画像

健康まめ知識

アーカイブ: 健康まめ知識

健康は足元から。 外反母趾に気をつけよう!(2007年9月)

 

     
 
9月のテーマ:
健康は足元から。

外反母趾に気をつけよう!

 暑さも和らぎ、過ごしやすい季節になりました。運動の秋と言われるように、運動会やウォークラリーなど、秋は身体を動かす行事の多い季節でもあります。日頃の運動不足を解消しようと、これらの催しに張り切って参加する方も多いのではないでしょうか。この時、履きなれたスニーカーを履くのはもちろんですが、普段あまり気にしない「足の形」についても注意して見てみましょう。
 
     

 

外反母趾は現代病?
 
  外反母趾とは、平たく言うと足の親指の付け根の間接が外側を向いている状態のことで、通常痛みを伴う疾患です。一般的に、ハイヒールなどの靴が原因で起こると考えられていますが、実際にはハイヒールを履かない男性や、子供にも見られます。もちろんハイヒールに限らず、現代人は長時間靴を履いて過ごすことが増え、足が圧迫され続けていることもその要因のひとつではあります。しかし、それだけでなく道路面や床面が昔より硬くなったという環境の変化、そして何より足指の機能が低下して弱ってきたことがそもそもの原因だと言われています。
 
外反母趾の種類
    一口に外反母趾と言っても、その症状や程度には個人差があり、治療法もそれぞれです。「外反母趾かな」と心当たりのある方は、まずは以下に挙げた5つのタイプに当てはまるかどうか照らし合わせてみてください。

靭帯性外反母趾
 

足先の横幅(横のアーチ)を支えている横中足靭帯(中足関節)が伸びたり緩んだことで、親指が小指側に曲がってしまった状態。

仮骨性外反母趾
 

親指の付け根の骨だけが異常に出っ張り、付け根の部分が曲がったように見える状態。

混合性外反母趾
 

靭帯性外反母趾と仮骨性外反母趾が合併したもので、付け根の骨が出っ張ったうえに親指が内側に曲がっている状態。

ハンマートゥ性外反母趾
 

指がハンマーのように縮こまっていたり、上を向きすぎていて、指が地面に接地しない状態。先天的にこの状態の人に起こりやすいもの。

病変性外反母趾
 

リウマチやへバーデン結節などの病的要素や、事故、ケガが加わり著しい変形や脱臼を伴っている状態。

 

 
放っておくと怖い外反母趾
    発症の初期には窮屈な履物を履いて動いた時しか痛まないこともあり、「ただ親指が曲がっているだけ」と軽く捉えてしまう人も多いものですが、症状(変形)が進むと親指が人差し指の下に入り込んで底側に痛みを伴うタコを形成したりと、裸足でも痛みを感じるようになります。
 
外反母趾が引き起こす二次的障害
 

外反母趾になると、足の一部分に体重がかかったり、無理なねじれが生じて身体のバランスが崩れます。そして地面を踏みしめるべき足指に力が入らなくなり、不安定な歩き方になっていきます。この状態が続くと、身体のどこかに過剰な負担がかかることになり、膝や腰の痛み、肩こりや頭痛などの二次的な障害を引き起こす原因となります。

   
外反母趾を治療・予防するには
    外反母趾の治療には外科手術の方法もありますが、歩けないほどの痛みがない限りはその必要はないでしょう。治療・予防ともに、まずは身近なところから、履物への注意や足指の強化を心がけましょう。また、足にかかる負担を減らすため、体重を増やさないことや長時間の立位を避けることも大切です。
 
正しい姿勢で歩く
 

足の一部だけに負担をかけないよう、バランスの良い歩き方をしましょう。踵→足の裏全体の順に足底を地面につけ、足の指を使って地面を蹴るようにして前に進みます。大股気味に歩くのが理想的です。

履物選びの注意
 

日常生活で窮屈な靴を履かないこと。先端が広くて足のアーチ構造が無理なく保持できる履物を選びましょう。負担を減らすには、免震効果のある中敷などを利用するのも良いでしょう。

足指の運動をする
 

普段から足の親指を内側・外側に曲げたり、回したりする運動をしたり、足自体の筋肉を強化するよう心がけましょう。同時に、足裏のマッサージや足指のグーパー運動も習慣づけます。

  身体に原因不明の痛みがあるときは外反母趾を疑ってみろ」との意見もあるほど、足指の異常は身体全体に影響を及ぼすものです。靴だけが原因ではないと言っても、やはり窮屈な靴は立ち方・歩き方を不自然にし、足に無理な力を加えてしまいます。足の形に合った靴を選び、身体のバランスを足元から整えましょう。
 

 

 

食物繊維とは?(2007年9月)

 

食物繊維とは?

