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健康のバロメーター「うんち」を知ろう!(2007年5月)

 

     
 
5月のテーマ:
健康のバロメーター「うんち」を知ろう!
 ぽかぽかと春らしい陽気…というより、真夏のように蒸し暑かったり急に冷え込んだりと不安定なお天気が続いていますね。日中の暖かさに、つい薄着で出かけたら夕方冷え込んで風邪をひいてしまった、なんて方もいるのではないでしょうか。気候が不安定だと、体調も崩れがちです。今回は、体内の健康状態を知る一番身近な方法「便」について考えてみましょう。
 
     

 

まずは「うんち」をチェック!
 

 理想的な便の例えとして、よく「バナナのようなうんち」が良いとされます。これは便の色、固さ、量、そして形(状態)を表しています。以下のチェック項目をよく覚えて、今日の排便後に自分の便を観察してみてください。

●便の色
ben 便の色は腸内細菌のバランスによって変化します。ビフィズス菌たっぷりの健康的な腸内活動を表すのは、白みがかった黄色の赤ちゃんの便ですが、成人がこんな便を出すのは無理な話。食事の内容によっても左右されますが、基本は茶色がかった黄色で、黄色に近いほど「いい便」と言えます。

黒っぽい便:悪玉菌が腸内に増えている証拠。胃や十二指腸、小腸などに潰瘍や腫瘍ができて出血している可能性もあります。

灰色の便:脂肪分の摂りすぎ、肝臓、すい臓、胆のうに異常がある可能性があります。

赤い便:大腸の出血や痔、大腸がんの可能性があります。

上記のような色の便が出る場合、それが一時的なものであれば、食べ物の色素や服用している薬の影響であったりして特に問題はありません。しかし、長期にわたってこのような便が出る場合は、体の器官に異常がある疑いがあるので注意が必要です。

●便のにおい

便の悪臭のもとは、腸内の悪玉菌。便はくさいものだと決め付けがちですが、腸内環境のよい人の便は、実はそれほどくさくないものです。悪臭のきつい便が出る人は、悪玉菌が大繁殖して有害物質を発生している可能性があるので、食事や生活習慣を見直しましょう。また、肉類などのたんぱく質を腸内細菌が分解する際にきつい臭いを出す物質を生産するため、肉類中心のいわゆる欧米型の食生活を送っていると便のにおいがきつくなる傾向があります。

●便の固さと形

便の形状は、便に含まれる水分量によって変わります。健康な便は通常70~80%の水分を含むとされ、まさにバナナの実のような固さと形でスムーズに排便されます。これより水分量が少なくなるとコロコロとしたウサギの糞のような形になりますが、これは便秘の人に多いタイプ。逆に形をとどめないほどゆるい水状の便は下痢の状態です。ちなみに「健康な便は水に浮く」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは食物繊維をたっぷり摂ると繊維質が多く密度の軽い便が出る、という説に基づくようです。しかし繊維質の多い食事を続けても便の比重には変化がなかったという研究結果もあるため、便が沈むからといって特別気にすることはないようです。

●便の量

排便の量は当然食事の量に影響を受けますし、イモ類や豆類など食物繊維の多い食品をたっぷり摂ると便の量も多くなります。一回の便の目安は150g程度とされ、目で見てバナナ1本半~2本分くらいの便が出ていればおおむね理想的な量の排便といえるでしょう。

 
腸内環境を整えて、快便生活を!
 

 
腸内環境を左右するのは、腸内細菌のバランス。腸内には500から1,000種類にも及ぶ細菌が存在するといわれ、その中でも乳酸菌などの善玉菌が多い弱酸性の腸内環境が健康な状態。しかし、食生活や生活習慣、ストレスなどで腸内細菌のバランスが崩れると、クロストリジウムなどの悪玉菌が増えてしまいます。悪玉菌が優勢になると腸内はアルカリ性に傾き、腸の働きが鈍くなります。それが便秘の原因となり、さらにその留まった便が悪玉菌の餌となり、腸内は悪玉菌の温床へ…と悪循環を始めます。そうなると、悪玉菌が発生する有害物質が腸壁から吸収され、血液にのって全身へ運ばれ、いろいろな病気やトラブルを引き起こす原因となります。便秘が続くと肌荒れや頭痛などの症状が出るのはこのためです。

