」》

 茨城県食育推進計画の中の食育スローガン「お・い・し・い・な」を実践することによって、あなたも今日から食育をはじめましょう。

 
 
 
 おはよう、ごはんを食べましょう。
 朝食を食べるには、早寝早起きが必要になるなど、生活習慣改善の大きなカギとなります。朝食を食べることや、1日3食規則正しく食べることで、生活リズムを整えましょう。
→朝食を欠食する県民の割合の減少

 

 
 
 いただきます、ごちそうさまをいいましょう。
 命をもらった動植物、食に関わる方々や料理をしてくれる方々の活動があって、私たちは食べ物をいただいています。食べ物を大事にする気持ちや、作ってくれてありがとうの気持ちを表しましょう。
→食事のあいさつをする子ども(指導している保護者)の割合の増加

 

 
 
 しっかり野菜を食べましょう。
 不足しがちな野菜をしっかり食べましょう。毎日の食事にあと一品野菜のおかずを加えると栄養バランスが整います。
→野菜の摂取量の増加

 

 
 
 いばらきの食べ物を味わいましょう。
 地域の日常生活や伝統行事等と結びついた食材や料理、食文化は私たちの誇りです。いばらきの豊かな食を味わう機会を大切にし、食に関する技術や文化を学びましょう。
→学校給食における地場産品を使用する割合の増加

 

 
 
 なかよくみんなで食事を楽しみましょう。
 家族や友人と一緒に食卓を囲み、コミュニケーションをとりながら食事を楽しみましょう。
→家族と共に夕食を食べる子どもの割合の増加

 

 

 

 

気分スッキリ、昼寝のススメ。(2008年4月)

 

     
 
4月のテーマ:
気分スッキリ、昼寝のススメ。
 桜の花が咲き始め、新しい年度がスタートしました。春眠暁を覚えず、とはよく言ったものですが、ぽかぽか暖かくなってくると、朝方だけでなく日中もついウトウトと睡魔におそわれることも多いものです。特に昼食後は、季節を問わず眠気を感じた経験が誰しもあるのではないでしょうか。そこで、今回は「大人の昼寝」についてお話しします。
 
     

 

昼食後に眠くなるのは何故?
   食事をとると、体内の血液が消化管に集まり、脳への血液が少なくなります。また、食事をすることによって脳の満腹中枢が刺激を受けて、睡眠物質が働くために眠気がさそわれます。さらに、体内時計のリズムも大きな要因のひとつ。ヒトの眠気には半日リズムで山が2回あり、午前2時~4時に大きな山が、午後1時~4時に小さな山を迎えます。この小さな山と昼食後の時間が重なり、昼食後には眠気が起こりやすくなるのです。
午後の仕事効率
   この昼食後の眠気は意外と侮れず、デスクワークなどで眠気を我慢しながらの仕事で効率があがらないばかりか、工場など現場作業でのミスが起こりやすくなったり、交通事故が多発する時間帯であるとのデータも出ています。地中海沿岸や中南米諸国の暑い地方では、正午から午後3時までの時間を「シエスタ」(スペイン語で「昼寝」の意)の時間として社会全体が昼寝を公認する習慣が根付いているのも、こんな背景があるのでしょう。日本ではあまり「昼寝」の習慣はありませんが、昼休みを上手に利用して、午後からもスッキリ過ごせるためのお昼寝タイムを実践してみてはいかがでしょうか。
   
大人のための昼寝のコツ
   もちろん無理に昼寝をする必要はありませんし、どうしても時間がとれないときもあります。どうしても眠いとき、ぼんやりしてしまうとき、そして時間や環境が許すとき。これらの条件が揃った場合は、次に挙げるポイントに気をつけて昼寝をしてみましょう。

長時間眠らない
 

 あくまで「仮眠」なので、長時間の居眠りは禁物です。睡眠には脳が休息するためのノンレム睡眠と、身体の休息のためのレム睡眠があり、20分以上の睡眠は深いノンレム睡眠に入ってしまう恐れがあります。そのため、昼寝をするなら10分~20分程度の時間が理想的。身体を休息させようと脳の活動レベルが下がる前に目覚めることで、覚醒への移行に無理がなく、スッキリ目覚めることができる範囲内での昼寝をおすすめします。