社団法人 茨城県栄養士会

山口 雅子

 
 
 
食物繊維(ダイエタリー・ファイバー)とは、食品中の成分のうち、人の消化酵素で消化されにくい成分のことをいい、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とに分けられます。
□水溶性食物繊維
不純物の吸収を妨げ、排泄させる
・糖分の吸収速度を緩やかにし、血糖値の急上昇を防ぐ(糖尿病予防)
・血液中のコレステロール値を下げる(動脈硬化予防)
・血圧の上昇を防ぐ (高血圧予防)

□不溶性食物繊維

食品の水分を吸収して膨らみ、腸の働きを活発化
・便のかさを増やして排便を促す(便秘予防、改善)
・発ガン性物質などの腸内の有害物質を体外へと排出させる(がん予防)
・かさが増えることで満腹感が得られる(肥満予防、ダイエット)
・よく噛むことで歯茎やあごが鍛えられる(虫歯予防)
 
■第六の栄養素【食物繊維】
 
役に立たないと考えられていた食物繊維ですが現在では5大栄養素(たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル)に続く、「第6の栄養素」として重要視されています。
 
 
■現代の食生活では不足気味
 
未精製の穀類に根菜、豆類の煮物といった、昔ながらの和食の献立とは違い、高タンパク・高脂肪になりがちな現在の食生活において、食物繊維は不足傾向にあるといわれています。

食物繊維が不足すると、便秘はもちろん、肥満や糖尿病といった生活習慣病の原因にもなりかねません。しかし過剰に摂取すると、下痢の症状を引き起こして体に必要なミネラル分まで排出してしまったり、かえって便秘がひどくなることもあります。

特にサプリメントなどで食物繊維を補う際には、摂取量に注意が必要です。

 
 
■食物繊維(g)成人1日あたりの目標量
 
  男性:20g

女性:17g
*目標量…生活習慣病一次予防のために

現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量

食事バランスガイド

 ■食物繊維を多く含む食品 

□水溶性食物繊維
こんにゃく/海藻類(寒天、こんぶ、ひじき、わかめ、もずく、など)/果実類

□不溶性食物繊維

穀類(そば、ライ麦、など)/豆類(大豆、あずき、えんどうまめ、など)/野菜類(ごぼう、切り干し大根、ブロッコリー、たけのこ、とうもろ こし、など)/イモ類(さつま芋、里芋、山芋、など)/キノコ類(えのきだけ、きくらげ、しいたけ、など)
 

   

 

 

夏バテを助長する現代生活。 冷やしすぎにご用心!(2007年8月)

 

     
 
8月のテーマ:
夏バテを助長する現代生活。

冷やしすぎにご用心!

 各地で真夏日が続き、今年の夏は例年にないほどの猛暑となりました。山場は過ぎた感がありますが、まだまだ暑さの続きそうな予感です。この暑さのせいで、熱中症も随分と話題になりましたが、こまめな水分補給だけでは防げないのが夏バテです。暑さからくる食欲不振や睡眠不足などその原因は様々ですが、体調管理に気をつけて夏場を元気に乗り切りましょう。
 
     

 

夏バテの原因はクーラー?
 
 夏バテを引き起こす一番の原因はもちろん暑さですが、そもそも恒温動物である人間は、ある程度の体温調節を行う機能が備わっているものです。しかし冷房のある現代の生活に慣れ、汗をかいて体温を調節する身体の働き自体が低下してしまっているそうです。これは「冷房病」と呼ばれる現代病のひとつで、冷房の利いた涼しい部屋と蒸し暑い屋外の温度差に身体がついていけず、自律神経の働きが損なわれてしまうというものです。
冷房病の症状
 

頭痛、肩こり、腹痛、神経痛、免疫力の低下、慢性的な疲労感やストレス感など

冷房病の予防
 

エアコンの設定温度だけでなく、外気との温度差に注意すること。5度以内が理想的と言われています。また、冷風を直接身体に当てないこと、足元を冷やしすぎないことも大切です。

能動汗腺衰退症とその予防
 

小さな頃から冷房の利いた部屋で生活してきたため、汗をかく汗腺の数自体が減少してしまうこと。発汗する習慣をつけるためにも、シャワーで済ませず半身浴で汗をかき、血行を良くしましょう。

 
夏を元気に過ごすコツ
 
生活リズムを安定させる
 

規則正しい生活は健康な身体づくりの第一歩。起床と就寝の時間、食事の時間をなるべく一定に保ちましょう。

冷房を上手に利用する
 

外気温との差は5度を目安に、室内を冷やしすぎないように。ドライ(除湿)運転を活用すると体感温度を下げられます。

寝つきをよくする工夫を
 

暑くて寝苦しいからといって、冷房をつけっぱなしにすると夏風邪や下痢の原因になります。タイマー運転を上手に利用し、就寝前の入浴やストレッチなどで安眠を誘う工夫を。

適度な運動をする
 

陽射しの強い日中は外出するのも億劫になりますが、朝夕の比較的涼しい時間帯にウォーキングする習慣をつけると食欲増進や寝つきを良くする効果も得られます。もちろん、運動中や運動後の水分補給は忘れずに。

 