悪玉菌は発がん性物質を作り出し大腸がんなどを誘発する原因にもなるので、たかが便秘と侮らず、規則正しい生活、食物繊維の多い食事、そしてたっぷりと水分補給を心がけて早めに解消しましょう。また、ビフィズス菌などの乳酸菌は乳酸や酢酸を出して腸に刺激を与え、運動を活発にして排便を促して便秘になるのを防いでくれるので、ヨーグルトなどの乳製品も積極的にとりましょう。

 
 大腸は、さまざまな病気の発信源といわれます。その腸内を正常な状態に保つことが、健康な体づくりの秘訣。その腸内の様子を知ることのできる便は、まさに健康のバロメーターです。最初は少し抵抗があるかもしれませんが、その貴重な「情報源」を水に流す前に、毎回観察する習慣をつけていきましょう。

 

 

ますます重要視される学校給食の役割(2007年5月)

 

ますます重要視される学校給食の役割

社団法人 茨城県栄養士会

 
 
 
 

  「給食の用意ができました」

 
「お当番さん、ごくろうさまでした」

 
「それでは、いただきますをしましょう」

 
「いただきます」

 
4月に入学した小学1年生の学校給食が始まってから1か月余り。

 
ところが、あれあれ、

 
「ぼく、野菜はダメ」

 
「魚に骨があるよ」

 
「豆はきらい、わたし食べない」

 
と子どもたちの声。箸の持ち方もあやしいようです。ごはんや汁の食器を持たなかったり、おかずやごはんを一品ずつ食べ、食べ終わるとまた次のおかずを食べるという食べ方をし、全体をまんべんなく食べることができない子もいます。食事の様子は、まさに、家庭を写す鏡です。

 
学校給食は年間約200回実施されています。1年間の食事数にしてみれば6分の1にすぎないのですが、授業日に毎日実施される日常生活に欠くことにできない食事時間ですから、給食の時間の特性を生かした給食指導を実施することが可能です。学校給食は通常、授業日の昼の時間に繰り返し行われるものですから、この時間に繰り返し給食指導をすれば、児童生徒への望ましい食習慣の育成を図ることができることはもとより、準備・会食・後かたづけなど家庭生活では培われなくなりつつある生活体験の一連の実践活動の場ともなります。

 
毎日の学校給食における実践活動を通して正しい食事のあり方や望ましい食習慣の形成をはかり、将来にわたり健康で生活することができる児童生徒を育てることが学校給食に課せられた大きな役割です。

 

 

 

バランスのとれた食事で、毎日の健康を!(2007年4月)

 

     
 
4月のテーマ:
バランスのとれた食事で、毎日の健康を!
 進学、就職、転勤などなど、この4月から新しい生活が始まったという方も多いのではないでしょうか。新しい生活に乱れてしまったリズムも、そろそろ慣れてきた頃だと思います。そこで、今回は生活のリズムの見直しとあわせて「食生活」のリズム(バランス)について考えてみましょう。
 
     

 

まずは意識的に『一汁三菜』の食卓を
 

バランスのとれた理想的な食事の基本は『一汁三菜』と言われますが、これはご飯(主食)・汁もの・3種類のおかずを表し、昔から日本の食卓に取り入れられていた考え方。この『一汁三菜』の食事はたくさんの食材を使うので、自然と栄養のバランスがよくなります。
image●主食

主食となるのはご飯やパン、麺類などの炭水化物。忙しい朝は手軽なトースト、昼はさっぱり手早く食べられるお蕎麦など、状況や好みに応じて選ぶことができますが、基本はやっぱりご飯です。ご飯は太ると思われがちですが、糖質やたんぱく質、食物繊維を多く含み、パンより腹もちがいいので、一食毎をしっかり食べることで間食を防止できます。また、まぜご飯や丼ものなどにすれば、それだけでおかず1品分と考えることができます。

●汁もの

ご飯といえばお味噌汁ですが、具沢山の豚汁やけんちん汁、野菜たっぷりのミネストローネなど、工夫次第でこちらもおかずの1品とあわせることができます。お鍋でイチから作るとなると意外と手間のかかるスープ類も、お湯を注ぐだけのカップスープや野菜ジュースなどを利用すれば手軽に取り入れられますね。

●おかず

「3菜」といっても、これはもちろん目安の数字。目玉焼きや納豆1パックでも立派な1品になりますし、例えば肉野菜炒めや筑前煮など、1品で色々な食材を摂ることのできるボリュームたっぷりのおかずなら2品分と考えることもできます。おかずの品数を多くすればそれだけ色々な栄養素を摂ることができますが、言い換えれば1品に使う食材を増やせば品数を無理に多くする必要はありません。あまり堅苦しく考えず、冷凍食品やお惣菜なども利用しながら上手に「手抜き」するのも『一汁三菜』の食卓を毎日続けるコツです。

