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健康づくりの中のおやつ作り(2006年7月)

 

健康づくりの中のおやつ作り

社団法人 茨城県栄養士会

管理栄養士 吉田和子
 
 
 

間食の必要性

幼児にとって間食は3つの側面から必要である。

第1点は栄養的な面の役割である。幼児期の食事摂取基準は、幼児の体重1kg当たりで見ると成人の2~3倍にもなる。しかし、消化吸収などの機能はまだ未熟で発育途上にある。

このため、多くの食物を一度に処理することができず、大人のように三回の食事だけで必要な栄養量を充足することが困難である。そのため間食を食事の一部分と考え、身体発育の面からエネルギー及び各栄養素のバランスが大切である。また、代謝が活発であり、水分補給の点からも重要視されている。

第2点は精神的な面の効果を考えられる。おやつは幼児にとって食べることの楽しみを体験できるひとときである。通常の3度の食事とは異なる雰囲気や、時には友達や家族を含め食卓の団らんなどのコミュにケーションの仲立ちにもなり、幼児に休息、気分転換の機会を与える。また、おやつはその形態や食べ方の面において、子供の好みを取り入れやすく、心の発達を助ける点からも効果的である。

第3点は、しつけや健全な食習慣を形成するための栄養教育の効果的な場として評価できる。間食を通して食事のマナーや食物の衛生的な取扱い等を無理なく自然な形で教育でき、また、クッキーづくりなど、作ることの喜びや直接素材にふれることのできる体験学習の場として、食べ物に対して子供の関心をさらに高められる。

間食の与え方と問題

与える回数は1~2歳児は午前(朝食と昼食の間)と午後(昼食と夕食の間)の2回

3~5歳児は午後(昼食と夕食の間)1回として与えることが一般的だ。個々の幼児の生活リズムに合わせることも大事である。

与える量は間食全体で1日に必要な食事摂取基準の10~15%位が適当である。1~2歳児は100~180kcal、3~5歳児では140~240kcalに相当する。

しかし、最近の幼児の間食の実態は、間食による摂取エネルギーの割合が25%前後にもなることが多く、1日の食事の栄養配分や肥満などの面から問題となっている。

注意点

① 間食の種類として望ましいものは、

栄養的な偏りの少ないもの

薄味で甘味、塩味の強くないもの

消化のよいもの(胃内停留時間の短いもの)

ある程度の容積を持ち満腹感を与えられるもの

水分補給できるもの

脂肪や糖質の多すぎないもの

食品

牛乳、乳製品を中心とした飲み物、果物、野菜類、穀類、芋類、豆類等の糖質性食品を基本に手作りされたもの

これらは市販のおやつに含有量の少ないビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれている。

最近は栄養成分が表示されている菓子も流通されているので添加物の表示内容や製造年月日なども確認して利用することが必要である。

②間食に市販食品を用いた場合、容器包装のまま多量に与えない。

間食として使用頻度の高いスナック菓子類の中には非常に多くの脂肪や食塩が含まれている。放任すれば1袋食べてしまう。次の食事が十分に摂取できない場合も生じる。

③間食の時刻を決めることは、食生活リズムを整える上から重要である。 

だらだらと遊び食いにならないように、間食所要時間は20~30分以内ですます。

④幼児期になると簡単な買い物行動も可能となる。このとき、買い物の場において直接食べることがある。これは食生活リズムを乱し、幼児のわがままを助長し、さらには衛生面での問題を生じる。

⑤間食の内容については幼児の好みを取り入れることは幼児に喜びを与えるが、その際には間食の意義を逸脱しないよう配慮する。

⑥幼児期は、特に地域の同年齢の子供たちの影響を受けやすい。近隣の幼児の母親同士の情報交換や話し合いにより子供にとって最も望ましい間食について考え、間食の作り方なども紹介しあい、健全な食習慣の形成に努める。間食を軽視しない。

好ましいおやつの例

① 材料そのもの風味を味わうおやつの例

  • にんじん、きゅうり、セロリのステック:1歳頃から与えると野菜になじみやすい。
  • 季節の果物、果汁:果物はあまり手を加えない。
  • 牛乳、ヨーグルト、チーズ、ゆで卵:カルシウム、たんぱく質が不足するときに用いる。
  • 枝豆、そら豆、とうもろこし、焼栗、ナッツ類:季節を味わう。
  • 芋や南瓜の素揚げ、焼き芋、じゃがいものバター焼き、衣かつぎ、干しいも:胃に満腹感を与える。
  • そばがき、麦こがし、餅、かき餅、きな粉おはぎ:伝統的味覚を養う。
  • するめ、昆布、いりこ:噛みごたえのあるもの

② おやつの組み合わせ例(エネルギー量)―水分を同時にとる

  • 牛乳100gとポップコーン10g(109kcal)
  • 牛乳200gとビスケット20g(225kcal)
  • りんご果汁100gと焼きじゃがいも80g、バター5g(145kcal)
  • お茶100gと餅50g、チーズ20g、海苔1g(185kcal)
 

 

 

血管の健康、気づかっていますか?(2006年8月)

 

血管の健康、気づかっていますか?