 
夏バテ予防に効果的な食事
   どうしても食欲が落ちてしまう夏場。そうめんなどの口当たりのよいものばかり食べてしまいがちですが、バランスのとれた食事は暑さに負けない身体づくりの基本。卵、肉、魚など血や肉をつくる良質なタンパク質、消化のよい大豆食品や牛乳などの食品も忘れずに摂りましょう。
 
疲労回復を助ける有機酸
 

酢酸、クエン酸、リンゴ酸などの有機物質には、乳酸などの疲労物質を分解する作用があります。代表的な食材は梅干、レモン、醸造酢など。最近では水や炭酸で割って手軽に飲めるタイプの商品も出回っているので、水分補給とあわせて毎日意識的に採り入れてみてはいかがでしょうか。

エネルギーの代謝をよくするビタミンB群
 

糖質を代謝してエネルギーに変える「ビタミンB1」や、消化を助けて糖質を燃焼させる「ビタミンB2」、神経の働きや脳の機能を正常に保つ「ビタミンB12」など、ビタミンB群は栄養バランスを整える強力な助っ人。以下に挙げた代表的な食材を積極的に摂りましょう。
<ビタミンB1>

豚肉、ニラ、枝豆、うなぎ、ゴマ、玄米など
<ビタミンB2>

うなぎ、レバー、魚、ブロッコリー、パセリなど
<ビタミンB6>

レバー、魚(赤身)、玄米など
<ビタミンB12>

レバー、貝類(アサリ、牡蠣、シジミなど)、魚など

利尿効果のある野菜
 

キュウリなどの夏野菜に含まれるイスクエルシトリは体内の余分な水分を排出し、熱を下げてくれる働きがあります。キュウリのほか、スイカ、トマト、苦瓜(ゴーヤ)など。

食欲を増進させる香辛料
 

香りと刺激で食欲を増進してくれるスパイスや香味野菜。夏の人気メニュー・カレーに代表されるように、香辛料の利いた食事は食欲増進にぴったりです。また、ニンニク、青じそ、みょうが、ショウガ、ワサビ、ネギなどの香味野菜も食欲を刺激してくれます。

   
 夏場の体調管理に水分補給が大切とはいっても、冷たいものや甘いジュースの摂り過ぎは胃腸の働きを妨げたり、血糖値を上げて空腹感をなくし、食欲不振を引き起こすこともあります。また、ビールなどのアルコールは水分を排出する利尿作用があるため、かえって水分不足になることも。水分補給にはミネラルウォーターやスポーツドリンクを、そして栄養と睡眠をじ充分にとって、夏バテしらずの身体を作りましょう!
 

 

 

「家庭でできる食中毒予防」(2007年8月)

 

「家庭でできる食中毒予防」

 
 
 
 いよいよ暑い夏がやってきました。特に今年の夏は過去最高の暑さと言われています。

夏は気温や湿度が高くなるため食中毒が多発します。食中毒というと、レストランや旅館などの飲食店での食事が原因と思われがちですが、家庭の食事でも発生しており、昨年、全国で発生した食中毒の14%は家庭の食事が原因と言われています。

 食中毒には、O157やサルモネラなどの細菌による食中毒や、食品に洗剤などの物質が混入したりして発生する化学性食中毒、毒きのこなどを食べたときに発生する自然毒中毒などさまざまな種類のものがありますが、その大半をO157に代表される細菌性の食中毒が占めています。細菌がもしまな板についたとしても、肉眼では見えません。しかし、目に見えなくとも簡単な方法をきちんと行えば細菌による食中毒を予防することができるのです。
 

食中毒予防の三原則

「食中毒菌をつけない」

細菌は魚、肉、野菜などの食材にすでに付着していることがあります。また調理器具や手指を介して他の食品を汚染してしまうことがあります。菌をつけないために、台所や食器類は常に清潔に保ち、作業中は調理器具や手指をこまめに洗うことが大切です。

「食中毒菌を増やさない」

細菌は栄養、水分、温度の条件がそろった時、爆発的に増えます。室温で放っておくと、10~20分で2倍に増える菌もありますので冷蔵庫等で保存をしてください。0℃以下でも死なない菌もありますので、冷蔵庫を過信せず早めに使い切ることが大切です。

「食中毒菌をやっつける」

ほとんどの食中毒菌は熱に弱いのですが、きちんと火が通っていないと生き残ります。加熱が必要な食品は中心部の温度が75℃以上になって1分間は加熱しましょう。

あなたも今すぐこの食中毒予防の三原則から成り立っている 次の「わが家の食中毒予防6つのポイント」をきちんと行い、家庭から食中毒をなくしましょう!