●果物

『朝の果物は金』という言葉を聞いたことがありますか?果物に多く含まれる糖分(果糖)は体に吸収されやすく、睡眠中に失われたエネルギーを効率よく摂取するのにぴったりの食材としてこう呼ばれているのです。逆に『昼は銀、夜は銅』とも言われますが、これは実は間違いとの説も。果物は甘い=糖分が高いから夜中に食べると太るというイメージがあるようですが、カロリー自体は野菜より低いものが多いのです。不足しがちな食物繊維も補うことができるため、朝に限らず1日100g(りんご約1個分)を目標に食べると良いでしょう。

毎食『一汁三菜』の食事は難しいという人は、例えば時間のある夕食だけでも、品数を多めに『量より質』の食卓を心がけましょう

 
理想的な食生活の指針は『食事バランスガイド』にあり
 

image飲食店やスーパーマーケットなどで、いろいろなメニューのイラストがちりばめられた「コマ」のデザインを見かけたことがありますか?これは『食事バランスガイド』と呼ばれるもので、一日に「何を」「どれだけ」食べるとバランスのとれた食生活になるかという目安を表しています。きちんと3食とっていても、栄養素が偏っていてはバランスのとれた食生活とは言えません。まずは1週間、バランスガイドに沿って食生活をチェックしてみましょう。

※詳しくはコチラのページを→

知っていますか『食事バランスガイド

 
朝昼晩、きちんと3食を
   3食のうち、「朝ごはん」が一番大切というのは皆さんよくご存知のことだと思います。確かに、寝ている間に下がった体温を上げ、これから始まる1日の活動のエネルギー源を補給するために朝食はとても大切。朝は忙しく、つい朝ごはんを抜いてしまうという人も多いと思いますが、少し早起きしてでも是非食べて欲しいものです。また、休日など、朝食をお昼ご飯と一緒に「ブランチ」として済ませる人もいますが、やはりなるべく1日3食を守って欲しいところ。遅めの朝食なら量を少なく、また昼食の時間をその分少し遅めにするなどして、毎日3食を心がけましょう。
 
 
 毎食バランスのとれた食事を摂るのは大変という人も、まずは1日1回『一汁三菜』の食事を心がけるところから始めましょう。そうすれば、毎日とは言わなくても週単位でバランスのとれた食生活になっていきます。そしてバランスのとれた食事に加え、食事のときはできるだけ「じっくり味わって」食べることも大切。おいしさを感じる器官は、舌よりも目といわれます。新聞やテレビを見ながらの食事や、見るからに寂しい食卓では食事のおいしさ、楽しさは感じられませんよね。また、目で見て、鼻で嗅いだ食べ物の情報が脳に伝達されると唾液が出て、消化を助けてくれます。1日1食、家族そろって『一汁三菜』の食卓を囲んでみませんか?

 

 

脂肪をためない食生活  ――メタボリックシンドロームにならないために(2007年4月)

 

脂肪をためない食生活
 ――メタボリックシンドロームにならないために

社団法人 茨城県栄養士会

 
 
 
 

1.メタボリックシンドロームとは?

メタボリックシンドローム

腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上を「要注意」と規定。これに下の2項目以上が該当する場合、「メタボリックシンドローム」と診断されます。

腹囲

男性:85cm以上

女性:90cm以上

+

1.血圧

収縮期血圧:130mmHg以上

かつ(または)

拡張期血圧:85mmhg以上

2.血清脂質

中性脂肪値:150mg/dl以上

かつ(または)

HDLコレステロール値:40mg/dl未満

3.血糖

空腹時血糖値:110mg/dl以上

 脂肪が体内に過剰に蓄積された状態が肥満です。

メタボリックシンドロームのベースとなるもので、特に内臓のまわりに肥満がたまる内臓脂肪型肥満(りんご型肥満)が問題なのです。

2.あなたは大丈夫?