社団法人 茨城県栄養士会

染谷まゆみ
 
 
 

サラサラの血液

ふだんは血管の状態など考えたこともない方がほとんどだと思います。でも血管は休むことなく私たちの体を維持するために、血液を体全体に届ける役目を果たしてくれています。その大切な血管を知らず知らずに酷使していませんか。糖分やアルコール・脂肪などを摂りすぎたり、ストレスが溜まったりすると血液の粘度が増し、ドロドロとした血液になります。その結果血液の流れが悪くなり、血管に負担をかけることになります。そのような状態が長く続くと血管壁が厚くなったり弾力が失われたりして動脈硬化につながり、更に脳梗塞や心筋梗塞になる恐れもあります。次のような点に気をつけて血液がサラサラになるような食生活を心がけ、血管をいたわりましょう。

〔心がけたいこと〕

1.健康に良いといわれている食品でも食べすぎは禁物。エネルギーや塩分のとりすぎになりやすいので注意が必要です。今までの食事に追加するのではなく、食べ過ぎていたと思う食品を減らしてその変わりに食べる方がよいでしょう。

2.バランスの良い食事を適量摂取しましょう。できる限り主食(ご飯、パン、麺など)・主菜(肉、魚、卵、大豆製品など)・副菜(野菜、きのこ、海草など)をそろえるように心がけます。ごはんと汁物・おかずを組み合わせる日本型の食事はバランスがとりやすいでしょう。

3.野菜・きのこ・海草類を十分に摂りましょう。

これらは低エネルギーで、かつ血管に良い影響を及ぼす成分の宝庫です。ビタミンC、ビタミンE、β-カロテンが多く含まれており、血液をサラサラにする効果があります。食物繊維も豊富で血中のコレステロールを下げ動脈硬化を防ぐ効果や、血糖値の上昇を抑える作用もあります。野菜は小鉢に1~2杯を目安に毎食食べたいものです。

4.青背魚も積極的に食べましょう。魚に含まれる不飽和脂肪酸は血液の流れを良くします。夏向けにさっぱりとしたイワシ料理をご紹介いたします。開いた生のイワシに少量の酒と醤油で下味をつけ、たたいた梅干と千切りのしその葉を混ぜたものをのせて焼くだけです。

 

 

 

 

胃が痛いのはストレスのせい?(2006年6月)

 

     
 
6月のテーマ:
胃が痛いのはストレスのせい?
 すっかり暖かくなり、半そで一枚で過ごせる陽気になりましたね。でも夜には肌寒い日もしばしば。風邪などに気をつけて過ごしましょう。さて、今回も前回に引き続きストレスが引き起こす心身の不調についてのお話です。今回は大切な消化器官・胃に注目し、胃潰瘍をはじめとするストレス潰瘍についてお話します。
 
     

 

ストレス潰瘍とは?
 

 ストレス潰瘍とは、胃潰瘍(十二指腸潰瘍も含む)の中でも、ストレスの影響が強いもののことで、多発性な上、再発しやすいという特徴をもっています。潰瘍の大きさや深さは様々で、同時にいくつもの潰瘍ができるケースも珍しくありません。

簡単に言うと胃壁や十二指腸がただれて潰瘍ができるという病気ですが、症状で特徴的なのは空腹時におこる腹痛がです。このほか、胸やけやげっぷ、悪心、嘔吐、便秘などがあります。吐血や下血を伴う場合は潰瘍がひどくなっている可能性が高く、早急な治療が必要です。

 
ストレスと潰瘍の関係
 
 近年、潰瘍の原因にヘリコバクター・ピロリという細菌(ピロリ菌)の存在が注目されていますが、ストレスもやはり潰瘍の大きな誘因であると考えられています。

胃潰瘍の原因は、消化器官である胃で分泌される胃液と、その胃液から胃の粘膜を守るはたらきとのバランスがくずれることによると考えられています。精神的なストレスは胃液の分泌を異常に高める一方で、胃壁の防御機能を弱めるため、自分の胃液で胃壁をいじめる結果になり、潰瘍をおこしてしまうのです。

また、慢性的な過労による不眠、倦怠感、肩こり、頭痛など体の不調と同時に、焦燥感、抑うつ感、過敏など精神的な不調を伴うこともあり、胃潰瘍はやはり生活上のストレスと深く関わっていると考えられます。

 
こんな人は、うつの可能性がピロリ菌について
 
 一方、潰瘍はストレスが直接の因子ではなく、ピロリ菌こそが最大の原因であるとの説もあります。これまで、胃には強い酸があるため細菌は存在しないと考えられていましたが、1983年に胃の中から細菌が分離・培養され、その存在が確認されました。ピロリ菌は自らが作り出すアンモニアで胃酸を中和し、胃の中にすむことができる細菌で、様々な毒素を出すため、胃炎や潰瘍を引き起こします。

