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サプリメントって一体何者?(2006年4月)

 

サプリメントって一体何者?

社団法人 茨城県栄養士会

サプリメントアドバイザー

根本 偉代

 
 
 
近年、私達の日常生活の中で『サプリメント』という言葉をよく聞きますが、『サプリメント』って一体何でしょうか?
 
★サプリメントは薬それとも食品?
 
サプリメント(supplement)には補うという意味があります。

私達が口から入れるものの中で法律上
 「医薬品(医薬部外品含む)」
 「食品」のどちらかに位置付けされます。


医薬品
  • 病気の治療や予防を目的としてつくられたものです。
  • 用法用量が細かく決められていて効能効果もはっきり書くことができます。
  • 医師・薬剤師の指示・アドバイスが必要です。
   
サプリメント
  • 薬のように即効性があったり、病気の治療を目的としたものではありません。
  • ビタミン・ミネラル・アミノ酸など毎日の食事で不足しがちな栄養素を補うもので「栄養補助食品」ともいいます。
  • 錠剤やカプセルなど薬に似た形をしていますが、薬ではなく食品なので効果を表示することは出来ません。
   
★どこまでがサプリメント?
 
図1 保健機能食品の分類と名称
<保健機能食品>
医薬品

(医薬部外品を含む)

特定保健用食品

(個別評価型)

栄養機能食品

(規格基準型)

一般食品

(いわゆる健康食品を含む)

  栄養成分含有表示

保険用途の表示

(栄養成分機能表示)

注意喚起表示

栄養成分含有表示

栄養成分機能表示

注意喚起表示

 
厚生労働省医薬局長通知「保健機能食品制度の創設について」2001年3月より
・健康維持、増進に役立つ健康食品のうち一定の条件を満たしているものには、「保健機能食品」と表示できます。
栄養機能食品
  • 栄養機能表示が認められているのは、ビタミンA・βカロテン・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12・ナイアシン・葉酸のビタミン類です。
  • カルシウム・鉄・銅・亜鉛・マグネシウムのミネラル類です。
   
特定保健用食品(トクホ)
  • 保健食品、栄養補助食品と呼ばれている食品の中で保健の用途、有効性、安全性など医学、栄養学的に明らかにされたものです。
  • 健康への効果の表示が認められたものです。
  • 成分として、オリゴ糖・乳酸菌・食物繊維・ペプチド・たんぱく質・脂質・ミネラルなどです。
  • 表示内容・・・8つに分類
  1. おなかの調子を整える食品
  2. コレステロールが高めな方の食品
  3. 血圧が高めな方の食品
  4. ミネラルの吸収を助ける食品
  5. 骨の健康のための食品
  6. 歯の健康のための食品
  7. 血糖値が気になる方の食品
  8. 血中中性脂肪が上昇しにくい食品

となっています。

   
健康食品

(いわゆる保健食品)

  • 規定する法律、科学的根拠は認められていません。
  • 健康維持、増進の目的に期待されている食品ということです。
  • 栄養素を「補う」として本来はここがサプリメントとしての場所なのですが、一般に「栄養機能食品」をサプリメントとして呼んでいるようです。
   
★飲み方は?
 
サプリメントの説明書には「食生活は、主食・主菜・副菜を基本に食事のバランスを」と書かれています。

まずはご自分のライフスタイルから見直してみましょう。

いかがですか・・・・・・

サプリメントは『魔法』の薬ではありません。
毎日の食事の中からどうしても不足してしまう栄養素を補う『補助食品』であることを知っておいて欲しいのです。
サプリメントを利用したいときは、目的と十分な理解と判断で上手に活用して頂きたいと思います。

 

 

 

偏頭痛、この痛みを何とかしたい!(2006年3月)

 

     
 
3月のテーマ:
偏頭痛、この痛みを何とかしたい!
 徐々に暖かくなり、春めいた気分を感じる 3 月。そんな季節の訪れとは裏腹に、季節の変わり目は体調に異常をきたしやすい時期でもあります。ホルモンバランスの変化や、新しい生活への不安などからくるストレスが、偏頭痛のきっかけとなることも…。今回は、辛い痛みを防ぎ、軽やかな気分で新しい季節を迎えるためのお話です。 
 
     

 

偏頭痛とは?
 
 

経験された方は良く分かる、というより、経験しなくては分からないのが偏頭痛の痛み。自分の脈や血液の流れに呼応するように、頭がズキズキと激しく痛むのが偏頭痛の痛みです。主に頭の片側だけに起こるといわれ、ときにはめまいがしたり嘔吐してしまうほど、ひどい痛みを伴うこともあるようです。 偏頭痛で悩む人には女性が多く、それも 20~50 歳代の年齢層に多いという特徴があります。月に数回頭痛が起こり、一度始まると数時間からひどいときは 3 日間に渡って頭痛が続くことも。また、頭痛が始まると音や光に敏感になり、喧騒やテレビの音などが神経に障ってさらに頭痛が増したり、症状が悪化するなどの悪循環に陥る場合もあります。

 
偏頭痛の原因
 
  偏頭痛は血管性の慢性頭痛で、脳の中に張り巡らされた血管が拡張するときに、周囲の神経が引っ張られて痛みを引き起こします。その血管が拡張する原因はさまざまで、女性ホルモンの急激な変化や、血管収縮物質であるセロトニンの過剰放出によるセロトニンの減少であるなど、いろいろな説が出されています。偏頭痛の原因は、実はまだはっきりとは分かっていないのです。
 