◇ エネルギーとりすぎていませんか

「脂っこいもの」「甘い物」好き、外食はコンビニ食、ファーストフード、過度の飲酒はエネルギー過剰の原因となります。

◇ 不規則な食生活していませんか

「朝食抜き」など欠食が多いと、活動力低下や代謝が悪くなり、エネルギーを消費しにくくなります。

「夜遅くの食事」は栄養が吸収されやすく体脂肪の蓄積につながります。

3.食事のポイント

<一日三食、規則正しく、よくかんで>

◇ 一食ごとに主食、主菜、副菜でバランスよく

  • 主菜は魚、肉、玉子、大豆製品
  • 副菜は野菜中心、一日350g以上を植物繊維をたっぷりと・・・芋類、豆類、きのこ、海草もかかさずに

◇ 脂肪は質も考えて、一日大さじ1~2杯、植物油を中心に

  • 動物性脂肪(肉の脂身、バター、外食のカツなど)は体内でコレステロールをを蓄積します。

◇ 甘い菓子、飲料、アルコールは控えましょう

  • 中性脂肪の材料やインシュリンの作用にも影響があります。できることから、さあ実行、そして続けましょう。
 

 

 

イライラ、憂鬱… 女性の悩み・更年期障害(2007年3月)

 

     
 
3月のテーマ:
イライラ、憂鬱… 女性の悩み・更年期障害
 まだまだ冷え込む晩もありますが、日中の陽射しは暖かく、随分と春めいてきました。花粉の悩みを除けば、なんとなく気持ちもウキウキする季節です。しかし、季節に関係なくイライラしてしまいがちなのが女性の更年期。今回は更年期障害についてお話します。
 
     

 

更年期障害とは
 

Images人間の身体構造と生理機能において人生における大きな転換期となるのが、子供から成人になる思春期と、成熟期から老年期へと向かう更年期。更年期とは、生殖期(性成熟期)と非生殖期の間の移行期を指し、女性の卵巣機能が衰退し始めて消失する時期にあたります。卵巣機能の消失とはつまり閉経のことで、閉経前後における女性ホルモン(エストロゲン)の減少が主な原因となって起こる様々な症状を、一般的に更年期障害と呼びます。

エストロゲンは40歳頃から減少し始めると言われ、閉経後も数年間は分泌されます。更年期障害には大きく分けて2つの発現時期があり、エストロゲンの低下に伴い急速に発現する早発症状と、閉経後数年から10年以上してから発現する遅発症状とがあります。ちなみに、日本人の自然閉経の平均年齢は51歳で、45歳から56歳が閉経の正常範囲とされています。

 
更年期障害の主な症状
 

更年期障害の代表的な症状にあげられるのが、のぼせ(hot flash)、ほてりで、エストロゲンの欠乏により脳の自律神経調節中枢の機能が変化するために起こると考えられています。突然熱感が起こって体から顔や手足へと広がり、発汗や動悸を伴うことが多くあります。また、エストロゲンの低下による中枢神経の機能変化、閉経による女性としての喪失感などによって不眠やうつ症状といった精神的な症状が起こることもあります。

エストロゲンの低下は他にも様々な症状を引き起こし、膀胱および周辺の筋肉低下による頻尿や失禁をはじめ、骨粗しょう症や高脂血症、動脈硬化などの病気を引き起こすことも。また、閉経後(老人性)膣炎による粘膜の萎縮や分泌物の減少によって、膣前庭の灼熱感、掻痒感、乾燥感および性交痛が出現し、性欲も減退します。

●早発症状

のぼせ、ほてり、発汗異常、動悸、めまい、うつ状態、イライラ感、不眠、頭痛、手足のしびれ、蟻走感(皮膚を蟻が這っているような感覚)など

●遅発症状

性交痛、閉経後(老人性)膣炎、尿道炎、失禁、皮膚萎縮、肥満、腰痛、肩こり、骨粗しょう症、骨量減少症、動脈硬化など

 
更年期障害の診断と治療
   更年期障害の診断は、上に挙げたような自覚症状に加え、血中のエストラジオール濃度、LH(黄体化ホルモン)やFSH(卵胞刺激ホルモン)の上昇を測定することで行い、主な治療はエストロゲンを補充する女性ホルモン補充治療です。また、精神症状に対しては精神安定剤や漢方療法が用いられることもあります。

一般的に、更年期障害は「身体がほてる」「イライラする」など、“我慢すれば過ごせる”ものとして捉えられがちですが、女性ホルモンの減少によって起こる骨粗しょう症や動脈硬化などの深刻な病気との関連が注目されるようになり、治療に関しても見直されてきました。

 
 
 女性にとっての更年期は、ホルモンなどによる身体的な変化に加え、心理的、精神的にも大きな変動のある時期です。女性としての喪失感や、子供の成長によって母親としての存在意義が薄れることへの孤独感、夫や自身の定年や老後に対する不安など、様々な環境の変化によってうつ状態が助長されることも。しかし、体力や性的能力の衰えに対して知性や情緒の面では円熟する時期でもあります。「我慢すれば過ぎる」「恥ずかしい」と悩むよりも、診断と適切な治療を受けて心身ともに快適に過ごせるようにしていきましょう。

 

 

旬の食材を食べよう!!(2007年3月)

 

旬の食材を食べよう!!