ピロリ菌の感染源についてはまだ解明中ですが、水や糞便を介して、口から感染するという説が今のところ有力なようです。これは衛生設備の整った先進国では感染の割合が低いことに比べ、発展途上国では多くの人がピロリ菌に感染していることから推測されています。日本では40代以降の人の約半数が保菌者であると言われ、発展途上国と同じくらいの感染率となっています。しかし、30代までの人では、他の先進国と同様低い感染率にとどまっているようです。

ピロリ菌こそが潰瘍の最大の原因であると考える説では、ストレスは潰瘍の誘因にはなりうるものの、ピロリ菌に感染していない人は例え大きなストレスがかかったとしても、潰瘍にはならないと言われます。これまで、潰瘍が再発を繰り返すのは、潰瘍自体は抗潰瘍薬で治すことができるものの、「潰瘍症」という体質までは治せないためだと考えられていました。しかし、ピロリ菌を除菌すれば抗潰瘍薬を服用しなくても、潰瘍は再発しないという研究結果が多く発表され、「潰瘍症」という体質に対して疑問の声もあがっています。

ピロリ菌の感染については血液検査、または内視鏡検査で簡単に分かり、尿や便から調べることもできます。除菌治療で一般的なのは抗生物質と胃酸分泌抑制薬を1週間服用する方法が一般的で、8割以上の人が除菌に成功すると言われています。除菌に成功すれば、以後胃炎や潰瘍の薬を飲み続ける必要がなくなると、その効果が注目されています。

 
一般的な治療
 

●何科に行けばいいか

胃潰瘍が心配な場合、まずは内科、消化器科、胃腸科へ行き、診断を受けましょう。胃X線検査で異常が発見されると、内視鏡検査で確認という手順が一般的で、これらで外科的治療が必要と判断されると、消化器外科へ転送されます。

●内科的治療

内科的治療では、攻撃因子である胃酸をおさえる胃酸分泌抑制剤と、防御因子を強める粘膜保護剤の服用が行われます。医師の指示を守り、処方された薬をきちんと服用すれば、ほとんどの症状が2~3週間で軽快します。ピロリ菌に感染している場合は、先にも述べたように抗生物質を併用して除菌をすると、再発はしないと言われています。しかし、ストレスの影響で潰瘍が治りにくい場合や、再発を繰り返す場合は、心療内科的治療を薦められることがあります。この場合、カウンセリングや自律訓練法を行ってストレスを軽減したり、抗不安剤や抗うつ剤などの薬物療法を行います。

 
 ストレス潰瘍になりやすい人の性格傾向として、几帳面、内向的、こり性、過剰適応(周囲に気を使いすぎる)、感情を表に出さない(自分の中に溜め込む)などが挙げられます。予防のためにも、お酒の飲みすぎや食べすぎ、タバコの吸いすぎに注意し、日頃の体調管理に気を配ることも大切ですが、自分なりのストレス解消法や悩みを話せる相談相手を見つけるなど、ストレスをためないような気配りも必要です。また、消化を助けるために食べ物はよく噛む、胃の調子が悪いときは刺激物(香辛料、アルコール、コーヒーなど)の摂取を控える、喫煙を控えるなど、胃の負担を減らしてあげることも大切。

胃の調子が悪いと、食欲がわかず、体も心も元気がなくなってしまいます。胃腸を大切にし、おいしく食べて、健康に暮らしましょう。

 

 

赤ちゃんと虫歯(2006年6月)

 

赤ちゃんと虫歯

社団法人 茨城県栄養士会

寺門久美子
 
 
 

赤ちゃんには虫歯はありません

  生まれたばかりの赤ちゃんに歯がないので、当たり前ですネ。

赤ちゃんが5~6ヶ月位になると、離乳食を食べ始めます。離乳食は、初めはドロドロ状に仕上げ、次に舌でつぶすことのできる柔らかさの粒状に、そして歯ぐきでかめる程度の噛みごたえのある形に変えていきます。その頃には乳歯がはえてきます。

離乳食を、お母さんが口に入れて、カミカミして食べさせることがあります。これはお母さんの口の中のバイキンも一緒に食べさせることになり、やがて赤ちゃんが虫歯になってしまいます。

  虫歯は、歯の表面のエナメル質や、その内側のぞうげ質が侵されて、内部に向かって穴が空いた状態をいいます。

乳児は、エナメル質やぞうげ質の層が薄いために、虫歯の進行が速く、普段からのケアが大切です。初期の虫歯は、痛みがないので発見は難しいのですが、歯の一部の色が黄褐色になってきます。子どもが物を食べるときに、噛むのを嫌がる、熱い物や冷たい物がしみているときなどは要注意です。そのまま放っておくと、激しい痛みと共にあごの下のリンパ腺が腫れることがあります。