卒中の種類

偏頭痛の起こる誘因

 
過労・ストレス・睡眠不足
 

睡眠不足が続いたり、疲れがたまる過労状態、仕事・人間関係などのさまざまな精神的ストレスは脳に影響を与えます。過労やストレスなどで脳が緊張状態になると、脳内の血管が収縮し、その後反動で血管が拡張するため、偏頭痛が起きやすくなります。

気候の変化
 

低気圧が近づいたり、気温が下がるなどの変化があると、脳内の血管が収縮し、偏頭痛が起きやすくなります。

女性ホルモンのバランス
 

月経や妊娠などで、女性ホルモンの分泌は変化し続けています。このホルモンバランスの変化も、偏頭痛の誘因のひとつと言われています。

   
偏頭痛は遺伝する性質もあり、人によってはアルコールなど特定の食品が偏頭痛の誘因となることもあるようです。
偏頭痛の対策・予防策
 

ひどい痛みを感じたらまずは医師にかかることですが、偏頭痛については先ほどもお話したとおり、はっきりとした原因が分かっていません。そのため、頭痛の原因が特定できなかったり、処方してもらった薬で改善しないケースもみられます。

そこで大切になってくるのが「体質および生活習慣の改善」です。まずは、脳の活動に影響をおよぼす自律神経の働きを整えるため、早寝・早起きといった規則正しい生活を普段から心がけましょう。痛みが始まったときは、音や光を避けるようにし、暗い静かな部屋で安静にします。そして、患部を冷やしたり、こめかみのあたりを少し強めにゆっくりと押さえてみましょう。また、コーヒーやお茶などに含まれるカフェインは血管を収縮させる作用があるので、気分を落ち着けるためにも、暖かいコーヒーやお茶を飲むのもいいでしょう。

ちなみに、偏頭痛にはミネラルの一種であるマグネシウムの不足が関係するとも言われています。 400mg のマグネシウムを毎日摂取すると、 1 ヶ月後には偏頭痛の起こる頻度が減少したという例も報告されています。マグネシウムはサプリメントで摂ることもできますが、食品なら黒豆やひじきなどに多く含まれています。

 

<代表的な食品におけるマグネシウムの含有量( 100g あたり)>

 

干しひじき  540mg

ごま      350mg

黒豆      220mg

納豆      100mg

カルシウム不足も脳血管を緊張させる原因となるので、カルシウムもあわせて摂取を。カルシウムとマグネシウムを「 2 :1」の割合で摂取し、規則正しい生活をこころがけ、偏頭痛になりにくいカラダつくりをめざしましょう。

 

 

ストレスに強くなる食事の工夫!!(2006年3月)

 

ストレスに強くなる食事の工夫!!

社団法人 茨城県栄養士会

根本 鈴子
 
 
 
 

私たちの生活をとりまく環境は、近頃ますます複雑になってきており、人間関係にも影響をおよぼすなど、何かと精神的緊張を増して健康を阻害する大きな要因になっています。日常の食生活に十分気をつけて、ストレスに負けないようにしましょう。
 
★1 ストレスに強くなる食生活の基本は、やはり”バランス”のとれた食生活
 

強いストレスや心配事があったり、イライラしている時など胃酸の分泌が高まり、胃潰瘍や胃からの出血が起こることが少なくありません。この予防のためには普段から栄養素のバランスのとれた食生活を続ける事が大切です。特に胃の弱い人は、バランスのとれた食事を摂るとともに規則正しい生活を送るように心がけましょう。


   
★2 良質のたん白質を毎日欠かさず摂りましょう
 
ストレスが加わると、副腎皮質の機能が高まり、体のたん白質が壊されていきます。その結果、体力が消耗し、ストレスに対しての耐性も弱まります。そのような意味からも、体のたん白質の量が多いほど、ストレスに対応する抵抗力が強いといえます。

たん白質は、毎日の食事で十分に補っていかなければならない大切な栄養素ですが、とくに良質のたん白質を毎日必ず摂取するように心がけましょう。

   
★3 各種のビタミン、とくにCを十分摂りましょう
 

ストレスが加わる副腎髄質ホルモンの分泌が増して、体内での代謝が高まります。それによって各種ビタミン、とくにビタミンCの消耗が激しくなります。ふだんからビタミンCの補給に十分に心がけることが大切です。ビタミンCの働きは様々なビタミンの相互作用でも高まりますから、他のビタミンについてもバランスよく摂取しなければなりません。

ストレス社会を健康的に生きるためには、毎日規則的に食事をとるだけではなく、十分に睡眠と休養をとって生活リズムを調える、適度の運動をするなど、望ましいライフスタイルをつくり上げることが大切です。

 

 
 

 

 

最後の寒気、 冬場は脳卒中の危険度大!(2006年2月)

 

     
 
2月のテーマ:
最後の寒気、

冬場は脳卒中の危険度大!

 暦の上では春、徐々に暖かい日も増えてきました。しかし年間で一番気温が低いとも言われる季節です。晴れた日中などは春の陽気ですが、それでも夜間は冷え込むことも多いのがこの時期。そこで注意したいのが、暖かい室内から急に寒い室外へ出たときや、お風呂場・お手洗いなど暖房のきいてない場所へ移動したときなどに起こりやすい脳卒中。寒い時期の脳卒中発症率は、暖かい時期の1.5倍になると言われています。今回は、その脳卒中についてご紹介します。日常生活から気を配り、危険を減らしましょう。
 
     

 

脳卒中ってどんな病気?
 