横にならない
 

 これも「昼寝=仮眠」という位置づけから、必要以上に深い眠りに入ってしまうことを防ぐためのものです。背もたれに深めに腰掛けたり、机に伏せる、肘をつくなどの姿勢で昼寝をすること。ちなみに、昼寝とまではいかなくても、椅子に座ったまま数分間まどろむだけでも頭脳の疲れの回復には大きな効果があるとも言われています。

   
昼寝の効用
 
 このように、昼寝には短い眠りでも脳の活動レベルを下げる休息効果があり、疲労回復にも役立ちます。また、脈拍が減り、血圧も下がるなど、心身ともにリラックス効果が期待できます。ヒトの頭脳は絶えず活性化された状態にあるわけではなく、適度な気分転換や休息が必要という考えからも、昼寝の重要性は大きなものです。つい寝過ごしてしまったという失敗のないように、携帯のアラームなどで目覚ましをセットして20分を超えないようにすれば、適度にリフレッシュして午後からの時間をより快適に過ごせるでしょう。

労働省産業医学総合研究所の調査によれば、20、30歳代の男女30人を昼食後15分と45分の仮眠、睡眠なしの3グループの中で、刺激に脳が一番速く反応し、また一定時間に英文を書き写すテストでミスが少ないのはいずれも15分の仮眠をとったグループという結果が報告されています。上手に昼寝をとって、心身ともにスッキリした状態で午後からの仕事にむかいましょう。

   

 

 

ゆっくり離乳をすすめましょう(2008年4月)

 

ゆっくり離乳をすすめましょう

 
 
 
○赤ちゃんは一人一人個性を持っています。
  その子にあった離乳食のすすめかたをしましょう。
○成長曲線のグラフに体重・身長を記入して
  その子のカーブに沿っているかをみます
○嫌がる時は、無理強いせずに、ようすをみましょう
○調理に手間をかけられない時や外出時など
  ベビーフードも上手に利用しましょう
○うすあじが基本です
○少しずつ慣らしていきます
○楽しい食事を!
 
     
 
離乳食を始める目安
  ○首のすわりがしっかりしている
  ○支えてあげると座れる
  ○食べ物に興味を示す
  ○スプーンを口に入れても押し出すことが少なくなる
   
  離乳の準備?
    うすめた果汁や野菜スープは必要ないと考えられます

果汁の摂取によって、乳汁の摂取量が減少する可能性があります

(タンパク質、脂質、ビタミン類、鉄分、カルシウム、亜鉛などの摂取量が低下)

乳児期以降における果汁の過剰摂取傾向や低栄養の危惧があります

   
  ◇「スプーンに慣れさせる」観点から
    舌でおしだす反射があるうちはむずかしいので、離乳食が始まってからでもスプーンになれることはできます
   
  ◇「ビタミンC補給」観点から
    育児用ミルクには、ビタミンCが強化されています。また、母乳の場合は母親がきちんと果物や野菜をとることでビタミンCが不足することはありません
   
  ◇「乳汁以外の味になれさせる」観点から
    離乳食は基本的に食品の種類は1種類ずつ増やしていくので味の体験を積み重ねていくことができます
   
  ★果汁については、便秘がひどい時などは有効でしょう
 
便秘の乳児には、希釈した果汁を排便の状態を見ながら与えることがあります
便秘の程度によっては、希釈しないであたえることもあります
みかんなどの柑橘系は便を軟らかくし、りんごは便の固さを程よくする効果があります
100%果汁の浸透圧は母乳より2~3倍高いので浸透圧性の下痢を起こす可能性があります。2~3カ月のころは2~3倍にうすめてあたえましょう
   
●離乳食の目安(個人差があります)
     
  ◇生後5,6カ月頃
    子どもの様子を見ながら、1さじずつ始める

母乳やミルクは飲みたいだけ

なめらかにすりつぶした状態

     
  ◇7,8カ月頃
    1日2回食で、食事のリズムをつけていく

いろいろな味や舌触りを楽しめるように、食品の種類もふやしていく

舌でつぶせる固さ

     
  ◇9~11カ月頃
    食事のリズムを大切に、1日3回食

家族一緒に楽しい食卓体験

歯ぐきでつぶせる固さ

鉄分不足に注意し、赤身魚や肉、レバーなど使って工夫

     
  ◇12~18カ月頃
    1日3回の食事リズム、生活リズムを整える

自分で食べる楽しみを、手づかみ食べから始める

歯ぐきでかめる固さ

     
 