虫歯になると、痛みのため歯の噛み合わせが悪くなったり、あごの筋肉の発達に影響を及ぼしますし、発育に必要な栄養が十分にとれなくなります。

〔起きる原因〕

  歯質、糖分、虫歯菌(ミュータンス菌)が原因で虫歯になります。虫歯菌は糖分をエサとして、デキストランという歯垢を作ります。歯に付着した歯垢の中では虫歯菌によって酸ができ、これが歯の表面のエナメル質を溶かします。

〔予防と治療法〕

  赤ちゃんの時から薄味に慣れさせることです。三度の食事はバランスの取れたものをおやつは、ケーキ、おまんじゅう、甘みの強いジュース、あめ、アイスクリーム、チョコレートなどの糖分の多いものは避け、せんべい、さつまいも、りんご、にぼし、こんぶ、するめなどを、それぞれ時間を決めて与えるといいでしょう。

  乳歯が生え揃ってきたら、歯を磨くようにします。子どもが歯磨きをしたら、お母さんの膝のうえに子どもの頭を乗せて、「寝かせ磨き」をしましょう。そして、良くできたことをほめてあげましょう。

  予防には、食後と夜寝る前には歯を磨くものだという意識づけと習慣が大切です。フッ素を塗ったり、奥歯の小さなくぼみをシーラント(液状プラスチックの充填剤)でおおう方法もあります。

  治療としては、初期ならば進行止めの薬を塗ります。黒い色が多少つきますが、よく磨けばそれ以上の進行を防げます。

  食事は食物繊維の多い、ごぼう、れんこんなどの根菜類や、骨まで食べられる小魚など、噛みごたえのある食品を取り入れ、よく噛んで食べる習慣をつけましょう。

 

 

 

これって 5 月病? うつにご用心(2006年5月)

 

     
 
5月のテーマ:
これって 5 月病?

うつにご用心

 新しい年度が始まり、学校や職場、引越しなどで環境が変わった人も多いのではないでしょうか?新しい生活が始まってすぐは、新鮮な毎日を送り、疲れや忙しさもあまり気にならないものですが、徐々に慣れてきた 5 月、 6 月頃はストレスが心身の不調としてあらわれやすい時期です。これがいわゆる 5 月病。今回は慢性の 5 月病ともいうべき「うつ」についてのお話です。
 
     

 

うつってどんな病気?
 

 うつ病で特徴的なのは、「憂うつ感」「無気力・無関心」などの心の症状。うつ病とは、気分が落ち込み、これまで楽しんでいたことや好きだったものに興味がなくなり、楽しめなくなる病気なのです。それに加え、「疲れやすい」「眠れない」「頭痛がする」などちょっとした体の不調もうつが原因のことがあります。厚生労働省の報告によると、日本人の15人に1人はうつになる可能性があるといわれており、身近な病気としても注意が必要です。

最近ではテレビや雑誌などでうつが取り上げられるようになり、うつに対しての理解も進んできました。それでもまだ、病院に行かずにひとりで悩んでいたり、うつとは気付かずに落ち込んだ気持ちで日々過ごしている人も多いのが現状です。

「なんとなく気分が晴れない」「憂うつ感を感じる」などの心の症状もありますが、「疲れがとれない」「いつも疲れている気がする」「食欲がない」「眠れない」などの体の不調が前面に出る軽いうつは、本人もうつと気付きにくいものです。うつを正しく理解し、早めの対処ができるようにしましょう。

 
なぜうつになる?
 
  うつにかかるきっかけは人それぞれですが、ストレスが主な原因といわれています。例えば、仕事や受験の失敗、失恋、身近な人の死などのショックな出来事により気分が落ち込みます。普段であれば、これらのショックも時間と共に薄れ、心も回復していくものです。しかし、落ち込んだ気分がなかなか晴れずに大きなストレスを感じ続けた場合、気持ちが切り替えられず、うつ状態になってしまうことがあります。うつ状態をそのままにしておくと、自分のつらい気持ちを理解してもらえない→さらに気分が落ち込んでいくという悪循環に陥り、重度のうつへと進行してしまいます。そうなるまえに、まずは医師に相談しましょう。
 
こんな人は、うつの可能性が?
 
  「疲れやすい」「頭痛が続く」といった体の不調も、うつが原因の場合があります。特に、診察は受けたけど原因が分からない場合などは、注意が必要です。「調子が悪いな」と感じながらも、我慢すれば済んでしまう程度の場合は、本人も周囲の人もそれがうつであると気付きにくいものです。以下のような症状が2週間以上続くような場合は、うつを疑ってみましょう。

●うつの可能性があるこんな症状

・眠れない、または朝早く目が覚めてしまう

・体がだるい、疲れやすい

・何を食べてもおいしくない

・ときどきめまいがする

・息切れがする、息苦しさがある

・胃のもたれ、ムカつきを感じる

・食欲がない、最近急に痩せてきた

・頭痛がする

・微熱が続いている

・肩こりがひどい

・生理不順

・性欲が落ちた

・下痢、便秘など

また、他の病気が原因でうつになることもあります。糖尿病や高血圧症などの生活習慣病には高い頻度でうつが合併するとも言われ、うつによる変化を「病気で気分が落ち込んでいるせい」と見逃されてしまいがちなのも問題のひとつ。病気に関わらず、「おかしいな」と感じたら早めに医師へ相談しましょう。