わが家の食中毒予防6つのポイント

ポイント1 食品の購入

購入した食品は、肉汁や魚などの水分がもれないようビニール袋などに分け持ち帰りましょう。
生鮮食品などのように冷蔵や冷凍などの温度管理の必要な食品の購入は、買い物の最後にし、購入したら寄り道せず、まっすぐに持ち帰りましょう。

ポイント2 家庭での保存

冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったら、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は、-15℃以下に維持することがめやすです。

ポイント3 下準備

手を洗うことは食中毒予防の基本です。調理を始める前や食品を取り扱う前後、こまめに手を洗いましょう。
生の肉や魚を切った後、洗わずにその包丁やまな板で、果物や野菜など生で食べる食品や調理の終わった食品を切ることはやめましょう。洗ってから熱湯をかけたのち使うことが大切です。

ポイント4 調理

加熱して調理する食品は中心部まで十分に加熱しましょう。
生の肉や魚を切った後、洗わずにその包丁やまな板で、果物や野菜など生で食べる食品や調理の終わった食品を切ることはやめましょう。洗ってから熱湯をかけたのち使うことが大切です。

ポイント5 食事

食卓に付く前に手を洗いましょう。
調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置してはいけません。

ポイント6 残った食品

残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存しましょう。
残った食品を温め直す時も十分に加熱しましょう。

茨城県では、7月1日(日曜日)~8月31日(金曜日)を「食中毒予防月間」と定めて食中毒予防啓発活動を実施しています。

 

 

 

ビールの季節にご用心。ビール腹=メタボリックシンドローム!?(2007年7月)

 

     
 
7月のテーマ:
ビールの季節にご用心。ビール腹=メタボリックシンドローム!?
 梅雨が明けたらいよいよ夏本番、よく冷えた生ビールのおいしい季節です。中年男性に多い、お腹まわりを中心に恰幅のいい体型を「ビール腹」と称したものですが、ここ最近はもっぱら「メタボ」なお腹と呼ばれるようになりました。今回は、成人病をはじめとする様々な病気の危険因子である内臓脂肪の蓄積、いわゆる「メタボリックシンドローム」についてお話します。
 
     

 

メタボリックシンドロームとは?
 
 メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪の蓄積によりインスリン抵抗性(インスリンの働きの低下)が起こり、糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧などの動脈硬化の危険因子が一個人に集積している状態を指します。高コレステロールに匹敵する強力な危険因子として、近年世界的に注目されています。
 
 
メタボリックシンドロームの診断基準
 

メタボリックシンドロームの診断は、必須条件である内臓脂肪の蓄積を『ウエスト径』で判定し、成人男性なら85cm以上、女性なら90cm以上を基準値*としています。さらに、血圧や血清脂質、血糖値の3つの基準値のうち、2つ以上を満たすと「メタボリックシンドローム」と診断されます。

各項目の基準値はこちらの表で確認してください↓

「食と健康」脂肪をためない食生活―メタボリックシンドロームにならないために―
https://imc.or.jp/column/syoku0704.html

*ウエスト径:男性85cm以上、女性90cm以上は、内臓脂肪面積100cm2以上に相当するとの判断ですが、正確な内臓脂肪蓄積の診断には腹部CT検査により内臓脂肪量を測定することが望まれます。

メタボリックの改善には、ウエスト径の5%減を目標に!
 
メタボリックシンドロームの治療は、糖尿病や高血圧、高脂血症などの病態を個々に治療するのではなく、共通の基盤である内臓脂肪を減少させることがポイントです。内臓脂肪は皮下脂肪に比べて減少するのが速いため、少しの減量で削減効果が期待できます。

そこで、現在のウエスト径、もしくは体重の5%減を目標に、内臓脂肪の削減に努めましょう

 
ウエスト径を減らすポイント
食事は腹八分、間食はしない
 

バランスのよい食事と、食べ過ぎないこと。総摂取カロリーを減らすよう努めましょう。

料理の味付けは薄味で
 

濃い味付けは塩分の摂り過ぎだけでなく、食欲を増進させて食べすぎを招きます。

繊維質の多い緑黄色野菜をよく食べる
 

内臓脂肪が蓄積している人の食生活には、緑黄色野菜の摂取が少ないという特徴があります。バランスを整えるためにも、野菜を積極的に摂りましょう。

適度な運動をする
 

摂取エネルギーを控えるとともに、適度な運動は内臓脂肪を減少させる有効な手段です。一般の肥満治療と同じく習慣的に継続させることが大切なので、徒歩での移動を心がけるなど、日常生活から変えて行きましょう。

お酒は控えめに
 

ビールのおいしい季節ですが、ビールだけでなくアルコールは総じて脂肪に変わりやすいもの。おつまみも高カロリー、濃い味のものが多くなりがちなので、飲みすぎ・食べすぎには注意しましょう。

タバコも控える
 

内臓脂肪型肥満の人には、喫煙者の割合が多いという特徴もあります。喫煙は動脈硬化性疾患の危険性をいっそう高めるので、禁煙に努めましょう。

   
 
  厚生労働省の平成16年国民健康・栄養調査によると、40~74歳において、男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームか、その予備群であることが報告されました。また、子供にもその輪は広がっており、約10人に1人が肥満児であるといわれ、子供の肥満の約7割は成人肥満に移行するともいわれています。