社団法人 茨城県栄養士会

武石 愛子 
 
 
 

 最近、旬がなくなったといわれます。

ある時期にしか食べられなかった食材が、野菜作りの多様化、又、養殖・輸送・冷凍技術の発達で季節を問わず、いろいろな種類の食品が手に入り「旬」を感じられなくなった様な気がします。

しかし、野菜・果物・魚介も自然のものがある以上、旬があります。

1.旬って?

img 
旬とは、その食べものがいちばん多くとれる時期であり、いちばんおいしい時期でもあります。

そして、安価で栄養価が高くもっとも味のよい時期です。

旬の素材を食べることが、本当に健康で豊かな食卓といえます。

2.春の旬

ここで春の食材を紹介しましょう!!

春の旬やはり「旬」と言えば

野菜・果物でいえば路地ものが出回るとき。
   果物は食べごろがあり、完熟していなければ鮮度が良くても美味しさを味わえません。

価格でなく美味しい時期が基準です。

魚介類では、水揚げ量がピークを迎えたとき。
   
魚介類に関しては、美味と感じるのは、当然脂ののった時期、産卵期前の時です。

春に産卵するものは冬が旬、秋に産卵するものは、夏が旬と言えます。

3.春の食材「たけのこ」

竹の子春の旬といえばやはり「筍」ですね。

ここで「筍」について少し紹介します。

・栄養と健康物質

ビタミンC・B2とカリウムをわずかに含みます。

カリウムは体内のナトリウムを排泄してくれるので高血圧に効果があります。

又、食物繊維が多く便秘や大腸がん予防ができます。

・食べ方のヒント

わかめと一緒に煮る「若竹煮」や「木の芽和え」は春の訪れを告げる料理です。

先端の柔らかい部分は「筍ご飯」・柔らかい皮(姫皮)は「お吸い物」に。

「食べ合わせ」レシピ紹介

《五目スープ》 

食物繊維+油脂(ごま油)+水分(スープ)=便秘

食物繊維を摂って腸壁を刺激し大腸の運動を活発に!

油脂不足・水分不足も便秘の原因となるので、油脂・水分補給!

材料   作り方
・鶏肉 100g
(酒・醤油・生姜汁)
・木くらげ 5g
・春雨 15g
・筍 50g
・人参 1/3本
・白菜 2枚
・絹さや 20g
・ごま油 大2
・スープ 5カップ
・塩 大1/2
・醤油 小2
・コショウ 少々
  ① 鶏肉は細く切り、酒・醤油・生姜汁各小1/2で下味をつける。きくらげはもどし食べやすい大きさに切る。

② 春雨ははもどしてざく切りにする。

③ 鍋にごま油を熱し①と薄く切った筍、短冊切りした人参、ざく切りした白菜、絹さやを炒める。

④スープを加え煮立たせ、アクをとり②を加える。塩・醤油・コショウで調味する。

日本には美しい四季があります。

食べ物によって季節を感じるという食文化を大切にしましょう!!

 

 

 

抜け毛が気になる、コレって薄毛のサイン?(2007年2月)

 

     
 
2月のテーマ:
抜け毛が気になる、コレって薄毛のサイン?
 暦の上では春になりました。暖冬ということもあり、今年の花粉飛散は早めに始まるとの予報も出ているので、花粉症の方はマスクなどの対策をしてでかけましょう。さて、今回は「髪」をテーマにお話します。男性だけでなく、女性にも増えてきた薄毛の悩み。その原因や予防策について解説していきます。
 
     

 

薄毛の定義としくみ
 

Images 薄毛とは、髪が生えかわるたびに細くなり、頭髪にコシやハリがなくなって全体や一部的にボリュームがなくなってくる状態のことで、頭髪の量のことを指す言葉ではありません。つまり、髪の生える密度自体は変わらなくても、頭髪が細くなることで量が減ったように見えることも多いのです。