 

脳卒中とは、脳の血管がつまったり破れるなどしたために、その先に酸素が届かなくなり脳細胞が死んでしまう病気のこと。脳が急に(卒然と)悪い風に当たる(中る)ために起こる病気と解釈され、このような名前がつけられたと言われています。

大きな発作が起こると、半身麻痺になったり急に倒れて意識がなくなったりします。一方、脳の血管が一時的につまるために起こる「前触れ」の発作が出ていることもあります。この前触れには、一時的に半身が麻痺したり言葉が出てこなくなったりするほか、手足のしびれ、物が二重に見えるなどの現象があり、前触れに気づいて早めに治療をすることが大切です。脳はきわめてデリケートな器官のため、血管の病変によってうけた障害は、迅速に処置しないと大きなダメージが残ってしまうので、脳卒中の治療は時間との戦いと言われています。

 
脳卒中の種類
 
脳梗塞
 

脳を養う血管がつまるタイプで、次の3種類に分けられる。脳卒中死亡の60%以上を占めています。

「アテローム血栓性梗塞」

脳の太い血管の内側に、ドロドロしたコレステロールのかたまりができ、そこに血小板が集まって動脈をふさいでしまう。

「ラクナ梗塞」

脳の細い血管に動脈硬化が起こり、血管がつまってしまう。

「心原性脳塞栓症」

心臓にできた血栓が流れてきて、血管をふさいでしまう。

脳出血
 

脳の中の細い血管が破れて出血し、神経細胞が死んでしまうタイプ。高血圧や、加齢によって脳血管が弱くなることで、血管が破れてしまうことが主な原因となる。日中活動しているときに頭痛やめまい、半身の麻痺、意識障害などが起こる症状で、脳卒中死亡の約25%を占めます。

くも膜下出血
 

脳を覆っている軟膜、くも膜、硬膜という3つの層の膜のうち、くも膜と軟膜の間にある動脈瘤が破れて、あふれた血液が脳全体を圧迫することで起こる。動静脈奇形が出血の原因となる場合もあり、突然激しい頭痛が起きたり、嘔吐、ケイレンなどが起こる。意識不明になり急死することもある。脳卒中死亡の10%強を占める。

常生活の注意点
 
 脳卒中を防ぐには、高血圧予防が第一。そのため、高血圧の原因となる生活習慣を見直し、改めることが大切です。
日頃から自分の血圧を把握し、基礎疾患の管理をしておく
 

健康診断や測定器具などを利用して、自分の血圧がどのくらいなのか把握しておきましょう。血圧が高めな人は、食事のバランスなどにも気をつけて。特に塩分のとり過ぎは血圧を上げる原因になるので、血圧の高い人は一日7gを目安に。

急激な温度変化を避ける
 

暖かい場所から、急に寒い場所へ移動すると血圧が急激に上がるため危険です。特に冬場のお風呂や夜間のお手洗いなどは要注意。お風呂は熱いシャワーを出しておくなどして浴室内を温めておくとよいでしょう。

過労・睡眠不足に注意する
 

過労や睡眠不足は血圧を高めます。夜更かししないよう、気をつけて生活リズムを整えましょう。また、ストレスも身体の大敵。睡眠と併せてリラックス法などを見つけ、上手にストレスを解消しましょう。

喫煙・飲酒はほどほどに
 

毎日お酒を飲む人(日本酒なら1合以上の量)は、脳卒中で死亡する人が多くなるという統計が出ています。また、1日平均40本以上のたばこを吸う人は、吸わない人に比べて死亡率が約4倍にもなります。

肥満に注意する
 

肥満は脳卒中の危険因子である高血圧や糖尿病の原因になるため、間接的に脳卒中の危険因子となります。肥満を防ぐためにも、日ごろから運動する習慣を。また、運動不足は肥満につながるだけでなく糖尿病や高脂血症、高血圧も引き起こすので要注意!

便秘にも注意する
 

あまり意識しないことですが、排便時にりきむと、血圧が上昇します。なんとクモ膜下出血の20%は用便中に起きているという報告もあるのです。便秘がちな人は特に、便通にいいとされる食物繊維を多く含む食品や水分を多く摂るなど、食生活にも気をつけましょう。

 

 脳卒中は、発症してからの迅速な対応が大切ですが、それよりもまずは脳卒中にかかる危険を減らす身体と生活習慣づくりが最優先の課題。血圧管理をはじめ、食事に気をつけて塩分やコレステロールの摂取を減らすよう気をつけて生活しましょう。

 

 

「一年の計は元旦にあり」(2006年2月)

 

一年の計は元旦にあり」

茨城県栄養士会

大津 音江

 
 
 
 「一年の計は元旦にあり」といいますが、皆さんの年明けはいかがだったでしょうか?