肥満や生活習慣病、どんなケースでも、やはり一番はバランスの取れた食事と適度な運動、つまり生活習慣の改善がポイントです。夏場はアイスやジュースなど糖質の摂取が増えたり、食欲がないために栄養バランスが偏りがちな季節。いつもより更に注意して、ビール腹をスリムにしていきましょう。

 

 

 

学校給食の「食と健康」(2007年7月)

 

学校給食の「食と健康」

つくば国際短期大学

准教授 板倉 洋子

 
 
 
 学校給食の歴史は明治22年山形県鶴岡市(学校給食発祥の地として碑が建っている)

で困窮家庭に昼食を無料で供されたことが始まりです。第二次世界大戦時に一時中断しましたが、昭和21年12月11日付け、「学校給食実施の普及奨励について」が文部、厚生、農林三省から次官通達が出され、新しい学校給食制度がスタートしました。

食糧不足の中で連合軍放出の物質・ユニセフ・ララ(アジア救済連盟)の援助物質、脱脂粉乳と缶詰類によって、昭和22年1月からは全国都市部の約3,600校、29万人に対して学校給食が実施されました。茨城県でも水戸、土浦、日立の21校で米軍の軍用缶詰と脱脂粉乳を主材とした補食給食・他の市町村の145校ではミルク給食が実施されました。

(当時では一般に普及していなかったコンビーフ・牛肉の缶詰、脱脂粉乳と家庭から持ち寄った野菜で給食を作り、児童の栄養失調を救っていました。昭和28・9年頃でしたがアルミニウム食器から伝わる温かさとほんのり甘いミルク給食が私は大好きでした)

このように貧困からの救済や栄養補給から始まった学校給食は昭和29年6月「学校給食法」が成立後、給食の実施体制は普及・充実して児童生徒の体位向上や栄養教育の浸透が図られました。

現在、茨城県の学校給食実施率は小学校・中学校ともに100%です。(夜間定時制高等学校、県立・国立特殊教育諸学校も実施されています)学校の食事は今や「生きた教材」として食育の教材となり、栄養教育は生涯にわたって児童生徒が望ましい食習慣と自己管理能力を身に付ける、生活習慣病等の疾患予防を”食育のねらい”と変化している。もちろんしっかりと美味しさ、みんなで食べることの楽しさも追及し、数年前の給食とは献立が変わっています。児童生徒を持つご家庭には予定献立表が配られているのでぜひ毎月ご覧になってください。

 (以前、服部幸生さんが食育講演会の中で健康寿命と平均寿命についてお話をされました。健康寿命と平均寿命の差を比べると欧米では大体5年なのに対して、日本では女性が9.13年、男性が6.77年と長い年月を寝たきりや痴呆症で長生きしなければならない。超高齢化を迎える前の数値に驚き、幼児期・小中学生の時から「食事と健康の関連」を学び良い食習慣を持つことの大切さを痛感しました。)

さて、平成18年4月以来、茨城県で20名の栄養教諭が採用になっています。県内の学校栄養職員は274名ですが内20名が栄養教諭として、赴任した地域全体の食育を推進するため課題を探り、食に関する指導のコーディネータとして、大きなエンジンを駆けてひた向きに頑張っています。

栄養教諭制度が施行された平成17年度は全国の配置がわずか34名でしたが(茨城県は0人)、平成18年度359名(茨城県は10人)、平成19年は974名(茨城県は10人)と配置人数が増えています。

現在学校給食は学習指導要領の学級活動に位置付けられ教育の一環であること、給食が持つ影響力の大きさ(児童生徒・家庭・地域との連携)と栄養教諭が推進した教育の結果と食育を推進する姿勢(学校・家庭・地域の調整役として)がこの配置人数に表れていると思われます。また現在、勤務している学校栄養職員も栄養教諭認定講習会を受講し、資質の向上を図っていることも大きな推進力になりました。

早寝早起き、朝ごはんの標語を基に平成22年までに朝食ゼロにしようとする食育活動と食料自給率の低下に歯止めをかけ、地域と密着した学校給食の運営推進の一つとして給食で使用する食材の30%以上を地場産業で賄うことが学校給食の課題になっています。

日々、食事が持つ意義が進化し、中でも学校・家庭・地域との連携した取り組みが今一段と加速されています。推進を担う栄養教諭・学校栄養職員の資質向上を図るため、第48回目の全国栄養教諭・学校栄養職員研究大会が7月26日・27日水戸市に於いて開催されます。約1,000名が実践発表、シンポジウム、10の分科会等に分かれ、児童生徒に対する食に関する指導のあり方や学校給食の充実方策について研究協議が行われます。

給食が「生きた教材」であるという所以は

(1) 生活習慣予防のねらいを持った給食を食べる。
(2) バランスの取れた食品の組み合わせ方や食事量を食べ続けていくことで学ぶ。
(3) 生涯に亘って健康に良い食品を選択できるよう論理的な組み立てが習慣化する。

このねらいを持った給食は「生きた教材」であるという所以です。

 

 

 

しなやか血管で、動脈硬化を予防しよう!(2007年6月)

 

     
 
6月のテーマ:
しなやか血管で、動脈硬化を予防しよう!
 梅雨入りを向かえ、季節はいよいよ夏の始まりを告げています。猛暑を予感させる毎日の気温に、早くも夏バテ気味という方も多いのではないでしょうか。しかし、本格的な夏を迎える前の今だからこそ、猛暑を乗り切る体力を養っておきたいもの。毎日の健康を保つためにも、私たちの体の隅々にまで栄養や酸素を届けてくれる「血管」の健康を考えてみましょう。
 
     

 

動脈硬化とは?
 