髪の毛には、生えかわる周期(ヘアサイクル)というものがあります。生えた髪の毛が、おおよそ2~7年ほどの成長期のあと、2,3週間ほどの移行期を経て、3,4ヶ月の休止期に入ると抜け落ち、そして3,4ヶ月後にまた成長期になり、毛が生えはじめるというものです。成長期に入って伸び始めた毛は、細い毛から始まりだんだん太くなってきますが、このとき、普通の太さの毛の中に短く細い成長期初期の状態の毛が多く見られるようになってくると薄毛のサイン。これは成長期が短縮したために起こるもので、毛が伸びたり太く成長する前に、移行期や休止期になってしまうのです。さらに進行すると、ヘアサイクルがどんどん短くなって休止期が長くなり、やがて毛包(毛を作る組織)自体が消失していきます。そこからは毛が生えなくなるため、密度が薄くなっていくのです。

 
男性の薄毛と女性の薄毛
   薄毛になる原因は、一般的に男性ホルモンの影響が大きいとされますが、全身の体毛を比べると分かるように、本来男性ホルモンは毛包を大きくしたり、毛を太くしたり、成長期の期間を長くする作用があるものです。その男性ホルモンが何故頭髪に関してはマイナスに働くのか、その原因はよく分かっていませんが、精巣機能をなくした男子は薄毛にならないという調査結果も報告されています。

男性の薄毛に多いのは、生え際が後退したり、つむじや頭頂部周辺が薄くなってくるタイプですが、女性に多いのは頭頂部分のみ薄くなってくるタイプです。薄毛に悩む女性が増えたのは、ヘアカラーやパーマをする人が増えたこと、過剰なシャンプーなどがその大きな原因のひとつと言われているので、若いうちから注意が必要です。

 
円形脱毛症について
   徐々に進行する薄毛とは違い、突然発症するのが円形脱毛症です。頭髪が円形もしくは楕円形に抜けてしまうもので、ひげや眉毛が抜けてしまう場合もあります。そのメカニズムについては解明されていませんが、なんらかのストレスがきっかけとなるケースが多いようです。脱毛箇所の範囲はほんの豆粒ほどのものから500円玉大のものまで様々で、多くの場合かゆみなども起こらないため、気付かないうちに進行していることも多いものです。気付いたことが余計ストレスとなり、脱毛を進行させてしまうこともあるようですが、一般的には自然に回復する症状でもあります。かゆみや腫れを伴う場合などは、皮膚科など医師に相談しましょう。
 
 
 薄毛は遺伝すると言われますが、薄毛そのものが遺伝するというより薄毛になりやすい体質を受け継いでいると言ったほうが正しいでしょう。ストレスや生活習慣なども薄毛の原因と思われていますす。しかし、実際には毛根に充分な栄養が行き渡らないことで毛髪の成長が妨げられることのほうが大きいようです。そこで、注意したいのは頭皮の健康。過剰なシャンプーは頭皮を乾燥させ、毛根を弱めてしまいますし、すすぎ残しもよくありません。生活習慣の乱れや喫煙なども血管を収縮させて栄養の流れを妨げるのでご注意を。育毛剤などを使用する場合も、頭皮を清潔に保った上で使いましょう。

 

 

知っていますか『食事バランスガイド』(2007年2月)

 

知っていますか『食事バランスガイド』

社団法人 茨城県栄養士会

 
 
 
 

最近目にするコマのデザイン

・・・食事バランスガイドっていったいなに?!

食事バランスガイド 「食事バランスガイド」は、望ましい食生活についてのメッセージを示した「食生活指針」を具体的な行動に結びつけるものとして、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかの目安を分かりやすくイラストで示したものです。

 平成17年6月に策定されました。

 見る人にとって最も目につく上部より、十分な摂取が望まれる主食、副菜、主菜の順に並べ、果物と牛乳・乳製品については、同程度と考え、並列に表現されています。形状は、日本で古くから親しまれている「コマ」をイメージして描き、食事のバランスが悪くなると倒れてしまうということを表しています。また、コマが回転することは、運動することを連想させるということで、回転(運動)しないと安定しないということも、合わせて表現されています。

菓子・嗜好飲料:
食事の量の中でバランスを考えて適度にとる必要があること、一方で、食生活の中で楽しみとしてとられている現状があり、食事全体の中で量的なバランスを考えて適度に摂取する必要があることから、コマを回すためのヒモとして表現されています。

水やお茶は食事の中で欠かせないものであるが、料理等にも水は多く使用されていることから、具体的な量を示すというよりは、象徴的なイメージとして軸で表されています。

フードガイド(図表)
(イラストをクリックすると拡大します)

フードガイドの区分:

主食、主菜、副菜、果物、牛乳・乳製品の5つの料理区分を基本としています。
各料理区分の量的な基準及び数え方:
各料理区分毎に、1日にとる料理の組合せとおおよその量を表しています。
単位:
「1つ(SV:)」と表記されます。(SVというのはサービングの略であり、各料理について1回当たりの標準的な量を大まかに示します)(イラストをクリックすると拡大します)
具体的活用例
「食事バランスガイド」を使って、あなたも食事のバランスをチェックしてみましょう!!