健康も、実は年初めの食生活が大きく影響するのです。

寒さと日照時間の短さによる運動不足、忘年会やクリスマスなどでの年末に酷使した胃袋にさらに拍車をかけるようなおせち料理や新年会などの宴会料理が続きます。必要以上に蓄積された体脂肪、そのまま引きずってはいませんか?1kg増えた体重を元に戻すには7000Kcalの消費が必要ですが、1日30分【分速60m】歩行しても消費カロリーは100 Kcal程度、2ヶ月以上もかかります。その上2月はますます寒さが厳しい季節、外に出るのも億劫になる時期です。気づいた頃には体調不良で病院通い、生活習慣病の発症なんてことにもなりかねません。生活習慣病は、過食・偏食、運動不足、喫煙、多飲、ストレス、肥満などが起因する慢性疾患ですが、自覚症状のないうちに予防するのが一番です。さあ今日からでも遅くはありません。今年1年無病息災(一次予防、二次予防、三次予防)健康成就を願って食生活(日常生活)を見直してみましょう!!

 
自覚症状で健康チェック

(A)
1
のどが渇く【口渇】□
2
ジュースや水がやたらにほしくなる【多飲】□
3
夜間おしっこに何回も起きる【多尿】□
4
ジュースやコーラは水代わりに飲む、

1日ペットボトル1リットル~2リットルは飲んでしまう□

5
果物やまんじゅうがすき、毎日2~3個は食べる□
(B)
6
漬物や梅干、味の濃いお惣菜が好きで毎食のように食べている□
7
刺身にはたっぷりの醤油をかけて食べる、

塩焼魚にも醤油をかけて食べるのがすき□

8
ラーメンやうどんなど麺類が好き、つゆも残さず飲みきるほうだ□ 
(C)
9
てんぷらやフライなど揚げ物はよく食べる、

トンカツの脂身のところが特にすき□

10
ケーキやシュークリームなど洋菓子が大好き、

ソフトクリームもよく食べる□

11
あん肝や霜降り肉がすき、鍋物は水炊きよりすき焼きが好き□
12
和食より洋食、中華料理が好き、お浸しや酢の物は嫌い□
13
お酒はよく飲む、ほとんど毎日飲まないと寝付けない□
14
最近 体重が増えてきた、運動不足を自覚している□
15
お腹のまわりが眼に見えて太ってきたのがわかる□
(D)
16
スポーツの後に飲むビールと、焼肉は最高!毎日でもいける□
17
最近 胃の調子が悪い、食欲がない、背が張る、肩が凝る□
18
最近 寝起きの顔がむくんでいるような気がする、頭がすっきりしない□
19
野菜やきのこ類は苦手だ、ほとんど口にしない□
20
朝食抜き、昼は麺類か菓子パン、

夜はカップラーメンか外で飲むことが多い□

 
1~20の項目であなたはいくつ該当しますか?
(A)
2型糖尿病によくみられる症状です
(B)

高血圧のリスクファクター【要因】

(C)
高脂血症、脂肪肝(内臓肥満)、アルコール性肝炎などが疑われます
(D)
痛風や腎機能の低下、胆のう炎(胆石)、胃腸はだいじょうぶ?
 

※生活習慣病は、日常生活の多様な悪循環が複合して起きる病気です

該当する項目がある方は、早めに病院で検査してみましょう

病気は早期発見・早期治療で、あなたの健康寿命を延ばします 

食事も良質のたんぱく質や食物繊維の豊富な野菜をたっぷりとりましょう

 

《お知らせ》

 

◎栄養診断は、茨城県栄養士会で行っています

◎食事摂取基準や治療食について詳しくお知りになりたい方は、

専門の管理栄養士がお答えします

   
   

 

 
 

 

 

ウォームビズで 低温やけどを予防しよう!(2006年1月)

 

     
 
1月のテーマ:
ウォームビズで

低温やけどを予防しよう!

 新年明けましておめでとうございます。今年も一年、家族揃って健康で元気な生活を送れるよう、日ごろから体に気をつけていきましょう。さて、今回は寒い季節に大活躍のカイロやコタツについてのお話を。この時期手放せないあったかアイテムも、使い方を誤ると重症な低温やけどの原因となることもあるのでご注意を!
 
     

 

低温やけどとは?
 
 

人間が快適で暖かいと感じる温度を放出する熱源でも、それが同じ部位に長時間接触することによっておこるやけどのこと。 60 ℃前後で約 1 分、 50 ℃前後で約 3 分、 45 ℃前後でも約 6 時間同じ部位に接触していると起きるといわれています。熱湯などによる高温やけどの場合は、「熱い」と感じてすぐに熱源から離れることができ、対処もできますが、低温やけどの場合は低い温度でゆっくりとやけどが進行するため、自覚することが遅れ、症状も重くなってしまいます。熱源に長時間触れていなければ何の問題もありませんが、「熱い」と感じる温度ではないため、普段何気なく使っている温熱器具が低温やけどの原因となることも。温熱器具を日常的に使用する冬場こそ、日ごろの注意が必要なのです。

 
低温やけどの原因と症状
 
■ 低温やけどの原因となる温熱器具のベスト 5

1.使い捨てカイロ

2.湯たんぽ

3.あんか

4.電気コタツ

5.ホットカーペット

使い捨てカイロやホットカーペット、湯たんぽなど直接体に触れる物の他、あんかや電気コタツなど体に直接触れない器具でも低温やけどの原因になるのです。

また、低温やけどは、表面上それほどひどくないように見えても症状が重いケースが多い、恐いやけどです。通常やけどの程度は症状によって3段階に分けられ、表皮のみのごく軽いやけどを指す「1度熱傷」、表皮の下にある真皮まで達してしまい水疱ができてかなりの痛みを伴う「2度熱傷」、そして。真皮の下の皮下脂肪までに及ぶ相当重い「3度熱傷」となります。