 動脈は内膜・内弾性板・中膜・外膜で構成されており、心臓が押し出した血液が流れるために弾力性と柔軟性を備えたゴムホースのような管になっています。しかし、古くなり硬くなった輪ゴムを伸ばすと切れてしまうように、動脈も弾力性や柔軟性を失うと硬くなってしまいます。

血管の中にはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)、中性脂肪、脂肪酸などさまざまな物質が流れていますが、LDLコレステロールや中性脂肪などの物質は、水垢やサビのように動脈の内部に沈着して血管を狭くします。こうしていわゆる「ドロドロ血液」によって管が狭くなったり、弾力性が失われた状態を動脈硬化といいます。

 
動脈硬化の種類
 
 細い動脈や太い動脈など動脈にも色々な種類がありますが、それぞれの血管に起きやすい動脈硬化にも特徴があります。
 
細動脈硬化
 

脳や腎臓の中などの細い動脈に起きやすい。喫煙(ニコチンの影響)などによって末端の細い動脈が収縮刺激を受け続けることで次第に柔軟性がなくなり、血管が硬くなることで起きる。詰まったり(梗塞)、血管壁全体が破裂して出血したりする。

アテローム(粥状)硬化
 

大動脈や脳動脈、冠動脈などの比較的太い動脈に起きる。動脈の内壁にコレステロールなどのドロドロ(粥状)の物質が沈着して血管が狭くなるために起きる。

メンケルベルグ型(中膜)硬化
  大動脈や下肢の動脈、頚部の動脈に起きやすい。動脈の中膜にカルシウムが溜まって硬くなり、中膜がもろくなることで起き、血管壁がやぶれることもある。
動脈硬化が引き起こす、怖い病気
 
 血管の内部は目に見えないため、動脈硬化は自覚症状がなく進行します。その上、心臓病や脳血管障害など様々な病気を引き起こす要因となる危険な疾患です。
 
動脈硬化が原因となる心疾患
 

狭心症や心筋梗塞など

動脈硬化が原因となる脳血管疾患
 

脳梗塞、脳出血など

動脈硬化の原因と予防
 
 動脈硬化は加齢とともに進行する、いわゆる老化現象のひとつですが、たとえ同じ年齢でも血管の状態には個人差があり、遺伝などの要因のほかに「生活習慣」が大きく影響すると言われています。例えばコレステロールの過剰摂取、肥満、高血圧や高脂血症、運動不足など、動脈硬化の危険因子は実にさまざまです。これらを予防するためには、やはり生活習慣の改善が第一です。以下の項目を参考に、しなやかな血管を保って動脈硬化を予防しましょう。
 
動物性脂肪の摂り過ぎに注意する
血圧を上昇させるため塩分は控えめに
HDLコレステロール(善玉コレステロール)を増やすために

適度な運動を心がける

喫煙は血管を収縮させ、傷つけるため、禁煙に努める
   また、動脈硬化は他の多くの病気と同じく早期発見が鍵です。健康診断で血圧、総コレステロール、中性脂肪、肥満度、HDLコレステロールの値などを検査し、動脈の健康度をこまめにチェックしていきましょう。
 
   知らないうちに進行し、様々な病気を引き起こす原因にもなる動脈硬化。しかもその危険因子は上に挙げたように多くの種類があります。しかし、裏を返せばこれらの危険因子は健康な体づくりの大敵と同じもの。「ヒトは血管とともに老いる」という言葉を胸に刻み、健康な血管を保つよう生活習慣を改善していきましょう。

 

 

高齢者の食事について ~高齢者の心と体の変化を知って、食事を作りましょう~(2007年6月)

 

高齢者の食事について
~高齢者の心と体の変化を知って、食事を作りましょう~

茨城県栄養士会

管理栄養士  矢代あや子

 
 
 
 
日本人の平均寿命は80歳を超え、世界一の長寿国となっています。

健康状態や食事のとりかた、体のいろいろな働きにも個人差が見られます。寝たきりを防ぎ、いつまでも健康で自立した生活が過ごせるようにお年寄りの体の特徴をよく理解して、毎日の食事作りに努めましょう。

■ お年寄りの体の特徴
  1,消化液の分泌が低下する
    唾液の分泌が減ると糖質の消化が不十分となります。さらに、噛む力が低下することで、胃への負担も大きくなります。胃液の分泌が減ると、蛋白質や脂質の消化・吸収能力が低下して、消化不良や下痢の原因となってしまいます。
    食事のポイント
     