授乳期・離乳期は「食べることの基礎」を育てる大切な時期です。

小さな時の食体験は 豊かな心を育てる力も持っているともいえるでしょう。

この時期は家族の食事を見直す好機かもしれません。

 
     

 

 

イライラする、落ち着かない。 これって更年期?(2008年3月)

 

     
 
3月のテーマ:
イライラする、落ち着かない。

これって更年期?

 三寒四温を繰り返し、季節は春へ。当センターのある水戸市の名所・偕楽園でも梅の花が咲き始め、季節の移り変わりを感じることができます。年度末でもある3月は、季節の変わり目であるとともに入学や就職、転勤など生活環境の変化を間近に控える方も多い月。忙しいせいかなんとなくイライラする、気分が滅入るという方、「更年期のせいかしら?」と疑う前に、まずは更年期について正しく理解してみましょう。
 
     

 

更年期障害とは?
   更年期とは女性ホルモンを分泌する卵巣の働きが衰えて停止し、女性ホルモンが欠乏した状態で体が安定するまでの時期を指し、具体的には閉経をはさんでその前後10年ぐらいの期間を指しています。ホルモンのバランスが崩れることで自律神経の働きや情動に影響があり、それによって引き起こされる様々な症状を総称して「更年期障害」と呼ばれます。
   
 
更年期障害には個人差がある
 

 現在、日本人女性の平均的な閉経年齢は52歳前半と言われます。そのため、概ね40代半ばから50代半ばの期間が更年期にあたりますが、更年期障害の症状が30代後半から現れるケースも増えています。閉経だけでなく卵巣の機能が衰え始める時期に個人差があるのはもちろんのこと、若い頃に無理なダイエットを繰り返したり、不規則な生活や食事を続けてきたため、体力の落ち始める30代後半にホルモンのバランスが乱れ始めることが大きな原因になっているようです。また、更年期を迎えても症状がほとんど出ない人から体調を崩して寝込んでしまう人まで、症状の度合いや現れ方も様々です。

更年期障害の症状
 

 このように個人差も大きく症状も様々な更年期障害ですが、その主な症状を以下に挙げていきます。

  <精神神経系>
 

頭痛・めまい・耳鳴り・物忘れ・憂うつ感・判断力、集中力低下・不眠・不安感・倦怠感など

  <知覚系>
 

しびれ・蟻走感(皮膚に虫がはうような感じ)・かゆみ・知覚過敏・知覚鈍麻

  <運動器官系>
 

肩こり・腰痛・関節痛・背筋痛・筋肉痛

  <自律神経系>
 

のぼせ・ほてり・冷え・動悸・息切れ・手足の冷え

  <皮膚・分泌系>
 

皮膚や粘膜の乾燥

湿疹・発汗・ドライマウス・唾液分泌の異常・ドライアイ

  <消化器系>
 

食欲不振・吐き気・便秘・下痢・腹部膨満感・のどのつかえ

  <泌尿器・生殖器系>
 

月経異常・頻尿・残尿感・性器下垂感・性交障害・外陰掻痒症

 
更年期障害に負けないからだと心づくり
 

 先に挙げたように、更年期障害には実に多くの不快な症状が挙げられますが、注意して欲しいのは、これらの症状は主に生理的なからだの変化に伴うものだということを理解する点。イライラしたり気分が落ち込んだり、精神的な症状も起こりやすいだけに悩んでしまう人も多いようですが、「こんなものだ」と割り切って気持ちを変えるだけで随分と楽に乗り切ることもできるのです。

 
生活習慣を整えよう
 

 更年期障害は女性ホルモンのバランスの乱れが原因なので、それを整えることが大切。更年期障害に効果的といわれるエストロゲンを多く含む(※植物性エストロゲン:イソフラボン)大豆製品、体内の免疫力や抗体力を高める抗酸化ビタミン(緑黄色野菜など)、そして骨粗鬆症を予防するためにカルシウムを積極的に採り入れた食事を心がけてください。また、趣味やスポーツを楽しんでストレス解消をするなど心のケアも忘れずに!