なんと、低温やけどは内部では2度熱傷や3度熱傷にまで達してしまう場合が非常に多いのです。ちなみに3度熱傷まで達すると再生可能な細胞組織がすべて壊死してしまい、痛みは感じず皮膚も再生してきません。そのため、やけどの面積が広いと皮膚移植が必要になります。また、皮膚組織が壊死してしまった場合、感染症にかかりやすくなるので注意が必要なのです。

低温やけどの治療と予防
 
 温熱器具を使っているときに、皮膚が赤くなっていたら低温やけどを起こしている可能性があります。低温やけどになってしまった場合は、水で冷やしても効果はありません。そのため、たとえ患部が狭くても速やかに病院へ行き診察を受けましょう。先に書いたとおり、感染症の予防のためにも必ず医師の処置が必要なのです。また、低温やけどが広い範囲に及ぶようなら、皮膚移植が必要になってしまうこともあるので、自分で判断せず、必ず病院へ行くこと!
低温やけどを防ぐには
 

・使い捨てカイロは肌に直接貼らない。

・湯たんぽはタオルなど布にきちんとくるんで使う。

・暖房器具の温度は低めに設定する。

・コタツや、ホットカーペットの上で眠らない。起きているときもクッション等を使って、熱源が肌に直接触れないように気をつける。

   
 

以上、日ごろから注意できることばかりです。疲れているときやお酒を飲んだ後などは、熱さに気付かない場合が多いので特に注意しましょう。また、乳幼児やお年寄り、思うように動けない病人へは周りの家族が注意して配慮してあげる必要があります。

ちなみに、かかとやくるぶし、すねなどは皮膚のすぐ下に骨があるため、毛細血管が圧迫され、やけどをしやすい部位といわれています。

 

 最近では、ノートパソコンで低温やけどをしたという事例も出ています。熱を持ちやすいノートパソコンは、キーボードの上も熱くなりやすく、長時間手を置いて作業していたために手のひらが低温やけどになってしまったそうです。また、靴(靴下)用カイロの使用にも注意が必要。これは酸素の少ない靴の中での使用を目的として製造されているので、腰やお腹などに使用した場合酸化反応が過剰に起こり、高温になることがあります。これは靴を脱いだあとに貼り続けていても同じ状態になります。これらの事例も踏まえ、使用法にはくれぐれも注意しましょう。

近頃叫ばれている「ウォームビズ」。低温やけど防止のためにも、温熱器具の使用を控え、重ね着やブランケットなどを活用して体に優しい温かさを得る工夫をしましょう。

 

 

「食品の安全性」を守る(2006年1月)

 

「食品の安全性」を守る

社団法人茨城県栄養士会

管理栄養士 荒田玲子

 
 
 
 ちょうど 20 世紀から 21 世紀に変わる頃、大手乳業メーカーの食中毒事件、香料メーカーの違法行為や輸入牛肉など食品の偽装事件、鯉ヘルペスや鳥インフルエンザの問題等が起こり、食への不安が高まりました。食品の安全性と安心は、どのようにして守っていけばよいのでしょうか?情報が大量に入ってくる一方、知りたい情報を得ることができず、不安だけがつのる今日この頃です。 2003 年 12 月より輸入禁止となっていた米国産牛肉が、 2005 年 12 月より輸入再開されました。賛否両論の中、米国の圧力が見え隠れする中での輸入再開でしたが、皆さんはどのように考えますか?
Q.
 安全が確保されたとして、輸入が再開された米国産の牛肉は安全なのでしょうか?
 
A.

 内閣府食品安全委員会によりますと、 (1)生後 20 ヶ月以下の牛 (2)特定危険部位の除去この 2 つを厳格に守る事ができれば、国産牛と同じレベルの安全性が確保できるという見解が出されています。問題点としては、米国の「月齢の判定」と「特定危険部位除去」の 2 点が正しく行われるかにかかっているようです。また、 30 ヶ月以下へ漸次引き上げようという動きもあるようですから、今後も注意深く監視する必要があります。

  

Q.
BSEは、なぜ発生したの?

  

A.

  スクレイピー(BSEと同じ症状を起こす羊の病気)で大量死した羊の屍骸を肉骨粉として牛の安い飼料としたことが、
羊  ( スクレイピー )  → 牛(BSE) → 人  ( 変異型クロイツフェルト・ヤコブ病 )

の連鎖に繋がったといわれています。

また、 1973 年の第一次オイルショックの石油高騰により、レンダリング ( 肉骨粉製造時の煮沸処理 ) の温度を 100 ℃以上から 80 ℃に下げたことも、発生を拡大した一因ではないかといわれています。

1984 年イギリスのミッドファーストという小さな村で、初めて確認された牛のBSE。イギリス政府がきちんとした対策を講じなかったがために、 2001 年時点で 106 名の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発症をみる結果となってしまいました。コスト削減と効率性ばかりを追及した結果、BSEが発生してしまったと言えるでしょう。

  

Q.
米国牛輸入禁止後も輸入販売されているオーストラリア産牛は安全なの?

 

 

A.

