|
|
||||
間食の必要性幼児にとって間食は3つの側面から必要である。 第1点は栄養的な面の役割である。幼児期の食事摂取基準は、幼児の体重1kg当たりで見ると成人の2~3倍にもなる。しかし、消化吸収などの機能はまだ未熟で発育途上にある。 このため、多くの食物を一度に処理することができず、大人のように三回の食事だけで必要な栄養量を充足することが困難である。そのため間食を食事の一部分と考え、身体発育の面からエネルギー及び各栄養素のバランスが大切である。また、代謝が活発であり、水分補給の点からも重要視されている。 第2点は精神的な面の効果を考えられる。おやつは幼児にとって食べることの楽しみを体験できるひとときである。通常の3度の食事とは異なる雰囲気や、時には友達や家族を含め食卓の団らんなどのコミュにケーションの仲立ちにもなり、幼児に休息、気分転換の機会を与える。また、おやつはその形態や食べ方の面において、子供の好みを取り入れやすく、心の発達を助ける点からも効果的である。 第3点は、しつけや健全な食習慣を形成するための栄養教育の効果的な場として評価できる。間食を通して食事のマナーや食物の衛生的な取扱い等を無理なく自然な形で教育でき、また、クッキーづくりなど、作ることの喜びや直接素材にふれることのできる体験学習の場として、食べ物に対して子供の関心をさらに高められる。 間食の与え方と問題与える回数は1~2歳児は午前(朝食と昼食の間)と午後(昼食と夕食の間)の2回 3~5歳児は午後(昼食と夕食の間)1回として与えることが一般的だ。個々の幼児の生活リズムに合わせることも大事である。 与える量は間食全体で1日に必要な食事摂取基準の10~15%位が適当である。1~2歳児は100~180kcal、3~5歳児では140~240kcalに相当する。 しかし、最近の幼児の間食の実態は、間食による摂取エネルギーの割合が25%前後にもなることが多く、1日の食事の栄養配分や肥満などの面から問題となっている。 注意点① 間食の種類として望ましいものは、 栄養的な偏りの少ないもの 薄味で甘味、塩味の強くないもの 消化のよいもの(胃内停留時間の短いもの) ある程度の容積を持ち満腹感を与えられるもの 水分補給できるもの 脂肪や糖質の多すぎないもの 食品 牛乳、乳製品を中心とした飲み物、果物、野菜類、穀類、芋類、豆類等の糖質性食品を基本に手作りされたもの これらは市販のおやつに含有量の少ないビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれている。 最近は栄養成分が表示されている菓子も流通されているので添加物の表示内容や製造年月日なども確認して利用することが必要である。 ②間食に市販食品を用いた場合、容器包装のまま多量に与えない。 間食として使用頻度の高いスナック菓子類の中には非常に多くの脂肪や食塩が含まれている。放任すれば1袋食べてしまう。次の食事が十分に摂取できない場合も生じる。 ③間食の時刻を決めることは、食生活リズムを整える上から重要である。 だらだらと遊び食いにならないように、間食所要時間は20~30分以内ですます。 ④幼児期になると簡単な買い物行動も可能となる。このとき、買い物の場において直接食べることがある。これは食生活リズムを乱し、幼児のわがままを助長し、さらには衛生面での問題を生じる。 ⑤間食の内容については幼児の好みを取り入れることは幼児に喜びを与えるが、その際には間食の意義を逸脱しないよう配慮する。 ⑥幼児期は、特に地域の同年齢の子供たちの影響を受けやすい。近隣の幼児の母親同士の情報交換や話し合いにより子供にとって最も望ましい間食について考え、間食の作り方なども紹介しあい、健全な食習慣の形成に努める。間食を軽視しない。 好ましいおやつの例① 材料そのもの風味を味わうおやつの例
② おやつの組み合わせ例(エネルギー量)―水分を同時にとる
|