   
 

 人間は誰しも年齢を重ねるとともに体の機能も衰えていくものです。そして更年期は男性にも訪れ、その症状は女性と同じく様々で前立腺肥大症や泌尿器のトラブル、肩こりやめまい、そして倦怠感や疲労感など。いわゆる成人病の起こりやすい時期でもあり、「調子が悪いな」と感じたら早めの受診は大原則ですが、普段の生活改善も大切。オシャレをして出かける、趣味を見つける、運動を始める、、、若々しい気持ちで過ごすことで「更年期」を意識しすぎないのがポイントです。

   

 

 

あなたの骨は健康ですか? 《骨粗鬆症を予防しましょう》(2008年3月)

 

あなたの骨は健康ですか?

《骨粗鬆症を予防しましょう》

 
 
 

骨粗鬆症とは骨の量が減り、スカスカにもろくなった状態です。骨粗鬆症になると、転倒など些細なことが原因で骨折してしまいます。

 
     
 
1 カルシウムとは?  
 

  カルシウムは骨や歯などをつくっている栄養素です。体重の1~2%の重さで体内に存在しています。

 
     

2 カルシウムの働きは?

 
 

  体内のカルシウムの99%は骨と歯に、残りの1%は血液や細胞などに存在し、体の機能を正常に保つために重要な働きをしています。

 
     

3 カルシウムが不足すると?

 
 

  食事からのカルシウムの摂取が不十分で、血液中のカルシウムが不足すると、骨に蓄えられたカルシウムから補給されます。このような状態が続くと、骨の形成がスムーズに行かず、骨がもろくなってしまします。骨は、体の他の部分と同じように、少しずつ形成と破壊を繰り返し、絶えずつくり替えらています。食べたカルシウムは、小腸から吸収されて血中に入り、すぐに使う分だけ残して残りは骨に蓄えられます(骨の形成)。一方、血中には常に同じだけのカルシウムが必要なので、血中のカルシウムが不足するとき、骨は自らを壊して補います(骨の破壊)。骨は不足に備えて銀行のようにカルシウムを貯金しています。

 
     

4 なぜ骨量は低下するのか?

 

 
体内の成長が終わる20歳頃まで増加し続け、40歳を過ぎると低下していきます。若いうちから骨量を保つ生活習慣を身につけておくことが大切です。

   

5 多く含まれている食品は?

 

 ・ 乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)

・ 大豆製品(豆腐、納豆など)

・ 魚介類(桜エビ、ししゃも、わかさぎなど)

・ 野菜類(小松菜、水菜、モロヘイヤなど)

・ 海草類(昆布、ひじきなど)

・ 種実類(ごまなど)

   

以下のようなことに心がけましょう。

   
1 食事を減らすダイエットは避ける
 

 
骨粗鬆症予防で最も大事なことは、成長期に出来るだけ骨量を増やして、最大骨量を上げておくことです。最大骨量が高ければ高いほど、加齢ととも骨量の減少が続いても、骨粗鬆症へ至る危険は少なくなります。特に若い時期から栄養バランスの良い食事と適度な運動を身につけておきましょう。

   
2 カルシウムをしっかり摂る
 

 
カルシウムが含まれる食品の中でも、牛乳は比較的吸収率が高く、たんぱく質やビタミンA、B2といった、カルシウムの効果を高める栄養素と同時にとることが出来ます。また、小魚や海草、緑の野菜や大豆製品にも多く含まれていますので、色々な食品からとるようにしましょう。

   
3 適度な運動を毎日続ける
 

 体を動かして、骨に圧力をかけることでカルシウムは骨に沈着します。高齢者でも、運動習慣のある人は、ない人に比べて骨量が多いことがわかっています。また、運動で筋力やバランス感覚を養うことは、骨折の原因となる転倒を防ぐことにもつながります。年齢に応じた、適度な運動を毎日続けようにしましょう。

   
4 たばこはやめる!アルコールは控えめに!
 

 ニコチンや過度のアルコールは、カルシウムの吸収に悪影響を与えます。

   
規則正しい生活習慣と食習慣でカルシウムをコツコツ貯めて、健康な骨を保ちましょう!!