オーストラリア産牛肉の安全性は非常に高いといわれています。以下の予防を早手回しにやっている事からです。

(1)1952 年から生きた羊とやぎの輸入を禁止

(2)1966 年から肉骨粉の輸入を禁止

(3)1999 年から国内の肉骨粉使用も禁止

 

<  参考  >

日本の肉骨粉の使用禁止は、 2001 年 10 月(国内1頭目BSE感染牛発生直後)からです。

また、米国では現在も鶏や豚に安価で効率よい飼料として牛の肉骨粉が使用されており、食品安全委員会も肉骨粉の全面使用禁止を米国に求めています。

 

食品の安全性を守るには、「消費者の高い見識」が不可欠です。

   
 

  食品の安全性を守るには、安全な食品を作る生産者を守り育てる気持ちが不可欠です。スローフード運動や、地産地消運動の思想とも符合します。

安くて良いものも確かにあります。しかし一方、安価ではあるが、安全性に欠ける食品もたくさんあります。安さばかりを求める消費者が多ければ、安全性を第一に考える生産者は育ちません。

無農薬・減農薬野菜、無添加食品は、コストがかかるものが多いのです。安全性を高めるには、長期間にわたる、消費者の投資が必要です。

食品の履歴を確認できるトレイサビリティーの仕組みも日本で導入され始めています。知りたい情報が少しずつ入手可能になってきています。(仕組みの運営にかなりのコストがかかります。国や生産者、消費者もその費用を分担することになりそうですが、安全、安心のために必要な投資ですね。)

今回の牛肉問題も、長い目で安全を監視し、問題意識を持ち続けたいものです。
食品安全委員会 は、食の安全の問題を精力的に審議しています。月 4 回程度行なわれる委員会は公開で行なわれ、誰でも傍聴できます。委員会の活動や、食の最新情報、安全情報、委員会の開催日や議題は以下のホームページから見ることができます。正しい情報を得、「本物の食」を選び取るため、「食に関する高い見識」を持ちましょう。

食の安全確保は、未来の子どもたちへの贈り物です。目先の利益に惑わされず、守っていきたいものです。

   
 

食品安全委員会ホームページ

  

 

 

身近なアレルゲン 「ハウスダスト」を大掃除!(2005年12月)

 

     
 
12月のテーマ:
身近なアレルゲン

「ハウスダスト」を大掃除!

 いよいよ師走。一年の締めくくりとして、そして新年を迎える準備として、大掃除の季節になりました。普段なかなか掃除をしない場所まで徹底的にキレイにするそのついでに、今年は「ハウスダスト」もお掃除しましょう。ということで、今回は近年騒がれているハウスダストの正体と対策についてご紹介します。
 
     

 

ハウスダストとは?
 
 ハウスダストとは、ご存知の方も多いと思いますが、空気中の目には見えないほど小さなホコリのことです。その正体は、チリやホコリの他、ダニの死骸やフン、花粉や胞子、タバコの煙粒子など様々。これら空気中に浮遊する微粒子を総じてハウスダストと呼びます。
このハウスダストが鼻炎や皮膚炎などのアレルギー症状や、花粉症、ぜんそくなどの症状を引き起こす原因になるとも言われ、専用の対策製品も多く目にします。また、最近では高気密の構造で建てられた住宅が増え、その気密性が却ってハウスダストの問題を深刻なものにしているとも言われます。
 
ハウスダストを防ぐには?
 
 基本はやはりこまめなお掃除。床にはあまり物を置かないように、整理整頓して普段から掃除のしやすい部屋にしましょう。細かいホコリはダニのエサになるため、普段のお掃除がダニの発生防止にもつながります。一番のポイントは、家具や床などにホコリが溜まらないように注意すること。これは毎日のお掃除が大切ですが、掃除の際もホコリをたてないように、掃除機で吸い取るか雑巾でふき取るようにしましょう。ただし、掃除機もハウスダスト対策のしてあるものを。吸い込んだホコリが排気と一緒に出てしまうタイプのものでは、ホコリをまた撒き散らしてしまうことになるので、一度ご家庭の掃除機をチェックしてみましょう。

また、お部屋の換気も重要なポイント。カビの発生を防ぐことにもなるので、換気はこまめに行いましょう。その際、空気のこもりがちな押入れやタンスも開け放しておきます。さらに扇風機などで強制的に空気を循環させると効果的。空気清浄機を利用するのもおススメです。

普段からできる対策
 
 それでは、家庭で行える乾燥肌対策をご紹介します。乾燥を防ぐ=保湿。今日から実践して、潤いのあるお肌を手に入れましょう。
ファブリックの場合
  ・ホコリの溜まりやすいじゅうたんや、毛足の長いカーペットなどはなるべく避けること。使う場合は、ホコリが気にならなくてもこまめに掃除機で吸い取る習慣をつけましょう。ぬいぐるみなどもダニがつきやすいので、同様に。

・肌に直接触れる寝具も、干しただけでは取れないホコリやダニの巣。カバーをこまめに洗濯するのはもちろん、布団なども掃除機で吸い取るようにします。そして布団を干すときは、よく晴れた日の10時~午後2時の間に干すのがベスト。干している時に叩くのではなく、取り込んだときに掃除機をかけるほうが効果的です。

・意外と忘れがちなカーテンもお掃除を。叩いてホコリを落とすのではなく掃除機で表面のホコリを吸い取り、定期的に洗濯するかクリーニングに出しましょう。

   
キッチンや浴室の場合
  ・ダニやカビは湿度を好むため、流しを使った後や入浴後は水滴をふき取り、換気扇を回しましょう。加えて、家や部屋が換気の悪い造りの場合、換気扇はなるべく回しっぱなしにしておきます。
大掃除の時のポイント
  ・マスクを着ける