(1)

消化吸収の良い食品(脂身の少ない肉、豆腐、魚、乳製品、卵、芋類、葉菜類等)を、バランスよくとるようにする
      (2) 良く噛んでゆっくり食べる
      (3) 暴飲、暴食をさける
         
  2,腸の働きが悪くなる
    大腸の動きが悪くなり、便秘がちになります。その他、食べる量が少なくなる事による食物繊維の不足、運動不足、水分不足なども影響する事があります。
    食事のポイント
     

(1)

欠食をさけ、1日3食をバランスよくとるようにする
      (2) 朝、目覚めにコップ1杯の水を飲んで腸を刺激する
      (3) お茶や牛乳などの水分をたっぷりとる
      (4) 食物繊維の多い食品(押し麦、玄米、ごぼう、筍、かぼちゃ、大豆、納豆、芋、海藻、果物、きのこ、こんにゃく等)を多くとりいれる
         
  3,咀嚼力(噛む力)が低下し、飲み込む力(嚥下)が弱くなる
    自分の歯の数が少なくなったり、入れ歯(義歯)の調整がうまくいかないために、噛む力が弱くなってきます。口の中の筋肉の老化現象や、脳卒中や脳梗塞の後遺症等によって、飲み込みがうまくできなくなります。

硬い食べ物を嫌がり、あまり噛まずにすぐ食べられる食材を好んで選び、食事の内容も偏るために栄養不足になる心配があります。

    食事のポイント
     

(1)

食べやすい大きさに切り、軟らかくなるまでよく煮込む
      (2) 片栗粉や市販の増粘剤をつかってとろみをつける

口の中で、食べ物がまとまり、飲み込みやすくなります

      (3) ゼラチンや寒天を使って、ゼリーやムース状に固める
      (4) 飲み込みやすい姿勢を保つ

車椅子で食事を摂るときは、腰が不安定にならないようにクッション等を添えて体勢を整えましょう

         
  4,味覚が低下する
    舌の味覚細胞が減るために、味を感じにくくなります。いつもと同じ味付けなのに「甘い」と感じてついつい醤油などをかけすぎてしまうことがあります。特に塩味の感覚低下が著しく、塩分の取りすぎになってしまいがちです。
    食事のポイント
     

(1)

旬の新鮮な食材を選ぶ
      (2) 味の濃いおかずと薄いおかずを組み合わせて作る
      (3) 香味野菜(生姜・しそ・三つ葉・ミョウガ)柑橘類を使い、味覚に刺激を与える
      (4) 昆布や鰹節、干し椎茸などのだしをきかせる
         
  5,のどの渇きを感じにくくなり、脱水症状をおこしやすい
    加齢により、基礎代謝量が減少し体の中で作られる水分(代謝水)が少なくなります。食事量が減ったり、あまりのどの渇きを感じにくくなり充分な水分の摂取ができなくなってきます。
    食事のポイント
     

(1)

お年寄りの手の届くところにいつも水分を準備しておく
      (2) 食事には汁物や水分の多いおかずを1品とりいれる
      (3) 食事以外にもお茶の時間を設け、お茶や好みの水分を補給する
      (4) 水分がむせる場合は、とろみをつけたりゼリーにして摂取する
         

 

 

 

 

健康のバロメーター「うんち」を知ろう!(2007年5月)

 

     
 
5月のテーマ:
健康のバロメーター「うんち」を知ろう!
 ぽかぽかと春らしい陽気…というより、真夏のように蒸し暑かったり急に冷え込んだりと不安定なお天気が続いていますね。日中の暖かさに、つい薄着で出かけたら夕方冷え込んで風邪をひいてしまった、なんて方もいるのではないでしょうか。気候が不安定だと、体調も崩れがちです。今回は、体内の健康状態を知る一番身近な方法「便」について考えてみましょう。
 
     

 

まずは「うんち」をチェック!
 

 理想的な便の例えとして、よく「バナナのようなうんち」が良いとされます。これは便の色、固さ、量、そして形(状態)を表しています。以下のチェック項目をよく覚えて、今日の排便後に自分の便を観察してみてください。

●便の色
ben 便の色は腸内細菌のバランスによって変化します。ビフィズス菌たっぷりの健康的な腸内活動を表すのは、白みがかった黄色の赤ちゃんの便ですが、成人がこんな便を出すのは無理な話。食事の内容によっても左右されますが、基本は茶色がかった黄色で、黄色に近いほど「いい便」と言えます。

黒っぽい便:悪玉菌が腸内に増えている証拠。胃や十二指腸、小腸などに潰瘍や腫瘍ができて出血している可能性もあります。

灰色の便:脂肪分の摂りすぎ、肝臓、すい臓、胆のうに異常がある可能性があります。

赤い便:大腸の出血や痔、大腸がんの可能性があります。

上記のような色の便が出る場合、それが一時的なものであれば、食べ物の色素や服用している薬の影響であったりして特に問題はありません。しかし、長期にわたってこのような便が出る場合は、体の器官に異常がある疑いがあるので注意が必要です。