●うつを伴いやすい体の病気

・糖尿病

・高血圧症

・狭心症

・心筋梗塞

・脳血管障害

・脳腫瘍

・老人性痴呆

・てんかん

・パーキンソン病

・甲状腺機能の亢進症または低下症

・更年期障害

・慢性間接リウマチ

・全身性エリテマトーデスなどの膠原病

・がん

・手術後

・血液透析

・インフルエンザ

・肝炎などのウイルス感染症など

 
医療機関ではこんな対処をしてくれます
 
  うつは脳内の神経伝達物質の活性が低下するために起こると考えられていることから、うつの治療は薬物療法や心理的治療を行います。抗うつ剤を処方された場合は、医師の指示にきちんと従い、自己判断で薬の量を変えたり服用をやめたりしないこと。そして、心身ともに充分な休息を心がけましょう。病院での治療を早期に受けるとこで、一般的には半年から1年ほどで回復するといわれています。治療のポイントは、焦らず気長に取り組むこと。治療には健康保険も適用され、保険証から会社など周囲の人へ「うつで病院に通っている」ということが知られることもないので、安心して通いましょう。
 
「心の風邪」とも呼ばれるうつ病は、その名のとおり風邪と同じく誰にでもかかる可能性がある身近な病気です。まじめで完全主義な人ほどストレスを感じ、うつになりやすいといわれています。うつを防ぐには、まずは自分を知ること。「無理しているな」と感じたら、肩の力を抜き、マイペースを心がけて。失敗しても必要以上に自分を責めず、頑張り過ぎないことが大切です。

 

 

家族で毎朝 朝ごはんを食べよう(2006年5月)

 

家族で毎朝 朝ごはんを食べよう  
會澤千恵子
 
 朝ごはんを食べることは、心身が睡眠モードから活動モードに切りかわるので、生活リズムを整える上でとても大切なことです。また、睡眠中に下がった体温が上昇して血流がよくなるので、体が元気良く動きだします。さらに、消化器系も活動し始め腸が刺激されて、便通がよくなります。

<なぜ 朝ごはんが大切なのか?>
 人も子どもも年々朝食の欠食率が増加してきています。平成 14年の国民栄養調査では、約10%の人が、児童生徒も学年が上がるにつれて欠食率が上昇しています。この原因は、大人の生活が夜型化しているため、夜中に夜食をお腹いっぱい食べるなど不規則な食事になっていることや、就寝時間が遅くなり、朝起きられず、食べる時間がないことや、食欲もわかないので朝食が欠食になってしまっています。これに引きずられるように子どもたちの中にも、朝食を食べない子どもたちが増えてきているのです。

なぜ、朝ごはんが大切なの?

それは

  朝ごはんを食べることで、睡眠モードから活動モードに心身が切りかわるので、生活リズムを整える上でとても大切なことです。また睡眠中に下がった体温が上昇して血流がよくなり、身体が元気良く動きだします。また消化器系も活動し始め腸が刺激されて、便通がよくなります。

 

 

忙しい朝は、時間をかけずに用意をすることが大切です。事前に献立を考え、夕食の残りを利用したり、前日に料理の下準備をしておきましょう。

 

 

近頃

  お菓子やインスタント食品、栄養補助食品などを朝ごはんがわりにしている人が増えています。それらの食品は、「食事の補助」や「間食」用なので、食事代わりにすると栄養の偏りなどの問題がでてきます。

 

 

新生活の始まり。朝食を摂って元気な1日を!(2006年4月)

 

     
 
4月のテーマ:
新生活の始まり。朝食を摂って元気な1日を!
 4月。新年度、新学期のスタートです。新たな生活が始まった人はもちろん、環境に特別何も変わりがないという人でも、4月は「新しい始まりの季節」ではないでしょうか?

1日の始まりは朝。元気な1日を過ごすために、今回は「きちんと朝ごはんのススメ」についてのお話です。

 
     

 

朝ごはんは、なぜ大切か?
 

食事 人間の体は、1日の24時間を1サイクルとして、体を構成する組織や臓器がリズムを保って活動しています。そのリズムの基となるのは太陽の光で、その明るさや暗さが脳の中枢神経を刺激し、活動を弱めたり強めたりして体の働きを調節するのです。また、食事を摂ることも神経系を刺激する作用があり、血液中の栄養成分の濃度を高めて、組織や内臓の働きを活発にします。

●朝ごはんを食べないと…

全身の組織や内臓の働きは起床した直後に活発になるわけではありません。体温は低く、脳の働きも不十分な状態です。この状態のまま、体をあまり動かすことなく食事もとらずに、仕事や勉強など日中の活動を始めると、脳も体も栄養不足で十分に働きません。このままでは集中力を欠いたまま午前中を過ごすことになってしまいます。

●朝ごはんを食べると

それに対し、起床してから体を動かして筋肉を刺激し、血液の流れや胃腸の働きを活発にして、食欲をあげてから朝ごはんを食べるとどうでしょう。体温と血糖が上がり、脳と体はリズムにのって働き始めます。そうすると仕事や勉強にも集中でき、朝から気持ちよく過ごすことができるのです。

 
朝食抜きの原因とは?
 