ホコリを吸い込まないよう、マスクなどを着けて掃除にとりかかりましょう。
・エアコンのフィルターを掃除する

やらなくては、と思いつつなかなか手が出ないエアコンの掃除。フィルターにたまったホコリをとり、キレイに掃除しましょう。ハウスダストの軽減だけでなく、電気代の節約にもなるので、月に一度は掃除するよう心がけましょう。
・押入れを掃除する

目だったカビなどがなくても、押入れの中のものを出してふき掃除と換気を。掃除する間、しまってあった本などは日干しをしておくとカビ防止になります。また、サイズも豊富で手軽なダンボール製の収納を活用している家庭も多いと思いますが、紙の素材は吸湿性が高いのでカビの発生を助長する可能性が。他の素材に変えるか、収納箱自体もときどき日干しするなどの工夫をしましょう。

   
   たかがホコリ、されどホコリ。なんとなくホコリっぽいなと感じると、キレイな空気が吸いたくなるのは当然の身体の反応です。放っておくと咳がでたり、鼻がぐずついたり、様々なアレルギー反応を引き起こす原因ともなりかねません。普段からのお掃除、換気などに加え普段手の届かない場所も掃除して、家中のホコリと汚れた空気を徹底除去!すがすがしい空気の中で新年を迎えましょう。

 

 

「高齢者の栄養と低栄養予防について」(2005年12月)

 

「高齢者の栄養と低栄養予防について」
社団法人 茨城県栄養士会

矢代あや子

 
 
 
 幼児から高齢者まで、「食べる」ことは大きな楽しみの一つです。

1日中テレビの前でお菓子をつまんだり、お茶を飲んだりしていると三度の食事がきちんと食べられなくなってきます。

食欲の低下により食事摂取量が減り栄養が不足しやすくなります。体重が徐々に減ってきたら要注意!低栄養状態(主にエネルギーやたんぱく質が不足した状態)になると、病気が治りにくい、認知症が進行する等の症状がでてきます。

予防のためにはまず、主食(ご飯やパン、麺類)や主菜(肉・魚・卵・大豆製品)をしっかりと食べるようにしましょう。
高齢者の体の特徴を考慮した、食べやすく飲み込みやすい食事の工夫をし、充分な栄養が補給できるように努めてまいりましょう。

1.
のどの通りを滑らかにする、のどごしの良い形にしましょう。
 
 唾液の分泌量が減り、嚥下(飲み込む力)が弱まります。食べ物がのどに詰まったり、気管に入ってしまわないように、汁気を多めに作ります。食材によってはつぶしたり、すり下ろす、裏ごしする、刻んで煮込んでからとろみをつけると食べやすくなります。
 
2.
入れ歯でも噛みやすい形にしましょう。
 
 あごの力が弱くなったり、入れ歯だったりして、噛む力がなくなってきます。噛みにくい肉や、繊維の多い野菜は小さく切りましょう。一口大の食べやすい大きさに切ったり、隠し包丁を入れ柔らかく調理すると噛まなくても歯ぐきや舌しつぶせるようになります。
 
3.
消化しやすい柔らかい形にしましょう。
 
 噛む力とともに、消化力も落ちてまいります。野菜や肉は柔らかく火をとおしましょう。圧力鍋を使用すると、短時間で肉や野菜が柔らかくなります。食材に応じて加熱時間や加圧時間を調整して調理しましょう。
 
4.
箸やスプーンでもつかみやすい形にしましょう。
 
 細かく刻んだ野菜や肉、表面がつるつるしている里芋などは箸ではつかみにくいものです。

あんをかけたり、スプーンの裏で押しつぶしたりするだけでも食べやすくなります。めん類等はスプーンにのる長さに切ってから調理すると食べやすくなります。

 

 

 

空気の乾燥する季節。 乾燥肌対策を万全に!(2005年11月)

 

     
 
11月のテーマ:
空気の乾燥する季節。

乾燥肌対策を万全に!

 今年も残すところあと2ヶ月、そろそろ冬めいて空気が冷たくなるとともに乾燥してまいります。寒い季節になると、腕や足、背中がカサカサ乾燥してかゆくなってしまう人も多いのではないでしょうか?そこで、今回は乾燥肌を防ぐ対策法をご紹介します。乾燥は美容の大敵でもあるので、女性のみなさんもしっかり乾燥対策&保湿をして潤いのあるお肌を手に入れてください。
 
     

 

乾燥肌とかゆみのメカニズム
 
 乾燥肌には生まれつきの肌質も関係していますが、日ごろの生活や肌のお手入れによって乾燥しやすくなってしまうケースも多く見られます。人間の肌は何層にも分かれていて、一番上の層、外気と接する層が「角質層」です。角質層には外界の刺激物質や細菌から皮膚を守る役目と、肌の潤いを保つという役目がありますが、その厚さはわずか2,000分の1mmしかありません。その薄さの中に、15~40%の水分を含んでいます。角質層の水分が少ない状態が乾燥肌ということになります。