●便のにおい

便の悪臭のもとは、腸内の悪玉菌。便はくさいものだと決め付けがちですが、腸内環境のよい人の便は、実はそれほどくさくないものです。悪臭のきつい便が出る人は、悪玉菌が大繁殖して有害物質を発生している可能性があるので、食事や生活習慣を見直しましょう。また、肉類などのたんぱく質を腸内細菌が分解する際にきつい臭いを出す物質を生産するため、肉類中心のいわゆる欧米型の食生活を送っていると便のにおいがきつくなる傾向があります。

●便の固さと形

便の形状は、便に含まれる水分量によって変わります。健康な便は通常70~80%の水分を含むとされ、まさにバナナの実のような固さと形でスムーズに排便されます。これより水分量が少なくなるとコロコロとしたウサギの糞のような形になりますが、これは便秘の人に多いタイプ。逆に形をとどめないほどゆるい水状の便は下痢の状態です。ちなみに「健康な便は水に浮く」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは食物繊維をたっぷり摂ると繊維質が多く密度の軽い便が出る、という説に基づくようです。しかし繊維質の多い食事を続けても便の比重には変化がなかったという研究結果もあるため、便が沈むからといって特別気にすることはないようです。

●便の量

排便の量は当然食事の量に影響を受けますし、イモ類や豆類など食物繊維の多い食品をたっぷり摂ると便の量も多くなります。一回の便の目安は150g程度とされ、目で見てバナナ1本半~2本分くらいの便が出ていればおおむね理想的な量の排便といえるでしょう。

 
腸内環境を整えて、快便生活を!
 

 
腸内環境を左右するのは、腸内細菌のバランス。腸内には500から1,000種類にも及ぶ細菌が存在するといわれ、その中でも乳酸菌などの善玉菌が多い弱酸性の腸内環境が健康な状態。しかし、食生活や生活習慣、ストレスなどで腸内細菌のバランスが崩れると、クロストリジウムなどの悪玉菌が増えてしまいます。悪玉菌が優勢になると腸内はアルカリ性に傾き、腸の働きが鈍くなります。それが便秘の原因となり、さらにその留まった便が悪玉菌の餌となり、腸内は悪玉菌の温床へ…と悪循環を始めます。そうなると、悪玉菌が発生する有害物質が腸壁から吸収され、血液にのって全身へ運ばれ、いろいろな病気やトラブルを引き起こす原因となります。便秘が続くと肌荒れや頭痛などの症状が出るのはこのためです。

悪玉菌は発がん性物質を作り出し大腸がんなどを誘発する原因にもなるので、たかが便秘と侮らず、規則正しい生活、食物繊維の多い食事、そしてたっぷりと水分補給を心がけて早めに解消しましょう。また、ビフィズス菌などの乳酸菌は乳酸や酢酸を出して腸に刺激を与え、運動を活発にして排便を促して便秘になるのを防いでくれるので、ヨーグルトなどの乳製品も積極的にとりましょう。

 
 大腸は、さまざまな病気の発信源といわれます。その腸内を正常な状態に保つことが、健康な体づくりの秘訣。その腸内の様子を知ることのできる便は、まさに健康のバロメーターです。最初は少し抵抗があるかもしれませんが、その貴重な「情報源」を水に流す前に、毎回観察する習慣をつけていきましょう。

 

 

ますます重要視される学校給食の役割(2007年5月)

 

ますます重要視される学校給食の役割

社団法人 茨城県栄養士会

 
 
 
 

  「給食の用意ができました」

 
「お当番さん、ごくろうさまでした」

 
「それでは、いただきますをしましょう」

 
「いただきます」

 
4月に入学した小学1年生の学校給食が始まってから1か月余り。

 
ところが、あれあれ、

 
「ぼく、野菜はダメ」

 
「魚に骨があるよ」

 
「豆はきらい、わたし食べない」

 
と子どもたちの声。箸の持ち方もあやしいようです。ごはんや汁の食器を持たなかったり、おかずやごはんを一品ずつ食べ、食べ終わるとまた次のおかずを食べるという食べ方をし、全体をまんべんなく食べることができない子もいます。食事の様子は、まさに、家庭を写す鏡です。

 
学校給食は年間約200回実施されています。1年間の食事数にしてみれば6分の1にすぎないのですが、授業日に毎日実施される日常生活に欠くことにできない食事時間ですから、給食の時間の特性を生かした給食指導を実施することが可能です。学校給食は通常、授業日の昼の時間に繰り返し行われるものですから、この時間に繰り返し給食指導をすれば、児童生徒への望ましい食習慣の育成を図ることができることはもとより、準備・会食・後かたづけなど家庭生活では培われなくなりつつある生活体験の一連の実践活動の場ともなります。

 
毎日の学校給食における実践活動を通して正しい食事のあり方や望ましい食習慣の形成をはかり、将来にわたり健康で生活することができる児童生徒を育てることが学校給食に課せられた大きな役割です。