不振  さて、朝ごはんが大切なことは分かっていても、忙しい現代人はなかなか朝ごはんを食べられないという実態があります。あるアンケート調査では、独身でひとり暮らしの女性の場合、朝食を毎日きちんと摂ると答えた人はなんと全体の半数以下という結果でした。

では、なぜ朝ごはんが食べられないのでしょうか?その原因と対策を、以下にご紹介します。

●朝は食欲がない

1日のリズムでいえば、本来、朝は1日のうちで一番お腹が空く時間のはずです。前日午後8時に夕食を摂ったとして、睡眠、起床と翌朝7時までは約11時間。お菓子や夜食を食べた場合は別として、ほぼ半日もの間、体に栄養が入っていないことになります。こういうリズムで生活を送っている人は、朝お腹が空いた状態で目覚めることができるでしょう。

これに対して、夕食が遅い人、寝る前にお菓子や夜食を食べる人は、朝あまり食欲がわかないのは当然ですね。また、就寝時間が遅すぎるのも、夜中に食べてしまう原因のひとつ。睡眠不足だと食欲刺激ホルモンが増え、食欲抑制ホルモンが減るという現象が起こります。つまり夜更かしすればするほど余分に食べてしまい、翌朝は体があまり食事を欲しない状態になってしまうのです。だからといって朝食を抜くと、昼食までの時間が空きすぎるので、体はエネルギーを蓄えようとして、食べたものが脂肪に変わりやすくなり、皮下脂肪のつきやすい体質になってしまいます。

●ダイエット中なのでなるべく食べたくない

これが間違った考えというのは、すでに多くの皆さんがご存知でしょう。上にも書いたように、朝食を抜くと脂肪のつきやすい体質になるため、朝食を抜くことはダイエットには逆効果になります。毎朝きちんと朝食を摂ることで体のリズムが正常になり、消化や代謝の働きが整うので、ダイエットにも良い傾向が出てきます。また、食事を摂ることは腸を刺激するため、排便のリズムも整います。

●ギリギリまで寝ていたい

朝ごはんを食べる時間がもったいなくて、それならその分寝ていたい…という声も多く聞きます。しかし10分長く寝ても、朝ごはんを食べなくては体はすっきりと目覚めず、午前中をぼーっと過ごすことになります。かえって時間がもったいないと思いませんか?

それならば、いつもより少し早く起きて、朝食をとることが効率的だと考え方を変えてみましょう。また、目覚めてすぐに朝食を摂ろうとせず、朝の準備などをして体を少し動かしてから朝食を摂るようにしましょう。それによって胃腸をはじめとする体の組織が働き出し、空腹感がおきて、朝ごはんをおいしく食べることができるのです。

●朝食を準備する時間がない

これも上の「ギリギリまで寝ていたい」派と同じような意見です。確かに、朝は何かと忙しく、時間がないもの。だからといって朝ごはんを犠牲にするのはよくありません。晩ご飯やお弁当のおかずを多めに作って、朝食用に残しておいたり、温めるだけでたべられるように前の晩から用意しておくなど対策はいくらでもあります。「朝は食欲がない」という人も、ヨーグルトや果物、シリアル、スープなど、手軽に食べられるものから始め、少し早起きして朝食を食べる習慣をつけていきましょう。

 
朝食をきちんととることは、体の健康だけでなく心の健康にも関わってきます。朝食を抜くと、集中力が低下するだけでなく、体調不良で元気が出ない、なんとなく体がだるい、エネルギー不足で貧血気味、空腹によるイライラ感など、脳と体に様々な悪影響を及ぼします。 子供の場合も同じで、朝食を食べる習慣のない家庭で育つと、朝から元気が出ない、学校に行く気力がない、という状態になってしまい、体の成長ばかりか心の成長まで妨げてしまう恐れがあります。「食育」という言葉をよく耳にしますが、子供の成長にも朝ごはんは大切なのです。 夜食・夜更かしを控え、少し早起きする生活を徐々に習慣づけていくと体のリズムも整い、生活習慣病の予防にも役立ちます。気持ちのよい1日の始まりは、おいしい朝ごはんから。朝ごはんをきちんと食べて、健康的な毎日を送りましょう。

 

 

サプリメントって一体何者?(2006年4月)

 

サプリメントって一体何者?

社団法人 茨城県栄養士会

サプリメントアドバイザー

根本 偉代

 
 
 
近年、私達の日常生活の中で『サプリメント』という言葉をよく聞きますが、『サプリメント』って一体何でしょうか?
 