かゆみを感じる神経線維は、肌の奥にある真皮から表皮に向かって伸びています。皮膚が乾燥してくると、皮膚の基底層の細胞から神経を伸ばす作用のある神経成長因子(NGF)という物質が放出され、角質層のすぐ真下までかゆみ線維を成長させてしまいます。つまり、皮膚の一番表面に近いところまでかゆみを感じる神経線維が伸びてくるため敏感に反応しやすくなってしまうのです。また、身体を洗うときにナイロンタオルでこすったり、かみそりでむだ毛を処理したりすることで角質層が必要以上にはがれてしまうと、角質層を保護するセラミド(角質細胞間脂質)や天然保湿因子(NMF)が失われ、敏感肌の原因にもなります。さらに冬は皮脂の分泌量が減るため、皮膚を保護する油分が不足してますます乾燥しやすくなってしまいます

乾燥肌対策いろいろ
 
 それでは、家庭で行える乾燥肌対策をご紹介します。乾燥を防ぐ=保湿。今日から実践して、潤いのあるお肌を手に入れましょう。
お風呂編
 

・摩擦の多いナイロンタオルは使わない。

身体を洗うときは石鹸をよく泡立て、手で洗うようにしてみましょう。もしくは、敏感肌用のボディタオルなどを利用し、石鹸など洗浄料をつけないで軽くこすり洗いするのもおススメです。お湯につかって体温が上がると毛穴が開き、皮脂や汗と一緒に老廃物などが浮き上がってくるため、洗浄料なしでも汚れは落ちます。

・入浴剤を利用する。

市販されている入浴剤のほとんどは乾燥肌に効果がありますが、保湿効果と水分揮発防止効果(素肌に膜をはり、集めた水分を逃さない作用)の2つの効果を併せ持った入浴剤がベストです。

・湯船の湯気を有効活用する。

まず、熱すぎない湯船に浅めにつかり、頭からタオルをかぶります。次に顔をお湯に近づけて1分間くらい湯気を顔にあてます。身体を起こして少し休憩し、再びタオルをかぶってまた1分。これを5回ほど繰り返すと、スチーム効果でお肌がしっとりすべすべになります。

・かみそりでのむだ毛処理は、入浴中にしない。

入浴中にかみそりを使うと、角質層が必要以上にはがれてしまいます。むだ毛をかみそりで処理する場合は、お風呂上りの清潔な状態で、かみそりとの摩擦を防ぐために保湿剤を塗った状態で行うようにしましょう。

・熱いシャワーは避ける。

必要以上に熱いシャワーは、直接肌を傷める原因となり、乾燥を悪化させます。冬場は冷えますが、ぬるめのお湯にゆっくりつかる入浴が一番。洗顔のときも、シャワーを直接顔にかけるのは刺激が強すぎるのでやめましょう。

・お風呂あがりにはたっぷり保湿する。

お風呂上りの身体は、内側からも乾いています。たっぷり水分をとり、体内から真皮へ、そして表皮へと潤いをあたえましょう。また、入浴で失われたお肌の水分や皮脂分は、乳液やクリーム、ボディローションでしっかり補うこと。ひじやかかとなどがガサガサしている場合は、ホホバオイルなどを塗るといいでしょう。

生活編
 

・部屋の湿度に気を配る

エアコンの使用は、部屋の湿度を低下させて肌の乾燥を招きます。エアコンの使用は最低限にし、加湿器を使用するなどして部屋の湿度を保ちましょう。加湿器がない場合は、濡れたタオルを室内にかけておくだけでも加湿効果が得られます。

・身体を動かして、血行をよくする

肌をつくる栄養素を運んでいるのは、身体中を巡る血液です。血行が悪くなると栄養が行き届かなくなるため、皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)が遅れ、肌の乾燥につながります。肌へとつながる血管の末端部分には、心臓のポンプの圧力が届かないため、身体の筋肉を動かすことでしか血液を行き届かせることができないのです。毎日少しでも身体を動かし、血行をよくすることを心がけましょう。

・規則正しい生活と食事を心がける

健康な肌を作るには、規則正しい生活と十分な睡眠時間が欠かせません。また、肌を作る栄養素は、食べ物から摂取するので、バランスよい食事をとることも忘れずに。規則正しい生活と食事が、肌の細胞分裂を活発にし、健康で瑞々しい肌を保ってくれます。

 

・化粧品にも気を配る

毎日のお化粧も、肌の乾燥を招きます。特にパウダリーファンデーションや粉おしろいは肌の潤いを取ってしまうので注意が必要。お化粧前には「つけすぎかな」と思うくらいたっぷりの美容液(セラミドなどの保湿成分を含んだものがベター)や乳液をつけ、少し時間をおいてからメイクします。保湿効果のある化粧下地を使うのもよいでしょう。

・日焼け止めの使用にも注意する

日焼け止め用の化粧品などに含まれている紫外線散乱剤は、紫外線対策には欠かせない成分ですが、同時に肌の乾燥を招いてしまいます。冬場はあまり使用する機会はないかもしれませんが、使うときは量や時間に気をつけ、乾燥しやすい目元・口元への使用は最低限にしましょう。

   私たちの肌に含まれる水分量は、赤ちゃんのときがピークで、20歳を過ぎた頃から急激に減少します。さらに40代にさしかかる頃には、肌表面の油分も失われてくるため肌の乾燥はより加速してしまします。化粧品のCMなどで、よく「アンチエイジング」という言葉を耳にします。しかしどんなに気をつけても肌の老化は進み、乾燥しやすくなっていきます。ハンドクリームやボディクリーム、そして保湿化粧品などを積極的に使うとともに、普段の生活でも乾燥対策を万全にして乾燥する季節をのり越えましょう。