■ お年寄りの体の特徴 |
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1,消化液の分泌が低下する |
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唾液の分泌が減ると糖質の消化が不十分となります。さらに、噛む力が低下することで、胃への負担も大きくなります。胃液の分泌が減ると、蛋白質や脂質の消化・吸収能力が低下して、消化不良や下痢の原因となってしまいます。 |
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食事のポイント |
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(1)
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消化吸収の良い食品(脂身の少ない肉、豆腐、魚、乳製品、卵、芋類、葉菜類等)を、バランスよくとるようにする |
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(2) |
良く噛んでゆっくり食べる |
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(3) |
暴飲、暴食をさける |
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2,腸の働きが悪くなる |
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大腸の動きが悪くなり、便秘がちになります。その他、食べる量が少なくなる事による食物繊維の不足、運動不足、水分不足なども影響する事があります。 |
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食事のポイント |
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(1)
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欠食をさけ、1日3食をバランスよくとるようにする |
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(2) |
朝、目覚めにコップ1杯の水を飲んで腸を刺激する |
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(3) |
お茶や牛乳などの水分をたっぷりとる |
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(4) |
食物繊維の多い食品(押し麦、玄米、ごぼう、筍、かぼちゃ、大豆、納豆、芋、海藻、果物、きのこ、こんにゃく等)を多くとりいれる |
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3,咀嚼力(噛む力)が低下し、飲み込む力(嚥下)が弱くなる |
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自分の歯の数が少なくなったり、入れ歯(義歯)の調整がうまくいかないために、噛む力が弱くなってきます。口の中の筋肉の老化現象や、脳卒中や脳梗塞の後遺症等によって、飲み込みがうまくできなくなります。
硬い食べ物を嫌がり、あまり噛まずにすぐ食べられる食材を好んで選び、食事の内容も偏るために栄養不足になる心配があります。 |
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食事のポイント |
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(1)
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食べやすい大きさに切り、軟らかくなるまでよく煮込む |
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(2) |
片栗粉や市販の増粘剤をつかってとろみをつける
口の中で、食べ物がまとまり、飲み込みやすくなります |
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(3) |
ゼラチンや寒天を使って、ゼリーやムース状に固める |
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(4) |
飲み込みやすい姿勢を保つ
車椅子で食事を摂るときは、腰が不安定にならないようにクッション等を添えて体勢を整えましょう |
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4,味覚が低下する |
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舌の味覚細胞が減るために、味を感じにくくなります。いつもと同じ味付けなのに「甘い」と感じてついつい醤油などをかけすぎてしまうことがあります。特に塩味の感覚低下が著しく、塩分の取りすぎになってしまいがちです。 |
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食事のポイント |
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(1)
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旬の新鮮な食材を選ぶ |
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(2) |
味の濃いおかずと薄いおかずを組み合わせて作る |
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(3) |
香味野菜(生姜・しそ・三つ葉・ミョウガ)柑橘類を使い、味覚に刺激を与える |
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(4) |
昆布や鰹節、干し椎茸などのだしをきかせる |
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5,のどの渇きを感じにくくなり、脱水症状をおこしやすい |
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加齢により、基礎代謝量が減少し体の中で作られる水分(代謝水)が少なくなります。食事量が減ったり、あまりのどの渇きを感じにくくなり充分な水分の摂取ができなくなってきます。 |
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食事のポイント |
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(1)
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お年寄りの手の届くところにいつも水分を準備しておく |
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(2) |
食事には汁物や水分の多いおかずを1品とりいれる |
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(3) |
食事以外にもお茶の時間を設け、お茶や好みの水分を補給する |
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(4) |
水分がむせる場合は、とろみをつけたりゼリーにして摂取する |
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