★サプリメントは薬それとも食品?
 
サプリメント(supplement)には補うという意味があります。

私達が口から入れるものの中で法律上
 「医薬品(医薬部外品含む)」
 「食品」のどちらかに位置付けされます。


医薬品
  • 病気の治療や予防を目的としてつくられたものです。
  • 用法用量が細かく決められていて効能効果もはっきり書くことができます。
  • 医師・薬剤師の指示・アドバイスが必要です。
   
サプリメント
  • 薬のように即効性があったり、病気の治療を目的としたものではありません。
  • ビタミン・ミネラル・アミノ酸など毎日の食事で不足しがちな栄養素を補うもので「栄養補助食品」ともいいます。
  • 錠剤やカプセルなど薬に似た形をしていますが、薬ではなく食品なので効果を表示することは出来ません。
   
★どこまでがサプリメント?
 
図1 保健機能食品の分類と名称
<保健機能食品>
医薬品

(医薬部外品を含む)

特定保健用食品

(個別評価型)

栄養機能食品

(規格基準型)

一般食品

(いわゆる健康食品を含む)

  栄養成分含有表示

保険用途の表示

(栄養成分機能表示)

注意喚起表示

栄養成分含有表示

栄養成分機能表示

注意喚起表示

 
厚生労働省医薬局長通知「保健機能食品制度の創設について」2001年3月より
・健康維持、増進に役立つ健康食品のうち一定の条件を満たしているものには、「保健機能食品」と表示できます。
栄養機能食品
  • 栄養機能表示が認められているのは、ビタミンA・βカロテン・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・葉酸のビタミン類です。
  • カルシウム・鉄・銅・亜鉛・マグネシウムのミネラル類です。
   
特定保健用食品(トクホ)
  • 保健食品、栄養補助食品と呼ばれている食品の中で保健の用途、有効性、安全性など医学、栄養学的に明らかにされたものです。
  • 健康への効果の表示が認められたものです。
  • 成分として、オリゴ糖・乳酸菌・食物繊維・ペプチド・たんぱく質・脂質・ミネラルなどです。
  • 表示内容・・・8つに分類
  1. おなかの調子を整える食品
  2. コレステロールが高めな方の食品
  3. 血圧が高めな方の食品
  4. ミネラルの吸収を助ける食品
  5. 骨の健康のための食品
  6. 歯の健康のための食品
  7. 血糖値が気になる方の食品
  8. 血中中性脂肪が上昇しにくい食品

となっています。

   
健康食品

(いわゆる保健食品)

  • 規定する法律、科学的根拠は認められていません。
  • 健康維持、増進の目的に期待されている食品ということです。
  • 栄養素を「補う」として本来はここがサプリメントとしての場所なのですが、一般に「栄養機能食品」をサプリメントとして呼んでいるようです。
   
★飲み方は?
 
サプリメントの説明書には「食生活は、主食・主菜・副菜を基本に食事のバランスを」と書かれています。

まずはご自分のライフスタイルから見直してみましょう。

いかがですか・・・・・・

サプリメントは『魔法』の薬ではありません。
毎日の食事の中からどうしても不足してしまう栄養素を補う『補助食品』であることを知っておいて欲しいのです。
サプリメントを利用したいときは、目的と十分な理解と判断で上手に活用して頂きたいと思います。

 

 

 

偏頭痛、この痛みを何とかしたい!(2006年3月)

 

     
 
3月のテーマ:
偏頭痛、この痛みを何とかしたい!
 徐々に暖かくなり、春めいた気分を感じる 3 月。そんな季節の訪れとは裏腹に、季節の変わり目は体調に異常をきたしやすい時期でもあります。ホルモンバランスの変化や、新しい生活への不安などからくるストレスが、偏頭痛のきっかけとなることも…。今回は、辛い痛みを防ぎ、軽やかな気分で新しい季節を迎えるためのお話です。 
 
     

 

偏頭痛とは?
 
 

経験された方は良く分かる、というより、経験しなくては分からないのが偏頭痛の痛み。自分の脈や血液の流れに呼応するように、頭がズキズキと激しく痛むのが偏頭痛の痛みです。主に頭の片側だけに起こるといわれ、ときにはめまいがしたり嘔吐してしまうほど、ひどい痛みを伴うこともあるようです。 偏頭痛で悩む人には女性が多く、それも 20~50 歳代の年齢層に多いという特徴があります。月に数回頭痛が起こり、一度始まると数時間からひどいときは 3 日間に渡って頭痛が続くことも。また、頭痛が始まると音や光に敏感になり、喧騒やテレビの音などが神経に障ってさらに頭痛が増したり、症状が悪化するなどの悪循環に陥る場合もあります。