チェックはこちらから→ 内閣府「政府公報オンライン」

 

 今後ファミリーレストランなどの飲食店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の食品産業における活用を通じた普及活用、地域(健康づくり教室など)や職場を通じた普及活用として利用されていきます。みなさんも是非活用して健康づくりに役立ててください

 

 

 

新しい一年の始まりに、心の健康を考える(2007年1月)

 

     
 
1月のテーマ:
新しい一年の始まりに、心の健康を考える
 みなさん、新年明けましておめでとうございます。健康のこと、生活のこと、仕事や勉強のこと…新しい年の始まりに、一年の目標はたてましたか?お正月休みで緩んだ生活のリズムもそろそろたて直して、今年も元気にスタートしましょう。

さて、ここでは毎回身近な病気などについてお話ししていますが、今回は少し趣向を変え、精神障害のひとつであるPTSD(外傷後ストレス障害)について触れていきます。

 
     

 

PTSD(外傷後ストレス障害)とは?
 

 PTSDとはPost-traumatic Stress Disorderの略称で、戦争や自然災害、事故、家庭内暴力や性的虐待など、自分自身や身近な人の生命や身体に脅威となる外傷的な出来事を経験した後に長く続く心身の病的反応を指します。日本では阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件に関連して大きく取り上げられ、注目されるようになりました。

<主な症状>

PTSDでは、以下の3症状が同時に出現します。

1.再体験

原因となった体験を、意図しないのに繰り返し思い出してしまう(フラッシュバック)ことや、悪夢など。

2.回避

原因となった体験を思い出してしまうような、類似した出来事を意識的もしくは無意識的に避け続ける行動をとること、感情や感覚などの反応性の麻痺など。

3.持続的な覚醒亢進(こうしん)

交感神経の亢進(高ぶる)状態が続き、睡眠障害や神経過敏、集中困難などイライラした状態が続く。

 
PTSDにかかるケース
   PTSDは、心的な外傷を受けた後、上記のような症状が数週間から数ヶ月の間に起こり、数年に渡って続く精神障害です。通常ならば衝撃的な出来事を体験した場合でも、時が経つにつれてそのショックや記憶は薄れていくものですが、受けたショックがあまりにも大きすぎる場合などに発症するとみられています。ただし個人差も大きく、同じような体験をした場合でも発症する人としない人がいるように、個人の性格やストレスへの過敏性など、様々な要因が発症に影響していると研究が進められています。また、幼児期など自我の未発達な段階で受けた大きな心的外傷は特に危険性が大きいと考えられ、早期の対応が必要とされています。

PTSDの重症度には大きな幅があり、比較的軽症のものから重症のものまで、患者によって様々です。大災害や大事故でなくても、家庭や学校、会社内など日常生活をとりまく環境のなかで受けた心的外傷が発端となることもあり、昨年も大きく取り上げられていた「いじめ」問題も重要な要因のひとつと言われています。

 
治療について
   現在のところ、主な治療は薬物療法と心理療法です。睡眠障害や過敏症状などには抗不安薬、抑うつ症状には抗うつ薬などが用いられ、心理療法ではカウンセリングを中心に体験を言葉にする行動療法などが行われています。しかし、多くの患者は、原因となった体験を思い出したくないがために、それについて語るのを避ける傾向があり、周囲からの協力や理解を得にくいという問題点があります。誰かに話して相談できる態勢づくり、また、周囲がその人を心理的に支えていくことが治療の第一歩です。

医療機関では、精神科・心療内科が本症の診療に当たっています。

 
 
 残念ながら事故や事件は後を絶たず、被災者や被害者、その家族の苦しみは続いています。ただし、PTSDはあくまでも回復可能な病気です。原因となった心的外傷を取り除くことはできませんが、その体験が日常生活に大きな障害を起こさなくなることが第一の回復と考えられます。原因となるような事故や事件が起こらないことを願いつつ、今年も一年明るく健康に過ごしましょう!