 
偏頭痛の原因
 
  偏頭痛は血管性の慢性頭痛で、脳の中に張り巡らされた血管が拡張するときに、周囲の神経が引っ張られて痛みを引き起こします。その血管が拡張する原因はさまざまで、女性ホルモンの急激な変化や、血管収縮物質であるセロトニンの過剰放出によるセロトニンの減少であるなど、いろいろな説が出されています。偏頭痛の原因は、実はまだはっきりとは分かっていないのです。
 
卒中の種類

偏頭痛の起こる誘因

 
過労・ストレス・睡眠不足
 

睡眠不足が続いたり、疲れがたまる過労状態、仕事・人間関係などのさまざまな精神的ストレスは脳に影響を与えます。過労やストレスなどで脳が緊張状態になると、脳内の血管が収縮し、その後反動で血管が拡張するため、偏頭痛が起きやすくなります。

気候の変化
 

低気圧が近づいたり、気温が下がるなどの変化があると、脳内の血管が収縮し、偏頭痛が起きやすくなります。

女性ホルモンのバランス
 

月経や妊娠などで、女性ホルモンの分泌は変化し続けています。このホルモンバランスの変化も、偏頭痛の誘因のひとつと言われています。

   
偏頭痛は遺伝する性質もあり、人によってはアルコールなど特定の食品が偏頭痛の誘因となることもあるようです。
偏頭痛の対策・予防策
 

ひどい痛みを感じたらまずは医師にかかることですが、偏頭痛については先ほどもお話したとおり、はっきりとした原因が分かっていません。そのため、頭痛の原因が特定できなかったり、処方してもらった薬で改善しないケースもみられます。

そこで大切になってくるのが「体質および生活習慣の改善」です。まずは、脳の活動に影響をおよぼす自律神経の働きを整えるため、早寝・早起きといった規則正しい生活を普段から心がけましょう。痛みが始まったときは、音や光を避けるようにし、暗い静かな部屋で安静にします。そして、患部を冷やしたり、こめかみのあたりを少し強めにゆっくりと押さえてみましょう。また、コーヒーやお茶などに含まれるカフェインは血管を収縮させる作用があるので、気分を落ち着けるためにも、暖かいコーヒーやお茶を飲むのもいいでしょう。

ちなみに、偏頭痛にはミネラルの一種であるマグネシウムの不足が関係するとも言われています。 400mg のマグネシウムを毎日摂取すると、 1 ヶ月後には偏頭痛の起こる頻度が減少したという例も報告されています。マグネシウムはサプリメントで摂ることもできますが、食品なら黒豆やひじきなどに多く含まれています。

 

<代表的な食品におけるマグネシウムの含有量( 100g あたり)>

 

干しひじき  540mg

ごま      350mg

黒豆      220mg

納豆      100mg

カルシウム不足も脳血管を緊張させる原因となるので、カルシウムもあわせて摂取を。カルシウムとマグネシウムを「 2 :1」の割合で摂取し、規則正しい生活をこころがけ、偏頭痛になりにくいカラダつくりをめざしましょう。

 

 

ストレスに強くなる食事の工夫!!(2006年3月)

 

ストレスに強くなる食事の工夫!!

社団法人 茨城県栄養士会

根本 鈴子
 
 
 
 

私たちの生活をとりまく環境は、近頃ますます複雑になってきており、人間関係にも影響をおよぼすなど、何かと精神的緊張を増して健康を阻害する大きな要因になっています。日常の食生活に十分気をつけて、ストレスに負けないようにしましょう。
 
★1 ストレスに強くなる食生活の基本は、やはり”バランス”のとれた食生活
 

強いストレスや心配事があったり、イライラしている時など胃酸の分泌が高まり、胃潰瘍や胃からの出血が起こることが少なくありません。この予防のためには普段から栄養素のバランスのとれた食生活を続ける事が大切です。特に胃の弱い人は、バランスのとれた食事を摂るとともに規則正しい生活を送るように心がけましょう。


   
★2 良質のたん白質を毎日欠かさず摂りましょう
 
ストレスが加わると、副腎皮質の機能が高まり、体のたん白質が壊されていきます。その結果、体力が消耗し、ストレスに対しての耐性も弱まります。そのような意味からも、体のたん白質の量が多いほど、ストレスに対応する抵抗力が強いといえます。

たん白質は、毎日の食事で十分に補っていかなければならない大切な栄養素ですが、とくに良質のたん白質を毎日必ず摂取するように心がけましょう。

   
★3 各種のビタミン、とくにCを十分摂りましょう
 

ストレスが加わる副腎髄質ホルモンの分泌が増して、体内での代謝が高まります。それによって各種ビタミン、とくにビタミンCの消耗が激しくなります。ふだんからビタミンCの補給に十分に心がけることが大切です。ビタミンCの働きは様々なビタミンの相互作用でも高まりますから、他のビタミンについてもバランスよく摂取しなければなりません。

ストレス社会を健康的に生きるためには、毎日規則的に食事をとるだけではなく、十分に睡眠と休養をとって生活リズムを調える、適度の運動をするなど、望ましいライフスタイルをつくり上げることが大切です。