 

 

障害のある子どもの食生活(2007年1月)

 

障害のある子どもの食生活

社団法人 茨城県栄養士会

茨城キリスト教大学

医学博士・管理栄養士

大和田 浩子

 
 
 
 

(1)障害のある子どもの摂食機能

 「食べること(摂食)」、「飲み込むこと(嚥下)」は人の最も基本的な欲求です。これらは、生命維持の原点ですが、生まれもっている体の機能ではなく、成長とともに学習によって身につけていくものです。しかし、知的発達障害や運動障害をもつ子どもの多くは、十分な学習ができないために摂食・嚥下機能の発達が遅れたり、発達が途中で停止したりします。

(2)摂食機能に応じた食物形態と食事介助

image 障害のある子どもの摂食機能を改善するためには、健常な子どもの発達過程との違いをよく理解したうえで、発達を促すような食物形態や介助方法を実践していくことが大切です。専門の医師・歯科医師による摂食・嚥下機能の診断を受け、専門家による指導のもとで、個々に合った食物形態や訓練の方針を決めるのがよいでしょう。適切な食物形態と食事介助が行われると、障害のある子どもの発達を促すことができます。

1)適切な食物形態

 
基本的には、摂食機能に応じて健常な子どもの離乳食の形態と同じように変化させていきます。柔らかくしたり、トロミをつけたりして食べやすくします。また、固さや形を適切に変化させながら摂食・嚥下機能の訓練をし、発達を促します。月齢や年齢で区切るのではなく、各々の子どもの発達段階がどこにあるのかを観察し、子どもにあったペースで進めていきましょう。

2)適切な食事介助

  食事介助を始める前に、個々の子どもの障害の程度、摂食・嚥下機能の発達過程を把握しておくことが大切です。それによって、より円滑な介助をすることができます。

〔介助の際の留意点〕

(1)食物の認識

 
食べるという行為は、食べ物を見たり、匂いを嗅いだり、食べる前から始まります。介助をする際にも、障害のある子どもがどのような食物かを認識できるように、言葉をかけましょう。

(2)摂食の姿勢

  食事の時に、安定した姿勢がとれるかどうかが摂食機能を左右します。嚥下時に容易に食べ物を咽頭に運べる軽度の子どもでは、体の角度は床面に対して45°~90°を目安とします。ただし、首が座っていない場合には、45°くらいの方が介助がしやすくなります。一方、嚥下時に自力で食べ物を咽頭に運べない重度の子どもでは、体の角度は床面に対して15°~45°を目安とします。これが誤嚥を起こしにくい角度となります。

障害のある子どもの食事は、時間がかかるものです。長時間疲れずに食事がとれるように、しっかり姿勢を支えてあげることが大切です。ゆっくりと食事ができるよう介助者も介助しやすい位置で椅子に座りましょう。

(3)適切な自助具・食器

 手づかみ食べは、持つ、つかむ、といった手の機能の発達を促し、目との協調運動の学習にもなります。十分に手づかみ食べを行ってから、スプーンを使用するようにします。そして、スプーンに使い慣れてから、フォークや箸に移行するようにします。

適切な自助具や食器を使うと、摂食がしやすくなり、食事を楽しむことができます。握る力の弱い子どもは、軽くて太い柄のスプーン(a)を使うとよいでしょう。握る力がなかったり、指が変形してスプーンやフォークの柄を握れない子どもは、ホルダーに手を通すだけで使えるスプーンやフォーク(b)使うとよいでしょう。箸が自由にあやつれない子どもは、箸の握る側にバネを付けた力を入れなくても握れる箸(c)を使うとよいでしょう。その他、こぼれにくく、持ちやすく工夫されたコップ、すべり止めやすくいやすい形の皿なども必要に応じて利用しましょう。

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(4)感覚過敏

  重度の障害のある子どもは、顔、口唇、口腔内に感覚過敏が発生しやすく、硬直が全身に及ぶこともあり、食べ物の摂取が難しくなります。そのため、食べられる場合でも、スプーンができるだけ口唇に触れないように、注意深く介助することが大切です。

(5)食事はコミュニケーション

  待っているのに食べ物を口に運んでもらえなかったり、せっかちに口に押し込まれたり、思うように食べさせてもらえないと、食事が苦痛になります。介助者からの一方通行にならないように、信頼関係のなかで楽しい食事環境をつくりましょう。

(6)食後の口腔ケア

食後には必ず口腔ケアを行いましょう。